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■道路局(宇佐美さやか あらき由美子)

■道路局(宇佐美さやか)

首都高工事による住宅被害補償は住民が不利にならないよう市は役割発揮を

宇佐美議員:宇佐美さやかです。党を代表し、質問します。

首都高速道路株式会社が事業者として建設し横浜市が出資する、横浜高速環状道路北線のシールドトンネル工事によって、鶴見区の馬場出入口周辺で地盤沈下が起こりました。昨年8月の報道から7か月が経ちます。これまでの経緯と地盤沈下の原因は、メカニズムは何だったのか、合わせて伺います。

道路局長: 昨年8月27日、28日の2日間で首都高速道路株式会社が、補償に関する説明会を開催して、その後相談窓口を設置し、ご相談を受けた方々に同社が戸別訪問を行っています。 平行して、有識者からご意見を頂きながら地盤沈下の発生メカニズムの検証が進められてきました。昨年11月の地盤変動監視委員会の検証結果ですが、圧縮性の高い有機質土層が存在しており、地中で掘削工事により湧水を生じて、それにより地下水位が低下したため、この有機質土層が、圧密されたことが地盤沈下の大きな要因であると考えるということが確認されています。

宇佐美議員:有機質土層というのは枯れた葉っぱが積もったところと聞いています。

私は、昨年8月27日の首都高が神奈川区で開いた住民説明会に参加しました。首都高は「家屋補償の流れ」という資料のみを出して、地盤沈下の起きている範囲や状況などは説明しませんでした。住民のみなさんの「どの範囲で、どれくらいの影響が出ているのか」という質問には「個人情報ですのでお答えできません」の一点張りでした。これには、住民のみなさんから「何のための説明会かわからない」という声が出るのも当然だと思います。首都高のこの態度には、局としてどう臨んできたのか、伺います。

島田横浜環状道路調整担当理事:今局長から答弁あったように、昨年の8月に首都高株式会社により、各区の説明会が開催されましたが、本市としては、地域の皆様に寄りそった立場ということで説明会の司会を行うなど、連携して対応していきました。また、説明会の後には、本市からも同社に地域の皆さんの不安が解消されるよう丁寧な対応を行なってほしいということで、要請しています。今後も被害を受けた皆様には、首都高速道路株式会社によって適切な補償がされることと思います。

宇佐美議員:この工事によって、実際に、本当にすごい被害が出ています。首都高は「個人の財産価値を棄損するおそれがある」として、被害件数を局にも公表していないと聞いています。件数のみでしたら、財産価値を棄損するおそれもないし、個人情報ではないと思います。説明会以降、首都高への相談何件と対応した件数の内訳を伺います。

島田横浜環状道路調整担当理事:本年2月末までに首都高速道路株式会社の相談窓口で120件の家屋被害に関する相談を受けて、それら全てに戸別訪問を行っています。補修方法など個別に調整しているところがありますが、2月末までに26件の補償工事を実施したと同社より報告を受けています。

宇佐美議員:120件が多いか少ないかわからないんですけども、ちゃんと対応していただきたいと思います。

昨年の、決算特別委員会局別審査で、局長は「最新の技術と十分な調査を行い実施したものですが、ある意味想定外の場所で地盤沈下が生じてしまった」と答弁されました。しかし、当該地域に60年以上住んで居る方は「昔、工場を壊して更地にしたら、水が半年出続け、アパート建てるのが遅れた。ここは水が出る。こんな所に穴開けるなんて、大変なことになると思っていた」と話されました。この様な地盤であったことは、事前の調査ではわからなかったという事になります。想定外の所で起きたというのは、調査の範囲が不十分だったのではないかと想定できますが、如何ですか。

中島道路局長:この調査の範囲については、首都高速道路株式会社において、トンネルに関する技術指針や、過去のトンネル工事の実績に基づいて、適切に設定されたものと考えています。しかしながら、今回、想定していた影響範囲を超える箇所で地盤沈下が発生したので、本市としても、残る工事について、地下水位や地盤変動を監視しつつ、有識者の意見を頂きながら、慎重に進めるよう同社に求めているところです。

宇佐美議員:国の基準を変えた方がいいんじゃないかと思いますけど、これからもやっていく事業でも同じようなこと起こるかもしれませんので。

私が、当該地域を歩いると「家が傾いてきたから、訴えようと思っている」とか「近所の井戸が200年涸れることなかったのに、涸れたと聞いた。家の井戸は横浜市の消防局から消火用の井戸として指定されているけど、水位が半分にまで減った」という声も出ています。

市民が困っているんです。首都高任せで良いわけはありません。この状況を局としては、どうお考えですか。今後の対応を伺います。

中島道路局長:現在の状況ですけど、まず地盤沈下が進行していないと、首都高速道路株式会社より報告を受けています。本市から地盤沈下のメカニズムを、わかりやすく取りまとめて、各戸への戸別配布による丁寧な説明を行うように対応を要請しているところです。同社からも丁寧に対応していくと回答を受けています。本市としても、地域の皆様のご不安が解消されるよう、引き続き、首都高速道路株式会社と連携してしっかりと取り組んでいきます。

宇佐美議員:横浜市も(工事に)出資しているのですから、しっかり対応していただきたいです。住民のみなさんの大事な財産である家屋が棄損されたという問題です。市民の財産を守る立場という意味でも、被害状況をしっかり把握して、住民が不利になるようなことがないように対応をお願いし、質問を終わります。

 

■道路局(あらき 由美子)

交通不便地域の足の確保策にこそ予算を充てるべき

あらき議員:道路局の予算で、突出しているのが高速道路の整備費で、今年度の約335億円から新年度で352億円と17億円も増えています。高速道路関連の整備事業費を優先しているために、市民に身近な施策が思うように進んでいないことなどを例に挙げて、質問していきます。

まず、地域交通サポート事業についてです。この事業ができてから、これまでに29地区から申請があり、本格運行は12地区、実証運行は4地区となっていますが、これまでのこの事業の予算はどう推移しているか、伺います。

松尾計画調整部長:事業開始当初の平成20年度は、1,500万円でしたが、平成26年度以降は、2500万円程度で推移しています。

あらき議員:正確に答えていただきたかったのですが、今年度が2460万円、新年度予算で1966万と本当に少ない予算でよくやってるいと思います。国でも2014年に、持続可能な地域公共交通ネットワークの再構築を図るため、地域交通の活性化および再生に関する法律の一部を改正し、公布・施行となっています。この法を受けて、横浜市としてどのように取りくんできたのか、伺います。

中島道路局長:この法律は、人口減少社会において地域の活力を維持し、評価をするためにコンパクトなまちづくりと連携しながら地域公共交通ネットワークを確保するということを目的としています。主にこういった問題が顕在化している地方都市などで取り組まれていますけど、横浜市としては、引き続き、地域交通サポート事業を中心にしっかりやっていきたいと思いますが、この法律に関しても、他都市の事例を十分に参考にしながら、また、本市の特性をふまえて、研究していきたいと考えています。

あらき議員:郊外部を中心に、高齢化とともに、公共交通機関として足の確保の要望は、ますます増える傾向にあります。この点でも、この地域交通サポート事業の期待は増えると思います。どのように取り組むのでしょうか。

道路局長:これまでも地域交通サポート事業は、グループ登録前からの相談、あるいはその需要を把握するための移動動向調査、また実証運行に対する補助など、それぞれの段階で、地域の取り組みを支援してきました。また、実証運行期間を延長するなど、制度の拡充を計ってきたところです。先ほども答弁しましたが、今後も、これまでの実績や経験を他の地区に生かすとともに、制度の改善をはかりながら、また地域のことをよく知っている区役所とも連携しながら地域交通サポート事業を推進していきたいと考えています。

あらき議員:1月29日から、青葉区で病院の送迎バスが地域の移動手段として、実証運行を開始すると聞いています。その内容についての説明お願いします。

道路局長:この事業は、青葉区の横浜総合病院にご協力いただき、病院が運行する無料送迎バスの空席を、対象地域に居住する高齢者の日常の移動手段として利用させていただくものです。本市は、搭乗者の傷害保険に加入するなどの支援をしていまして、30年度末までの実証運行を行う予定です。

あらき議員: スライドをご覧ください。

【スライド1,2】

道路局スライド (1)

道路局スライド (2)

これは私の地元の南区の三春台・清水ヶ丘地域で、ワゴン型バスを走らせる地域協議会で最近アンケートを実施しました。

これは私の地元の南区の三春台、清水ヶ丘地域では小型バスを走らせる地域協議会で最近アンケートを実施しましたで注目していただきたいのは、お出かけの移動手段で困っていませんかというのが7割、そして年齢別にみると70代80代、この辺がピークになっているというところです。

さらにもう一つ、どこに行きたいかという駅が出てきます。南太田の駅周辺、黄金町駅の周辺、そして聖隷横浜病院と、この辺りがピークです。何を言っているかって言うと、実は、保土ヶ谷区にある聖隷横浜病院が、井土ヶ谷・南太田・黄金町を巡回するバスを、4月2日から無料で1日8便運行することになります。これは交通局が聖隷病院から委託を受けて運行します。

このバスは、地域交通サポート事業に取り組んでいる「三春台・清水ヶ丘地域ワゴン型バスを走らせる市民協議会」が活動する地域とルートが一部かぶっているのです。これは病院が運行するバスですから、先ほど紹介いただいた青葉区のように、病院に用のある人以外は利用できない。一般の人たちは乗ってはだめなんですね。

ですので、この地域の方たちからは「せっかくこのようにアンケートをとってやっていたのに、なんで自分達がバスに乗れないのか」という声が届いているわけです。

残念だったのは、こういう移動手段を必要としているのに、この声が道路局サイドに入ってなかったのです。ですから、その辺の調整をしていただければ、なんらかの方法があったと思います。この点、どう受け止めていますか。

中島道路局長:私も、この話は最初からは存じていませんでした。そういう意味では、聖隷横浜に対する、特に南区民の期待が強いというのは承知していましたので、ある意味では残念なところがあるというのが感想です。

あらき議員:今後、やはり交通局サイドも、そういう点、本来は交通サポートやってるんですから、統括してできる方法考えたらもっとベターなものができたと思います。平原副市長、ぜひ、体制も大事だと思いますが、民間だけの頼りではうまくいかなくても、こうやってそのタイミングが合えば、もしかしたらもっと拡充する方法があったかと思います。ぜひ体制強化をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。

平原副市長:私も交通局の所管をしていまして、私も最初の事情を知っていなかったというのが正直なところです。少し残念だということは、本当に肌で感じています。

道路局を中心とした、この地域交通サポート事業ですが、地域への支援というのはもちろんですが、交通事業者とも連携して、またあわせて調整を一緒にやるということもやって、地域と一体で取り組んできたと思っています。

先生がいつもご指摘するように、高齢社会、それから人口減少ということで市民の皆様の外出の支援、これは本当になんとしてもやらないといけないのだろうと思っています。先ほど局長から答弁しましたが、地域の事情をよく知っている区役所、それから関係局ともきちっと連携して、今回の交通局のようなことが起こらないように、しっかりと市民の移動の確保をはかっていきたいと考えています。

道路局長:ぜひ、お願いしたいと思います。せっかくですから、体制強化っていうことで、私は道路サイドだけでやるというのは限界だと思っています。ですから、局は超えて、そういう専門部をつくっていくというのも今後の検討課題です。それから予算も増やす、この両面をお願いしたいと思います。

通学路や歩道の安全対策強化を

あらき議員: 次に通学路や歩道の安全対策について伺います。

歩道の整備で24億円の予算組んでいます。対象は70か所、スクールゾーン対策協議会での点検などを踏まえ、対応していると聞いていますが、これまでの事業の進捗はどうなっているのでしょうか。

新倉道路部長: スクールゾーン対策協議会での点検結果のうち、直ちに実行できる対策については、速やかに実施しています。また、対策時間を要する歩道設置などについても、順次対策を進めているところです。

あらき議員: 用地が確保できず歩道の設置や拡幅ができない狭い道路において、安全を確保するため、どのように対応しているのでしょうか。

中島道路局長: 歩行者のスペースを、まずは視覚的に認知をさせる「安心カラーベルト」を設置しています。また、物理的に幅を部分的に狭める、「狭さく」などによる速度抑制対策についても、取り組みを始めたところです。

あらき議員: 港南区での死亡事故がおきた通学路や自転車での事故を予防するために、どのように対策をしているのか、具体的に伺います。

道路局長: 港南区の事故現場ですが、こちらについては横浜市としては「安心カラーベルト」設置、それから「減速ドッド」といった路面表示、さらに部分的に「ガードパイプ」を設置して、道路を、狭さく上にすると言った対策をこうじているところです。また、自転車事故の予防対策としては、歩行者と自動車よる事故の予防は、大事だと思いますけども、基本的には歩道上を走っている自転車を、車道で走行するように、自転車の通行空間の整備を進めているところです。30年度は都筑区の新羽荏田線などで自転車通行帯の整備を予定しています。

あらき議員:車椅子やベビーカーを使う人たち、それから高齢者にとっても、数センチの歩道の段差でも障害になっています。市議団が行ったアンケートでも、歩道の段差解消の要望は非常に高い位置にあります。

バリアフリーの点でも、この予算の拡充は必要ですが、今年度の2億1700万円が、新年度予算で1億6000万円と減っています。どうして減るのか、そして駅周辺に限らず、地域のニーズに応えていくことは必要だと思いますが、合わせて伺います。

中島道路局長: これは、バリアフリー基本構想にもとづく施策として、色々やっているわけですが、市ヶ尾駅の周辺、あるいは本郷台駅周辺地区などで、工事が進んだということに伴って、予算が減少したものです。バリアフリーそのものは、ここのバリアフリー推進費のみならず、通常の道路の整備の中でも対応していますので、全体として大きく減っていることはありません。いずれにしても、駅周辺以外の場所も含めて、バリアフリーを進めていかなくてはならないので、道路の新設とか改良、あるいは色々な機会があると思いますので、様々な機会を捉えて、今先生がおっしゃいました歩道の勾配の改善など、バリアフリー化については積極的に取り組んでいきます。

あらき議員:中島局長は、元南区区長のですから、十分その辺はご存知だと思います。蒔田周辺だとか堀の内やむつみとか、本当に横断歩道は狭いし、それから歩道は全く狭くって、車椅子ではもう通れないところがあるので、ぜひ力点を入れていただきたいと思います。

踏み切りの安全対策など、市民の命守る施策に予算を

あらき議員: 踏切の安全対策について伺います。横浜市の踏み切り安全対策実施計画にもとづき、対策を行ってきたと聞いています。新年度の事業内容と予算額について伺います。

松尾計画調整部長:30年度は、鶴見区の生見尾(うみお)踏切、保土ヶ谷区の樹源寺踏切、これらへの跨線人道橋設置工事行います。また、鶴見区の古市場踏切、磯子区の杉田第二踏切の拡幅工事と進めていくこととしています。予算額としては3億9000万円を計上しています。

あらき議員:踏切安全対策としては、これまで連続立体交差による抜本対策を進めてきたほか、2006年度には「横浜市踏切5か年整備計画」を策定し、踏切の拡幅や跨線人道橋のバリアフリー化などの速効対策を進めてきました。しかし、市内には、未だ165か所の踏切が存在し、そのうち、36か所が「開かずの踏切」です。

今後も引き続き、2015年度に策定した「踏切安全対策実施計画」にもとづき、鉄道と道路の立体交差化や踏切の速効対策を計画的に進めていくとしています。この36か所については、どのように対応していくのか、伺います。

中島道路局長: まず立体交差化については、非常に大きな事業ですので、直ぐにやっていくというわけにはいきませんので、今行っている星川天王町に引き続き、今度は鶴ヶ峰駅周辺で、立体交差化については進めていきます。その他の踏切についても、安全対策は非常に重要なので、例えば踏切の拡幅や、あるいは特に歩行者が歩く空間の拡幅、あるいは改善、そういったことに、まずは積極的に取り組んでいきたいと思います。また、先ほど計画調整部長が申し上げましたように、必要なところについては、立体横断施設を整備していくということで、しっかりとやっていきたいと考えています。

あらき議員: これは弘明寺の踏切です。

【スライド3】

道路局スライド (3)

ここで改善されたのは、表示ボタンがわかる大きな看板を付けてもらいました。歩道も拡幅していただきました。それでも事故は起きています。やはりこの踏切対策と言うのは簡単ではないというのは重々承知をしています。ただ、やはり弘明寺踏切でもこれが設置されても、死亡事故が起きているという点では、私たちも真摯に受け止めて、その抜本的な対策を簡単ではないでしょうけれども、高速道路よりも私たちは、人の命を優先にする踏切やバリアフリー対策、そして子ども達が安心して通れる歩道、スクールゾーン、ぜひこの点の予算を増やしていただきたいと思います。道路局長、再度答弁を求めます。

道路局長:委員がおっしゃられるように、市民あるいは子ども達の命を守るということが、非常に重要なことだと考えていますので、先生ご指摘のスクールゾーン対策、あるいは踏み切り対策についても、しっかりやっていきたいと思います。

しかし、横浜市はまだまだ道路事情が悪いということですので、都市計画道路、そして高速道路網ネットワークの整備も不可欠だということを、どうぞご理解いただきたいと思います。

あらき議員: 私たちは、その優先順位を改めるべきだということを主張して終わります。