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■こども青少年局(宇佐美 さやか)

認可保育園の突然の一部閉園問題は、法人に強く再発防止を求めよ

宇佐美議員:まず、本市の保育行政について伺います。

鶴見区にある認可保育園「寺谷にこにこ保育園」が保育士不足を理由に、今月末に一部休園し、新年度に3、4、5歳になる園児37人が今月いっぱいで転園を迫られています。1、2歳についても来年度末で休園にするとの報道が流れました。

わが党は、8日に円滑な転園を求める緊急の申し入れを林市長宛てに提出しました。それは、テレビ報道の中で、こども青少年局は、責任を持って転園させるというコメントが出なかったためです。申し入れ文を受け取った斉藤副局長からは「しっかり対応していく」という力強いお言葉をいただきました。この場で、あらためて確認させていただきます。

転園を迫られている園児37人について、それぞれの転園先を一人のもれなく完全に確保する責任は本市にあると思いますが、どうか伺います。

田中こども青少年局長:3、4、5歳児の方々の転園に関しては、現時点で、全員分の受け入れ枠を他の園で確保しています。個々の児童の対応に関しては、色々希望もあると思いますので、保護者の方々に個別にお話を伺いながら、丁寧に対応を行っていきます。

宇佐美議員:残った1、2歳児の、これから先、1年間の保育についても本市がどうかかわっていくのか、そして、その後の転園先についても、本市が責任をもって、一人のもれなく転園先を確保することが必要だと思いますが、どうか伺います。

田中こども青少年局長:4月以降も保育の安定化に向けて、引き続き職員確保を支援するとともに、経験豊かな園長の確保についても相談に応じ、必要な支援を行っていきます。また、市立保育所園長経験のある本市嘱託職員を定期的に派遣し、保育の状況を確認するとともに、必要な支援と指導を行っていきます。

1、2歳児の転園先については、全員分を確保し、保育が継続できるようにしていきます。なお、転園にあたっては、保護者の方に転園可能な保育所等の情報を提供するともに、個別の相談にも丁寧に対応し、ご希望に沿うよう配慮していきます。

宇佐美議員:今回、休園となる保育園を運営している法人に対して、強く再発防止を求めるべきと考えますが、どうか伺います。

田中こども青少年局長:当該園については、30年度の一年間、保育の質が維持できるよう法人に対して指導していきます。また、当該法人は、他に1園経営しているので、このようなことが起きないよう定期的に状況を確認しながら指導していきます。

宇佐美議員:ぜひ、そうしていただきたいと思います。

学童(放課後児童クラブ)の移転・分割推進には専門のスタッフ増員を

宇佐美議員: 次は、放課後児童クラブの分割・移転促進について伺います。

放課後児童クラブの面積基準に適合させるための分割・移転が必要な施設数2017年度4月1日現在で何か所あり、2017年度末の実施見込みか所数、2018年度の目標か所数、さらに、2019年度に持ち越すか所数を合わせて伺います。

宮谷青少年部長:29年4月1日時点の面積基準の適合が必要なクラブは、78か所、29年度末の実施見込み数は10か所、30年度の目標数は、21か所ですので、31年度に持ち越すのは、50か所の見込みです。

宇佐美議員:では、耐震基準のみを満たさない施設についても、同様に、説明をお願いします。

宮谷青少年部長:29年4月1日時点の耐震基準のみを満たさないクラブは23か所。29年度末の実施見込み数は2か所、30年度の目標数は6か所ですので、31年度に持ち越すのは17か所になります。

宇佐美議員:では、これまでの分割・移転等の支援内容を伺います。

宮谷青少年部長:25年度には、分割移転等にかかる補助を、26年度には移転先物件への賃借料補助の増額を開始しました。その後も、段階的に支援内容を拡充してきました。また、民間事業者と連携した物件紹介や、NPO法人と連携した専門家による耐震工事等へのアドバイス、希望する物件情報の市ホームページへの掲載といった支援も行っています。

宇佐美議員:色々ご苦労されてきたことは分かりますが、現在の支援の取り組みを伺います。

宮谷青少年部長:区局が連携して、それぞれのクラブの実情に応じたきめ細かい支援に取り組んでいます。例えば対応を決めかねているクラブには、課題をふまえた支援策の提案、物件を探す際には、地域に精通した不動産事業者への協力依頼、候補物件の耐震性の確認が必要な場合には、その調査のサポート、移転先が決まった際の地元説明会への必要に応じた出席などを行っています。

宇佐美議員:本当にご苦労されているのは分かります。では、そもそも面積基準や耐震基準が規定された経緯を伺います。

宮谷青少年部長:子ども子育て支援新制度の施行に伴い、26年4月に国の基準省令で定められました。これに基づき、本市も設備及び運営の基準に関する条例を制定し、27年4月1日に施行しました。なお条例では、面積基準や職員の資格要件などを規定し、31年度末までの経過措置期間を設けています。また、26年度から事業実施要綱に耐震に関する規定を設けています。

宇佐美議員:児童の命を守ることや、生活環境を改善するために規定されたことは、理解していますが、基準適合できなかった施設への2020年度以降の運営支援の補助はどうなるのか、伺います。

宮谷青少年部長:面積基準は、留守家庭児童の生活の場の質を確保するために条例で定められたものであり、運営費補助金の交付条件として31年度までに基準を満たす必要があります。

宇佐美議員:満たせなかったところには補助がでないと言うことですね。

2019年度末で、残りの50か所の分割・移転をしなければならないのですから、最終年度には、大変なことになることは予想できます。ですから、2018年度の目標を大幅に引上げることが必要だと思いますが、どうか伺います。

田中こども青少年局長:今ご指摘のように、既に基準適合に必要な94クラブのうち、44クラブは、移転先等を確保しているところです。31年度末までの基準適合の目処が立っているわけですが、残りの50クラブについては、利用児童や物件の状況を見極めたいと考えてる運営主体も相当あります。各クラブの個別の課題をふまえ、支援策を活用しながら、局で丁寧に寄りそって目標の着実な達成を目指します。

宇佐美議員:丁寧に寄りそっても残りの2年間で、基準を100%満たすには、特別な体制を組む必要があると考えます。本庁での専門スタッフの増員と各区役所に専門の人員配置をすべきと考えますが、見解を伺います。

田中こども青少年局長:27年度に放課後児童育成課に職員を増員したところです。また、学校支援連携業務及び放課後児童健全育成事業を区役所の地域振興から子ども家庭支援課に移管し、18区に担当課長及び担当係長を配置しました。これによって区がクラブの状況を把握し、課題を局と区が共有するとともに、対応策を検討しながら分割移転との支援を進めてきました。今後一層、区と局がしっかり連携して進めていきます。

宇佐美議員:各区の係長も課長も、片手間というと失礼ですが、そうやっている状態です。専門のスタッフを置いてください。

万が一、面積基準に適合できない施設が残ってしまった場合、条例の経過措置期間を見直すことを考えなければいけないのではないかと思いますが、どうか伺います。

こども青少年局長:先ほどもご答弁したように、放課後児童クラブの面積基準は、国の省令を受けて、本条例において定めたものです。その適用の経過措置期間は、省令で定められているものと同様として、子ども家庭支援事業計画の第一期期間中の31年度末としたものです。この経過措置期間内での基準適合に向けて各クラブを全力で支援していきます。

宇佐美議員:本市が決めた耐震基準ですが、児童のみなさんの命を守ることは、先ほども言った通り必要な基準です。でも、基準を満たすために物件に対して補助を行うべきと考えますが、見解を伺います。

こども青少年局長:基準適合に向けた賃貸物件の耐震補強や開始にかかる経費につきましては、その物件の所有者に負担していただくべきものと考えています。なお、耐震診断や工事については専門家のアドバイスを受けられるような支援を行っていきます。

宇佐美議員:神奈川区内のクラブで、移転できたものの、来年度の入所希望者全員を受け入れることができないことを開所式で話されたのを聞き、切なくなりました。他にも以前、聞いたのは「良い物件が見つかったのに、耐震検査済の証明がなかったことで、認めてもらえなかった」とか「区役所が紹介してくれた物件は、学校から遠くて、子どもたちはバスに乗らないといけないような所だった」ということも聞いています。このままで良いはずがありません。保育園の時には、区局一体となって物件探しをした経験があるのですから、人海戦術で物件を探す、補助で支えることをしていただきたいと要望し、次の質問に移ります。

ひきこもりなどの困難を抱えた若者への支援強化は全庁的な視点での対応を

宇佐美議員:次は、困難を抱える若者への支援について伺います。

市内でひきこもり状態にある若者が2012年の調査で8,000人ということですが、6年前の調査で、現在、どれだけの若者が困難を抱えているのか、現状をしっかり把握する必要があると思います。改めて、調査を行っているのか、伺います。

宮谷青少年部長:本市では24年度以来の2回目の調査を、本年度実施しており、現在集計中です。

宇佐美議員:現在調査をしたということですが、ちなみに前回の調査は、何名を対象として行い、何名から回答があったのか、伺います。

宮谷青少年部長:24年度の調査では、市内在住の満15歳以上39歳以下の男女3000人に調査票を送付し、1386人から有効回答を得ています。

宇佐美議員: 調査を実施したことは、評価しますが、本気で調査をする気があるのでしたら、各区の町内会をそれぞれピックアップして全戸訪問するくらいのことをしてはいかがでしょうか、見解を伺います。

田中こども青少年局長:先ほども申しましたように、24年度と同様の方向で現在調査をして、集計中です。この24年の調査では、市内のひきこもり状態にある若者の人数の推計に必要な統計学上のデータの確保ができていますので、今回の調査でも同様の形で行っています。町内会単位での全戸調査等の実施は考えていません。

宇佐美議員:机上だけで計算していたら分からないことがいっぱいあると思います。ぜひ外に出てみてください。

支援を必要としている若者が、どれだけ居るのかを把握して、今度は、その方を支援する機関に結び付けることをしていくということですが、本市の、若者自立支援機関の過去3年間の実利用人数を伺います。

宮谷青少年部長:青少年相談センター、地域ユースプラザ、若者サポートステーション、よこはま型若者自立塾を合わせた3年間の実利用人数は、26年度は4240人、27年度は3736人、28年度は3683人です。

宇佐美議員:それほど、急激な増減はないのですが、毎年利用される方がいるということで、若者サポートステーションは、現在市内2か所と聞いています。更に増やす考えはないのか、伺います。

田中こども青少年局長:地域若者サポートステーションは、国が民間団体に運営を委託している就労支援機関です。30年度に新たに横浜若者サポートステーションのサテライトを一か所設置する予定です。本市としてはサテライトとも連携しながら、引き続き生活困窮状態の若者に対する相談支援等に取り組んでいきます。

宇佐美議員:サテライトで、1か所ということですが、できれば常設でお願います。

次は、サポートステーションより、少し前の段階にある方々が利用する、地域ユースプラザですが、現在は鶴見、都筑、保土ヶ谷、磯子の市内4か所にありますが、こちらは、全区に設けるなどしてはいかがでしょうか、伺います。

こども青少年局長:地域ユースプラザについては、困難を抱えた若者支援の専門機関として、当初から4方面での設置を計画して完了しているところです。さらに、今年度からひきこもり等の困難を抱える若者の専門相談を18区で展開し、機能拡充をはかっています。こうしたことから増設する考えはありません。

宇佐美議員:いつでも、相談できる場所が、近くにあるというだけでも、心の支えになることもあるのではないかと思います。ぜひ全区での設置を要望します。

次に、先ほど言われた、昨年からはじめた身近な区役所での「ひきこもり等の困難を抱える若者の専門相談窓口」の実績と実施してきたこれまでの所感を伺います。

田中こども青少年局長:1月末での、のべ相談件数は、269件です。相談者の多くは初めて引きこもりなどの相談に来る方です。相談の結果、若者自立支援機関や区役所、医療機関等につながることができていることから、当初の狙いであった潜在的なニーズへの対応に一定の成果が出ていると考えています。

宇佐美議員:やり甲斐があると思いますが、こちらも、昨年開催したそうですが、3月10日も講演を行ったそうですが、ひきこもり等の困難を抱える若者支援セミナーと相談会、今後も実施する狙いは何か、伺います。

田中こども青少年局長:3月10日の講演会も非常に多くの方がいらしていただきました。市民がひきこもり等の若者状況を理解して、若者をあたたかく見守り、社会参加応援できるような環境づくりを目的にセミナーを実施しているとこです。また合わせて個別相談会を実施することで支援につながっていない若者や、ご家族が適切な支援につながるきっかけとなることも目指しています。より身近な場所の区で実施することにより、多くの方に参加していただきたいと考えています。

宇佐美議員:ぜひ沢山開催してもらいたいと思います。先ほどの区役所の専門相談の場所ですが、区役所だけではなく、地域ケアプラザなどの場所にも出向いて、実施してはいかがでしょうか。ご家族がひきこもりだという方々が、役所には用が無くても、ふらりと寄った所で、少し気軽に相談できたらと思うのですが、どうでしょうか、伺います。

田中こども青少年局長:今年度から区役所において、若者の専門相談を始めたところです。30年度からは、ご答弁申し上げたように、若者支援セミナー、相談会を各区で実施していきます。区単位でこうした取り組みは、まだ始まったばかりですので、しっかり周知するとともに、相談対応等の実績を積み上げることで、定着をはかっていきたいと考えています。

宇佐美議員:テレビで報道されました秋田県の藤里町は、人口3,800人の町で、社会福祉協議会が実施した調査によって、18歳から55歳までの町民1,293人の内8.74%にあたる113人が、仕事に就くことができず、ひきこもっていることが明らかになりました。この調査は、当初、高齢者の自宅を訪問し、困りごとなどの調査をするのが目的だったそうですが、ある方から出た言葉は「仕事に就けないで自宅に居る若者が心配だ」ということがきっかけで、約3年近い歳月をかけ全戸訪問し調査したのが、先に申し上げた結果です。

本市で、全戸訪問をするくらいの気概を持って、調査していていただく必要があると思います。そして、就職の採用の条件に年齢制限があり、多くの40代・50代の方々も支援を必要としています。これは、全庁的な視点で対応していただきたいと要望します。

宇佐美議員: 最後に、子どもの貧困対策について伺います。

こども青少年局が取りまとめた「子どもの貧困対策に関する計画」では、健康福祉局と教育委員会事務局等の関係区局による庁内連絡会議や支援者や有識者等による会議が行われていると聞きました。この会議は、お互いの事業の紹介をしあって、共有しているとのことですが、そこからさらに発展させていかなければ、深刻化する貧困の問題は、解消できないと考えます。保護者が低所得で、進学を諦めてしまい、低学歴のため就職できず、ひきこもりにつながることが危惧されます。

就学援助や生活保護などのセーフティーネットがしっかり機能しているのか等を客観的にみて、効果的な支援につなげることができるように、こども青少年局がイニシアチブを取って、貧困対策を進めていくべきと考えます。見解を伺います。

こども青少年局長:子どもの貧困対策については、関係区局が子どもの貧困に関する本市の状況や取り組みの方向性について共通認識をもち、整合性をはかりながら、それぞれの施策を進めていくことが重要だと考えています。子どもの育ちや成長を守るため引き続きこども青少年局が中心となり、庁内連絡会等を通じて関係区局が連携して、教育福祉等の総合的な取り組みを推進しています。

宇佐美議員:子ども青少年局が中心になってと言われましたが、副市長にも伺います。生活援助のこと、生活保護のことなど、総合的に見ていくのは市長の仕事だと思いますが、見解いかがですか。

柏崎副市長:先ほどから、委員からお話がありました、貧困対策に関する課題認識は我々も同じように共有しているつもりです。そういう意味でも、今こども青少年局長から答弁させていただいたように、我々は色んな角度から子どもの貧困対策を取り組む必要があると、間違いなくそこのところは、しっかり思っていますので、そういう意味では、関係する部署がしっかり連携し、そして我々副市長もそれぞれ所管している部分もあるので、しっかりとそういう連携の中で、取り組みを1つ1つ進めていくことが大事だと思っています。

宇佐美議員:横浜市を支える大事な子ども達、若者達をしっかり支えて頂きたいということを要望し、質問を終わります。