議会での質問・討論(詳細)

2018年10月26日

岩崎ひろし議員 (戸塚区選出)が反対討論

市民の多数意見にどう向き合ったか

岩崎議員:日本共産党を代表して、2017年度横浜市一般会計歳入歳出決算に対する討論を行います。

日本共産党は、2017年度予算案に対して、①安倍政権に追随する予算案では、市民生活は守れないこと。②予算案は大型開発に偏重しており、これでは、市民のくらし、防災対策、まちづくりが前進しないこと。③明白な犯罪行為であるカジノを誘致するための条件整備を着々と進めていることなどを指摘し反対しました。
2017年度の市政運営は、市民の多数意見にどう向き合ったかです。圧倒的多数の市民意見と言えば、「横浜にカジノはいらない」と「中学校給食の実現」であったことは、各種の世論調査が示しています。

きっぱりカジノ断念、中学校給食の実施を

岩崎議員:先ず、カジノ誘致の問題です。
IR・カジノ誘致は、アベノミクスの目玉政策の一つです。しかし、カジノは明白な犯罪行為です。カジノの収益の一部を市の財源にすることを期待して、横浜にカジノを持ち込むことは許されません。

市長は、昨年の市長選以来、「白紙状態で、国の動向を注視している」と言いつづけ、きっぱりやめるといいませんでした。こうした態度を続けたため、関連事業者に事業提案を求めることになりました。このやり方は、市民を愚弄するものです。この際、きっぱり「断念する」と明言すべきです。それが、「横浜にカジノは、いらない」と言う市民の意見に沿う対応ではありませんか。
次に中学校給食です。中学校給食は、20の政令指定都市で、横浜だけが未実施です。市長が、固執するハマ弁事業は、目標にした喫食率20%は、遠く及ばす2017年は1%台、値下げした18年度でも2%程度で低迷しています。昼食のとれない生徒対策も効果の検証さえできていません。

また、ハマ弁は栄養バランスでも、栄養価でも、文部科学省の学校給食摂取基準を満たさず、食育の教材とも言えません。この実態から教育長は、「(事業目的を)果たせているとは言えない」と答弁しています。ハマ弁事業は、すでに破たんしています。事業の失敗を認めて中止すべきです。そして、給食実施にふみきるべきです。
「横浜にカジノはいらない」、「中学校給食の実施を」という、圧倒的多数の市民の声を無視し続ければ、民意を踏みにじって恥じない安倍政権の強権政治と同じです。

安倍政権の「成長戦略」に呼応する横浜市

岩崎議員:続いてまちづくりです。

安倍政権は「世界で一番企業が活動しやすい国にする」として大企業の国際競争力強化のための「成長戦略」を推し進め、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を好機として大型公共事業を拡大しています。
これに対して本市は、都心臨海部の再生・機能強化を加速し、「世界中から人と企業を惹きつけるまちづくり」を進めると、呼応しています。

2017年度は、山下ふ頭の再開発、エキサイトよこはま22、鶴屋町の国家戦略特区住宅整備、みなとみらい21地区20街区でのMICE施設、新市庁舎、関内・関外地区再開発など都心臨海部で巨大開発事業に取り組むことを宣言し、実行してきました。
ここで、まちづくりに関わって看過できないいくつかの事案に触れます。

なぜ、首都高に減額交渉できないのか

岩崎議員:高速横浜環状道路関連事業に偏重した予算が、市民生活関連事業を圧迫し続けています。そんな中で、北西線事業の事業費が約19億円減額補正されました。ほぼ同じ工事を委託している首都高に対して、時を失せず、契約金の減額交渉を行うべきです。どれだけ減額できるのかも、いまだに、明確になっていません。事業費の縮減努力を怠っていると言わざるをえません。

常識では考えられないほど高額な土地買取の箕輪小学校用地

岩崎議員:港北区の箕輪小学校用地として野村不動産から買い取る土地の価格が、常識では考えられないほど高額だった問題です。
学校用地となる土地は、①高圧電線の下にあり、道路付や土地の形が悪いこと、②地中に頑強な構造物(地中梁等)や、汚染土壌などがあること等、悪条件が重なる土地です。こういう土地は、更地にするまでに多額の費用を要するため、土地の評価は大きく下がります。

財政局は決算審査で「ルールにのっとっており、適正」と説明しました。しかし、評価の低い土地と良好な土地を一体にして計算した単価を基に、学校用地の価格を算定しています。これ自体が適正とは言えません。
財政当局は、土地の買取は、教育委員会の責任としています。しかし、実際、売買契約は財政局ではありませんか。

「経費は、最小の支出で最良の効果を上げなければならない」と、地方自治法並びに地方財政法で義務付けられています。財政局、とりわけ、市長の監督責任が重いと言わなければなりません。

国家戦略特区住宅整備、東高島駅北地区開発

岩崎議員:鶴屋町での補助金45億円交付の外国人向けの国家戦略特区住宅整備、補助金53億円を出す東高島駅北地区開発など開発事業を見直しすることなく推進していることは看過できません。鶴屋町について、当局は補助金交付の根拠を、「街の不燃化、都市機能の強化に公共性がある」と説明します。そうであれば、市内どこでも「不燃化建築物には、補助金を交付するのか」と問いたい。このような補助金は、予算の範囲内で交付することが「できる」と規定されており、市の判断で交付しなくても済むものです。

現市庁舎は当初の保存活用方針に立ち返って

岩崎議員:次に現市庁舎の保存活用方針が解体・再整備の容認へと変えられた問題です。

現市庁舎は、2016年10月に公表した活用事業実施方針素案で、「関内の歴史を継承する建物として活用を基本とする」としていました。それが、2017年3月に策定された「活用事業実施方針」では、「保存活用を基本としつつ、横浜らしい町並み景観の形成及び地区の活性化等に資する提案があれば柔軟に対応し、様々な提案を公平に評価します」に変更されました。そして、現時点では、現庁舎の解体につながる民間への売却方針にまでなったのです。
方針転換は、開発事業者の意向や議会での論議をふまえたものと説明されていますが、その中身については明らかにされていません。

現市庁舎は、建築分野の知性を代表する日本建築学会が保存を強く求めている重要な建物です。また、文化庁も重要建築物のリストに挙げて評価しています。
「解体・再整備」、「建物売却」の方針で臨むのであれば、横浜市は、経済優先の判断しかしていない。横浜らしさ、歴史、文化など経済性で測れない大事な価値を評価できない自治体なのだとの誹り(そしり)を全国から受けることになります。

本市が、「現市庁舎は保存・活用を基本」とした原点に立ち返り、横浜の歴史と文化の保存・継承に責任を果たすことを求めます。

緑を壊して市街地拡大は「緑地保全」方針に反する

岩崎議員:緑を壊して市街地を拡大する「線引き見直し」を実施したことも問題です。

中でも、上郷猿田地区の市街化調整区域を市街化区域に編入し、開発を容認したことは、開発を狙う東急建設の利益を優先した、「緑地保全」という本市の重要方針に、真っ向から反する判断であり、大きな間違いです。
開発計画はまだ始まっていません。今からでも計画をストップさせるべきです。

「持続可能な社会保障制度の構築」を口実に、市民サービス削減と負担増

岩崎議員:次に、市民のくらし・福祉です
安倍政権は、「持続可能な社会保障制度の構築」を口実に、サービス削減と負担増を、国民に次々としわ寄せしています。本市も、国に倣ってサービス削減を行っています。

小児医療費助成制度では対象年齢を小学6年生までの引き上げと引き換えに一回ごと上限500円の一部負担金を導入、所得制限の緩和なし、小規模校を不適切と断じて学校統廃合を強行、戸塚区では保護者、地域住民の反対の声を押し切り、俣野小を廃校、深谷台小に統合、そして、神奈川区入江町公園プールの廃止決定、等々、が行われました。

保護者等の統廃合反対を無視した北綱島特別支援学校の廃校

岩崎議員:港北区の北綱島特別支援学校の廃校問題では、横浜市北部地域の重度重複障害の子どもたちの学ぶ権利が奪われると、保護者、教員、地域住民が一体で学校存続を求める運動が続けられました。しかし、2019年には廃校となる、分校化の方針を決定してしまいました。

市営住宅は、住宅確保要配慮者世帯が約16万世帯、応募倍率全市平均12.7倍。公的住宅の絶対量の不足は明白です。にもかかわらず、住宅は足りているとして2017年度も新規建設はありませんでした。

「福祉の増進」から、ますますかけ離れています。これが、今の横浜市政の姿です。

災害対策は、「人命被害ゼロ」を明確にし、予算を大幅に増やすこと

岩崎議員:次は災害対策です。この間、大災害があいついでいます。

地震では、日本列島の地震活動の活発化、さらには、地球規模での気象変動を背景に、風水害の激甚化が指摘されています。災害リスクが極めて高い横浜にあっては、従来の延長線上でない、抜本的な対策の具体化が喫緊の課題です。

本市の災害対策は、「あらゆる災害への対策に、万全を期す」としているものの、「人命被害ゼロの目標が不明確」なこと、「大災害の発生を前提にしていないこと」など、重大な弱点があります。

防災対策のメニューは、防災基本計画に基づいて、それなりに記述されているものの、事業量と予算規模は微々たるものです。命の危険があるがけ地の対策必要数1364か所に対し、17年度の工事完了実績は22カ所、建築物不燃化対象戸数4万戸に対して昨年度の実績870戸です。あまりにも少ない予算措置と実績です。

公共施設の保全・更新費は年平均1250億円必要とされているのに、決算額は666億円です。保全更新事業が後回しにされています。人命被害ゼロをめざすには、ハードの備えを着実に進めるとともに、緊急性が高い発災時における「避難、救護」の対策・方針の具体化を急ぐべきです。防災知識の啓発、災害関連情報の受・発信、訓練実施など、全市民を対象に周知することが不可欠です。

大災害が発生することを前提に、「人命被害ゼロ」を明確にした対策の推進に全力をあげることを求めます。
以上が、2017年度決算に対する日本共産党の主な評価の視点です。
地方自治の本旨から、ますます乖離した1年

岩崎議員:市長が中期4か年計画の「総仕上げ」の年とした2017年度は、安倍自公連立政権への追随が一層ふかまり、地方自治の本旨=「市民の福祉の増進」から、ますます乖離した1年であったことが、決算審査を通して、明確になりました。
こうした理由で2017年度決算の認定に反対です。
2017年度の決算をふまえ、市民のくらしを守る2019年度予算編成となることを求めて討論を終わります。

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