議会での質問・討論(詳細)
2018年3月23日

■「予算組替動議趣旨説明」(北谷まり)

国保料、給食費などの値上げ止める予算へ組替を

北谷議員:北谷まりです。日本共産党を代表し、2018年度一般会計予算等の組替動議の趣旨説明をいたします。まず、組替を求める理由を申し上げます。

地方自治体の役割は、地方自治法で規定されているとおりで、「住民福祉の増進」を総合的にはかることにあります。ところが、2018年度予算案では、1176件の事業見直しによって、市民生活を支える事業や予算が削減されています。また、税収が増えた分は、市民の暮らしのために、本来、振り向けられるべきですが、あまりにも国いいなりで進める巨大事業に傾いており、ともに問題です。 特定企業を利する市街地整備事業や不要または不急の公共投資などを凍結・中止すれば、市民の暮らしを守る事業、施策を前進することができるのではないでしょうか。

林市長は、「横浜の未来を創る人づくりに全力を注いでいく」と言われました。未来を考えるのであれば、横浜の子どもたちが、家庭の経済状況等に左右されずに、将来を選択できるよう、施策を講じるべきです。そのためにも、子育て世帯の負担を軽減することは必須で、学校給食費値上げを中止すること、就学援助を拡充することが求められます。義務教育での給食を無償にしている自治体もあり、給食費の値上げは、子育て支援から逆行です。さらに、低所得世帯向けの高校奨学金制度を創設することで、お金の心配なく、どの子も学ぶことが可能となります。急ぐべきは、子どもたちへの投資です。OECD調査で、「所得格差が拡大すると経済成長は低下する」ことが明らかになっています。子育て世帯、若者に重点を置いた、市独自事業を幅広く行い格差是正を図ることが、経済成長にとっても、プラスになることを認識すべきです。

また、本市には、1万人という規模で、無料低額宿泊施設や簡易宿泊所、無届の施設が、実質的な住宅となっている実態があります。6畳の部屋をベニヤ板で仕切った3畳一間の部屋が、終の棲家というのは、あまりにも非人間的です。このまま放置して、いいはずはありません。市営住宅の直接建設が求められます。

さらに、国民健康保険料、介護保険料の引き上げが示されています。これまでも、高すぎる保険料に対し、「払えない」との悲鳴が上がっていました。あらゆる手立てを講じて、負担の軽減を図るべきです。 国民健康保険と介護保険の各事業費会計予算を組み替えれば、保険料引き下げをはかることができます。

次に組換の内容についてです。 

① 就学援助認定基準を2013年度基準に戻し、拡充すること

② 低所得世帯向けの高校奨学金制度を創設すること

③ 低所得の高齢者向け市営住宅の直接建設をすること

④ 学校給食費値上げを中止すること 

これらで、貧困対策の拡充と保護者負担軽減を図ります。

その財源は、

① 東高島駅北地区開発事業と横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業の凍結

② IR等検討費、海外視察費・費用弁償、都心臨海部における新たな交通システム導入事業費の全額カット

③ 横浜高速鉄道株式会社貸付金、桜木町新改札口設置事業費、子安小学校移転整備用地の賃借料の半額カット

で捻出します。

そして、国民健康保険料については、国民健康保険事業費会計歳出予算のうち、基金積立金46億円を28億円に減額、保険料引き下げにまわします。これによって、平均保険料が前年度並みとなります。

また、介護保険料については、介護保険事業費会計歳入予算のうち、基金繰入金32億円を52億円に増額します。これによって、基準額の第6段階未満の段階の介護保険料が前年度なみとなります。

以上の通り、貧困対策の拡充と市民負担軽減を図り、市民のくらしを守るために、2018年度予算案の編成替えを求めるものです。議員各位のみなさまの賛同を心よりお願いいたしまして、組替動議の主旨説明を終わります。ありがとうございました。


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