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2019年12月5日

国民健康保険 横浜市が全て正規の保険証発行へ…新かながわ12/8号

資格証に続き短期証発行ゼロに

新かながわ2019年12月8日号日本共産党市議団副団長
古谷靖彦

横浜市は、国民健康保険料の滞納を理由に、正規の保険証を取り上げ、有効期限が短い「短期保険証」の交付を8月からやめました。2016年には、医療機関窓口で全額(10割)支払う「資格証明書」の発行も中止。横浜の国保は、全て正規の保険証が発行されることになりました。資格証・短期証ゼロの意義や経過などについて、日本共産党市議団の古谷靖彦副団長に語ってもらいました。

保険証取り上げ ワースト1位
国保料滞納者への制裁措置として、国で制度化された資格証・短期証の発行は、患者が医療を受ける権利(受療権)を侵害し、滞納者を懲罰するものです。
私たちは、滞納者へのペナルティーは社会保障の原則に反するものとして、資格証・短期証の発行をやめるよう求め続けてきました。

とりわけ資格証は、事実上の無保険の制度。役所の窓口で滞納金を支払わなければ正規の保険証は発行されません。まさにお金がなければ医療にかかれない制裁措置そのものです。
市の資格証発行数は、全国ワースト1位が続いたときもあり、一番多かったときで3万5668世帯(2011年10月時点)に及ぶこともありました。それが16年10月には発行ゼロとなりました。

短期証は、役所の窓口で滞納保険料の納付相談をして保険証を取りに来るまで窓口で渡さない「留め置き」も大問題でした。そういった強権的な措置をしても、実際は保険料の収納率はたいして上がりませんでした。
市の短期証発行数は、多かったときで4万8667世帯(11年10月時点)でしたが、今年8月1日現在でゼロとなりました。

資格証・短期証 発行ゼロなぜ
国は、資格証発行の際には、機械的な運用を行うことなく保険料を納付できない特別な事情の有無を把握するよう通知しています。
市の担当者に聞くと、「横浜として反省するべきかもしれない」と話し始めました。
国の通知通りに対応すれば、多くの滞納者との接触や訪問など事務量が膨大となるため、機械的な資格証・短期証の発行をせざるを得なかった、発行業務と発行後の対応に人手が取られることで保険料滞納者への対応が十分に行えなかったと続けます。

また、資格証・短期証を発行しても突如保険料を払えるようになるはずがなく、保険料の回収率が引きあがりはしないとのこと。保険料滞納者は、保険料を払えない状況にあることが分かり、結果として短期証の発行をゼロにした、これは、国の通知に立ち返っただけと話していました。

運用の見直し きっかけは
「なぜこんなに思い切ったことができたのか」と担当者に尋ねると、「国会での質疑がきっかけ」と話しました。
例えば、08年の参院決算委員会で日本共産党の仁比聡平議員の質問に保険局長は「一年間滞納したからといって滞納者の特別な事情を確認することなく資格証を交付することは想定していない」と回答。短期証の交付については、「申し出があることのみが要件である。(滞納金の)一部納付は必要ない」と答えました。

その後、国民の運動と党の追及に押され、政府が従来の国保行政を〝手直し〟する通達や事務連絡を出しました。
通達や事務連絡に基づく運用が横浜市でできているのかと見直していたことが、今回の運用の見直しにつながったのです。

本来あるべき 滞納整理とは
 「資格証・短期証の発行ゼロにより、滞納処分が厳しくなっては意味がないのではないか」との質問が多く寄せられています。しかし、資格証・短期証の発行ゼロと、滞納処分の在り方の問題は別物です。

資格証・短期証の発行がゼロになったことで、受療権が制限されることはなくなりました。これは大きな前進面です。
滞納処分の在り方については、きちんと払える資力がある方には保険料を払ってもらうことは当然のことです。

しかし、どうしても払えない世帯に対して、保険料の滞納を続けさせることは適切な対応ではありません。払えない保険料であれば保険料の滞納処分を執行停止にして、資力に応じた保険料を払ってもらうこと。これが本来あるべき滞納整理ではないでしょうか。
市での執行停止数は、10年の1992世帯から、19年には1万4732世帯と大幅に増えています。

強権的な差し押さえまかり通る
国保料滞納世帯に対する差し押さえは、10年度の2546件から18年度の1万1802件へと激増しています。
生活や生業を脅かし、さらなる貧困へと突き落とす強権的な差し押さえは直ちにやめさせることが必要です。今後もそのために力を尽くします。

新かながわ 2019年12月8日号より

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