議会での質問・討論(詳細)
2019年3月6日

■建築局(岩崎ひろし)

◆岩崎委員 では、よろしくお願いします。

委員長、スライドを後で使いますので、よろしくお願いします。

○高橋[徳]副委員長 はい、許可します。

◆岩崎委員 早速伺いますが、戸塚区戸塚町の中外製薬の開発に伴う浸水増大の不安解消について伺っていきます。

まず、スライドを見てください。(資料を表示)85年前の柏尾川の様子です。写っている3歳から4歳の少女がいますけれども、この方はまだ健在です。その方から借りた写真です。左側奥に戸塚駅が小さく見えます。両側とも原っぱと田んぼです。これが、ほぼ同じポイントから撮った現在の柏尾川の様子です。

戸塚駅西口地域は1960年代から、柏尾川の洪水や内水氾濫など浸水被害に悩まされ続けてきました。川の水位がどんどん上がる。浸水が迫ってくる。地元の皆さんは大雨のときは恐怖で一晩中寝られないということです。開発用地のかさ上げが浸水被害を大きくするのではと心配するのは当然です。当局はこうした地元の事情をしっかり受けとめて対応していただきたいと思います。市の関係部局で浸水対策が検討されていると聞いています。しかし、地元の不安は依然解消していません。

そこで、改めて伺います。開発許可申請前に行うことになっている協議項目、その所管及び手続など現在の状況を伺います。

◎漆原宅地審査部長 建築局は総合的な窓口として全体調整を行ってまいりますが、協議項目のうち既存の道路拡幅、雨水調整池の設置については道路局が、開発区域内と、その周辺道路の側溝、集水升、公園整備については環境創造局が、防火水槽、消火栓については消防局がそれぞれ所管しています。現在は横浜市開発事業の調整等に関する条例及び都市計画法によるこれらの公共施設管理者との事前協議が行われています。

◆岩崎委員 そうしますと、この開発許可という手続の点で言うと、今、それ以前の段階だというふうに理解していいのかどうか。これは確認しておきます。

◎漆原宅地審査部長 それ以前の段階でございます。

◆岩崎委員 開発許可を所管する建築局として、この不安解消への取り組み、どうやっておられるか、伺います。

◎坂和建築局長 開発許可が申請された後、都市計画法の許可の基準に照らして的確に審査を行います。許可後にも、開発により整備する公共施設などが開発許可内容に適合しているか、中間検査や完了検査を通して確認し、確実に整備されるよう開発事業者をしっかり指導します。これらについては道路局、環境創造局と連携して進めてまいります。

◆岩崎委員 建築局としては今答弁があったとおりだと思うのですが、先ほどちょっと紹介した浸水対策が検討されています。これは30年前に一度の大雨への対策として伺っています。これは非常に大事な対策で、これは評価したいと思います。

一方、国は今年度、昨年の経験に基づいて、ことしは洪水、氾濫を未然に防ぐ観点から、想定降雨量のレベルを引き上げた水害の未然防止対策を重点に位置づけました。県は柏尾川を含む境川水系の浸水被害想定を見直し、公表しました。本市もその対応を始めていると聞いています。本件の不安解消へさらなる取り組みを要望しておきたいと思います。

次に、地元の不安は解消していないわけですから、今後、市と事業者が対策を具体化していく上で不可欠な、関係部署と事業者との協議及び地元の理解を得る丁寧な対応に力を尽くしてほしいと思うのですが、これは他局もかかわる問題ですので、副市長の考えを伺っておきます。

◎平原副市長 現在、戸塚駅西口周辺の浸水対策の検討を環境創造局、道路局が連携して進めております。もう少し具体的にお話ししますと、戸塚駅西口周辺の雨水を処理している戸塚ポンプ場の負担軽減策、あるいは道路表面水の取水改善などの検討を行っております。あわせて、今後、開発許可におきましても浸水対策に効果のある施設の整備を求めるなど、建築局が中心となって開発事業者を指導していきたいと考えております。

◆岩崎委員 副市長にもう一つ伺っておきます。

昨年、同じ問題で質疑をして渡辺副市長から答弁をもらっていますが、地元の皆様に安心していただけるよう今後とも指導要請を行っていくという答弁をいただいています。この立場を堅持されるというのは当然だと思うのですけれども、改めてこの立場を堅持するのかどうか、副市長に伺っておきます。

◎平原副市長 地元の方々の不安を取り除くべく、私どもも関係局がいろいろな対策について検討しております。これからの対応に当たっても地域の方々の不安が解消できるように丁寧に対応していきたいと思います。

◆岩崎委員 ぜひよろしくお願いします。

次に、市営住宅の修繕について伺っていきます。

市営住宅は管理戸数の大半が築30年から40年と老朽化しています。入居者の切実な修繕要望に絞って伺っていきます。

まず、修繕費の負担区分を定めた市の条例第26条及び市の施行規則第28条の内容を伺います。

◎古木住宅部長 市営住宅条例第26条第1項は、入居者が負担すべきもの以外の修繕については全て市の負担として定めております。そして、入居者が負担すべきものとしましては、条例第27条第1号及び第2号で掲げる畳の表がえ等の費用負担を規定しておりまして、同施行規則第28条及び別表第2において、より詳細に規定しているところです。

◆岩崎委員 ここから先はスライドを使いながら説明していきます。

私は磯子区の洋光台団地と港南区の野庭団地を調査してきました。修繕が必要とされる箇所の絵を見てください。私の判断で、これは市が負担すべき修繕の箇所だというのが、まずこれが1つです。これもそうです。これはいずれも床下の経年劣化で畳や床板が落ち込んでいるという状況です。

次は、屋上の雨漏りが躯体を通って階下にしみ出した状況です。今見えているのが、最上階のところに出ているしみ出しです。これは1階部分です。

次に、築30年から40年たっている住戸内はどうなっているかということを見てください。これは天袋のふすまです。特別居住者が破ったわけではなくて、劣化で破れてしまった。色も変わってしまった。次が、浴室内の天井や壁のカビだらけの様子が映っています。

なお、後でもちょっと聞きますが、入居以来、これらの住宅は四十数年たっていますけれども、リニューアルは一回もしてもらっていません。計画修繕というものがあるようですけれども、計画修繕では対応できていない。こうした状況は大家としての責任が果たせていない状況です。

次に、修繕の相談。居住者からいろいろ管理事務所に相談があるわけですが、それへの対応がいろいろ問題があるということが、よくわかりました。洋光台団地では2020年以降に建てかえが予定されているので、それまで我慢してくれと。それから、今お金がない、予算がないので直せませんということで申し出が退けられています。それから、野庭団地では、先ほどの畳や床板の落ち込みは、最初の段階では軽微なので自分で直してほしいということで受け付けてもらっていません。なお、先ほどの絵で床の落ち込みがありましたので、これは、この間取り上げたものでちゃんとではないけれども直してもらいましたので、建築局の名誉のために言っておきますけれども、これはそういう対応がされました。

そういうことで、そのほかたくさん聞いてきましたけれども、いずれにしても、なかなか修繕してもらえないということで苦情が出ましたので、このことをお伝えしておきたいと思います。

そこで、伺っていきます。修繕費の負担区分、先ほど紹介がありましたけれども、この認識が市の担当部署、指定管理者のところで共有されていないのではないかと思うのですけれども、認識はどうでしょうか。

◎古木住宅部長 入居の際には20ページ以上から成る「市営住宅住まいのしおり」を全ての世帯にお渡ししております。しおりの中で修繕が必要になった場合の入居者負担の主な内容について記載しております。修繕の負担区分につきましては、蛇腹管や目皿などわかりにくい用語もあり、また、全ての内容を掲載できていないこともありますので、具体的な修繕の御相談があった場合には丁寧に御説明するよう対応しております。

◆岩崎委員 今紹介したいろいろな問題点ですが、これはやはり一般修繕の予算が余りにも少ないというところに一番の原因があるのではないかと私は思っています。そこで、平成29年度決算における市営住宅使用料収入額、修繕費及び一般修繕費を伺います。

◎古木住宅部長 市営住宅全体で住宅使用料収入は105億8445万円になります。修繕費が19億5078万円です。このうち居住中の日常的な修繕に充てる一般修繕費につきましては7億6692万円となっております。

◆岩崎委員 一番問題は一般修繕に収入の7%程度しか使っていないということです。

次に、住戸改善の実績を団地名、築年数で伺います。

◎古木住宅部長 住戸改善事業につきましては平成13年度から実施している事業です。現在、上飯田住宅と勝田住宅におきまして事業が終了して、おおむね築35年から40年程度で実施しました。また、ひかりが丘住宅につきましては築40年ごろからエレベーターを先行して設置しておりまして、現在住戸内の改善を進めているところです。

◆岩崎委員 実績を聞いたのでお答えはあったのですけれども、これは、ひっくり返して言えば、30年も40年も一回もリニューアルをしていないということを言っているだけの話であって、これは賃貸住宅という通常の住宅の概念から言えば、大家の役割を果たしていない異常事態と言ってよいと思います。

次に、港南区及び磯子区を含む2つのブロックの平成31年度の1戸当たりの修繕費の見込みは幾らか、教えてください。

◎古木住宅部長 港南区を含むブロックにつきましては、港南・戸塚ブロックになりますが、そこの1戸当たり管理コストにつきましては、現在4667戸ありまして、一般修繕費は6502万円です。そのうち直接建設した住宅が4323戸となっておりますので、それで割り返した1戸当たりの修繕費につきましては1万5040円となっております。また、同様に、磯子区・金沢区・栄ブロックの管理戸数が4433戸となっておりまして、一般修繕費が8423万円です。そのうち市が直接建設した住宅が4074戸になっておりますので、それで割り返した1戸当たりの修繕費につきましては2万675円となっております。

◆岩崎委員 この2つのブロックで修繕申し出が平成29年度にどれぐらいあったのか、どう対応したのか、伺います。

◎古木住宅部長 平成29年度の一般修繕についてになりますが、申し出件数については、修繕以外にもさまざまな問い合わせがありますので、正確な数字を把握することはできませんでした。ただ、港南・戸塚ブロックにつきましては市負担の工事件数は823件、その費用は合計で6203万円となっております。磯子・金沢・栄ブロックにつきましては市負担の工事件数は703件、その費用の合計は1億2018万円となっております。

◆岩崎委員 それでは、先ほど見せた野庭住宅の床を張りかえた費用は幾らだったでしょうか。

◎古木住宅部長 スライドの例は昨年の決算特別委員会の局別審査、第4回定例会の常任委員会で委員から提示された物件だと思いますが、それに関して市が負担した工事費につきましては約6万円となっております。

◆岩崎委員 今お答えがあったのを全部合わせると、こういうことが言えます。2つのブロックの一般修繕予算は1戸当たり平均1.5万円から2万円。この床の張り直しをした工事が6万円。そういうことを考えて、私が調査したのは全部で9件、住宅の中まで入らせてもらって見てきました。それで、市の負担でやらなければいけないと思った箇所は、どの家にも1カ所以上ありました。この比率で要望が出てくると一般修繕の予算が全く足りません。どう考えますか。

◎坂和建築局長 市が行う市営住宅の修繕につきましては、一般修繕のほか、屋上防水の改修や設備の更新などを行う計画修繕、また、空き家が発生したときに行う空き家修繕がございます。さらに、老朽化が進んだ住宅について建てかえ事業や住戸改善事業を実施することで市営住宅の適正管理に努めているところでございます。

なお、今、御質問のありました予算編成及び実際の執行に当たっては、建物の劣化状態に着目し、法令遵守や安全にかかわるものなど優先順位の高いものから修繕を行う状態監視保全を基本的に行っております。

◆岩崎委員 ずっと聞いてきましたけれども、結論から言うと、やるべきことがやられていないと思います。一つは、修繕についての正確な理解と対応ができていないということです。これは指定管理者も含めて市の側と居住者側ともに周知徹底しないと対応できないと思います。それから、もう一つは、予算が決定的に足りないという問題です。これはもう大変な問題だと思うのです。さまざまな問題の大もとの原因はここにあると思います。だから、修繕等にかかわる予算を増額して、市が世間並みの大家としての責任を果たせるようにぜひしてほしいということを強く要望して、終わります。


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