議会での質問(詳細)

2018年3月14日

■追加議案関連質問(古谷 やすひこ)

新設される介護医療院は、基準設置目的にふさわしい基準に引き上げよ

古谷議員:日本共産党古谷やすひこです。党を代表して、上程された議案について質問します。

まず、市第175号議案「横浜市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の制定について」伺います。これは「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」により、介護保険法が改正され、新たに介護医療院が創設されました。そして代わりに、現在市内に7施設362床ある介護療養病床が2023年までに、これもまた廃止となるということです。その介護医療院を設置するにあたっての条例を制定するものです。

介護医療院は、現行の介護療養病床の状況、1年半の平均在院日数、4割の死亡退院、医療必要度が高い、要介護度も高い、平均年齢80歳超えることから、長期の療養生活を送るのにふさわしい住まいの機能を強化することと、日常生活上必要な医療処置や充実した看取りを実施する体制にするとして設置されたものとされています。

患者の生活の質の向上と尊厳が守られるよう、医療介護の人員配置、施設基準について現行の介護療養病床より拡充することが当然必要です。

介護医療院の人員基準は、類型(1)と類型(2)という二つの区分が設けられ、廃止になる介護療養病床と同等の基準が類型(1)です。類型(2)は緩和した基準です。施設基準では、病室の床面積が6.4平米から8.0平米へと広がり、レクリエーションルームが必置となります。

そもそもの介護療養病床より「住まいの機能の強化」「医療処置や充実した看取り」を実現するために新設される介護医療院が設置されるというのであれば、類型(2)という緩和した基準では、ふさわしくありませんし、類型(1)でも現行の介護療養病床と変わらない基準では、何のために新設したかが分かりません。

せっかく新設されるこの機会に、設置目的にふさわしい基準に引き上げることが必要だと思いますが、市長伺います。また、既存の介護療養病床から介護医療院に切り替わるために床面積を広げなければならないため、施設側にとっては大きな負担です。スムーズな介護医療院への移行の支援も必要です。これからの介護需要の高まりもある中、本市として、目標をもって整備を進めるべきだと思いますが、どうか伺います。

林市長:介護医療院についてですが、類型(1)は、現在の介護療養型医療施設相当の基準を、類型(2)には、介護療養型医療施設から老健施設に移行した施設の基準をそれぞれの国が設定しています。この中にある医師看護師の人員基準や療養室機能訓練室の施設基準については省令で定めていて、本市において変更することはできません。なお、市内には類型(2)に相当する老健施設はありません。

介護医療院整備目標についてですが、国の転換促進支援策である移行定着支援加算を活用して、介護療養型医療施設及び医療療養病床からの転換を進めていきます。ただし、現段階では、どの程度転換が行われるか未知数です。第7期計画の目標値は、現在の介護医療型医療施設の定員数としています。なお、転換については計画で定めた定員数を超えた場合でも認められることになっています。

65歳で障害施策から介護保険に強制移行する共生型サービスを進めるな

古谷議員:次に、市第176号議案177号議案178号議案と三つの条例改正の中で新設される「共生型サービス」について伺います。

共生型サービスは「高齢者でも障害者でも、ともに利用できるように」とし、障害福祉の事業所が介護サービスもできるように、基準緩和を行うものです。これは障害福祉分野から見れば明らかな後退で、障害者が65歳になった時に、障害施策から介護保険を優先して使わなければならないことをより進めるものとなります。

障害者は、「障害福祉制度」に基づいてサービスを受けています。ところが65歳になるとサービスの枠組みは原則として、「介護保険制度」に切り替えられます。これは、自助、共助、公助と言われるように、自らできることをしたうえで、公的サービスが適用されるという国の原則に基づき、税金でまかなわれるサービスよりも、保険によるサービスのほうが優先されるためです。介護保険に変わると、健常者と同じ扱いとなり、多くの場合サービスの量が減り、これまでのような障害に応じた支援は受けられなくなります。このため、サービスが打ち切られたり、回数を減らさざるを得なくなったりする事態が生じます。また2014年の「きょうされん」(障害者団体)の調査では、289人のうち86%の人に、新たな負担が生じたということです。国は、「介護保険優先原則」は、あくまで原則として、自治体に対しては、利用者の状況に合わせて配慮するよう通知しています。このため、自治体が独自にサービスを補うこともありますが、内容はまちまちです。65歳で障害がなくなるわけではありません。突然、障害のない人と同じ枠組みで扱われること自体が障害者差別だと考えます。高齢化とともに体は衰えるわけですから、むしろサービスを厚くすることが当然です。

参議院の厚労委員会でもこの「地域包括ケアシステム強化法案」に対して附帯決議が付けられ、その第五条に「共生型サービスの実施に当たっては、従来、障害者が受けていたサービスの量・質の確保に留意し、当事者及び関係団体の意見を十分に踏まえ、その具体的水準を検討、決定すること」とされています。本市が定めた親亡きあとの安心プランの施策推進にも、このままでは支障をきたすのではありませんか。こんなことを粛々と本市で具体化してはいけません。

なぜ年齢を重ねただけで差別するのでしょうか。年齢に関係なくすべての障害のある方が、お金の心配なく利用時間・回数の心配なく、本人の希望にそって障害福祉の制度を利用し、安心して老後を過ごせるように、国に対して強く求めるのが市長の責任ではありませんか。その考えがないか伺います。

林市長:高齢障害者の障害福祉制度の利用についてですが、現在65歳を過ぎた障害のある方については、介護保険サービスへの移行が基本となっていますが、その方の状態により介護保険サービスに障害福祉サービスを上乗せして必要な支援を受けられるようにしています。また今回の法改正では、長期間の障害福祉サービス利用者を対象に自己負担額を償還払いで戻す制度が創設されます。

障害者自立生活アシスタント事業の水準を引き下げるな

古谷議員:次に、市第177号議案「横浜市指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備、運営等の基準に関する条例等の一部改正」について伺います。これは、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の改正に伴い、指定障害福祉サービス事業等の人員、設備、運営等の基準に関する省令等の改正が4月1日に交付・施行されることに伴い本市関係条例等を改正するものです。

その中で、指定自立生活の援助が創設されます。これは入所施設から地域の施設に移って、障害者の生活を支援するサービスです。これに先駆けて本市は「障害者自立生活アシスタント事業」を実施していました。今回、同じスキームの施策が国で導入されることになったわけですが、変更点は利用者負担が国の制度では、あるということです。今後「整理を進めていく」ということですが、市長、障害者の自立の支援を強化するというのであれば、利用者負担なしで実施していた本市事業の水準を引き下げるべきではないと考えるがどうか、伺います。

林市長:障害者自立生活アシスタント事業についてですが、今回同様の事業を国が創設したので、今後サービスを持続的に拡大していくために国制度の活用が必要と考えています。国制度のサービスでは、就労などにより一定以上の収入がある方には負担が生じることがありますが、現在の利用者はほとんど該当しない見込みです。負担が発生することについては、個別に丁寧な対応をしていきます。

重度訪問介護の訪問先の拡大は、利用者負担なしを継続するべき

古谷議員:また重度訪問介護の訪問先の拡大について、重度障害の方にとって慣れ親しんだヘルパーさんの存在は、在宅生活の全てを支える大変貴重な存在です。しかし、体調の変化で、重度障害者の方が入院する際に、慣れ親しんだヘルパーさんは病室で身体介護をすることができず、そのため入院するほど体調が悪いにもかかわらず、コミュニケーションから体位交換まで慣れない看護師さんにお願いしなければならず、ご本人にとっては体調悪化以上に大変なストレスです。そんな問題を解消するために、本市独自事業として実施していた「重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業」があり、大変障害者の方々に喜ばれていました。その制度が今度国の制度として創設されることになりましたが、これも低所得の障害者の方にも利用者負担を求めるというものです。これについても利用者負担なしで実施していた本市事業の水準を引き下げるべきではないと考えますが、市長の考えを伺います。

林市長:重度障害者等入院時コミュニケーション支援事業についてですが、今回の法改正により、同趣旨の国制度の対象が、従来の自宅に加え、入院先にも拡大されました。資産収入がある方や配偶者が就労していて一定の収入がある方などは、利用者負担が生じることもありますが、そうした場合には個別に丁寧な対応していきます。

グループホームの重度障害者介護は、人員体制を厚くすること必要

古谷議員:グループホームにおける重度障害者に対する介護について、特例としてグループホームに入っても居宅介護サービスの提供が受けられるとしているものが今回提案されています。しかし本来、重度障害者に対応するグループホームの人員体制を厚くして、介護サービスをその中から提供することが目指すべき方向性だと思いますが、どうか伺います。

林市長:重度障害者に対応するグループホームについてですが、住まいの場であるグループホームには、世話人等のスタッフが配置されていますが、介護が必要になった場合は、外から派遣される訪問ヘルパーを利用しながら生活しています。障害者の重度化高齢化が進む中、ホームでの生活のためには、こうしたサービスが必要ですので、引き続き国へ恒久的な制度とすることを要望していきます。

50倍近い倍率になっている障害者支援施設の増設こそ必要

古谷議員:横浜市指定障害者支援施設などの人員、設備、運営等の基準に関する条例について、市内の福祉型障害児施設の入所者は18歳を過ぎると、障害者支援施設に移行することとなっていますが実際には、18歳を超えても次の施設に移行できない状況があるために、特例として18歳を超えても障害児施設への継続的な入所を認めるというものがだされています。

いま市内の障害者支援施設の現状は、今年度定員いっぱいで受け入れができない空きのない施設が7施設。募集をかけた施設は15施設。31人分の枠に1505人の方が応募しています。実に50倍近い倍率になっています。これでは全く施設が足りていない状況です。早急に障害者支援施設を増設すべきと考えますが、市長の考えを伺います。

林市長:入所施設の増設についてですが、国の指針等では障害者の入所施設からの地域移行を推進し、入所者数を減らすことを基本としています。本市でも障害者が安心して地域で生活できるよう受け皿となるグループホームの設置等を今後積極的に進めていきます。なお、障害児施設に入所している18歳以上の方は着実に移行しており、引き続き取り組んでいきます。

医療・介護現場の身体拘束の実態把握を

古谷議員:次に、「市第178号議案 横浜市指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準等に関する条例等の一部改正について伺います。これは、昨年の「地域包括ケアシステム強化のための介護保険法などの一部を改正する法律」が公布され介護保険法の改正が行われました。それに伴い「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令」が本年1月に施行され、それに合わせて本市の基準を定めた条例の一部を改正するものです。

身体的拘束等の適正化を図るため対策を検討する委員会の開催や指針の整備、定期的な研修の実施を義務付けが新設されています。実際の医療介護の現場では、身体拘束の件数は全国的に増え続けています。介護施設等で高齢者が不当に身体拘束されてしまうことを防ぐため規制を強化していくべきだと考えます。まずは本市の医療・介護等の現場で身体拘束が行われているかどうかの実態把握をすべきと考えますが、どうか伺います。

林市長:身体拘束の実態把握についてですが、定期的な実地指導において身体拘束の内容や手続きについて確認をしています。基準条例の改正により身体拘束に関しては、厳格化しますので、引き続き事業者に対して適切に指導するとともに、今後介護保険施設については、実態把握を検討していきます。

ケアマネージャーの公正中立性は努力規定でなく義務規定に

古谷議員:そしてその上で、今後の対策について今の現場の実情を踏まえて、単に条例で定めるだけでなく行政からの必要な具体的な支援も行うべきことを要望します。

ケアマネージャー業務について、本市のガイドラインでは、ケアマネージャーの基本的業務の姿勢として「サービスの利用において、利用者に提供される居宅サービス等が特定の種類又は特定の居宅サービス事業者に不当に偏ることがないよう、公正中立であることが求められます」とわざわざ定められています。しかし特定業者とのつながり回避については、今回はあくまでも努力義務にすぎません。これだけでは公正中立にするのは困難だと思われます。努力規定ではなく具体的な義務規定にすべきと考えますがどうか伺います。

林市長:ケアマネージャーの公正中立についてですが、ケアプランの作成にあたりケアマネージャーは特定の事業者のみを紹介するのではなく、公正中立を行わなければならないことになっています。今回の改正においてケアマネージャーが利用者に対して複数のサービス事業者を紹介することを義務化しました。これにより利用者の多様な事業者からサービスを選択できるようになります。

療養通所介護は、市が責任を持ってサービスの質向上と人材確保を

古谷議員:地域密着型通所介護について、利用定員の上限を9人から18人へと緩和して、サービスを受けられる枠が広がることは評価できますが、その増えた利用者に対応する人員や設備をどう確保できるのかが問題です。例えば、この地域密着型通所介護施設の一つ「療養通所介護」の事業所は、対象が「難病等の中・重度要介護者又はがん末期患者で、常に看護師による観察が必要な」方に対して、「入浴、排せつ、食事などの介護、その他の日常生活上の世話及び機能訓練」を行う施設があります。こういう施設でも例外なく人手不足が深刻な状況です。サービスの質を確保し、人材確保策を市としても責任をもって行うべきと考えますが、どうか伺います。

林市長:療養通所介護の人材確保策についてですが、療養通所介護は医療と介護ニーズを併せ持つ要介護者や重症心身障害児、重症心身障害者のデイサービスです。今回定員枠を拡大しますが利用者数の増加に応じて、必要な看護師等が配置されるためサービスの内容や質は維持されます。また処遇改善加算の活用などを通じて、人材確保に努めていきます。

1億円以上もの損失を出した本市ウェブサイト事業の責任を誰がとるのか

古谷議員:最後に、「市第179号議案保全異議申立事件についての民事保全法に基づく和解」について伺います。

本市ウェブサイトの再構築にかかる委託契約として、委託先の株式会社ジークスがウェブサイトを構築できず債務不履行であるとして契約を解除して、同社に訴えを起こしていた訴訟について、裁判所から示された和解案に応ずるというものです。

ウェブサイトの再構築のプロジェクトで、本市が支出した総額は1憶7,800万円にものぼります。そして裁判所から提示されて株式会社ジークスに支払う和解金額は4,533万円で和解するという提案です。いったい、1億円以上もの損失の責任は誰がとるのでしょうか。

裁判所の和解勧告では「プロジェクト式のシステム構築では共同作業だからどちらが一方的に責任を負うということはない」とされて、この見解を市長は受け入れたというわけですが、結局この損失の本市側の責任は、市長の責任なのでしょうか、誰がどのような責任をとるのか、伺います。

林市長:損失となったことに対する責任ですが、今回全額賠償に至らない金額で和解することになりまして、大変申し訳ございません。裁判所から事件全体を早期に解決するように勧告があったこと、そして訴訟を継続して長期化した場合、より多くの経費がかかることも懸念されまして、これをふまえ、今回和解することが必要だと私が判断しました。今後については、確実に市ウェブサイトリニューアルをやり遂げることで、私自身の責任を果たしていきたいと考えます。

古谷議員:いま新たなプロジェクトで本市ウェブサイトの再構築が進行中だということですが、このプロジェクトは総額約5憶5千万円と前回の契約金額のおよそ3倍となっています。どちらの金額が適切だったでしょうか。前回のジークス社の入札額を見て、この金額が妥当であると本市は判断したことに対して、あまりにも事業の積算能力の力量不足を感じますが、市長の見解を伺います。

また今回のプロジェクトの契約金額の妥当性について、コンサルタント契約も結んだことは承知していますが、どう担保されているのか。また前回のような失敗はしないのか、伺って質問を終わります。

林市長:前回の契約金額の妥当性についてですが、本市のウェブサイトは情報量が非常に多いため、これを管理するシステムにはその情報量に対応できることなどが求められ、こうしたシステムの開発実績があること等を条件として、公募型指名競争入札を実施しました。その予算の積算にあたっては、他都市の状況等の調査や複数の事業者からのヒアリングなどをもとに本市で検討を重ねました。当時としては、必要な業務内容を積み上げていった妥当な金額であると判断しました。

今回の契約金額の妥当性についてですが、コンサルティング事業者も含めた関係部署が一体となった庁内のプロジェクトで判断をしました。そして、今回は着実に事業を進めることを第一と考えて、コンサルティング事業者を付け、その上でシステム開発事業者の選定は、プロポーザル方式で行い、最も評価の高い事業者と契約しました。それによって来年3月末のリニューアル公開に向けて再構築を進めています。

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