議会での質問・討論(詳細)

2019年12月19日

■教育委員の人事議案についての討論(古谷やすひこ)

教科書採択に学校現場の意向を反映する仕組み導入を

古谷議員:教育委員の人事議案について討論します。私たちは、今回の議案については賛成します。そもそも教育委員の任命は、首長が自らの部下を任命する行為ではなく、かつての公選制に代わる地域住民の民意を反映するための任命です。国会でもこのことは、当時の下村文科大臣が「教育委員の任命に当たっては、多様な民意が反映されるよう配慮することが求められています。」と答弁しています。新たに教育委員として着任されるにあたって、改めて教育委員は、こうあるべきという姿を発言させていただきます。

教育委員会は、都道府県及び市町村等に置かれる合議制の執行機関であり、教育・生涯学習・文化・スポーツ等の幅広い施策を所管しており教育行政の最高意思決定機関です。文科省のホームページによれば、教育委員会には、3つの特性があります。一つは首長からの独立性。首長への権限の集中を防止し、中立的・専門的な行政運営を担保すること。もう一つは合議制。多様な属性を持った複数の委員の合議により、様々な意見や立場を集約した中立的な意思決定を行うこと。最後は、住民による意思決定。住民が専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督する仕組み(レイマンコントロール)で広く地域住民の意向を反映した教育行政を実現すること。

教育委員会の3つの特性のうち、特にこのレイマンコントロールについてですが、これを実現するためには、教育委員の方々が、子どもや保護者、教職員、住民の悩みや願いを誠実に聞くことを積極的に行うことがどうしても必要になっていきます。そうした現場の実態から得た知見や感覚をもとに教育委員会事務局ともやり取りをしながら教育施策を豊かにしていくものだと思います。例えば、埼玉県の鶴ヶ島市では、条例をつくって住民参加で市の教育施策を策定していくことを目指しています。

市の教育大綱を策定する際にも、子ども・教員・保護者らにアンケート調査を実施し、その結果に基づき保護者・住民・教職員と対話を重ね、子どもたちから直接ヒアリングも行い市の教育大綱をボトムアップで作り上げています。本市のような大都市で、現場の声を教育施策に反映させるのは困難があります。公立小中学校だけで600を超えます。現場の声を聞くといっても6人の教育委員で対応するのは不可能に近いです。この困難を解消するために、行政区単位に一定の権限を委譲するような区ごとの教育委員会を置くことなど工夫が必要ではないかと思います。そして自治体の教育施策を住民側からチェックし改善することが教育委員に課せられた大きな役割だと思います。そうした裏付けを教育委員一人一人がなければ、教育委員会は形骸化してしまいます。

今横浜市の教育行政の中では、真っ先に教員の働き方改革の問題、教科書採択のプロセスの改善について、教育委員会の中で論議いただきたいと思います。特に教科書採択について、来年度は中学校の教科書採択が行われます。横浜の公立中学校では、現場の評価が高くない育鵬社版の歴史公民教科書が使用されています。私たちは市教委の教科書採択の在り方について、これまでも繰り返し問題点を指摘し改善を求めてきました。最大の問題は、学校現場の意見を調査・集約しないことです。県内の多くで実施されている現場の教員と学校の意向を尊重する仕組みを横浜でもつくることを検討いただきたい。

横浜市教育委員会のホームページでは「地域住民の多様な意見を反映」することが教育委員会の目的の一つとして設置されていると書かれていますから、それを文字通り実践するように望みます。教科書採択の公開性を高めるために、場所についても工夫していただきたい。今までは通常の教育委員会会議室で傍聴者が少数に限られる場所になっていますが、多くの市民の皆さんが望む開かれた教科書採択を実現していただきたい。このことも、教育委員会の在り方から考えれば当たり前のことです。来年の教科書採択は、新市庁舎で行われることになると思いますから、多くの市民のみなさんが高い関心をもつ事柄ですから、傍聴希望される方がすべて入れるような公開の場所で行われることを望みます。

また分校化された北綱島特別支援学校についても、元の本校に戻してもらいたいという声が現場から上がっています。新たな教育委員に着任されるにあたって、ぜひ現場の保護者の声を聞いていただきたい、子どもたちの様子を見ていただき、現行の方針についても再検討いただきたいと思います。

また県内で中学校給食の唯一実施されない自治体となってしまうことについて、子どもたちや保護者の声に真摯に耳を傾け、たとえその当事者の声が市長の意向に反していても、教育委員会は市長部局と一体の組織でもなければ、下請け機関でもなく、独立した組織ですから、ぜひ真剣に検討いただき教育委員としての役割を発揮していただきたい。

縷々述べましたが、教育長に置かれましても、あらためて教育委員会の役割や成り立ちを鑑みて、透明性ある、住民参加の教育行政運営に当たっていただきたいことを申し上げて、討論を終えます。

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