議会での質問(詳細)

2009年12月3日

【2009年第4回定例会】「議第8号議案」に対する質問 中島文雄   

議員提出議案の提案理由の説明機会を奪うな

中島議員:私は、日本共産党を代表して、本定例会に上程された「議第8号議案・横浜市常勤特別職員の給料及び手当に関する条例の一部改正」について、質問いたします。
 本議案は、市長、副市長及び常勤の監査委員の退職手当について、市会の議決を経て支給することとし、合わせて、その額について市会の議決で減額できるようにしようとするものです。
 議案についての具体的な質問に入る前に、なぜ、この質問に立ったのかについて、一言述べておきたいと思います。
 この議案は、8名の議員によって議員提案されたものであり、これに対する是非は別にし、提出された議案として十分な論議は、市民から負託された議会として保障されるべき問題であります。今回、議案提案者は本会議の場で「提案理由の説明」を求めましたが、その取り扱いを論議した市会運営委員会においては、「中味が単純だから」とか「事前に各会派に説明がされている」などとし、「提案理由の説明」の機会が失われました。
 横浜市会「会議規則」による提案説明等を「省略することができる」という規定の内容は、議案提案者が説明の必要がないという意思表示がされた場合とか、全議員の賛同による議員提出議案等に適用されるべきものであり、賛否の採決を要する議案等で、提案者が「提案理由の説明」を求める場合においては、省略すべきではありません。今後、正当な議会ルールに則って、議員提案された議案については、提案者が本会議の場で提案理由の説明を求めた場合、その機会を奪うことのないよう、強く申し述べておきます。
 それでは、「議第8号議案」について、提案者に対し具体的に質問いたします。
 第1に、市長、副市長等の常勤特別職員の退職手当支給について、市会の議決を経ることや、支給額を減額できる条例改正を提案する理由は何か。
 第2に、この改正によって見込まれる効果は何か。
 第3に、他の自治体での事例はどうなっているのか。
 第4に、地方自治法で退職金を含む給料、手当等について「額ならびに支給方法は、条例でこれを定めなければならない」とする規定との整合性はあるのか。
 第5に、「退職金を減額できる」としていますが、減額の内容についての考え方はどのようなものか。
 以上、5点を伺って、私の質問を終わります。

井上さくら議員:ご質問いただき、ありがとうございます。提案者であります「ネット・市民の党・無所属クラブ」議員団を代表して、「議第8号議案 横浜市常勤特別職員の給料及び手当に関する条例の一部改正」について、中島議員のご質問にお答えいたします。

 はじめに、このたびの改正案提出の理由をお尋ねいただきました。
 常勤特別職、特に市長の退職金については、これまでも、その金額が高額なことなどについて、是正を求める請願などが議論されてきました。
 しかし、基本的にはこの条例において、退職イコール退職金支給と規定され、金額も決められているため、議会関与の余地がなく、市民からの声はなかなか反映されないものとなっております。
 今年7月には中田前市長が突然職を投げ出し、次々と副市長らも辞職し、決算委員会への参考人招致にも応じないなど、市政に多大な障害をもたらしながら、一方で巨額の退職金が自動的に次々と支払われていくという異常な事態となりました。
 無論、このようなことは、決して繰り返されてはならず、また、退職金の問題はことの一部分に過ぎません。
 しかし、今度の事態で、自ら経営責任職と称していた前市長らの退職金制度が、その経営結果をまったく反映しないものになっていることが、はからずも浮き彫りになったわけです。
 そこで、現行の法制度の範囲内で、議会の関与を可能とすることにより、市長ら特別職の退職金が適正に支給されるよう、条例改正を提案したものです。

 次に、この改正により見込まれる効果についてお尋ねいただきました。
 改正案では、条例第9条の「市長が退職した場合は、その者に退職手当を支給する」とする第1項に、「市会の議決を経て」という文言を加え、金額を規定している第2項の最後に、「ただし、必要と認めるときは、市会の議決をもってこれを減額することができる」と加えるように致しました。
 これにより、支給そのものとその額について、市会の議決が必要となるため、まず市長部局の方でも議案提出にあたり、その額が妥当なのか検討され、さらに議会でも審査されるというプロセスが新たに加わることになります。その過程で、たとえばその時々の財政状況あるいは社会全体の給与水準、そして退職することとなった経緯とそれへの評価などが加味され、いまよりは市民感覚に近いものにできる効果があると考えます。

 次に、他の自治体の例ですが、今回の改正案同様、議会の議決をもって減額を可能とする規定を、京都市、福岡市、福井県、石川県、鹿児島県などが退職手当の条例の中に定めています。
 このうち京都市は、「退職手当の額の変更等」という条文を設け、「市長は特別の理由があると認めるときは、議会の議決を経て、退職手当を支給せず、またはその額を変更することができる」。さらに、市長等が退職し、引き続いて一般職の国家公務員となった場合には、規定にかかわらず退職手当は支給しないと決めるなど、一般職員と異なり、市長らの退職金については議会関与のもとに支給停止や減額を可能とする条例が、全国に現に運用されております。

 次に、自治法の規定との関係についてです。
 ご指摘のとおり自治法では、退職金を含む給料、手当等について「額ならびにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない」と規定されています。
 そのため、この改正案では、退職金の額については現行通り規準を明記した上で、他の自治体同様、「議決をもってこれを減額することができる」としたため、自治法に抵触することはありません。
 また、第1項に「市会の議決を経て」を加えることについても、自治法上、退職手当は「支給することができる」という、できる規定になっている点から、仮に市長提案が否決され、支給ができない状態となったとしても、自治法上、問題はありません。

 最後に、減額の幅などについての考え方ですが、今回の改正案では、あらかじめ減額の基準を設けることはしておりません。市長をはじめとする特別職は、本市でいうところの最高の経営責任職であり、退職にあたって支給されるその退職金は、経営結果としての市の財政状態や、市長への市民の評価が反映されたものとなる方が、あらかじめ額が確定されているより、はるかにふさわしいと考えます。
 現在の基準は、実質上限規定とし、たとえば任期満了ならば辞職の時期を前に、現職市長が自ら自分のマニフェストへの評価を公表し、それを退職金算定に反映した退職金額の議案を出してもいいわけです。市民の支持に自信があるならば、上限いっぱいでもいいでしょう。それを議会で審議するわけです。
 二元代表制というこの市長と市議会に、新たな緊張感や信頼感がこれを契機に生まれるかもしれません。
 自治体首長の退職金については、そもそも退職金制度のない議員との違いや、1期4年間ごとに約4000万円と、大変高額になる算定方法など、様々な問題が指摘されており、このたびの改正案は、もとより、その全てに応えるものではありません。まずは、市長等特別職の退職金支給について、議会の関与を担保することで議論を起こし、問題解決へ一歩、踏み出そうとするものです。
 万機公論に決すべし。そのためのささやかな提案でございます。ぜひ、このような趣旨をご理解いただきまして、またこのあと附託が予定されております常任委員会などでも活発なご議論を頂きますよう、お願いしまして、答弁を終わります。ありがとうございました。

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