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【2006年度決算特別委員会】「環境創造局」河治民夫議員

繰り返される帷子川浸水被害に緊急の手立てを

河治議員:日本共産党を代表して、質問します。
 まず、河川改修についてです。
 2006年度決算で河川整備費の不要額が3億5127万余円となっていますが、その内容は何か、またその理由を述べてください。

小松崎環境創造局長:用地の取得におきまして、移転先となる代替用地の確保ができなかったこと。そのことによりまして、効用財産の購入費に不要が生じたということでございます。

河治議員:土地が取得できなかったところはどこですか。具体的に教えてください。

小松崎環境創造局長:帷子川の河川改修関連の用地でございます。 

河治議員:帷子川は2級河川だと聞いています。改修を本市が行うわけですが、河川改修計画の目的は何か、またどのような手法によって、いつから進めてきたのか、うかがいます。

小松崎環境創造局長:帷子川ですけれども、旭区の白根3丁目付近から上流につきましては本市が改修を行っておりまして、河川の拡幅と掘り下げ、この両面によりまして、時間降雨50ミリに対応した河川改修を行っております。昭和45年から都市基盤河川改修事業、これによりまして、事業に必要な財源として、国・県からそれぞれ3分の1ずつの補助を受けまして、事業を実施をしております。

河治議員:私が相談を受けた旭区の川井本町の人は、「国道16号からどんどん雨水が入る。土嚢なんかでは間に合わない。帷子川から揚がってくる。もうどうにもならない。引っ越したくても金もない」と、悲痛な訴えをされていました。その帷子川改修の完成時期はいつになっているのでしょうか。現在の進捗率はどうなっているか、土地の確保および護岸整備についても、それぞれうかがいます。

小松崎環境創造局長:今後の整備の必要な区間、約2.3キロございまして、完成までにはまだ相当の期間を必要といたします。用地取得を進めて一日も早い完成を目指して、事業を進めてまいります。18年度末時点でもうしますと、用地については約83%取得、護岸の改修は約63%との進ちょくとなっております。

河治議員:ところで、本市の改修対象河川数はいくつあるのでしょうか。その改修の平均進捗率はどうなっていますか。用地の確保および護岸整備についてそれぞれうかがいます。

小松崎環境創造局長:本市におきましては、市内の1級2級準用河川のうち、27の河川において改修を進めておりまして、18年度このうち12河川の改修を実施をしております。18年度末の進ちょく状況ですけれども、用地取得や約90%、護岸改修は約84%となっております。

河治議員:対象河川の護岸整備平均進捗率が84%に対して、帷子川は63%。2割も遅れています。2006年度の帷子川の改修実績はどうだったか、またどのような努力をしたのか、旭区の川井本町地域についても、具体的にお答えください。

小松崎環境創造局長:河川改修のために必要な地権者との用地交渉、これを引き続き重点的に行ってまいりましたけれども、とりわけ18年度は旭区の今川町というところで、20年以上におよびました用地交渉がやっと決着をいたしました。その結果、その箇所の改修ができたわけでございまして、この効果としてはその上流の改修済みの区間約2.8キロまで、ここまでが1時間当たり50ミリの降雨に対応できるようになったということでございます。
 また、先生のご指摘の川井の地域でございますけれども、ここも用地取得でさまざま課題がまだございまして、当面流れを阻害しておりました大栗橋ございますけれども、これを過去15年16年に架け替えをして、その箇所の改修に努めてきたところでございます。

河治議員:2006年度、帷子川についての執行率をお答えください。

小松崎環境創造局長:帷子川の18年度末の護岸改修率は63.3%でございます。

河治議員:進ちょく率じゃなくて、予算に対する執行率を聞いています。そうした質問もだしています。

小松崎環境創造局長:渡邉安全都市環境担当政策選任部長からお答えいたします。

渡邉安全都市環境担当政策選任部長:帷子川につきましては、予算といたしましては約19億当初予算で組んでございます。18年度の執行済み額としては約10億ということでございます。

河治議員:残りはなんですか。

渡邉安全都市環境担当政策選任部長:ひとつは繰越によって次年度に執行が繰り越されたものと、先ほどの不用額ということで不用となったものでございます。

河治議員:土地の取得が67%、18年度2006年ですね。こうしたことをうかがっています。事業所の代替地が見つからないというふうに聞いているんですけれども、ここについてどのように努力をされたのか、うかがいます。

小松崎環境創造局長:市街地の中の河川整備ということで、特に河道の拡幅等が生ずる場合には、そういった沿線の土地所有者の方々のご理解とご協力を得て、用地を取得させていただくと、これがないと事業が進まないわけでございますけれども。あのあたりで非常に大規模な事業所があり、その大規模な事業所であるが故に、移転先についてなかなかご理解・決着がいただけないというなかでは、さまざま努力をしてまいりましたけれども、いまのところまだ最終決着にいたっておらず、用地の取得がまだ残っていると、そういう状況でございます。

河治議員:事業所が移転する場合のその代替地とはどのようなかたちですすめられるんでしょうか。

小松崎環境創造局長:基本的には、私どもでこれまでもっております公有地を中心に協議をさしていただくということから始めるようなかたちかと思います。

河治議員:たとえばですね、港北区の池辺(いこのべ)町にある横浜市土地開発公社の保有する土地を本市が市債で購入したと聞いておりますが、そうした所を代替地にするとか、また市内だけでなくですね、県外も含めて条件を広げれば、もっとこうしたことができると思うんですね。そうしたこともないとしたら、結局浸水被害者の立場に立っていないとしか思えてなりません。創造的改革というのであれば、こうした代替地の確保についても、真剣に努力すべきと思うのですが、このことについては阿部副市長にうかがいます。

阿部副市長:先ほど来局長の方からお答え申し上げているとおりでありまして、局としては最大限努力をしてきているというふうに思います。用地の確保等につきましては、相手方等もある話でございますので、なかなか行政だけが意志を持っても円滑に進みにくいという部分もあろうかと思います。しかしながら全般的に河川整備、私ども進ちょくするための努力はしっかりと行っている必要があるというふうに思っております。

河治議員:繰り返される浸水被害地域に緊急の手立てが必要たっていうふうに思います。応急処置などを含めてどのような事ができるのか、川井本町地域ではどうか、具体的にお答えください。

小松崎環境創造局長:浸水被害が頻発している地域の緊急対応ということでございますが、事前準備としてまずは土嚢の配布と、雨水マスの清掃、これをきっちり行うほか、地域の実情に応じては雨水マスの増設などの応急対策を実施をしてまいります。また、河川水位情報の周知などソフト対策も含めた取り組み、これを進めております。
 ご指摘の川井本町の浸水被害地域でございますけれども、あそこは地形上どうしても両側から雨水が集中しやすいというかたちの窪地でございますので、一時的には雨水がいっぺんに集中しないような方策、これを具体的に検討中ということでございます。

河治議員:あらゆる可能な手立てを尽くして、講じてほしいっていうふうに思います。

多額で地下調整池を建設したのにまだ浸水被害、対策を

 それでは、保土ヶ谷区の今井川の改修についてですが、多額な金額を投入して建設された時間降雨50ミリ対応の地下調整池が出来上がった、それなのに30ミリの降雨にもかかわらず浸水被害にあった、なんだったのか、との批判が聞かれます。そこで、今井川の改修の考え方についてうかがいます。また、改修の課題は何があるのか、そしてその見通しについてもお答えください。

小松崎環境創造局長:今井川についてですが、15年度末に供用開始をしております地下調整池への貯留、そして河川の拡幅とこれを合わせて時間降雨50ミリに対応した河川改修をやってまいります。課題ですけれども、15年度から進めておりますJR東海道線のイマワ川の橋梁の架け替え、これの早期完成、また狭隘部となっております国道1号線保土ヶ谷橋の架け替え、これがやられております。また、保土ヶ谷区狩場町の元町橋から上流についても用地を早急に取得をいたしまして、護岸整備を進めていくことが必要と考えております。今後とも効率的な事業の執行に努めて改修を進めてまいりたいと思います。

河治議員:国道1号線の保土ヶ谷橋の改修計画やその用地取得はどうなったのでしょうか。それと、JR等の関係機関との協議は進んでいるのでしょうか。

小松崎環境創造局長:渡邉部長からお答えいたします。

渡邉安全都市環境担当政策選任部長:この付近の箇所では3つのネック箇所がございまして、そのうち保土ヶ谷橋の架け替え工事につきましては、国道1号の道路切り回しが必要となったために、用地の確保と関係機関の協議を進めているところでございます。その他の2箇所については、工事を施工中でございます。

河治議員:協議の内容など、もう少し詳しく教えてください。

渡邉安全都市環境担当政策選任部長:橋梁の架け替え等の設計についての協議というふうに聞いております。

河治議員:ここも大変なところです。ぜひよろしくお願いします。

貴重な瀬上沢の緑を守れ

 次に、上郷開発事業についてうかがいます。
 瀬上沢一体の16万7000㎡(17万7000㎡に修正)もの緑地を破壊し、1100㎡の樹木を伐採してショッピングセンターや高層マンションなどを建設する大規模開発いわゆる上郷開発に対し、地域の市民団体などが緑を守ろうと運動が大きく広がっているわけですが、土地所有者つまり事業者が上郷開発の手続きをするため進めている環境アセスメントの進捗状況について伺います。そして、開発を進めるために、事業者は今後どのような手続きをしなければならないのか、伺います。

小松崎環境創造局長:本年6月に事業者から環境影響評価書が提出されまして、6月15日から7月17日まで縦覧・意見書の受付を行いまして、合計339通の意見書が提出をされております。現在、この市民意見に対しまして、事業者が見解をまとめている段階でございます。今後、さらに審査会において評価書の審議が行われ、本市に対して方針をいただくということになるのかと思います。
 それから、事業者側の今後の手続きといいますのは、いま私ども環境アセスメントということでうかがっているだけでございますけれども、実際にその事業者の開発を調整誘導しているのは都市整備局の方でさまざまな手続きについても事業者の方とも打ち合わせをしているんではないかなというふうに聞いております。

河治議員:市民の意見は、市長の審査書や事業者の報告書にどのように反映されるのか、するものなのでしょうか。

小松崎環境創造局長:市民意見についてさまざま出ているわけでございますけれども、まずこれは審査会の方においても議論されることになりますし、私どもとしても出された意見は逐一事務局として見ております。そういったことを総合的に勘案しながら、最終的なさまざまな判断に結びついていくんじゃないかなというふうに思っております。

河治議員:私も先日開発予定地に行ってきたわけでづけれども、貴重な緑とともに160万年前の海底の貝化石といわれる化学合成群集の路頭といわれる現場、江戸時代の治水の実態を物語る横堰など、私たちの先祖の生活の様子などが残されている貴重な文化財も含まれていると、案内してもらいました。本当に緑や貴重な文化財を破壊するわけにはいかないな、この思いを強くしたわけですが、環境影響評価に対して市民から具体的にどのような意見が寄せられているのか、主な内容についてうかがいます。

小松崎環境創造局長:自然環境全般の保全に関することとか、事業計画にまつわること、植物あるいはホタルの保全、大気への影響、そういったことがございましたが、具体的な意見としましては、たとえばカントウカンアオイなどの横浜植物会が希少種としている種の保全、あるいはホタルの生息環境の保全、周辺道路の交通混雑懸念、こういったことなどでございました。

河治議員:いろんなところから意見が出ているわけですが、開発予定地は市内最大のホタルの生息地であり、また絶滅危惧種のオオタカや希少な植物のサルナシをはじめとする貴重な動植物の宝庫といわれています。
 本市の平成20年度の依命通達では、「緑豊かで持続可能な環境の実現に向けたシステムづくり」を掲げて、「緑の総量維持に向け、市民共有の財産として緑を守り育む取り組みを進める」としています。
 上郷開発計画についても、この考え方に沿って当然対応されると思いますが、改めてその決意を、これは阿部副市長にうかがいます。

阿部副市長:先ほども杉山議員のご質問にお答えを申し上げたように、現在環境影響評価の手続き中ということでございます。今後都市計画提案、出されてくることになるだろうと思われますが、その検討の中で上位計画との整合あるいは環境等への配慮等と、さまざまな要素を考慮して総合的に対応してまいりたいというふうに考えています。

河治議員:150万本の植樹という、これ非常にいいことだというふうに思いますが、同時に現在の樹林の保存ということもぜひ進めていただきたい、このように思います。

中堀川プロムナード整備事業は地元住民の意見を大切に

 最後に、中堀川プロムナード整備事業についてなんですが、中堀川プロムナード事業が始まったわけですが、事業の目的と内容について伺います。

小松崎環境創造局長:現状コンクリートの3面張りに固められた中掘川、これを市民が親しめる環境に再生をするものでございまして、横浜動物の森公園から湧水が流れ込んでおります。これを活用した水辺、あるいは周辺の地域の環境を生かした植栽の整備を進めて、プロムナード整備をしていくということでございます。

河治議員:地域住民からも、せせらぎや遊歩道、生き物とのふれあいなど期待が大きいわけですけれども、完成時期はいつでしょうか、そしてまた現在の進捗状況もうかがいます。

小松崎環境創造局長:21年度の完成を目指しておりまして、いま現在整備に向けましてまず雨水管の関連工事をやっておりますのと、18年度からは住民サイドとの話し合いを進めるためにワークショップを実施をしております。

河治議員:地元住民の意見・要求、さまざまあると思うのですが、どのように取り入れているのか、また意見の違いをどのように調整しているのかうかがいます。

小松崎環境創造局長:いまこれは地元の旭区が中心になりまして、アンケート、町内会を通じた公募で参加者を募集したワークショップ、これを立ち上げて計画について検討していただいているわけでございますけれども、席上ででた意見につきましてはワークショックの中で参加者同士が話し合って、住民相互で理解しあいながら決定していくと、そういうかたちになっております。

河治議員:地域住民から愛され親しまれる施設にすることが重要っていうふうに思うのですが、整備完了後の管理はどのようになさるのかうかがいます。

小松崎環境創造局長:いまでもワークショップで周りの方々非常に関心を持って取り組んでいただいておりますので、日常的な管理につきましてはできた後地域の方々が水辺愛護会をぜひ結成をしていただいて、取り組んでいただくということを期待したいと思います。

河治議員:地域のそういう愛護会と合わせて、予算が必要だというとき、いろんなことがでるとは思うんですけれども、そうした窓口などについては地域はどのようなところにうかがったらよろしいのでしょうか。

小松崎環境創造局長:基本的には旭区役所の方で一元的に地元の窓口になっていただけることになっております。

河治議員:ありがとうございました。終わります。


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