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2019年第1回市会定例会(予算市会)をおえて

2019年3月19日
日本共産党横浜市議団
団長 あらき由美子

1月28日から開催されていた横浜市会第1回定例会は、本日、林市長提出の2019年度一般会計予算案をはじめとした予算関連議案すべてが自民、公明のなどの賛成多数で可決し、閉会。立民・国民所属議員が構成員の民権フォーラムは、安倍政権いいなり予算にも拘わらず国政と違う態度でした。

日本共産党は、本日、予算組替え動議を行い、その趣旨説明に河治民夫議員、予算案の反対討論に大貫憲夫議員、中学校給食実施等を求める請願の不採択に対する反対討論を北谷まり議員がそれぞれ行いました。

日本共産党が提出した再生可能エネルギー導入促進条例は、自民、民権フォーラム、公明の賛同を得られず、否決に。しかし、「持続可能な脱炭素社会の実現宣言」が全会一致で決議されました。

① 新市庁舎、高速道路など大型開発偏重予算が市民生活を圧迫・・・自、公など与党会派の責任は重大

新市庁舎、環状道路北西線の予算が、完成期日を2020年としているために膨らみ、市民生活関連予算が犠牲になっています。一般会計から国保会計への繰入れを5.7億円減額し、国保料が4年連続値上げ。胃がん健診の対象年齢を40歳以上から50歳以上に、受診間隔1年を2年になどがん検診事業を後退させています。

2019年度は前年度に続き東京五輪をゴールとした大型開発向けに多額の市債を発行、後年度発行分を先取りしています。その結果、防災や市民生活関連施設の整備・更新むけの市債発行が犠牲となっています。

② 私企業のマンション建設に補助金支給・・・・大企業の私有財産形成に市税が

横浜駅に接する鶴屋町での東急・相鉄による外国人居住用の超高層マンション建設事業の補助金は党の追及で5億円減額したものの総額40億を見込んでいます。三井不動産による超高層マンション3棟の建設を中心とするJR貨物東高島駅北地区の土地区画整理事業には運河埋立費用18億円含め総額71億円の公費負担です。党市議団は、一部開発事業者に補助金を出すことは地方自治体の本来の仕事から外れている、大幅削減を求めました。

③ カジノより中学校給食を・・・市民要望実現に尽力

予算では日本共産党が要望してきた施策・事業が実現、拡充します。

小規模事業者の支援策として小規模事業者向け融資枠230億円、少額設備の設置への助成制度と支援チーム創設。
平和関連予算が1.5倍化。再生可能エネルギー活用計画の策定。
介護人材確保予算を2.4倍化し研修の拡大と住居家賃補助に充てます。
特養ホーム着工数は前年280床から449人に。
敬老パスはバス等事業者への市負担金を5.4億円増やし、市民負担増なく継続。
風呂なし市営住宅の解消策を事業化します。
ミニバス等を運行する地域交通サポート事業では、車両代への直接補助制度を創設。
保育所待機児童解消策として受け入れ定員拡大2199人のうち認可園は1643人分。
19年度中に学童クラブの設置基準・耐震基準を全クラブで達成するために分割・移転支援を拡充します。
小児医療費助成(通院)の対象は中3へと拡大。
高校奨学金の成績要件を5段階評価で平均4から3.7へと引き下げ、受給者数を1500人とします。
子ども食堂立ち上げ支援を全区で展開。
ブロック塀の撤去・新設は、857件を見込み、4.1億円を計上。
地域防災拠点での備蓄充実の予算を1.4億円から3.4億円に増額、防災スピーカー42基増設。
党が昨年9月に取り上げた中学昼食時間15分間問題は、改善へ一歩。

本会議の論戦では、高すぎる国保料、カジノ誘致、中学校給食の実施、保育所待機児童、学童保育クラブ支援、児童虐待、就学援助、特養ホーム増設・大規模修繕、市営住宅、性的少数者の人権尊重、崖地対策を取り上げ、市民に寄り添う予算編成と行政運営とするよう市長に直接迫りました。

④再生可能エネルギー導入促進条例、予算組み替え動議など提案を積極的に行う

党市議団が、議案提案権を行使し、今市会に提出した「再生可能エネルギー導入推進条例案」は「提案の意義は重く受け止める」(自民)「問題意識は共有」(公明)と表明しつつ否決へ。しかし「温暖化対策に取り組む責務がある」と明記した「脱炭素社会実現宣言」を3会派が提唱し、全会一致で議決されました。

党市議団としての予算組み替え動議では、中学校給食の実施、小3での35人学級実施、就学援助認定基準を緩和し受給者増、低所得世帯向けの高校奨学金を創設、低所得の高齢者向け市営住宅の直接建設など行うためにIR等検討費、議員海外視察費・費用弁償、都心臨海部の新たな交通システム導入事業費の全額カット、桜木町新改札口設置事業、子安小学校用地の賃借料の半額カットなどで捻出。国保料の値上げをストップするために国保会計の基金取り崩すことを提案しています。

⑤看過できない議会動向

中学校給食実施、敬老パスの負担額の現状維持、生活保護基準引き下げ中止の国への意見書を求める請願が共産党以外の交渉会派(自民、公明、民権)によってことごとく不採択に。中学校給食の請願は、時期も実施方法にも言及しておらず、方向性だけを求めるもので、本来ならば、「中学校給食実施」を多くの候補者が市議選の公約にかかげる立民(会派:民権)や公明が賛同してもおかしくないものです。両党の本気度が問われています。

生活保護基準下げに関する請願審査では、「外国人籍に出すのは見直すべき」(自民)「検討部会で不公平が出ないように配慮」(民権)「終生受けるのでなく自立を」(公明)と耳を疑う古い議論が横行。

住民の福祉増進という本来の地方自治体の姿に横浜市政が近づくよう、市民との共同を広げ、野党共闘に力を尽くすことの重要性を改めて認識しているところです。横浜市政は、安倍自公政権の成長戦略の地方での実行部隊役を担い、自共対決が際立っています。統一地方選挙では全力を尽くす所存です。ご支援のほどよろしくお願いします。

以上