議会での質問・討論(詳細)

2019年2月8日

横浜市再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例 提案理由

日本共産党を代表して、議第8号議案「横浜市再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」について提案理由を説明します。

条例は、地球温暖化対策における大都市としての役割を果たすため、再生可能エネルギーの導入等を促進し、原子力発電、火力発電によるエネルギーからの転換を進めるため、その主体となる市民、事業者そして、行政と議会の責務をあきらかにし、同時に、現在及び将来に向け、安全で豊かな持続可能な都市横浜を目指すものです。

近年、地球温暖化が進行していることは、もはや疑う余地はなく、地球温暖化に起因する気候変動に伴い、日本においても記録的な猛暑や豪雨、台風が多発し、また、世界的には、ハリケーンや干ばつ、熱波、寒波などによる災害が発生していることから、温室効果ガス削減など地球温暖化対策は人類共通の課題となっています。

安倍自公政権が固執している原発は、何よりも、東日本大震災に伴う福島第一原発事故などによって、その安全神話は、崩壊し、地球環境を破壊し人類の生存と相いれないことが明らかになりました。エネルギー源として原発に依存できません。

しかも、原発の新増設は安全対策のためのコストが急騰したことからビジネスとしても成り立たず、世界では経済界から忌避される事態になっています。昨年3月、日本共産党、立憲民主党、自由党、社民党の4党による、全原発の速やかな停止と廃炉を掲げた「原発ゼロ基本法案」が国会に提出されています。その速やかな法案成立こそが時代の要請です。

世界は先進国でも途上国でも脱炭素、脱石炭の流れが加速し、地球温暖化の最大の元凶とされる石炭火力発電について再生可能エネルギーへの転換が進んでいます。英国や、カナダや欧州主要国の多くも石炭ゼロの目標を掲げています。それに対し日本は、2018年閣議決定のエネルギー基本計画で、石炭火力発電を原発とともにベースロード電源に位置づけ、東日本大震災後のエネルギー不足を理由に、安価な燃料として石炭の輸入を増やし、既存の石炭火力発電所90基に加えて約40基の新増設を進めようとしています。まさに、地球温暖化対策に逆行する暴挙であり、安倍自公政権の政策的誤謬の最たるものです。

本市の排出される温室効果ガスのうち、直近の2015年度調査では二酸化炭素が98.1%を占めています。本市は、再生可能エネルギーを積極的に導入し、2050年を目途に二酸化炭素排出ゼロの実現の目標達成を目指しています。しかし、国を上回る積極的な目標を掲げたものの、市の施策は国に追随しているため、市民・事業者任せの域を出ず、極めて不十分となり「絵に描いた餅」になりかねません。

今、求められているのは、本市のイニシアのもと明確で具体的な施策を打ち出すことです。施策の羅列であってはなりません。本市のエネルギー転換の中心とすべきは、再生可能エネルギーの地産地消の徹底です。その徹底した努力こそが市民力を喚起し、事業者の意識を向上させ、脱炭素化の原動力となるのです。

2015年度現在、市内への供給電力量は159.2億㌔ワットに対し、そのうち太陽光発電システムによる供給量は1.4億㌔ワット、1㌫にも達しません。しかし、それは、まだまだ手つかずの豊かな可能性があることを示しています。

本市の太陽光発電に適した住宅や都市施設の屋根等は、膨大な面積を有しています。太陽光発電を主な柱とし、蓄電池等を併設して、災害時における停電への対応力を兼ね備えた小規模分散型発電は、地産地消に適した最有力システムです。そして、これまで培った脱温暖化に関するイノベーションの技術をさらに発展させ、電力自給率の向上が必要です。

本市は、374万人169万世帯が暮らし、市内総生産は経済協力開発機構OECD中29位のハンガリーの次に位置する国家レベルの規模の市民経済力を持つ日本有数の大都市であり、エネルギーの大消費地です。昨年末開催されたCOP24では温暖化を2度未満に抑える目標を定めたパリ協定の実施ルールが採択されました。歴史的転換点を迎えています。この時、大都市としての責務を果たすため、地球温暖化対策にかかわる市民組織、経済界、本市行政及び議会などすべての主体を束ね、再生可能エネルギーの導入に全力を尽くす決意を、日本及び全世界に宣言するとともに、本市の施策の基本方針を本市行政に徹底し、SDGsの目標の達成に寄与するにより、豊かな横浜の環境を守り持続可能な都市を将来に引き継がなくてはなりません。

パリ協定の目標達成を求め持続可能社会実現に努力されるすべての議員の皆様のご賛同をお願いし、条例提案の主旨説明とします。

 

横浜市再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例(全文)

近年、地球温暖化が進行していることは、もはや疑う余地はなく、地球温暖化に起因する気候変動に伴い、日本においても記録的な猛暑や豪雨、台風が多発し、また、世界的には、ハリケーンや干ばつ、熱波、寒波などの災害が発生していることから、温室効果ガス削減などの地球温暖化対策は人類共通の課題となっている。

一方、エネルギーは、市民生活や経済活動に必要不可欠なものである。 しかしながら、大量の温室効果ガスを発生する化石燃料、とりわけ石炭火力発電によるエネルギーの供給は、地球温暖化対策に逆行することになる。さらに、東日本大震災に伴う原子力発電所の事故は、安全性の観点からも原子力発電に依存できないことを明らかにしたため、原子力発電及び石炭火力発電からの脱却による再生可能エネルギーへの転換が急務となっている。

再生可能エネルギーへの転換に当たっては、本市の置かれた諸条件から、住宅をはじめとする膨大な都市施設を利用した太陽光発電を主な柱とし、蓄電池等を併設して、災害時における停電への対応力を兼ね備えた小規模分散型発電などによる電力を自家消費するエネルギーの地産地消の推進が求められる。その全面的な活用を図るとともに、豊富な再生可能エネルギーのポテンシャルを持つ地域と連携することによって、温室効果ガスの排出を実質的にゼロにする脱炭素社会を構築することが日本で最大の人口を有する政令指定都市としての本市の責務である。

その自覚の下に、再生可能エネルギーの導入に全力を尽くすことを日本及び全世界に宣言するとともに、本市の施策の基本方針とすることを徹底することで、脱炭素化により将来にわたる持続可能な社会の実現に寄与するため、この条例を制定する。

(目的)
第1条 この条例は、再生可能エネルギーの導入等の促進について、横浜市(以下「市」という。)、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、再生可能エネルギーの導入等の促進に関する施策の基本となる事項を定め、その施策を総合的に実施することにより、市における地球温暖化対策を推進し、並びにエネルギーの自立性及び安全性を向上させ、もって現在及び将来の世代の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)再生可能エネルギー 横浜市生活環境の保全等に関する条例(平成14年12月横浜市条例第58号)第146条の2に規定する再生可能エネルギーをいう。
(2)再生可能エネルギーの導入等 次に掲げる事項をいう。
ア 再生可能エネルギーを導入すること。
イ 革新的なエネルギー高度利用技術(再生可能エネルギーの供給、エネルギー効率の飛躍的向上及びエネルギー源の多様化に資する新技術をいう。)を導入すること。
ウ エネルギーの使用の節約及び効率化並びに電気の需要の平準化を図ること。

(市の責務)
第3条 市は、再生可能エネルギーの導入等の促進に関する施策を総合的に策定し、及び実施するものとする。

(市民の責務)
第4条 市民は、その日常生活において、再生可能エネルギーの導入等に積極的に努めるとともに、市が実施する再生可能エネルギーの導入等の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)
第5条 事業者は、その事業活動を行うに当たって、再生可能エネルギーの導入等に積極的に努めるとともに、市が実施する再生可能エネルギーの導入等の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(施策の基本方針)
第6条 市は、再生可能エネルギーの導入等の促進に関する施策の策定及び実施に当たっては、この条例の趣旨にのっとり、次に掲げる事項を基本として行うものとする。
(1)市民及び事業者等の再生可能エネルギーの導入等に関し、必要な支援に努めること。
(2)市が設置し、又は管理する公共施設において積極的に再生可能エネルギーの導入等を推進するとともに、再生可能エネルギーの優先的な利用に努めること。
(3)再生可能エネルギーの導入等の促進に係る産業の振興に努めること。
(4)市民及び事業者が再生可能エネルギーの導入等の必要性についての理解を深めるため、エネルギーに関する知識の普及啓発に努めること。
(5)再生可能エネルギーの導入等に当たっては、他の地方公共団体等との連携に努めること。

(財政上の措置)
第7条 市は、再生可能エネルギーの導入等の促進に関する施策を実施するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(市会への報告等)
第8条 市長は、毎年、市会に再生可能エネルギーの導入等の促進に関する施策の実施状況を報告するとともに、インターネットの利用その他の方法により公表するものとする。(委任)
第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。

附則
この条例は、平成31年4月1日から施行する。

【提案理由】
再生可能エネルギーの導入等の促進について、横浜市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、再生可能エネルギーの導入等の促進に関する施策の基本となる事項を定め、その施策を総合的に実施することにより、横浜市における地球温暖化対策を推進し、並びにエネルギーの自立性及び安全性を向上させ、もって現在及び将来の世代の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するため、横浜市再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例を制定したいので提案する

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