議会での質問(詳細)

2010年2月24日

【2010年第1回定例会】「予算代表質問」 大貫憲夫

※実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

待機児童解消の基本は保育所増設、
正規保育士の増加で保育の質も確保せよ

大貫議員:私は日本共産党を代表して林市長に質問します。
 まず、待機児童解消と保育の質の問題についてです。
 政府は、2009年12月15日に閣議決定した地方分権改革推進計画で、東京など待機児童の多い自治体について園児一人当たりの床面積基準の緩和を認めるなどの規制緩和を打ち出しました。また、政府の構造改革特別区域推進本部は今月4日、保育所の3歳児以上の給食について外部調理を認める規制緩和などの意見をまとめました。さらに、厚生労働省は17日、認可保育所の定員の上限撤廃を決めました。これらの待機児童の解消を名目にした規制緩和が、保育の質の低下をまねくのは必至です。
 長引く不況のもとで、貧困と格差を生み出している厳しい雇用環境は、多くの子育て世代の「子育て力」を低下させています。こういう時だからこそ、「行政の責任において質の高い保育サービスを提供する」という市長の選挙公約を堅持すべきです。そして、何よりも横浜の将来を支える子どもたちの健やかな成長を保障するために、政府の定員数規制緩和や設置基準の見直し等については同調すべきではありません。いかがでしょうか。同時に待機児童解消は保育所を増やすことが基本と考えますが、市長の見解をうかがいます。
 市立保育所の現場では、正規と非正規の保育士の割合が5対5になっています。アルバイトや非正規の保育士は、正規保育士の産休や病欠などに対応する場合に緊急的に採用することはあっても、経費削減のために恒常的に正規保育士の代替とすべきではありません。保育の質の低下を防ぐためにも早急に是正すべきですが、いかがでしょうか。また、民間、特に株式会社が運営する認可保育園ではさらに非正規の保育士の割合が高いと聞いています。民間保育園についてもその実態を調査し、是正しなければならないと考えますが、市長の見解を求めます。

林市長:大貫議員のご質問にお声申し上げます。
 子育て支援について、ご質問いただきました。待機児童解消と保育所の質について、まず居室面積の緩和等の規制緩和についてですが、21年12月15日に閣議決定された地方分権改革推進計画において、東京など一部の区域で居室面積基準を緩和する地域としています。現段階では、東京以外の区域の指定がされていませんが、本市としては今後も国の指定緩和の動向や衆院のみなさまのご意見を踏まえながら、方向性を検討していきます。
 待機児童解消は、保育所が増やすことが基本との考えについてですが、保育所整備を基本としつつ、横浜保育室の助成拡大などの既存資源の活用、さらに多様な働き方に対応するための一時預かりの拡充など、あらゆる手法で待機児童対策を進めます。
 正規保育士とアルバイト・非正規保育士等の割合についてですが、本市市立保育所では、児童福祉施設最低基準を超えた正規保育士を配置しています。また、長時間保育や障害児保育など、多様な保育ニーズに対応するために、効率的かつ柔軟な執行体制が確保できるよう、嘱託職員等を配置しています。私も市立保育所を訪問しましたが、正規・非正規を問わず、職員が一体となって児童ひとりひとりに向き合いながら意欲的に取り組んでいたことが印象に残っています。
 認可保育所における非正規保育士の実態調査と是正についてですが、保育時間の延長や一時保育など、保育ニーズが多様化するなか、保育士等の雇用形態も正規職員によるもののほか、派遣やアルバイトといった雇用が行われてきています。21年4月から新保育所保育指針が施行され、子どもの発達に応じた適切な保育が行われているかについても、指導監査の対象となりました。こういう面を含めて、監査の結果問題がある場合は、法人に対して指導していきます。

市長の子育て支援策として、教育・食の確保のために中学校給食の実施を

大貫議員:次に、中学校給食の実施について市長に伺います。
 教育委員会は中学校昼食に対して、「中学校期は、自己の健康を管理し、改善していく資質や能力を育成することがきわめて重要であり、個々に応じた昼食のほうが望ましい」ため、「家庭からの弁当持参を基本としている」と、中学校給食を実施しない理由に、勝手な理屈をつけています。
 中学校期は心身ともに成長する時期であり、昼食の量と質はその成長を保障するものです。ビタミンや様々な栄養素をバランスよく摂取することが必要です。この一番重要な点で、弁当昼食よりも給食法に基づく学校給食のほうが優れていると考えますが、いかがでしょうか。同時に、寒い冬の冷たい弁当、真夏の蒸れてしまった弁当と、出来たての学校給食とどちらが生徒の昼食としてふさわしいか、市長の考えを伺います。
 中学校給食によれば、クラス約15%の生徒たちが学校内外で買った弁当を食べているということです。業者弁当による塩分や脂質の取りすぎは歴然としています。教育委員会は昨年2月、商店街やコンビニチェーン・外食産業に「中学校における昼食の充実に関するアンケート」を実施しました。これは「家庭からの弁当持参が基本」という方針と矛盾しています。全ての生徒たちが充実した昼食をとるのには、学校給食が最善です。
そもそも、給食は教育の一環です。本市では小学校給食が実施されており、全国の7割の自治体で中学校給食が実施されています。
 長期にわたる不況のいま、給食は、教育としてだけでなく、食の確保という意味でも重要な役割を担っています。したがって、昼食弁当に教育委員会のいう「昼食のあり方」を求めることは極めて困難です。市長のいう子育て支援と整合性をつけるとするならば、中学校給食を実施すべきと考えますが、見解を求めます。

林市長:中学校給食の実施について、ご質問いただきました。
 中学校での弁当と給食についてですが、学校給食は学校給食法に基づいて、栄養の摂取基準が定められているなど、優れた点もあると思います。一方で、食事を自ら管理する能力を育てることも重要であり、弁当による昼食については、食育の観点からも意義のあることだと思います。
 中学校で給食を実施すべきとのことですが、先ほど申し上げた食育の観点や、本市の厳しい財政状況を踏まえ、さまざまな視点から慎重に考える必要があると思います。

敬老パスと要介護高齢者施策は元気な老後サポートのための車の両輪

大貫議員:次は、敬老特別乗車制度についてです。
 本市では、敬老特別乗車証、通称敬老パスを、高齢者の社会参加をうながし、健康年齢を維持するためのものと位置づけ、重要な高齢者施策の一つとしています。しかし、厳しい財政下のもとで、加えて要介護高齢者施策の財源確保のために、市費負担の抑制に向けて、敬老パスの見直しが必要だとしています。高齢者施策として、元気な老後をサポートする敬老パスと要介護高齢者施策のこの二つは車の両輪ではありませんか。なぜ、この二つの施策を対立して考えるのか、伺います。
 本市は、敬老パスの市費負担額を今年度は85.6億円、5年後には102.2億円、10年後には120.2億円になると試算しています。毎年平均で3.5億円弱ずつ負担が増える計算ですが、この増額分は本市の一般会計の予算の0.03%にもなりません。一方、本市より敬老パスの交付数が少ない名古屋市で120億円、大阪市で86億円、市費で負担しており、本市の負担は決して高いものではありません。
 市長がぬくもりのある市政の方針を貫くなら、敬老パスを福祉予算の中だけで考えるのではなく、南本牧や横浜環状道路などの大型公共事業の凍結・中止を含め、市の予算の全体で考えるべきです。市長の明快な答弁を求めます。
 2月3日の健康福祉・病院経営委員会で、健康福祉局が提案した敬老パスの見直しのスケジュール案は余りにも性急すぎるとして、委員会はスケジュール案を回収しました。これにより、2011年10月からの利用料負担増の実施はなくなったという認識でよいのか、それとも委員会つまり議会の意思を無視して予定通り強行する考えなのか、うかがいます。

林市長:敬老特別乗車証制度について、ご質問いただきました。
 要介護高齢者施策との関係についてですが、敬老特別乗車証制度も要介護高齢者施策も高齢者の方々にとってはいずれも重要な事業であると認識しています。しかし、税収の増加が見込めないなか、急速な高齢化に伴い、保険給付費や扶助費などは今後大幅に増加することが見込まれます。このような状況のなかにあって、敬老特別乗車証制度については、高齢者の社会参加を支援するため、何とかその継続を図りたいとの思いから、見直しの検討を始めたものです。
 ぬくもりのある市政のために、大型公共事業を凍結するなどして、必要な財源を確保すべきとのことですが、22年度予算では財政状況が厳しい中でも市内経済をささえ、地域の元気を生み出すこと、生活の大きな安心を実現させること、この両輪で進めていくという強い思いをかたちにしています。そのため、緊急的な対応が必要な子育て支援や、地域での安心した生活の実現に向けた施策の充実に取り組んでいます。また、ご指摘いただいた事業についても、将来の横浜を元気にするための投資であり、市民生活の利便性の向上や市内経済の活性化に資する事業として、厳しい財政状況にあっても継続して取り組んでいます。
 制度見直しのスケジュールについてですが、先の健康福祉・病院経営委員会では、市民意見募集に当たっての案の示し方や募集期間など、さまざまなご意見があったことは承知しています。しかし、厳しい財政状況の中にあって、本市としては平成23年10月の実施に向けて取り組んでいきたいと考えていますので、今後の進め方について引き続き市会のみなさまとご相談させていただきます。

官製ワーキングプアの解消のために公契約条例の制定を

大貫議員:最後に、官製ワーキングプアの解消と公契約条例制定について質問します。
自治体で働く嘱託・臨時職員や自治体の委託業務で働く労働者の労働条件が悪化し、年収が200万円以下の労働者、いわゆる官製ワーキングプアが社会的問題になっています。
 本市では2009年4月1日現在、地区センターや地域ケアプラザをはじめとする913施設で指定管理者制度が導入されています。その指定管理者制度は、官製ワーキングプアを生み出すという決定的な欠陥を持っています。その理由のひとつは、指定管理者制度の指定期間は5年間に限定していることです。
 市は、指定期間を長くすると、市が指定管理者による管理運営の状況を見直す機会を減少させるとともに、競争の導入による指定管理者に対する規律の付与が困難になるという、理解に苦しむような、そしてそこに働く職員の雇用を全く無視した理由をあげています。この期間の限定によって、指定管理者は、契約更新の確証がないために正職員を増やすことが出来ず、その分、非正規職員で対応せざるをえません。まさに、指定管理者制度は、低賃金の非正規雇用で成立しているのです。
 市民の税金を使ってワーキングプアを作り出すことは許されません。市長は指定管理者制度の継続で、官製ワーキングプアを生み出し続けることを是認されるのでしょうか。もしそうであるならば、「ぬくもりのある市政」とは全く反する考えだと思いますが、いかがでしょうか。
 本市が発注する工事をはじめとする契約や指定管理者制度などの民間委託において、その雇用形態が低賃金・不安定であれば熟練労働者が働けません。それは、長期的にみれば公共サービスの質の低下をもたらします。一方で、デフレ対策としても自治体が賃金下落に歯止めをかけることが求められています。それらを解決する方策として、一定水準以上の賃金や雇用の継続を保障させるために、自治体と受注事業者の間で結ぶ公契約条例の制定が必要です。
 公契約条例は全国で始めて、千葉県野田市で昨年9月に制定され、今年2月1日から施行されました。川崎市長は、17日の施政方針で「政令市では初となる公契約条例の制定に向けた取組を進める」と述べています。国会では、与党民主党が公契約法案を通常国会に提出するという動きになっています。公契約条例に関する市長の考えと条例制定への決意をうかがって、私の質問といたします。

林市長:公共事業における雇用問題と、公契約条例の制定について、ご質問をいただきました。
 指定管理者制度ですが、指定管理者の職員の労働条件は、基本的には各団体が決定することですが、昨年10月に策定した指定管理者制度運用ガイドラインでは労働関係法令の遵守を指定条件とするなど、職員の方々が安心して働けるよう適正な労働条件の確保を求めています。今後も本市の公の施設でより質の高い市民サービスを効率的に提供するために、指定管理者制度を適切に運用していきます。
 公契約条例の制定についてですが、労働者に支払う賃金の額などの労働条件については、最低賃金法や労働基準法などによる制約があるものの、本来労使間で自主的に決定されるものです。従いまして、本市としては公共事業について、一定の賃金などの保障を設けることは考えておりません。今後とも国の労働政策等の動向を確認いたします。
 以上、お答え申し上げました。

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