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【2010年度予算特別委員会】「こども青少年局」 河治民夫

学童クラブの施設補助を増やして保護者負担の軽減を

河治議員:日本共産党を代表して質問してまいります。項目を変更させていただいて、最初に3番、最後の放課後児童対策について伺います。
 本市の放課後事業の一つである学童クラブでは、施設の確保やその維持管理に大変な苦労をしています。こうした施設実態を局長はどのように認識しておられるのか、伺います。

屋代こども青少年局長:施設につきましては、地域の理解と協力のもと、運営主体の保護者と連携して確保しておりますが、施設の老朽化、児童数の増加による狭あい化、移転のための施設の確保の難しさなど、こうした課題があることについて、認識をしてございます。

河治議員:それでは、この間、本市は学童クラブの施設の確保や維持管理にどのような支援をしてきたのか、伺います。

屋代こども青少年局長:施設に関する支援といたしましては、18年度から賃借施設につきまして、上限月12万円の施設賃借料の補助を行っております。また、21年度から大規模等による分割を行う場合に必要となる修繕などの経費につきまして、上限100万円の開設準備補助を行ってきました。22年度の予算案では、運営委員会が自己保有している施設の耐震や修理等にかかる経費につきまして、上限200万円の補助を新設することとしております。

河治議員:それでも、トイレや調理室など施設の改修整備は保護者の負担になっているだけでなく、児童育成における環境改善の視点から、これはやっぱり改善するべきだと思うんですね。市長は子育て支援に力を入れるというふうに述べておられるわけですけども、学童クラブの子ども達の健やかな放課後を保障すると同時に、保護者の負担軽減など、さらなる施設補助を検討すべきと思いますが、伺います。

屋代こども青少年局長:施設に対する支援、先ほどお答えしたとおり、施設賃借料の補助など支援の拡充を行ってきたところでございます。今後とも、現場の声を十分にききながら、実態に即した支援を行ってまいりたいと考えております。

河治議員:ぜひ、増額も含めて検討いただきたいと思います。

乳幼児健診未受診者の把握で児童虐待を防げ

 それでは、児童虐待対策について伺います。
 子どもの虐待に心を痛めております。3月4日の奈良県と埼玉県で児童虐待による死亡事件が起きました。奈良県の桜井市の子どもが両親から食事を与えられず、餓死した事件は、母親が自ら連絡するまで児童相談所は虐待を掌握していなかった。その児童の乳幼児健康診査は2回のみだった。奈良県は、未受診家庭に催促しても応じない場合は家庭訪問し、虐待の有無を確認するよう市町村に求めているが、桜井市は家庭訪問をしなかった、ということなんですね。
 ここには多くの教訓が含まれていると思います。局長はこの事件をどのように受け止めておられるのか、伺います。

屋代こども青少年局長:幼い命が失われたたいへん痛ましい事件であり、非常に残念なことと感じております。近隣にお住まいの方々が泣き声や物音を聞いて、ひとりがおかしいと感じていながらも、通報まで結びつかなかったというように聞いております。横浜市としてもこのような事件が起きないように、地域連携の強化や、虐待防止の啓発活動によりいっそう取り組んでまいりたいと考えております。
 また、児童相談所の虐待通報を受けた場合は、まず児童の安全確認を行い、必要があれば、児童を一次保護する対応を徹底してまいりたいと考えております。

河治議員:私、未受診を完全にやるということがなによりも重要なことではないのかな、こういうところ押さえていただきたいなと思うわけであります。
 本市の直近の乳幼児健診の実態はどうなっているのか、それぞれ4か月、1歳6か月、そして3歳健診について述べてください。

屋代こども青少年局長:乳幼児健診の受診率でございますが、20年度4か月健診は94.9%、1歳6か月健診は94.7%、3歳児健診は93.5%となっております。この数字はここ数年同様の数値となっております。

河治議員:未受診はどれぐらいでしょうか。

屋代こども青少年局長:約5%となってございます。

河治議員:その約5%の未受診の子どもが残されているわけですけども、先ほどの事件との関係で、どのように受け止めておられるのか、どこに原因があるのか、また、本市は未受診者をどのように掌握しているのか、伺います。

屋代こども青少年局長:先ほどの5%の未受診者の原因でございますが、5%の未受診者の主な理由としては、医療機関や他都市で受診したとか、定期的に通院しているあるいは入院中となってございます。アンケートや問診表で返信がない方に対しては、再度受診お知らせのはがきを出しておりますし、その上での受診勧奨に対し返信がない場合には、ない場合に応じ、個別に電話をかけたり訪問を行っているところでございます。22年度予算案では、未受診者に電話かけをして状況把握をしたり育児相談に応じることのできる専属の看護師をし、体制の充実を図っているところでございまして、未受診者対策に十分取り組んでいるところでございます。先ほどの虐待と直接それがつながるというふうには考えておりません。

河治議員:でも調べることは追及してもらわないといけないんじゃないですか。

屋代こども青少年局長:未受診者が虐待をしているという状況を、当局として把握をしておりませんし、未受診者対策については十分意を尽くしてやっているところでございます。

河治議員:それでは、昨年度は、どれくらいの未受診を残しておられるんですか。

屋代こども青少年局長:未受診者数としては5473人という数字、5%と申し上げたんであります。ただ、そのうち受診を受けていないんですけど、先ほど申し上げましたように返信のある方が2647人いらっしゃいます。半分近くの方はその状況は把握をしているという状況がございますので、実際には2%ちょっとの方が状況がわからない状況かと思います。

河治議員:いずれにしても、1人残さず掌握するっていう体制が必要だっていうふうに思うんです。虐待防止の観点から、就学前の保育園や幼稚園に通わない子ども、そしてまた地域とのつながりのない家庭の子どもの虐待が心配されるわけですけれども、そうした把握をどのようにしておられるのか、またその虐待防止の対策を同考えておられるのか、伺います。

屋代こども青少年局長:児童虐待の防止に向けて、児童相談所や区役所によりまして、きめ細やかな相談・支援体制の拡充に取り組んでおります。また、虐待の早期通報を図るために、民生委員、児童委員はじめとする地域の方々との連携や、広く市民のみなさまに理解していただくための広報、啓発活動など取り組みを行っているところでございます。

河治議員:それでは、虐待についてなんですけども、実際虐待したのが母親だというのが63.9%、いただいた資料ではそうなってました。原因をどのように捉えておられるのか、また、きめ細やかな支援・指導が重要だと思うのですが、解決のための問題は何か、また伺います。

屋代こども青少年局長:実母の虐待が63.9%という数字でございますが、実母による虐待が高い割合を占めているということは、依然として子育てを母親が担っているという現象の現れだというふうに思います。そのため、本市では問題の解決に向けて、母親の育児不安感や負担感を軽減させるような産前産後の支援の充実、子育て支援の充実や、地域のネットワークづくり、父親の家事・育児サポートの推進などを図ってまいって、母親の育児不安感・負担感の軽減を努めてまいりたいと考えております。

河治議員:児童虐待への対応において、2008年度は1480人、約7割の子どもが在宅とする継続指導とのことなんですけども、指導体制に不足はないのかどうか、親への指導、学校との連携はどうなるのか、伺います。

屋代こども青少年局長:児童相談所における継続指導とは、在宅生活支援児童に対して家庭訪問を行ったり、児童や家庭に児童相談所に通ってもらうことにより、支援を継続することをいっております。具体的には、社会福祉職による面接やカウンセリング等を行うことのほか、保健師や看護師による保健指導など複数の専門職種により、組織的な体制を送りながら臨んでおります。在宅支援は、児童相談所だけで行えるものではなくて、区福祉保健センターや学校、保育園など、児童や家庭に直接かかわる機関と密接な連携を図りながら進めているところでございます。

河治議員:いろいろ聞いてきましたけども、虐待防止については、児童相談所とかそれから療育センター、区役所、この連携が重要だ。さらにはそうした子育てシステムをつくることが必要ではないかなと思うのですが、うかがいます。

屋代こども青少年局長:児童虐待防止につきましては、関係機関の連携が重要でございます。本市では児童相談所、区役所、民生委員、児童委員、保育所、幼稚園、学校、警察や医療機関等により構成されます要保護児童対策地域協議会を設置いたしまして、関係機関の連携に努めております。また、次世代育成に向けて、行政はもとより、社会のさまざまな担い手が地域の子育てに積極的にかかわっていくという社会全体による支援を基本的な視点をして、取り組んでまいります。

ゆとりをもった児童養護施設の職員体制を

河治議員:それでは、次に児童養護施設について伺います。
 虐待件数の増加と合わせて、入所児童数も増えているわけです。この間の入所件数の推移と、本市の入所定員の関係はどうか、伺います。

屋代こども青少年局長:過去3年間でございますが、児童養護施設の定員と措置児童数の推移は、他の自治体の所管施設に定員を確保している分も含めますと、18年度は定員571人で措置が545人、19年度は定員558人に対し措置が515人、20年度は定員546人に対し措置が520となっております。

河治議員:それでは、その施設の体制なんですけども、児童養護施設の人員配置は、国基準の児童6人に対して指導員1人。これでは、施設で見えない業務がいっぱいあると思うんですね。業務に忙殺されるとよく聞くんですけども、体制に問題ないのか、伺います。

屋代こども青少年局長:児童養護施設の職員体制につきましては、国が定めている児童福祉施設最低基準がございますが、職員の人数については学齢域の児童概ね6人に対し、指導員または保育士を1人以上配置することとしております。これに対し、本市では、入所児童の支援向上のため、概ね5.5人に対して指導員または保育士1人配置することとし、国基準に上乗せをして実施をしているところでございます。

河治議員:いずれにしても、施設は24時間終日児童に責任を負っているわけで、職員の勤務時間1日8時間、割り返せば児童、本市の場合は5.5人に対して職員はその3分の1ということですが、これでゆとりを持つ接し方ができるのでしょうか。

屋代こども青少年局長:先ほど申しましたように、国基準で6人に1人のところを5.5人に1人ということで上乗せして実施をしているところでございます。

河治議員:特に、とにかくゆとりをもつ体制の方が必要だっていうふうに思うんです。施設に入所している子どもの育成・支援において、施設の小規模化や地域に密着したグループホームなど、やっぱりそういうふうなことが必要だと思うのですが、本市の考え方を聞かせてください。

屋代こども青少年局長:地域における6人程度の小規模な容器の形態としては、地域小規模児童養護施設と21年4月から制度化されたファミリーホーム、小規模住宅型児童養育事業の大きく2つの制度がございます。22年今年の4月1日には、本市に地域小規模児童養護施設が1か所、ファミリーホームが6か所になる予定でございます。今後とも児童養護施設の整備とともに、家庭的な養育環境の形態を増やしてまいりたいと考えております。

河治議員:ありがとうございました。