議会での質問・討論(詳細)
2010年2月24日

【2010年第1回定例会】「現年度議案反対討論」 関美恵子

 私は、日本共産党を代表し、4件の議案に反対し、討論を行います。

「知る権利」を阻害する「権利濫用禁止」および「開示請求拒否」

 市第109号議案は、横浜市の保有する情報の公開に関する条例の一部改正です。
 同条例は2000年に施行され、10年になります。条例に基づく行政文書の開示請求状況は、2008年度の実績で請求書数2449件、請求文書件数は暫定速報値で2万8866件、全体として増加傾向にあり、今後も多くの市民により様々に活用され、増加していくことが推測されます。
 開示請求実績の増加傾向は「横浜市が市政に関して市民に説明する責務を全うし、公正で民主的な市政を推進する」という条例の目的達成にも合致しており、今後も開示請求実績の増加を望むところです。
 ところが今回の条例改正は、情報公開において、業務妨害や職員へのいやがらせなどと思われる常識を逸脱した開示請求が発生していることを理由に、行政文書の開示を請求する権利の濫用を禁止する規定、権利の濫用に当たる請求があった場合は、当該請求を拒否することができる規定を条例に明記するというものですが、そのことによって、むしろ開示請求権が大きく損なわれる危険性があります。
 第一に、権利濫用を理由に、必要な請求まで拒否されないかということです。
 私にもかって、局別の食料費を調査する必要に迫られ、一部の局だけでも膨大な開示請求になって驚いた経験をもっていますが、仮に、行政の不正を明らかにしようとする場合、すべての文書を見なければわからないことから、「何々に関する全ての文書」を請求することは当然のことです。
 ところが、請求文書を特定しない「何々に関するすべての文書」は、審査会意見書で不適切な請求の例とされており、職員も権利の濫用と判断すれば、「開示請求拒否」となる可能性は充分考えられます。
 「今でも、職員が請求範囲を限定するよう執拗に要求することがしばしばある」との声を聞いていますが、現状では、請求者と職員の意見が食い違っても請求者の意見が採用されているようです。
 しかし、条例を盾にされると職員の意見に従わざるを得ず、必要な開示請求への拒否や制限が強まることが危惧されます。
 第二は、権利濫用禁止規定が示されていない問題です。
 何をもって濫用とするかという情報公開にとって根幹を成す部分は、条例にはっきり明記し、議会の議決を得るべきとのわが党の質問に、林市長は「運用基準の内容は検討中で、審査会からの意見書や判例等を参考として決めていきたい」と答弁されていますが、それは「統一的な運用基準」としており、当然抽象的なものにならざるを得ず、その基準をもとに権利濫用か否かを判断するのは現場で運用する職員です。あってはならないことですが、職員の視点によっては「恣意的な運用」になり、審査会意見書や答申が想定する以上に「請求拒否」を発生させることも考えられ、権利濫用禁止規定を明確に示してこそ条例改正の是非も問えるのではないでしょうか。
 「知る権利」は憲法で保障された基本的人権で、何人においても保障されなければなりません。
 審査会の意見書では、業務妨害とされている大量請求については、「決定期限の特例延長」の規定を設けて対処でき、横浜市も条例12条で対応できること。また、条例第4条で利用者責務を定められており、あえて「権利の濫用」を条例に明記しなくても開示請求を拒否できるとしています。
 また、権利濫用の法理は法の一般原則であり、条例に明文の規定がなくても、適用することはできるとしています。
 「知る権利」を阻害する「権利濫用禁止」および「開示請求拒否」の条例への明記は認められません。

「多様な保育ニーズ」を理由にした保育園の民営化はやめよ

 次は、市第110号議案、横浜市保育所条例の一部改正についてです。
 横浜市は、保育ニーズの多様性などを理由に、2004年度から毎年4園ずつ、計24園まで民間移管してきました。2011年4月には下永谷保育園、善部保育園、西柴保育園、大倉山保育園の4園を民間移管し、議案は4園を条例から削除しようというものです。
 2011年度に民間移管予定の4園の保護者に対し、横浜市がアンケートを行っています。私もアンケート結果を見せてもらいましたが、職員が作成した「園紹介」を読み、園児や保護者や職員の楽しそうな声が聞こえるようで、私も「行ってみたいな」と思ったほどでした。
 アンケート回答には、保育内容や行事、開所時間の延長など現行通りでよいというのが回答の大半を占めておりました。
 横浜市への要望もたくさん出されていましたが、「今までどおりの園であってほしい」「職員はそのままにいてほしい」など、園や職員への厚い信頼があらわれています。また、「卒園まで民営化延期を強く望む」「民間移管とすると決まる前にアンケートした方が良いのでは。一方的だ」「対象になった保育園の園児・保護者は不安。民間移管を続けるのはどうかと思う」など民間移管に批判的な意見が出され、驚いたのは「多様な保育ニーズの対応が保護者の要求ではない」と、横浜市の民間移管を進める理由そのものをきっぱりと否定する回答も見られたことです。
 市長は、民間移管した園の検証結果報告書から、9割の保護者が満足、どちらかといえば満足していると紹介されましたが、園や保育士への信頼を突然奪われ、不安にさらされる園児や保護者の痛みは、アンケートに率直に示されています。市長に民間移管することの重大さを考えてほしいと思います。
 公立では難しい「多様な保育ニーズ」に応えるためとして、横浜市は、移管条件として、時間延長、3歳児以上への主食の提供、土曜日の給食の提供、一時保育の実施を法人に求めています。ところが、3歳児以上の主食の提供は公立でも36%の園が実施し、一時保育も33%の園が実施しており、民間移管しないとできないと決めてかかる市のやり方こそ問題です。
 さらに、2011年度民間移管園には、老朽園の改修まで移管条件にしたとのことですが、理由は民間保育園の改修には国から補助金があり、公立のままでは国からの補助はないということで、保育園の改修がらみの民間移管という本末転倒のような取り組みも疑問です。
 先の議案関連質問でもいくつかの民間園の事例をあげ、改善を求めたところですが、民間であるがゆえに、行政の指導が徹底しきれないというのは当然起こりうることです。いずれにしても、コスト削減を目的にした民間移管は見直し、高い保育の質を示すモデルとして保育内容を拡充し、市立保育所として維持することを求めます。

地域活性化や貢献を重視した指定管理者の選定制度を

 次に、市第121議案は、公園に設置されたプール及び子ども用プール26施設等への指定管理者の指定を求めるものです。
 プール施設については2期目の指定となりますが、指定の仕方が1期目と大きく異なっています。
 昨年10月に示された横浜市指定管理者制度運用ガイドラインによると、選定単位の設定」について、「指定管理者は、必ずしも個々の施設ごとに選定しなければならないものではない」として、「複数の施設を一体として選定を行う、いわゆる『バンドリング』についても積極的に検討する」としています。同種施設や複合施設が該当するようですが、公園プールは設置根拠の条例が同一ということで同種施設になります。
 そこで、今回の指定が26施設等を10のグループにし、方面別に指定管理者を指定したと聞いています。
 その結果、財団法人横浜市緑の協会をはじめ、現行では含まれていた市内事業者がすっかりいなくなっています。
 ガイドラインには、選定時における評価の考え方として、地域特性等を反映した評価項目の設定として、施設の地域特性の考慮度合いや地域活性化への貢献度を検討するとあります。地域に密着した公園プールであれば、地域活性化や貢献について重視した指定管理者の選定制度とすべきでした。

住民合意のない横環道南線の関連街路の整備はやめるべき

 最後は、市第126号議案、平成21年度横浜市一般会計補正予算に関わり、横浜高速環状道路南線の関連街路である都市計画道路横浜藤沢線への27億円の債務負担行為の設定の問題です。
 横浜環状南線の現状は、トンネル化の問題で住民と事業者で合意できておりません。住民は環境を配慮し、深い地中でのトンネル化を求めているのに対し、事業者は環状4号線の部分は陸橋にし、庄戸の住宅街の地下の浅いところをトンネルで通すことを主張し、一つの団体とは月一回のペースで1年間技術検討委員会をもってきたということですが、合意に至っておりません。また、別の住民団体も説明会を開いているとのことですが、了解はしていないと聞いております。地元間でも合意ができておりません。
 また、昨年の11月に、関東地方整備局の諮問機関である事業評価監視委員会が開かれ、傍聴した市民の話によると、南線については20分という短い審議の中でも、住民合意ができていないから努力すること、環境への配慮をすること、この2点が、5年前と同様に付帯意見として付けられたとのことです。
 事業者の諮問機関さえ住民合意ができていないと見ており、工事の見通しが全く見えない時に、関連街路の整備を進めることはやめるべきです。
 以上、で私の反対討論を終わります。


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