議会での質問・討論(詳細)

2019年2月19日

■反対討論(白井 まさ子)

安倍自公政権が進める社会保障削減の防波堤となることこそ、自治体の責任

白井議員:日本共産党を代表して、6件の議案と、1件の議員提出議案の不採択に反対し討論を行います。

はじめに、市第121号議案は、第4期横浜市地域福祉保健計画の策定です。計画は横浜市の中期的課題として、社会情勢・世帯構成の変化をあげて、「支援を要する高齢者の増加や保険制度改革等により施設入所や入院による対応は、より重度の高齢者のみになり、支援を要する人の生活は地域へ移行していく」としています。そして、受け皿となるべき地域については、「人口減少・高齢化の進展に加え、単身世帯の増加、家族形態の変容、価値観の多様化、自治会町内会加入率の減少等により担い手が不足し、地域で支援を要する人の生活を支えていく力は脆弱になることが見込まれます」と分析しています。にもかかわらず、計画は「住民主体」と「協働」を強調し自助・共助・公助の連携を重視したものとなっています。行政責任が計画の中心にすわっていません。

本来であれば、横浜市が地方自治体の本旨に基づき、安倍自公政権が進める社会保障削減政策に横浜から物申し、防波堤となるべきですが、その構えが全く見えません。そのうえ、地域力は脆弱になる、複合的課題が増加すると認識しながら、行政の対応力を強化しようとせず、さまざまな課題を地域に押し付けることになりかねないものであり、本計画は賛成できません。

保育園の民間移管は安定雇用をリードする立場の市がとるべき手法ではない

つぎに、市第124号議案は、市立保育園のうち、南区の清水ケ丘保育園、港南区の笹下南保育園、旭区の川井宿保育園、瀬谷区の細谷戸保育園の4園を民間移管するものです。移管を受ける4つの法人の内、市内法人は1つだけで、3法人の所在地は市外です。これまで、移管を受けた法人の不適切な運営があっても、市外法人の場合、本市には法人監査の権限がありませんから、改善を求めることもできていません。民間保育園では、ハローワークなどで保育士を募集しても、なかなか応募がなく、転職サポート会社を通じた契約や派遣会社からの派遣保育士を配置している現状にあります。また、保育士養成学校の定員割れも聞いており、民間保育園での保育士不足はますます深刻です。一方で、市立保育園の保育士募集には高倍率で応募があります。これは、公立園が雇用や処遇の点で安定しているためです。民間移管は、安定雇用をリードする立場にある本市がとるべき手法ではありません。54の市立保育園以外はすべて民営化するという本市の方針の撤回が必要です。

養護老人ホームの役割は今後重要になり、廃止でなく入所定員の拡大を

つぎに、市第128号議案は、保土ヶ谷区にある公設公営の措置施設である養護老人ホーム「恵風ホーム」を廃止するもので、これにより、市内の養護老人ホームはすべて民設民営となります。困難で複雑な対応を求められる事例などへの市の責務を民間へゆだねることへの認識を市長に伺ったところ、介護保険制度が始まり、サービスの種類が増え、特別養護老人ホームなどの入所施設も増加したと言われました。介護保険は契約によりサービスや施設を利用しますが、養護老人ホームは行政の判断で入所となる措置施設であり、性格が全く違います。貧困・孤立・虐待など処遇困難な高齢者が急増する中、養護老人ホームはセーフティーネットの最後の砦であり、これこそ公が対処すべき施設です。市の職員が現場で運営に携わってこそ、実態を正確に把握でき、実態に即した政策立案ができます。

養護老人ホームの役割は今後ますます重要になり、それに伴い入所定員の拡大が求められます。入所定員を定めた高齢者福祉保健計画・介護保険事業計画では、6期の548人から7期の498人へと入所定員を減らしており問題です。養護老人ホームは一般財源化されているために、措置をすればするほど市の財政負担が増えるとしても、社会情勢からして改めて定員拡大の必要性を強調しておきます。

市内最大級の野庭団地の再生に中学校の廃校など、あり得ない

市第131号議案は、港南区の野庭中学校と丸山台中学校の統合により、野庭中学校を廃校とするものです。7,000戸という市内最大級の野庭団地の中にある3,294戸を超える野庭市営住宅において、現役世代を呼び込もうと団地再生が進められようとしていますが、団地内に中学校がない大規模団地再生はありえません。

三菱地所いいなりの学校用地交換による26億円もの支出は不当だ

市第135号議案は、民間所有土地と市所有土地の交換です。神奈川区の子安小学校が三菱地所の所有する土地に、移転建て替えを終了した後に、旧子安小の南側の敷地と土地交換を行うにあたり、三菱地所の言いなりとなった結果、26億円の支払いという過大な財政負担が生ずるものです。旧子安小の敷地全体と三菱地所の所有する土地の等価交換であれば、9億円の支払いで済んでいました。ところが、旧子安小の敷地にマンション建設を計画している三菱地所は、それには条件の悪い北側の敷地は不要だとして、より有利な港南区の土地を入手したいと主張したことから、等価交換そのものがゆがめられたものです。今後、利益最優先のデベロッパーを相手に学校用地取得交渉をする場合には、市長部局の対応も必要です。

今回、校舎の解体工事にあたり、土壌汚染対策や校舎から検出されたアスベスト対策工事のため、解体工期がさらに1年延びることになります。南側敷地の所有権は、4月から三菱地所に移るため、さらに、三菱地所へ土地賃借料約1億9千万円の支払いが見込まれています。アスベストの検出については、市教委の検査では含まれないとされたのに、解体請負業者の検査で判明したものです。同じ事例が、青葉区の山内小学校でも発生しています。市教委によるアスベスト検査の不十分さを指摘せざるをえません。環境創造局とも連携した学校アスベストへの危機感を持った対応が求められます。

JR新改札口に対し、事業費の58%も負担するのは、市民理解が得られない

市第145号議案、平成30年度横浜市一般会計補正予算の繰り越し明許費補正のうち、桜木町新改札口設置事業について、「JRは応分の負担であり追加を求める考えはない」と答弁されましたが、さらなる乗客増に対応するため新改札口を設置するJRに対し、本市が事業費の58%も負担するのは、市民理解が得られません。

民間大企業に莫大な利益、異常なまでの優遇の市の判断は間違っている

また、横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業は、国家戦略特区の対象となる民間ビルの容積率の上限規制を850%にまで緩和することで、民間企業に莫大な利益をもたらす上に、さらに、税金による補助まで行おうとするものです。補助総額は45億円の内、国と横浜市が半分ずつ負担します。市の負担の内、土地整備で3億1800万円、タワーマンション建設で17億1800万円にのぼります。「都市開発法」は、「その費用の一部を補助することができる」というもので、出さない判断もできるはずです。大企業への異常なまでの優遇です。

大企業優遇が突出している市の補助金の使い方の抜本的な見直しをすべき

また、東高島駅北地区開発事業は、神奈川区内の公有水面である運河を埋め立てて民間の高層マンションを3棟建設するのが主たる計画ですが、同開発事業は、土地区画整理事業であり、その総事業費は110億7900万円で、市の補助金額はその半分を占めています。市長は「埋め立てた土地は、道路や公園、横浜駅周辺の浸水対策となるポンプ場整備などに活用し、公共公益性にも十分に寄与する」と言われましたが、これらの面積は全体のごく一部です。また、「横浜の新たな都心を担う地区として、グローバル企業の誘致を支える医療、居住、商業等の機能強化を図るため、開発事業の推進が必要」と言われました。企業誘致を見込んだ開発事業にも税金で支援する本事業でも、大企業優遇が突出しています。安倍政権の「企業が世界で一番活躍しやすい国」づくりが本市において推進されています。事務的な明許繰り越しではなく、補助金の抜本見直しが必要です。

エネルギーの大消費地である横浜から、再生可能エネルギーの導入に全力を

最後に、議第8号議案 日本共産党市会議員団が提案した、横浜市再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例の委員会不採択についてです。 条例案は、地球温暖化対策における大都市としての役割を果たすため、再生可能エネルギーの導入等を促進し、原子力発電、火力発電によるエネルギーからの転換を進めるため、その主体となる市民、事業者そして、行政と議会の責務をあきらかにし、同時に、現在及び将来に向け、安全で豊かな持続可能な都市横浜を目指すものです。

常任委員会では、自民党から「提案内容は本市条例、施策、実行計画に盛り込まれているので条例の必要はない」としながら、「提案された意義については重く受け止めている」と

また、公明党から「温暖化は議論のトレンドが高まっている。温暖化の問題意識は共通している。条例案を出してもらったことは問題意識を共有するもの」と発言がありましたが、条例案については賛同いただけませんでした。

世界では、地球温暖化防止の具体的な目標を定めたパリ協定の実施ルールが採択されるなど歴史的転換点を迎えています。安倍政権がトップセールスしてきた原子力発電の輸出は、経済性が成り立たないと市場がノーを突きつけ、総崩れする中、IEA国際エネルギー機関は、電力市場規模の見通しを示しています。2040年のパリ協定達成水準で2017年と比べて、再生可能エネルギーは180兆円のプラス、原子力は20兆円のプラスとしており、世界のトレンドは原発ではなく再生可能エルギーであることが明らかです。昨年3月、日本共産党、立憲民主党、自由党、社民党の4党は、全原発の停止、廃炉を掲げた「原発ゼロ基本法案」を国会に提出し、成立を目指しています。また、国内外で石炭火力発電新設計画に反対の声が強まり、脱石炭の流れも加速しています。

条例は374万人169万世帯が暮らすエネルギーの大消費地である横浜から、再生可能エネルギーの導入に全力を尽くす決意を日本及び全世界に宣言する意義をもつものです。全会一致で採択された持続可能な脱炭素社会の実現の宣言に関する決議は、脱原発の位置づけがなく、不十分さはありますが、脱炭素社会の実現に向けた方向性については同意できるものです。条例は決議に比べて、行政を縛る実効性がはるかに高いものですから、議第8号議案に議員各位の賛成を強く求めるものです。

以上で討論を終わります。

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