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【2010年度予算特別委員会】「都市経営局」 大貫憲夫

指定管理者制度導入施設で働く労働者の実態調査を行え

大貫議員:指定管理者制度によって、官製ワーキングプアの問題。これについて、実は本会議でこの問題質問したんですが、なかなか市長は木で鼻をくくったような答弁でしたから、その答弁をつくった本部長にお聞きしたいと思うんですけど。
 ひとつひとつお聞きしたいと思うんですが、まずガイドラインできましたよね。このつくった目的をお聞きします。

土井共創推進事業本部長:平成15年に自治法改正で指定管理者制度が導入されまして、本格的には平成18年から進んできておりまして、1回目の指定はすでに、いま938施設になりますか、2回目の更新が来年度あるということで、そのための全局的なガイドラインということで、つくったものでございます。

大貫議員:私もこのガイドライン読ませていただいて、やはりちょっと足さなきゃいけない部分ができたんじゃないかなと、10月できたばっかりですけどね。それは、受託事業者のそこで働く従業員の問題なんですよ。やはり、サービスをよくするというのはモチベーションが大事ですからね、いまのままでいくと非常に従業員のモチベーションが下がってしまうような状況があるんじゃないかということなんですが、改めてこの目的ですね、指定管理者制度を導入した目的ですね、これをお聞きしたいと思います。

土井共創推進事業本部長:目的は大きく2つございまして、市民サービスの向上と、経費の削減などの効率化というかたちになっております。

大貫議員:経費の削減でいいますと、先ほどこの間で74億円ぐらい経費削減した。指定管理者制度を導入するとなぜ経費が削減できるんですか。

土井共創推進事業本部長:民間に公募などいたしまして、適正な競争条件のなかで、一番最もふさわしいノウハウを持った業者などが選ばれて、結果として削減されてきているというふうに考えております。

大貫議員:ノウハウじゃないでしょ。具体的に減る理由というのは、これははっきりと人件費でしょ。いかがですか。

土井共創推進事業本部長:そこの詳細についてはちょっと調査しておりません。

大貫議員:調査しなきゃまずいんじゃないですか、そういうことも。それで、938施設で働いている方々のいわゆる非正規雇用、それから正規雇用、この割合どうなっていますか。

土井共創推進事業本部長:従業員の内容も正規・非正規の割合については、現在把握しておりません。

大貫議員:そこで働くのは横浜市民ですよ。ですからちゃんとどういう方がどういう労働条件で働いているかということは調査しなきゃいけないと思うんですが、その非正規雇用のみなさんの労働保険と雇用保険の加入率どうなっていますか。

土井共創推進事業本部長:申し訳ありませんが調査しておりません。

大貫議員:なぜ調査しないのかと思うんですね。実態調査なぜ行わないんですか。

土井共創推進事業本部長:指定管理者の職員の労働条件は、基本的には各事業者が決定するものでございまして、私どもはガイドラインの中で全体施設の基本的考え方の中で、労働関係法令の遵守などを指定条件に入れるなど、職員の方が安心して働けるような労働環境の確保を求めておりますが、それ以上の詳細については、先ほどもいいましたが、各事業者が決定することであるというふうに考えております。

大貫議員:そこが非常に遅れているんですね。昨年の5月、国会で議員立法されて、全会一致で「公共サービス法」が可決されましたよね。その中身について説明してください。

土井共創推進事業本部長:公共サービス基本法でございますね。公共サービス法の目的ですが、公共サービスが国民生活の基盤となるものに鑑み、その基本理念、また国の責務、それから施策の基本的な考え方などを規定した法律でございます。

大貫議員:目的です。なぜ、そういう今の時期にこれが出されたのか、その背景について説明してください。

土井共創推進事業本部長:指定管理者制度もそうでありますけれど、公共サービスが官だけではなくて、さまざまな民間事業者、それから地域の方々も入ってきておりますので、その全体の公共サービスのあり方の基本的な部分を定めたものであるというふうに考えます。

大貫議員:1条で責務を掲げていますよね。国等の責務、これ、具体的にどういう責務を盛り込んであるのでしょうか。

土井共創推進事業本部長:国等の中に地方公共団体も入っておりまして、第5条のなかに地方公共団体は基本理念に則り、公共サービスの実施等に関し、国との適切な役割分担を踏まえ、その地方公共団体の実情に応じた施策を作成し、また実施するとともに、地方公共団体にかかる公共サービスを実施する責務を有するとなっております。
 第6条の方に、公共サービスに従事する者の責務ということで、公共サービスの実施する者は、国民の立場に立ち、責任を自覚し、誇りを持って誠実に職務を遂行する責務を有するとなっております。

大貫議員:そこで、働く人の責務をきちっとのせた以上は、それ果たすためのその保障、それを地方公共団体がきちっと整備する必要があると思うんですがいかがでしょうか。

土井共創推進事業本部長:基本的には公共サービスのあり方を定めたものですから、基本的考え方としてはそれは主旨としてそう理解いたします。大事なことであると理解しております。

大貫議員:これは基本的には要するに、この間非正規雇用だとか、さらには賃金の低下なんかによって、やはりそこで働く方々のモチベーション下がっているんですよ、どうしても。将来的なことも含めて働くだけでも大変な状況の中で、そういう中で公共サービスを下げないために、法案が必要だということで出されて、それをやはり保障するための、やはり地方自治体の果たす役割が必要だということで、11条、読んでください。

土井共創推進事業本部長:それでは、第11条ですが、国および地方公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に監視、必要な施策を講ずるよう努めるものとするとなっております。

大貫議員:そうすると、先ほど本部長は具体的な内容についてはその事業者とそれからそこで働く人の責任でやっていくんだというふうにいったのと違ってきますね。この11条ではそうじゃなくて、ここに書いてありますように、きちっとその必要な施策を横浜市、公共団体が講じなきゃいけないというふうになっていますから、改めなきゃいけないんじゃないですか。

土井共創推進事業本部長:先ほど申しましたのは、私ども指定管理者に関しましては、横浜市の方と各民間事業者の方で協定というかたちで結んでおりまして、その協定の中に、先ほどの労働関係法令の遵守などを強く求めるというかたちでガイドラインをつくっているということを説明させていただきました。それ以上に労使に関する個々のことにつきましては、各事業者のなかで決めていく経営事項であるというふうに考えております。

大貫議員:11条、ちゃんと読んでくださいよ。公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講じるように努めると。これ誰が努めるんですか。

土井共創推進事業本部長:地方公共団体のその責務の一部を担っているというふうに考えます。

大貫議員:一部じゃないです。これはだって、国と公共団体に対する法律ですよ。法律では、その一部なんていっていないですよ。ちゃんと読んでくださいよ。講ずるように努めるものとすると、ものとするとなっているんですね。そうした場合に、単なる労使間の問題じゃないでしょ。いかがですか。

土井共創推進事業本部長:これは基本的に公共サービスの基本的考え方を述べておりまして、実際の労働条件に関してはさまざまな労働関係法令が労働基準法以下ございます。それらにつきましては、まだ具体的な取り組みというかたちではみえていませんので、これ以上についてはちょっと私ども方では、基本的考えとしては十分理解しておりますが、具体的責務としては現在先ほどいいました労働関係法令の遵守ということを、いま求めているということでございます。

大貫議員:求めているんじゃないんですよ。具体的に講ずるように求める。しつこいからいうんだけど、この11条にかかわってどういうふうに今後指定管理者制度の問題も含めて労働環境をよくすることをやるんですか。

土井共創推進事業本部長:具体的には現在のところは特に、いまガイドライン10月に策定したばかりですし、これから各施設の実情に応じてさまざまな公募作業などが進んでいきますので、具体的にはこのガイドラインに沿って対応をしていきたいというふうに考えております。

大貫議員:小松崎さん、法律ではね、この基本法ではきちっと講じなさいと、努めるものとするといっている以上は、ガイドラインは確かにあるけども、具体的にこういった労働環境それから適正な労働条件、労働環境を整備しなければならないというふうになるんじゃないですか。

小松崎副市長:先ほど来事業本部長の方からご答弁申し上げておりますけれども、労働関係法規、さまざまございます。そういったものについて、特に指定管理者への指定にあたって特に強く遵守を求めていくと、そういうガイドラインで定めていること自体もある意味ではその法律の主旨に基づいた私どもの措置というふうには考えることもできるかと思います。

大貫議員:それじゃまったくやはり考え方が違いますよ。やはり法律どおりのやることが必要だと思いますね。あえて私は言いたかったのは、この法律どおりにきちっと中身を今後調査をして、それから実態の調査をして、その上でいま何が必要なのかという手当をたださないといけないと思うんですよ。ですから、いまおっしゃっていたように、いままで何もやっていないでしょ。どういうふうに働いているのか、何やっているのか、労働環境も保険も入っているかわからない。これじゃ手の打ちようがないでしょ。まず、実態調査する必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

土井共創推進事業本部長:指定管理者、公共サービス全般で、大変幅広い内容になっておりますので、ちょっと関係局も含めて議論させていただきたい。指定管理者につきましても、先ほど938の施設ということで、多数の局にまたがっておりますので、ちょっとこれはやり方も含めてちょっと検討させていただきたいというふうに思います。

大貫議員:まさに、実行するためにも、11条どおりやるには具体的に何をするのか調べなきゃいけないと、こういうふうに思います。

公共サービスでワーキングプアをつくる仕組みをただせ

 ワーキングプアについてですけどね、ワーキングプアとは一般的にどういうこというんでしょうかね。小松崎さん、おねがいします。

小松崎副市長:現下の経済社会情勢においてですね、労働者の方々がある局面においては厳しい条件におかれていると、そういったことを一般的に総称したものというふうに考えております。

大貫議員:私は、一般的には年収200万以下の方々のことをそういうふうにいうわけですね。この問題で、本会議で私質問しましたよね。指定管理者制度そのものがワーキングプアを生み出すようなことになってしまっているんじゃないかということをお聞きしました。それに対しては市長答えていません。具体的に本部長、どういうふうに思いますか、私の質問について。

土井共創推進事業本部長:先ほどもいいましたが、具体的な細かい事業者の中に労働条件のところまで調査をしておりませんので、なんともいえないところでございます。

大貫議員:5年間という規定がありますよね、期間がありますよね。このことによってどうしても非正規雇用雇わざるを得ない状況になってしまうんじゃないか。このことについてはどうでしょうか。一致しますか、意見は。

土井共創推進事業本部長:いまご指摘されました指定の期間についてはガイドラインでは適切な施設マネジメントを行うためということで、5年間を標準としています。その上で、職員育成などの専門的な知識が必要な施設や利用者との関係性が重要な施設などにつきましては、中間評価を義務付けたうえで、最長10年まで指定期間を長期化できることとしております。今後も各施設に応じて、このガイドラインに基づいて適切な労働条件の確保に取り組んでまいりたいと思います。

大貫議員:割合について、10年と5年の割合について、お聞きします。どれぐらい、どうなっていますか。

土井共創推進事業本部長:現在は、先ほどいいました938が全体の指定管理施設でございますが、5年を超える施設は現在4つ、4施設でございます。

大貫議員:ほとんどすべてが5年でしょ。5年間でその事業者が再契約、再更新できない場合には、どうしてもやる立場になれは非正規雇用の方が多くなるのは当たり前だと思うんですが、いかがですか。

土井共創推進事業本部長:施設のマネジメントを適正にやるためには、ある程度ところどころできちっと競争性なりほかの民間の方からも参入を願っていらっしゃる事業者も多数ございますので、施設の性格に応じてそれは判断していかなければならないということだと思っております。期間についてはですね。
 非正規雇用が生まれるかどうかですね、5年10年でその関係がどうなるかというところまではちょっと詳細には検討しておりません。

大貫議員:そういうふうにいうけども、実際には非正規雇用の方々が多い。その中でもがんばっているっていうみなさんね。その中でもがんばっているんだけども、そういった中で、どうしてもそれをモチベーションをあげていくためには、それだけの労働条件よくしていかなきゃいけないんだと私は思っているわけですが、実際にワーキングプア、私出ていくと思っているんですね。ワーキングプアを抑える、指定管理者の制度の中でワーキングプアが出ることを抑えるための手立てで、そういう手立てがありますか。

土井共創推進事業本部長:先ほども答弁いたしましたが、私どもの方では協定などで適切な労働関係法令の遵守を求めるところが現在のところ考えているところで、それ以上の詳細については考えておりません。

大貫議員:その関係法令、関係するとこっていうのは、法令の遵守ですよね。ガイドラインの43ページ、この中にこれ法令に遵守のことをいっているんでしょうかね。お聞きしますが、いかがですか。

土井共創推進事業本部長:資格要件のところにひとつ労働保険料の滞納していないこと、それから労働基準監督局から是正など受けてないことというのがあるのと、あといま先生ご指摘されました法令の遵守の項目に、労働関係法規を特に遵守を求めているっていうことでございます。

最低賃金だと年収151万円のワーキングプアに

大貫議員:その中で最低賃金法を守れ、入っていますね、最低賃金法ということでね、これ守りなさいと。最低賃金でこれ計算すると、ひとりあたり時間いくらぐらいの給料になるんですかね。いくらぐらいでしょうか。

土井共創推進事業本部長:ちょっと試算しておりません。

大貫議員:試算じゃない。789円というのが最低賃金に決まっているじゃないですか。それに、いいですか、1か月働くと、そうすると、私計算した、12万6400円。1年間それを計算しますと、151万円ですよ。それまで、下げてもいいよという内容になっていますけど、いかがですか。

土井共創推進事業本部長:いまこちらで計算しましたところ151万円で間違いございませんが、それが最低賃金法でも定めの最低賃金ということでございます。

大貫議員:そうすると、ワーキングプアと呼ばれている一般的には200万以下の方々ですよね。そういう中で、いまいったガイドライン守れば、最低賃金までは最低いいですよといっている以上は、最低賃金、ガイドラインに沿ってやったらワーキングプアの方々が生まれてくるということになりませんか。

土井共創推進事業本部長:このガイドラインの規定は労働関係法規の遵守を求めているんであって、最低賃金法という名前は関係法規の例として挙がっておりますが、その個々にあたってそのような数字を決めているものではございません。

大貫議員:おかしいじゃないですか。だからいままで先ほどからどういうふうにしているのといったら、この法規があるからそれに従うことが横浜市のいまやっていることだというふうにいっていたけど、その中に最低賃金法ということを守りなさいというふうに書いてあるじゃない。最低賃金法を守れということは、そこまででいいですよといっているんでしょ。それ以上ならば。完全にここではワーキングプアの方々生まれるまでいいよといっていることになりませんか。

土井共創推進事業本部長:ガイドラインで、そのあともちろん詳細については各施設において協定を結ぶわけですが、それは先生おっしゃるように読むというのは、ちょっと考えられないんではないかなと思います。これは数字を決めているものではなく、あくまでも法令遵守ということを協定として謳ってくれということを求めているものでございます。

大貫議員:最低賃金法は数字を決めているんですよ。その決めた数字、最低賃金法でいえば、そこまでやれば年間150数万しか収入ないんですよ。ワーキングプアといわれちゃうんですよ。そのことをここで出すことはどうですか。これは問題あるんじゃないですか。いかがですか。

土井共創推進事業本部長:申し訳ありません。ワーキングプアの詳細の定義、それから実態のそのへんのどれくらいの数字が最低賃金法との関係でどうなっているのかあたり、私どもちょっと私には知識がございませんので、申し訳ございません。

大貫議員:私は、なんでいうかというと、やっぱり公共のサービスをよくしていくためには、やはり指定管理者でのサービスよくするには、ワーキングプア、要するに働く人たちの労働条件が大切だと。それをきちっとカバーするような施策をしなさいと、してくださいということです。以上です。