議会での質問・討論(詳細)
2018年3月20日

■総合審査(みわ 智恵美)

市民生活支える事業に大型公共事業のしわ寄せをするな

みわ議員:日本共産党のみわ智恵美です。党を代表し質問致します。

新年度予算では、施設整備費は、前年度比3割増しで、その為に前年度比23%増の市債を発行するという施設整備への積極予算です。その中心は2020オリンピック・パラリンピックに間に合うようにとの、前のめりで進める高速道路建設、新市庁舎整備、港湾整備などの公共投資です。2018年度を初年度とする「新たな中期計画」では、公債費元金の範囲内で市債を「発行・活用」としていますが、4年間の計画活用額と、前半・後半の活用額を示して下さい。

鈴木 財政局長:宜しくお願い致します。現時点での計画期間中の市債活用額は約5,900億円程度を見込んでおります。前半で各年1,700億円程度、後半で各年1,250億円程度の活用を見込んでいるところでございます。尚、計画期間中の具体的な市債活用額につきましては、新たな中期計画素案の中で、改めてお示ししてまいります

みわ議員:今、頂いた数で比べますと、前半と比べると後半では年あたり450億円も減少です。市民の為の身近な公共事業に大きな影響を与えないでしょうか。

鈴木財政局長:先生が仰りますように、市庁舎整備それから横浜環状北西線等、31年度と比べまして32年度は、事業費が約420億円程度減少すると見込んでおります。こうしたことから新たな中期計画期間の後半においても、市民の皆様に身近な公共投資などの必要な施設整備はしっかりと推進しながら、プライマリーバランスについて黒字を確保できると考えております。

みわ議員:市が行う、防災・減災の崖地対策、今後増大することが予想されている学校や下水道の維持管理・再整備、市営住宅の再整備、スクールゾーンや歩道整備を含めた生活道路事業、道路・橋梁の耐震改修事業など、安心して進められるのでしょうか。不安です。いかがでしょうか。

鈴木財政局長:防災・減災に掛かる予算などというお話がありましたけれども、本市では、地震防災戦略を策定しまして、防災・減災対策を最優先の課題に位置づけて取り組んでいるところでございます。そのような位置づけも踏まえた上で、子育てや教育福祉など市民の皆様の暮らしに直結する施策の充実、それから財政基盤を整える市内経済の活性化、都市基盤整備など、バランスよく着実に進めていくよう策定しているところです。

みわ議員:心配しているのは、今回の4か年の市債発行見込み額は約5,900億円は、現在の計画の6,000億円とほぼ同額です。目いっぱいに積み上げられる借金が、後年に厳しい負担を積み残すことになるのでないかということです。その認識はどうか伺います。

鈴木 財政局長:冒頭、先生の方からもお話にありましたように、公債費元金の範囲内で計画的に市債を活用してくという考え方でございます。

みわ議員:新たな中期計画で「横浜を取り巻く環境は厳しさを増し、直面する課題はより一層深刻化してきています」と、人口減少に少子高齢化、2030年には整備後50年以上となる公共施設が多数になるなどを挙げてあります。それを突破するには、人や企業を惹きつける魅力あるまちづくりを進めるとして、都市基盤整備に相も変わらず巨額投入することになるのですが、横浜市の財政状況は今後直面する課題に耐えられるような、今以上に好転するとみているのか伺います。

鈴木財政局長:先程も尾崎議員にもお答えしましたように、人口減少の中で、それから歳出については少子高齢化が進むということで、決して楽観的にはみておりませんけれども、そういった中で今必要なことは何かということを含めて議論をして、予算を組んでいるところです。特に借金については、何度か申し上げますけれども、公債費元金内横浜方式のプライマリーバランスということで、これ以上残高が増えないという範囲内で活用しながら施設等整備を行い、その中で財政基盤を整えていくという形で考えているところです。

みわ議員:増えないかもしれないけれど、減りもしないという事態ではないのでしょうか。

市長に伺いますが、使い方も問題だと思います。呼び込みとして、横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業には、45億円の公費を投入し、私企業の巨大マンション建設事業を支援しています。また、巨大マンション3棟を建設する東高島駅北地区再整備計画の区画整理事業総額約93億円のうち約53億円を市費での補助など、大企業に大盤振る舞いです。市民に目を向けた施策とは到底言えないのではないでしょうか。

林市長:いずれも必要な施策として行っていますので、先生のご懸念もあるのは分かりますが、私はこの状況は、問題ないと考えます。そして基礎自治体である横浜市ですが、当然ながら373万人市民の皆さまの生活を守る使命はあります。この予算編成毎年度、たいへん限られた予算の中で厳しい施策の選択と集中、不断の事業見直しを行って、バランスの取れた配分に取り組んでいますので、30年度の予算でも子育てや教育福祉など市民の皆様の暮らしに直結する施策、中長期的な財政基盤の強化を念頭に市内経済の活性化、都市基盤整備など必要な予算をしっかりと盛り込んでおります。

みわ議員:使い方の目線が問われていると思います。港湾、特区事業と巨大事業は国言いなりで進めています。税金は市民のものであって、国や企業に傾いた使い方から、しっかりと市民に向いた予算のあり方にすることを求めます。

一番のしわ寄せがきている国保事業予算の削減見直せ

みわ議員:施設整備費の突出は、市民サービスにも影響は出ています。対前年比3割増しとなった施設整備費は、一般財源でみると前年度比で約127億円増えましたが、その中で、増加額が大きい港湾整備3事業と新市庁舎整備事業では、それぞれいくらで総額はいくらになりますか。

鈴木財政局長:新市庁舎整備事業が約40億円、それから新港9号客船バース等整備事業、南本牧ふ頭と、第5ブロック処分場整備事業、大黒ふ頭自動車専用船岸壁改良事業、この4事業で約29億円、併せて約69億円です。

みわ議員:今、言って頂きました増えた分の半分以上が巨大施設整備に使われます。これを賄うものとして、本年度は事業見直しが行われたと言わざるを得ません。市長は、そんなことはありませんと言われましたが、見直された1176件116億円は、施設整備費を賄う一般財源増額分127億円の9割です。事業見直しで減額となった一般財源の削減額上位4事業を述べてください。

鈴木財政局長:先ず、一番金額の大きいのは国民健康保険事業です。次が道路占用料とその次が職員人件費、4つ目に外郭団体に対する財政支援の見直しです。

みわ議員:結果として既存事業の見直しで施設整備費向けの一般財源増を賄ったことは、事実です。国保会計繰出金18億円が最大のものですが、この18億円削減による影響が、新年度予算で国保料の値上げとなって現れています。市長は、先程バランスが取れているとおっしゃいましたが、これでバランスが取れていると言えるのでしょうか。

林市長:繰り返しで申し訳ございません。この施策の選択と集中、不断の事業見直しで、今、上位から申し上げましたけど、これをしっかりやって、バランスの取れた配分だと私は認識しています。

みわ議員:国保の引上げは、医療分の自然増と説明も受けましたが、国保の加入者がこれに耐えられるのか。国保に加入されている方の構成を示してください。

鯉渕健康福祉局長:国保は、企業等の健康保険に加入していない方のための保険であり、その世帯構成は、世帯主でみますと年金所得の方や非常勤などの給与所得の方が多くなっておりして、両方でおよそ6割を占めています。

みわ議員:指定都市として行った平成30年度、国の施策及び予算に関する提言の中でも、市町村国保は、他の医療保険制度と比較して、今、仰った高齢者や低所得の加入割合が高いという構造上の問題を抱えていると、国にも訴えています。こういう方々、負担は限界ではないでしょうか。

鯉渕健康福祉局長:国保の保険料は、相対的に高いとは思っていますが、社会保険制度であるので、加入者の皆さまで支え合うものと考えています。30年度の保険料は、高齢化等による一人当たり医療費の伸びについて、これまで同様一定のご負担をお願いするものです。これを超えた過重な負担とならないよう、一般財源とした82億円の法定外繰入を行うこととしています。

みわ議員:これまで行っていた国保会計への繰り入れ100億円をあげれば値上げは避けられたと思いますし、県内の他の指定都市並みの一人あたりの繰入を行えば国保料は下げられた。ところが実は事業見直しで削減。健康福祉局長は、今さらさらと言われましたけど、本来ならば、この国保加入者の皆さんの為に、財政局に抵抗するべきではなかったのでしょうか

鯉渕健康福祉局長:今回、法定外繰入を削減していますが、今回の都道府県化に伴った制度改正は、国が国費を拡充しています。その上で各自治体に計画的段階的な削減・解消を求めています。こうしたことを踏まえて、本市では、制度改正に伴い被保険者の負担が過重にならない範囲でということで、保険料上昇を一人当たり医療費の自然増と同率に設定したものです。その結果、法定外繰入は82億円となり18億円減少したものです。特に他の予算との関係ということではなくて、私どもとしては国費の拡充に伴った減と理解しています。

みわ議員:全国でも国保料は下げられています。市長に伺いますが、国保料を上げれば、納めきれない方が出ます。昨年の第2回定例会で、保険料は納め続けたが医者にかかれず亡くなった方の事例を紹介しました。市長は、過重な負担にならないようにと答弁されました。医療費は上がっても収入は増えません。国保会計へのあと18億円の繰出で保険料の値上げだけは止める、その決断が必要ではないでしょうか。

林市長:市民の皆さまへの影響を配慮しつつ、制度を持続可能なものとするためには、一定程度のご負担をお願いしたいと考えている訳です。お子様のいる世帯については、本市独自の減額措置を続けるとともに、保険料の支払いが困難な場合には、個別に減免などの対応を行っていきます。

みわ議員:わずか18億円ですので、決断をして頂きたいと思います。

崖地対策や感震ブレーカーの設置補助を急げ

みわ議員:大型公共事業に傾斜する中で、市民に身近な公共事業はどうなっているのか伺います。約9,800か所の土砂災害警戒区域内の崖地現地調査が終わりました。いよいよ全域にわたって取り組む準備ができました。総合評価の種別で、AとBについて、評価の内容とその件数を示してください。

坂和 建築局長:土砂災害警戒区域に存在する高さ5m以上の崖地約9,800か所を対象に、現地調査を実施し、崖崩れが発生した場合に人家に与える影響度などを評価しています。Aランクは、崖崩れにより、家屋に著しい被害を及ぼすおそれがあり、早急に対策を実施することが必要な崖地で1,356か所あります。またBランクは、Aランクほどではありませんが、対策を行う必要がある崖地で2,153か所です。

みわ議員:早急に対応するべき、生命財産に影響がある崖が約3,000以上あることが分かりました。この二つの崖地防災対策事業における昨年度の計画と進捗、新年度の計画を示してください。

坂和 建築局長:29年度については、防災・減災対策工事助成金制度の予算件数が65件、実績見込みが現在で25件となっています。崖地の所有者の中には、助成金制度を利用せずに崖地の改善に取り組んでいる方もいらっしゃいますが、更なる利用の促進をはかるためには事業のPRなどを進めていくことが必要です。尚、30年度については、予算件数は、防災減災で65件となっています。

みわ議員:今のような進捗では100年以上かかると思います。更に、この調査以外で、崖地防災工事をしなければならない崖地は市内にどのくらいありますか。

坂和建築局長:高さが、5m以上ある崖地を対象とした現地調査の結果に基づき、Aランクの中でも特に崖崩れにより人家に著しい被害を、影響を及ぼすことが想定される崖地110か所を選定しました。これをふまえ、大雨などの際に迅速な避難行動を呼びかけるとともに、その所有者への対策工事の実施を働きかけています。この他にも高さ5mに満たない崖地があり、地域のおよそ6割が丘稜地で形成されていることなどを考慮すると、対策が必要な崖地が相当数あると考えています。

みわ議員:横浜は坂の街ですから、多くの個所が対象となっているということですね。先日の大雨でも青葉区など含めて、対象にしていなかったところでがけ崩れが起きています。崖地防災事業に約1億7,000万円。あまりに少なすぎませんか。見解を伺います。

坂和建築局長:崖地の防災対策については、今の先生から言われた助成金制度を活用した改善の促進の他に、崖地の現地調査、相談体制の充実、所有者等への技術的な支援、崖崩れ発生時の迅速な応急措置を5つの取り組みを柱に、総合的な対策を進めています。土砂災害の防止や被害軽減の視点に立ち、引き続き防災減災対策にしっかりと取り組んでいきます。

みわ議員:なかなか進まないということだと思うんですよね、先ほどの数は。工事対象地は、個人所有のがけ地ですから、様々な障害があります。人あってこそ進む事業です。人員配置の増加もいまのところ聞こえてきません。人はもちろんのこと、予算もとって早急に取り組むべきことを求めます。又、大地震の際に町の火災を防ぐとして、木造密集地域への対策をいろいろ取っていますが、全体の対象総数、そして、事業それぞれの目標に対する進捗率など示してください。

薬師寺都市整備局長:建築物の不燃化促進事業につきましては、当初の想定通りの建て替えが進んでいまして、防災戦略目標どおりに事業を進めております。

大久保総務局長:感震ブレーカーの設置の補助についてですが、感震ブレーカー設置補助は木造住宅密集地域の約34万世帯を対象としていて、本年3月1日時点で約1万2000世帯に補助を行ったところです。目標ということですが、横浜市地震防災戦略の中で感震ブレーカーの設置率の目標を立てていて、34年度までに市内全体の10%とすることとしています。なお27年度に危機管理室が実施をした、危機管理アンケートでは、回答いただいた方のうち感震ブレーカを設置しているとお答えいただいた方が、11.7%となっていて、25年度からの事業成果が表れてきてると考えています。

みわ議員:34万世帯に今、一万いくらということですので、もっと防災・減災の計画進めていく必要があると思います。例えば感震ブレーカーなどは、対象地域には市としてどんどん付けていく。又、市内全域で、希望があればつけていくという思い切った対策が必要ではありませんか。

大久保総務局長:防災の対応については、自助共助をやはり基本として考えていただきたいと考えています。その意味で感震ブレーカーについては、各ご家庭に設置していただく火災報知器と同様に、必要なものとして各世帯に設置をしていただきたい、自助の中で設置していただきたいと考えていますが、木造住宅密集地域については、面的な広がりを作って火災の発生を抑止していくという意味で、その面的に自治会町内会を中心として広げていくための取り組みを区役所とともに、進めているところです。

みわ議員:取り組みの意気込みはわかりますが、数が上がっていないということです。いつ来るかもしれない大災害は、来ないのではなく明日来るかもしれないのです。早急に市民の生命財産を守ると明記されている政策を実行できる計画と予算にすることを求めます。

学校給食の充実は保護者負担じゃなく、公費負担で

みわ議員:大型開発の施設整備偏重による一般財源の厳しさは、子どもたちにも影響を及ぼしています。9月に予定されている小学校の給食費の値上げに拠る市の増収分は僅か6億円です。これに加えて新年度から国が示す栄養価を満たす献立を実行できるよう市が予算を出すべきです。保護者負担増を求める必要もありません。人づくりを重視することを本気で考えるならば、子育て世代応援は不可欠です。新市庁舎整備を急がなければ、この予算の捻出は容易にできたはずです。市長の見解を伺います。

林市長:横浜の子どもたちが美味しく栄養バランスの取れた給食を楽しみ健やかに成長していく為には給食をより充実する必要があると考えます。保護者の皆様にはご負担をお願いすることになりますが、この横浜の子どもたちの健やかな成長のためにご理解いただきたいと思っています。

みわ議員:全国では義務教育での給食を無償にしている自治体もあります。小学生の給食は直ちに内容を充実させる。値上げは市の財政から出すべきです。僅か1%程度の喫食率しかないハマ弁には値段を下げるために公費を投入して、全員が食べている給食には追加公費ができないというのでは、施策の重要度から考えても問題ではないでしょうか。市長の見解を求めます。

林市長:給食法の規定では、学校給食の運営に係る人件費や施設及び設備の修繕費は学校設置者の負担とされて、これ以外の学校給食に要する経費は保護者の負担とされています。そのため食材費に相当する給食費については、保護者の皆様にご負担いただいていますので改定をお願いすると考えています。

みわ議員:先程言いましたが、全国では義務での給食を無償にしている自治体があるということで、やはりこれは市長の決断を市民は期待していると思います。値上げをしないで直ちに子どもたちに栄養価を満たす献立を実行するよう重ねて求めます。

港南台中学校予定を三菱地所の好きにさせるな

みわ議員:次に、横浜のまちづくりについて伺います。競争に勝つというテーマで、横浜駅きた西口鶴屋地区、東高島駅北地区、港北区箕輪町二丁目地区など、多くの事業が予定されていますが、どれも市民からの要望を受けて行われているというより、国の政策を受けた特区制度と地区計画を最大限活用して、市外からヒト、モノ、カネを呼び込むとする取り組みばかりです。どこからどう見てもマスタープランなどまちづくりのルールを無視、破壊して、事業者の利益を優先した街づくりではありませんか。これが市民の願うまちづくりと市長は考えていらっしゃるのですか。見解を伺います。

林市長:各地区のまちづくりが、都市機能の強化等にはにぎわい形成、地域活力の向上等に向けて、民間の方々と連携をはかりながら進められています。民間の投資意欲を高め、魅力ある開発を誘導し、効率的な都市インフラの整備を進めていくために、地域の状況や特性をしっかりと見極めて、特区制度をはじめとする様々な手法を活用して、まちづくりを進めているところです。

みわ議員:そういうところに巨大な税金が投入されている、またそういう企業優先の考え方が、子安小学校建替用地問題では、始めに教育委員会が提示した代替え地を「それではうちの利益が上がらない」と三菱地所に言われ、結局は、等価交換が成立せず、借地代として新年度も3億円を出し、これまでのも合わせれば12億円も三菱に払うこととなります。そして、私の地元の港南区の学校用地にまで飛び火し、駅に近くてここがいいと三菱地所に迫られ、地域住民や子どもたちのスポーツ利用が危うくなっている事態です。地元の市民はこれを知って、売却反対の声を上げ、連合町内会長も参加する会がつくられています。どのような声が上がっているのか承知していますか。伺います。

岡田教育長:港南台中学校予定地売却問題連絡会から趣意書を受け取りました。内容は、学校予定地の一部売却の撤回、スポーツレクレーション活動や災害時に活用できるように整備することなどです。連絡会とは意見交換を3月に行い継続して話し合いの場を設けることを確認しています。

みわ議員:市有地のあちこちに興味を示している三菱地所に対して、元の子安小学校の土地全部との等価交換をし、残りは市債発行で払うとの提案を言って、企業に社会的責任を果させる市行政の毅然とした姿勢が必要ではないでしょうか。伺います。

岡田教育長:子安小学校の移転改築という点では、当該の企業にもご協力をいただき、当初は今学校を建てています、もうすぐ完成しますけれども、その用地も全て住宅開発の予定でしたけれども、学校予定地に転換を迫ったものです。今、確かに地代を支払う状況になっていますけれども、早く土地の交換地を見つけて清算をしたいと考えています。

みわ議員:企業に社会的責任を果たさせると、今こそ市長が動く時ではないのでしょうか。いかがでしょうか。

林市長:今、ご答弁申し上げたとおりの状況でございます。私としては、果たすべきことはこれからもやってまいりたいと思います。

みわ議員:先程述べました提案、それが借地代の支払いを止め市民のねがいに応える道だと思います。

安全性が担保されていない再開発は見直しを、住民の請願に耳をかたむけよ

みわ議員:栄上郷町猿田地区の線引き変更も併せて、今回の市の線引変更で、市全体では開発が抑制されるべき広大な土地が開発できる市街化地域へ編入されました。上郷町の場合、市民から請願が出されましたが、請願趣旨を示してください。

坂和建築局長:上郷町猿田地区の開発の請願につきましては、大きく分けて二つあります。一つは緑を残すということ、もう一つは大規模造成がございましたので、その安全性を改めて検証すること。その二つだと考えています。

みわ議員:私も現場に行きましたが、長靴でも足がはまり中に水が入っていきます。驚くべき軟弱地盤です。市はこの場所の開発は、盛土の上に更に盛土をする大規模盛土造成になると承知していますか。

坂和 建築局長:計画区域の一部に、以前盛土をした部分がありまして、その一部についてその上に盛土をした計画ということは承知してございます。

みわ議員:その盛土がいつどのように行われた中身もわかっているのでしょうか。

坂和 建築局長:その盛土につきましては、そもそも盛土をどういうふうにチェックしたかと言いますと、以前の地形図と現在の地形図とを、地形図或いは地図を重ね合わせることに拠って盛土ということになっています。以前の盛土の経緯・経歴については、承知しておりません。

みわ議員:承知していないということで、この開発地は、宅地審査課のパンフレットで大規模盛土造成地で、大地震の時に盛土全体又は大部分が滑動崩落の可能性がありますよと、赤字で書いてある場所であるとの認識でよろしいですか。

坂和 建築局長:その赤字で書いてある部分は、先程申し上げましたように、市内の盛土の地区で3000平米以上のエリアについて赤塗りしてあるという所の一部が入っているということは認識しております。

みわ議員:履歴も目的も時期も把握できていないし、環境影響評価のボーリング調査をされた時に、問題の既存の盛土・沼地部分は行われていますか。

坂和 建築局長:環境影響評価につきましては、その盛土の部分につきまして、横浜国大の先生らと考えていますが、盛土の上に盛土をすると盛土の部分は、かなり自沈していると沈下していると、更にその上に盛土をする時は改めて地質調査をしっかりやった上で、施工方法を突固め等にしっかり対応するようにという意見書が出ているということは認識しております。

みわ議員:元々のこの沼地の履歴もわからない盛土は、ボーリング調査されていませんよね。その安全性が不安な盛土に更に盛土をするのが今回の計画です。国土強靭化基本法では、大規模自然災害等に対する脆弱性を評価することが横浜市に求められております。ここで伺いますが、都市計画決定がされても開発許可は建築局の厳しく的確な審査に拠っては下りないということもありえますね。

坂和建築局長:先ず都市計画決定した上で、今度、工事事業計画を進めるにあたってはこれ開発許可の対象になります。開発許可にあたっては施工方法、地盤調査に基づいた計画などをチェックしますので、それにそのチェックに合わないものは開発許可が下りないという認識でおります。

みわ議員:安全性が担保されない開発は認められないということは確認できました。災害回避に市民に対する責任をもってあたることが市の責務です。現在、安全が担保されていないと思いますので、こういう土地の開発を市長が開発推進の立場に立って市街化調整区域を市街化区域に変更するという線引を決断していいのか、まちづくりに責任を持つ市長の見識が私は問われていると思います。市長だからこそできた決断があった筈です。この開発について見解を伺います

林市長:瀬上沢一帯の約20ヘクタールの特別緑地保全地区や自然を生かした公園などとして、将来にわたって保全していきます。又、港南台駅への徒歩圏に位置する幹線道路沿いへの生活利便機能や医療福祉機能、環境に配慮した居住機能などの誘導に拠りまして、周辺市街地の一体性の強化もはかれるなど、地区の将来を見据えたバランスの取れた計画であると考えておりますので、先生が仰るようにやめるべきという考え方ですか、矛盾があるとお考えだと思いますが、私はこの決定はそうは思っていないということでございます。

みわ議員:言っていない内に反対ですかと言われましたが、開発はすべきでないというのが私たちの立場です。現場大事です。市長は、是非とも雨の降っていない時期に長靴を持って現地に行って頂きたいと思います。市民の安全第一を考えて、そしてもう一度失った自然は取り戻せません。

高齢者も若者もだれもが安心の住まい確保へ、市営住宅の拡充施策を

みわ議員:次は若者支援としての住宅施策について伺います。市営住宅は住宅の確保に配慮が必要な低所得者のための住宅セーフティネットです。市営住宅の応募資格を示して下さい。

坂和 建築局長:市営住宅に応募することができる方は住宅に困窮していることや世帯月収が158000円を超えないことなどの収入要件が公営住宅法で定められています。又、夫婦、親子を主体とした家族であること、市内に住所又は勤務場所があること。更には単身者については原則60歳以上であることが市営住宅条例で定められております。

みわ議員:新年度予算で子供の貧困対策として児童福祉施設退所後の子どもたちを住宅確保要配慮者としての取り組みが行われると伺いました。市営住宅への入居は可能でしょうか。

坂和 建築局長:児童養護施設の退所者の方は通常未成年者となりますが、特に有効措置を設けていませんので、先程申し上げましたように、市営住宅の申し込みの対象となっていません。

みわ議員:住宅に確保ができない対象者だと考えられると思うのですけれども、現在若者の二人に一人は非正規で働いています。低賃金で将来不安を抱え親元からの自立もままなりません。又、市内にあった独身寮も今では殆ど姿を消しています。リーマンショックの時には派遣で働いていた多くの労働者が解雇され路上生活を余儀なくされました。ある県立高校の生徒は母子家庭でしたが、在学中に母親が亡くなりました。私は先ず住居を心配しましたが市営住宅に住んでいることがわかりほっとしました。そのまま居住が認められアルバイトで生計を立て卒業し就職し自分でアパートを借りて市営住宅を出ました。若者の自立という点でも児童福祉施設退所後の子供達は当然のこととして所得の少ない若い単身者を住宅の確保に配慮が必要な低所得者として市営住宅と門戸を開いていくべきだと考えますが、改めて伺います。

坂和 建築局長:27年の住宅政策審議会におきまして、今後の市営住宅は高齢者世帯を中心に子育て世帯等の誘導もはかり多世代居住を形成していくべきだとの答申が出されました。最近の応募状況も単身高齢者の割合が高まりつつあることから、高齢者の募集を優先することとしております。

みわ議員:市営住宅を増やして、高齢者も若者も安心して住まい暮らせる横浜へと要望します。

教育現場の過酷な勤務環境改善は待ったなし、真の教職員働き方改革プランの策定を

みわ議員:次は教職員の多忙解消について伺います。この度、横浜市教育委員会として教職員の働き方改革プランを策定するということですが、プランを策定することになった理由を伺います。

岡田 教育委員長:25年度の横浜市立学校教職員の業務実態に関する調査を契機と致しまして、業務改善支援や専門スタッフ等の人員配置の充実など前例にとらわれず、さまざまな負担軽減の取り組みを行っておりますけれども、長時間勤務の根本的な改善には至っておりません。ここでもう一段、学校の勤務環境の改善や長時間勤務を解消し学校を持続可能な環境に変えていく為に、明快な明確な目標設定と具体的な取り組みの工程表を含めたプランとして作成を致しました。

みわ議員:今、言われました2013年の市教委が行った調査が教員の長時間労働の現状がよく見える誠実な調査だったと思っています。今の長時間労働の抜本的な改善に至っていない現状を教育長も認識を申されましたけれども、改めて改善できない原因はどこにあると。教えてください。

岡田 教育委員長:学校が抱える仕事の総量が減らないこと、財源や人材確保の制約から人員配置が短期間に行えないことが働き方改革が加速できない理由と考えています。

みわ議員:厚労省が過労死ラインと呼んでいる月80時間以上の時間外勤務相当である働き方をしているのは小・中でどうなっていますか。

岡田 教育委員長:25年度に実施しました教職員の業務に関する実態と意識の調査から算出した推計値では、小学校は27.5%、中学校は22.9%となりますが、休日の勤務を加えますと国と同様の傾向となり、中学校では半数以上の教員は80時間以上と推計されると考えています。

みわ議員:それで終わらないと思うのです。先生方が大切な業務だと考えている授業準備の時間が勤務時間内に十分に取れておらず時間の半分以上は勤務時間外に行っているとプランに書いてあります。ここで伺いますが、中教師の特別委員会では持ち帰り残業含めれば小学校で57.8%中学校で74.1%が過労死ラインを超えるとの報告がされています。教育委員会は持ち帰り残業について把握していますか。

岡田 教育委員長:子どもたちの情報を持ち出す場合には校長の承認を得てと決めておりますので、それぞれの各学校で必要な時には認めるということになっておりますので、一応の把握はできていると思いますが、それでも先生方は持ち帰ってさまざまな授業研究を自らしている実態もございますし又、一度帰って家庭の用事を済ませて更に又、学校に集まるというようなこともございます。そういう意味では今きちんとした管理ができているかというご質問には十分な把握はできていないんではないかと想定をしております。

みわ議員:きちんと把握をすることを先ず必要だと思います。今回の働き方改革プランでは達成目標が設定されています。数値が示されているのは意気込みが分かりますけれども現状である2017年度が空白です。今、掴んでいないということで。そういう中で現状認識として2013年の調査であっても数値を置くべきだと考えますが、いかがですか。

岡田 教育委員長:退勤管理をきちんと行うことを決めて3月からカードリーダーを入れておりますので、それで把握をしていきたいと考えております。そういうものに匹敵する数字がなかったので入れることができませんでした。又、推計もいろいろな形で今、私、推計値を申し上げましたけれども、なかなかぴったり当てられるものも残念ながらありませんでしたので空白とさせて頂いておりますけれども、目標はきちんと設定を致しましたので、そこの目標に向けてしっかりやっていきたいと思います。

みわ議員:その目標、時間外勤務月80時間を超える教職員の割合を2018年度以降は0%にということ、79時間も80時間未満ですがこれでいいのでしょうか

岡田 教育委員長:そこはゼロと置きましたが、もう1つ19時迄に退勤する教職員の割合というのも7割以上と定めさせて頂きまして、これ換算しますと時間外勤務が45時間になりますのでそれを又、79時間だからいいという良しにとは考えておりません。

みわ議員:45時間以下とみえる数字を書けばいいと思うのです。3月から教員の勤務管理を先行導入されて時間外勤務超過勤務が一定時間を超えた際にシステム上にお知らせがされます。教員以外は月45時間を超えた場合ですが、教員は月60時間を超えた場合から、なぜ違いがありますか。

岡田 教育委員長:教職員の庶務事務システム上にお知らせが表示されるという方式を今、取っておりまして教員については先ず60時間でお知らせすることに致しました。制度は異なりますが、教員以外の事務職も時間外勤務の管理という意味では同じですので揃えて、今後の運用状況をみながら45時間で表示できるように変更を検討していきたいと考えています。

みわ議員:長時間労働による健康障害者やメンタルヘルス不調を防ぐ為に19時までの退勤をきちんとする45時間、教員もそれから職員の方も同じようにするようにお願い致します。教育政策推進課とこれは労務課と考え方が違うのかと思いました。そういうことではないということで改正をして頂くということで、よろしくお願い致します。

次に授業時間数であるコマ数と授業準備の時間について伺います。学習指導要領の改訂でどんどん教員の授業コマ数が増えています。コマ数が増えてきたことと長時間勤務繋がっているという認識がありますか。

岡田 教育委員長:学校の年間活動時間数は増えていないという風に認識しておりますので、その中でのコマ数の工夫ですので、年間の活動時間が増えているとは認識をしておりません。

みわ議員:現場は、そういう事態になっていないです。そして横浜は、この国基準より小学校で20コマ多くしています。これは市の教員には特別に長時間勤務を強いているという認識はありますか。

岡田 教育委員長:学校の年間活動時間数は、法律上は学校長が決定しますが行事などの時間を含めますと、概ね低学年は1000時間、高学年は1150時間となります。小学校です。本市が示します授業数20時間のプラスのことですけれども、これはこの中に設定しておりまして先程ご答弁させて頂いたとおり、年間活動時間数が増えるものではございません。又、その内容としては小学校1年生から4年生まで外国語活動、5年生と6年生については各学校が独自に教科等の指導に活用する時間としておりまして、これらは本市の教育として必要な時間数と考えています。

みわ議員:学習指導要領でコマ数が増えているのは実際ではないでしょうか。国への働きかけの中で市教委は制度改正に拠り学校へ新たな業務を付加する際には正規の勤務時間や人的配置、現状を十分配慮せよとしています。国は月の残業が8時間などとする時代遅れの考えのまま次から次へと新たな課題を課しています。現場はもうこれ以上は無理という事態だと思います。国にこういう制度改定を時には人も要るんだということを国に求めている訳ですから、横浜市20時間多いというこのコマ数については改善するべきだと考えますがいかがでしょうか。

岡田 教育委員長:29年3月に公示されました新学習指導要領では新たに外国語教育の充実に伴い30年度より小学校3年生から6年生までこれまでよりも15時間の増加が示されています。本市では既に外国語活動を実施しており、その時間を充てることに致しましたので、授業数の増加はありません。更に全面実施となる32年度からは小学校3年生から6年生まで35時間の増加が示されておりますが、本市においては既に20時間工夫して実施をしております関係で今後はこの15時間の工夫が必要になり今その時間を全体の活動の中で生み出していく為にいろいろ工夫をしております

みわ議員:授業1時間準備するには1時間の準備がいると6時間授業なら6時間の準備とこれが勤務時間内にできるのですか

岡田 教育委員長:働き方改革しっかり進めて授業準備できるようにしていきたいと考えています。

みわ議員:数が実際増えてきているのですから、ここに問題があるという認識が必要だと思います。市長、横浜市は現職教員の過労死も出しています。休職者における精神疾患の割合も教師の割合も全国平均を上回っています。ここに対応するには横浜市こそ教師の長時間勤務を解消し子どもに向き合う時間の確保の為に先ずこの少人数学級ここに踏み出すべきではないでしょうか。教育委員会のプランには従来どおりの体制や制度の元で対応していくことは既に限界と書いているのですよね。先進国の中でもあまりにも国の教育予算が貧弱であることが、この横浜の街でも深刻なこの超過勤務の実態を招いている訳です。だからこそプランに明記されているように500を超える学校を誇る日本最大の基礎自治体として教職員の働き方改革を着実に進める決意と実行が問われています。市長、市として少人数学級に踏み出し、この長時間勤務解消するべきと思いますが、質問して終わります。

林市長:学校の先生方には、生き生きと子どもたちに向き合って頂きたいとこれはもう本当に思っております。これ迄の職員室業務アシスタントの配置などさまざまな取り組みを進めておりますけれども、教職員の働き方改革を一層推進してまいります。教職員定数の拡充については、児童支援専任教諭の定数化など、その必要性を中教審でも伝えてまいりました。財源確保や教職員の待遇改善などは義務教育における国の責務として実施すべきとも考えておりますので、引き続き国に要望してまいります。


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