議会での質問・討論(詳細)
2010年3月2日

【2010年度予算特別委員会】「水道局」 白井正子

民間委託で倍増した水道料金未納による停水執行件数

白井議員:日本共産党を代表して質問します。水道料金滞納世帯で給水が停止されることについて伺います。
 水道料金が期日までに支払われない場合に、催促の電話や訪問などの料金整理業務が行われていますけれども、催促して支払われない場合に、懲罰として給水をとめるということが行われています。この停水に至った件数ですけれども、全市で2007年度は2万5772件で、2008年度は2万7587件と約1800件増えています。この理由をどう考えているのでしょうか。

齋藤水道局長:まず、横浜市全体で給水戸数の増加に伴って、未納件数も増加していることが、原因のひとつではないかと考えています。

白井議員:市内に9か所の地域サービスセンターがあります。ところによっては未納停水の執行件数が減っているところもある中で、料金整理業務を2008年度から民間委託した旭・瀬谷と、そして磯子・金沢の2つの地域サービスセンターでは未納停水件数が急増しています。この旭・瀬谷では1582件から2903件に倍増して、磯子・金沢では2774件から4068件に増えています。先ほどの説明では、全市的には未納発生数が増えていることに伴って停水も増えているということでしたけれども、直営では減っているところもある中で、民間委託した2か所だけこんなに増えている。この理由はどう考えているのでしょうか。

齋藤水道局長:民間委託前後で比較いたしますと、民間委託前には個々の担当者が経験に基づいて停水執行の判断しておりました。委託化にあたっては、お客様に対する公平性を保ち、サービス水準を均一化するために、改めて事業者用の業務マニュアルを作成いたしました。このマニュアルに従って、事業者が業務を行った結果、未納・停水執行件数が増えたんじゃないかというふうに考えております。

白井議員:マニュアルどおりやっているからと言うことですけれども、このマニュアルには、次のように書いてあるんです。「支払いが困難と認められる十分な理由のある時は、停水を保留することができる」と。このとおりやれば、未納発生が増えたとしても、停水件数が倍増するということはないのはないかと思うのですが。
 ところで、業務委託仕様書、これありますね、この中では未納料金の徴収について、次のようになっています。「前年度の収納率を目標として、受託事業者は収納率を達成するよう努めなければならない」とされて、その「目標収納率の達成について局と別途協議のうえ定める」と、こういうふうに書いてあるんですけれども、どのような協議がなされたのでしょうか。

齋藤水道局長:具体的な目標の数値を設定・確認をし、さらにはその目標とした数字を比較して上回った場合、下回った場合、それぞれについてのいわゆる契約上の取り決め、具体的にはいわゆる報奨的な経費を払ったり、場合によってはいわゆるペナルティ的な経費の執行がこちらの方からすれば停止したり、そういったことを決めていく、そういう協議をお互いにして合意をしていくということでございます。

白井議員:いま説明いただきましたけれども、協議の上で交わされた目標収納率達成に関する覚書というのが交わされていますね。このなかを見てみますと、いま説明があったんですけれども、「実際の収納率が目標収納率を上回った場合には、上限400万円として報奨金を支払う」。そしてまた「下回った場合には横浜市に違約金を支払う」というふうに書いてありますが、2008年度として2か所の事業者に支払われた報奨金または違約金はいくらだったのでしょうか。

大久保お客様サービス推進部長:平成20年度の収納率向上に対する報奨金は、旭・瀬谷地域サービスセンター所管で、前年度に比べて0.060%向上したことから6万円、磯子・金沢地域サービスセンター所管では0.051%向上したことから5万1000円をお支払いいたしました。

白井議員:報奨金や違約金の取り決めがされているために、当然受託事業者は収納率アップを目指して、そのために停水という安易なやり方に走る、こういう仕組みがつくられていると思うんですね。民間委託をした2か所がその典型だと思います。
 水道料金というのは納期までに支払うのが基本ですけれども、生活困窮世帯に対して滞納の懲罰として停水を行うということは、一歩間違えれば命に関わる問題です。民間委託については2009年度では4か所広がって、そして2010年度の予算では1か所広げるという内容になっていますけれども、報奨金でインセンティブをつけたり、それから違約金で縛るという料金整理業務の民間委託は行うべきではないと思うんですけれども、局長の認識を伺って終わります。

齋藤水道局長:料金徴収業務については先ほど申し上げましたように、公平にお客様に対して執行していく必要がある。またさらに、生活をきちっと守っていくという立場で執行する必要もあるというふうに考えております。いま、目標を定めることでお客様の生活を脅かすのではないかということがありましたけれども、現実には、マニュアルにも書いてありますけれども、その停水に至る経過、一定の訪問を要求をし、さらには停水をするにあたってはいわゆる指導員、これは市の職員、水道局の職員ですけれども、が最終的に確認をして停水執行するというような段取りも決めております。また、停水をした後も、料金徴収については個々のお客様の状況に応じてお支払いの相談を受けていくということを、委託業者も、さらには水道局員も心に留めながら、実際に仕事をしております。その上で、委託業務についていえば、目標設定をして着実な業務を行っていくということも必要ですので、今のやり方を採用させていただいておりまして、あえて事業者に無理な給水停止処分を強いていたり、過酷な料金取立てを強いているというようなことはないように、これからもしていきたいというふうに思っております。


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