- 日本共産党 横浜市会議員団 - http://www.jcp-yokohama.com -

■交通局(宇佐美さやか)

◆宇佐美委員 宇佐美さやかです。党を代表し、質問します。よろしくお願いします。

委員長、スライド使用許可をお願いします。

○望月[康]副委員長 はい、どうぞ。

◆宇佐美委員 まず初めに、バス乗務員さんのトイレ問題についてです。私が2017年度決算特別委員会でこの問題を取り上げた際、神大寺入口と東神奈川駅西口へのトイレ設置を強く要望したところ、予算案に反映していただいたことに一安心しています。そして、この間、担当課の皆さんや各営業所の皆さんには、トイレに関する調査に御尽力いただきましたことに感謝申し上げます。

さて、私は、昨年10月にいただいたトイレの設置状況を記した表をバスの乗務員さんに見ていただいたところ、表には公衆トイレと明記してあっても、実際には設置されていないところや、行って来いで10分かかるところもあるということを聞きました。また、トイレに行かれないことでの身体的リスクも教えていただきました。事故防止の視点から、さらに踏み込んだ質問をさせていただきます。

まず、近隣施設をお借りしているものが何カ所ありますか。

◎瀧澤自動車本部長 当局でトイレの手当てが必要と考えられる81カ所の起終点のうち、乗務員がお声かけしてトイレを借用している場所は21カ所でございます。

◆宇佐美委員 では、時間制限があるものは、そのうち何カ所ありますか。

◎瀧澤自動車本部長 お声かけをして借用している近隣施設等のトイレのうち、利用時間に制限のある場所は3カ所となってございます。

◆宇佐美委員 バス運行時間帯でも、早いところでは17時に近隣施設が閉まるところもあります。これは問題ではありませんか。早期に解決すべきと考えますが、見解を伺います。

◎城交通局長 トイレの利用時間に制限がある起終点については、そもそも物理的にトイレをつくれないところもあります。路線の中で、他のトイレのある場所に待機、休憩時間を割り当てるなど、ダイヤ編成を行う等の配慮を行っているところでございます。また、過去に御指摘をいただきました神大寺入口については設置のための協議を行っておりまして、来年度の設置に向けて予算計上もしております。ほかの場所についても、ダイヤ編成上の配慮や、トイレの整備をできる限り進めまして、問題を解決していきたいと考えております。

◆宇佐美委員 バス乗務員の皆さんは、座ったまま長時間同じ姿勢を続けていることから、運動不足になりがちで、糖尿病など成人病につながるリスクが高いのではないかと考えます。乗務員の中には血圧の高い方もいます。この方々に処方されている薬には、排尿を促す成分が含まれていることを、局長は御存じですか。

◎城交通局長 高血圧の薬にはさまざまなタイプがございまして、利尿作用がある治療薬もあること、また、それらの薬を処方されている乗務員がいるだろうということは承知をしているところでございます。

◆宇佐美委員 承知されているということですが、この薬を処方されているバスの乗務員の皆さんは、薬を飲めばトイレが近くなり、飲まなければ血圧が上がりという、どちらにしても深刻な身体の変調につながります。これはバス乗務員さんの命を失うだけでなく、乗客や通行人、通行中の車などを巻き込む大事故になりかねないという認識に立っておられるのか、伺います。

◎城交通局長 高血圧でトイレが近くなるという職員がいるのであれば、まずは我々、産業医や保健師が個別に健康相談に対応ができますので、そちらのほうに相談をしていただくことが先決かなとも思います。

◆宇佐美委員 そちらに相談していただくということも周知をしていただきたいと思いますが、私は無理難題を押しつけたくてトイレ設置をお願いしているのではありません。50代の乗務員が550人、40代が441人と、今後いろいろな病気になるリスクを抱える方々がふえていることは容易に想像できます。この認識は共有できるのではないかと思いますが、いかがですか。

◎城交通局長 高齢化に伴ってさまざまな病気のリスクが増加していくということは一般的な話だと思います。ちなみに、そういうことであるからこそ、我々、安全、特に健康起因事故の防止は交通事業にとって大切なことですので、健康管理に関する取り組みに非常に力を入れているところでございます。ちなみに、交通局の高血圧のハイリスク、上が140以上、下が90以上の割合は乗務員で2割ぐらいです。ただ、50代ですが、全国的には、全国の数字は57.2%なのです。ですから、先生がおっしゃるように、乗務員が長く座っているから高血圧になりやすいということではなくて、我々はそういう安全管理にきちんと取り組んでいて、対応しているということも御承知おきいただきたいなと思います。

◆宇佐美委員 健康管理に努めていらっしゃるということですが、近隣施設のトイレをお借りしているところもあり、お借りしている施設があいている時間帯しか利用できない状況を責任を持って改善していただきたいと考えます。

安心してトイレに行かれる環境整備は、2カ所にとどまることなく推進するべきと考えますが、改めて伺います。

◎城交通局長 乗務員にとってトイレの問題は切実な問題だということは理解をしています。先ほども申し上げたとおり、ダイヤ編成上の配慮を行う、あるいはバスの運行本数が多い場所で、設置スペースが確保できるところについてはトイレを設置してまいりたいと考えております。あわせて、職員の健康管理に関する取り組みにも引き続き力を入れていきたいと考えます。

◆宇佐美委員 ぜひお願いいたします。

では、次の質問に移ります。次は、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準と11時間インターバルについて伺います。初めに、この自動車運転者の労働時間等の改善のための基準とは、どういう点を改善しているのか、順に伺います。

まず、拘束時間及び休息期間とは何を意味しているのか、伺います。

◎瀧澤自動車本部長 拘束時間は、始業時刻から終業時刻までの時間で、労働時間と休憩時間の合計時間を言います。また、休息期間は、勤務と次の勤務の間の時間で、睡眠時間を含む労働者の生活時間として、労働者にとって完全に自由な時間を言います。

◆宇佐美委員 では、4週間を平均した1週間当たりの運転時間の限度は何時間ですか。

◎瀧澤自動車本部長 バス運転手の場合、改善基準告示では、4週間を平均した1週間当たりの運転時間は40時間が限度とされております。

◆宇佐美委員 では、連続運転時間の限度と休憩はどのようになっていますか。

◎城交通局長 改善基準告示では、運転開始後4時間以内または4時間経過後に30分以上の休憩等を確保することとなってございます。運転開始後4時間以内に運転を中断する場合の休憩等につきましては、少なくとも1回につき10分以上とした上で、分割することもできます。

◆宇佐美委員 では、これらの基準、満たしているとは思いますが、私は乗務員さんから4時間3分の連続運転をしたと言われました。6時19分に営業所を出発、6時28分にA駅からお客さんを乗せB地点へ、11分の休憩、その間、途中何回かの10分に満たない小休止を挟み、C地点にも行き、10時22分にA駅に戻ると4時間3分となります。これは改善基準告示を守っていると言えますか。

◎城交通局長 ちょっと今、御指摘の運行形態に該当するだろうという仕業を見ているのですけれども、この4時間9分の間に11分の休憩時間と21分の休憩時間をとらせておりますので、計画上、4時間半以内に30分以上の休憩がとれ、4時間以上の連続の運転もさせておりませんし、それから4時間半以内に30分以上の休憩をとるという基準上の問題をクリアしている、そういう計画になっております。

◆宇佐美委員 私が見たところでは、11分の後に4時間3分を過ぎて、21分の、その後、休憩があるとなっていました。

では、このルートで、途中、渋滞などがあり、11分の休憩がとれず、10分に満たなかった場合は、改善基準告示に照らして問題ないと考えておりますか、伺います。

◎城交通局長 途中で渋滞等があって、休憩が確保できないというような場合が発生する場合は、通常は乗務員から営業所に連絡をいただいて、運転を中止して応援者を出すという取り扱いをしています。それぐらい厳しい基準です。ただ、それが間に合わないとか、数分のおくれというようなことで破ってしまう、そういう実態があるかどうかについても調べましたけれども、月に数回そういうことがあるということを、このダイヤでは確認をしましたので、このダイヤについては至急改善をする、ダイヤ改正すると、そういった取り扱いをせざるを得ないなと考えています。

◆宇佐美委員 ほかのところも見つけて、改善していただきたいと思います。

局長は昨年、営業所を回られ、現場の声を聞いて歩かれたそうですが、そのとき聞いた声で多かったものは、どんな声でしたか。

◎城交通局長 いろいろな声を聞いておりますので何がと言われると困るのですけれども、営業所の食事がおいしくないとか、そういうものもありましたが、ダイヤについて、もう少し余裕が欲しいと。とりわけ、先ほどもありましたけれども、高齢者がふえている中で、今までのダイヤでは、やはり乗降に時間がかかるとか、それから確実な着座確認をする上で余裕がないといったようなお話が出てきています。そういうことを改善するために、先ほども申し上げましたけれども、平成30年度はダイヤ改善のために、車両も投入しながら、25路線でダイヤ改善も行っているところでございます。

◆宇佐美委員 先ほど答えていただきましたけれども、ダイヤに余裕を持たせると局長は言ったそうですけれども、改正されたダイヤは、本線にかかる時分は多少延びたものの、折り返し地点での休憩時間を削られ、20分だったところが10分に、10分だったところが5分と短くなり、渋滞したときは、着いた途端出発となることがふえた、それを繰り返すと走りっ放しになるというダイヤがふえたとも聞いています。これはどこに余裕を持たせたのでしょうか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)

◎城交通局長 御指摘のダイヤがどういうものなのかは個別にちょっと検討させていただきたいと思いますけれども、基本的に、まず改善基準は絶対に守るということ、それから、その改善基準が守れないような可能性があるところについては見直しをするというようなスタンスでやっておりまして、実際に昨年度は車両も投入しながら改善を図っているということも御理解いただきたいと思います。

◆宇佐美委員 ぜひ改善基準告示を守られるように運行表を改良していただきたいと要望します。

そして、この改善基準告示では、1日の休息期間、週に2回では、8時間のインターバルでよいと定めていますが、スライドをごらんください。(資料を表示)これは、ある乗務員さんの2日間のタイムテーブルです。午前ダイヤを終え、18時10分帰宅、食事、お風呂に入り、23時に消灯、翌朝4時半に起床、5時には自宅を出る、6時5分から20時半までの約15時間拘束のロング勤務、翌朝も4時には起床するという生活リズムになっています。この方の5日間の平均睡眠時間は6時間でした。平均睡眠時間が6時間、休息期間の最低基準の8時間となると、帰宅して2時間で食事、家事、入浴を済ませるのがせいぜいではないでしょうか。余暇を過ごす余裕もなく、次の勤務に備えて寝るだけの日々が人間らしい働き方ですか、伺います。

◎城交通局長 毎日こうではないですから、人間らしいかどうかは、ちょっとコメントできかねますけれども、その日の仕事の終わりから次の日の仕事の始めまで8時間以上とりなさいという基準があります。交通局では、まずこれは絶対に破ってはいけないということを絶対にしていますけれども、実態として11時間以上とれている勤務形態が約8割です。ですから、8時間から9時間の間でしかとれていないものが3%ぐらいです。ですので、実際には我々の、交通局の勤務については、まあ、しっかりとした、働きやすい勤務体系はとれていると考えています。(「いや、100%にしなきゃだめ」と呼ぶ者あり)

◆宇佐美委員 100%にしていただきたいと思います。私は8時間では心も体も休めないと思います。そして、睡眠時間が短いことも成人病になるリスクを助長させます。脳梗塞、心筋梗塞などのリスク回避のためにも、最低基準の8時間ではなく、ILOの勧告に従って11時間以上のインターバルを設けて、バス乗務員さんの生活リズムを整えて、命と体を守っていただきたいと思いますが、いかがですか。

◎城交通局長 現在も改善基準告示そのものについて議論されているということは承知をしておりますので、今後の議論を注視していきたいと思っています。なお、現時点においては、改善基準告示で定められている8時間以上の休息期間をしっかり遵守することは私の責任であると考えておりますし、実態上も、8時間以上の休息期間がとれていることを確認しているところでございます。

◆宇佐美委員 先日議決された現年度議案で、交通局の自動車事業会計補正予算の議案が出されました。内容は、定年・早期退職者割増制度に10人の応募があったということで、特別損失という予算上の手続を踏んだものですが、50代の乗務員さん6人が、勤務がきつい等の理由で、8時間以上の勤務から、6時間と短い勤務になる再雇用の道を選んだということでした。現場は疲弊しているのではありませんか。

◎城交通局長 この早期退職制度は、私が現場を回る中で、やはり体力的にバスの勤務が、早朝だったり深夜だったりするということについては、本質的に、我々一般事務職とは違うきつさはあるのです。そういった中で、例えば介護を抱えるとかいうような問題が出てきたときに、せっかくの免許を持っているのに、これから長く働けないというような声が出てくる中で、それであれば、短時間でも、生活と両立しながら働く道があるのではないですかということで、この制度を、早くやめて、もう少し短い勤務につくというような制度をつくったわけです。ですので、短時間やパートタイムといった働き方を選択できる、多様な働き方をできるということで再雇用の機会を設けたものです。現場が疲弊しているということとはちょっと別の次元の話だと考えております。ちなみに、対象者は487名おりまして、これに応えてきたのは10人です。ですので、現場がこれで疲弊をしている結果ということではないと御理解をいただきたいと思います。

◆宇佐美委員 バスの乗務員さんからは、早朝の始発の回送時分がどんなに急いでも間に合わない、回送時分になっていて、始発からおくれる路線が幾つもあるということも聞いています。このことも改善すべきだと思いますので、強く改善を要望し、次の質問に移ります。

次は交通開発と交通局の賃金格差について伺います。

まず、交通開発と局のバス乗務員の勤続年数別の平均年収をお聞きします。

◎重内副局長兼総務部長 横浜交通開発株式会社はバスの運行委託を開始して10年を経過したところでございますので、勤続10年までの職員の超過勤務手当等を含めた平均年収で比較をいたしますと、勤続5年までの職員では交通開発479万円に対し交通局485万円、勤続6年から10年までの職員では交通開発510万円に対して交通局531万円となっております。

◆宇佐美委員 では、交通開発の乗務員の超過勤務時間をお聞きします。

◎重内副局長兼総務部長 バス乗務員の平均超過勤務時間は、平成29年度の実績で、1カ月当たり32時間と聞いております。

◆宇佐美委員 では、次に、交通開発と局の乗務員手当の違いを教えてください。

◎重内副局長兼総務部長 交通開発は、株式会社でございますので、独自の給与体系を持っており、交通局にある地域手当や住居手当がない一方で、精励手当や班長手当といった交通局にはない手当がございます。いわゆるボーナスの支給につきましては、年間4.5月で、交通局と同じ支給月数となっております。

◆宇佐美委員 では、交通開発と局の給料についての見解を伺います。

◎城交通局長 交通開発は交通局の緑、磯子の2営業所の運行を受託している株式会社ですが、その給与体系は、独立した経営の中で会社独自に構築しているものです。民間企業として、人材確保の面においても競争力を発揮できる水準で設定されていると考えています。この運行委託については、交通局の経営が悪化する中で、市民の足を守るという課題の解決方法として平成20年度に導入いたしました。当時、給与水準が高いとの御批判をいただく中で、民間並みの給与水準を念頭に制度設計されており、このことで現在まで市営交通ネットワークは守られていると考えています。

◆宇佐美委員 適正だということでしょうけれども、細かく伺ってきましたが、そもそもの基本給で、交通開発と局では1万5024円の差があります。この基本給の違いから、どんなに手当がついても、基本となる金額が初めから違うので、勤続年数、経験年数と、いろいろおっしゃいますが、交通開発と局の年収には差が出ます。さらに、扶養手当などの各種手当額、差を加えると、その差はもっと広がります。交通開発と局の賃金格差を是正するためには交通開発の経営努力、自助努力では不可能です。局からの委託費をふやすべきと考えますが、いかがですか。

◎城交通局長 このバスの管理の受委託に関する委託料については、必要な経費を踏まえ、交通開発の経営状況も見ながら交通毎年度見直ししておりまして、適正な金額を設定していると考えています。

◆宇佐美委員 適正とおっしゃいましたけれども、バスの乗務員さんは交通開発であろうと局であろうと同じ仕事をしています。同一労働同一賃金にするべきと考えます。見解を伺います。

◎城交通局長 交通開発と交通局は別の事業者でございますので、異なる労働条件及び給与体系であるということは申し上げたとおりでございます。同一労働同一賃金の原則が当てはまるものではありません。(「ネットワーク守るって言っていたじゃない、さっき」と呼ぶ者あり)

◆宇佐美委員 そうです、守ると言っていたはずですけれども、交通開発で働く乗務員さんから、人が足りなくて、一日の乗務を終えて営業所に戻ると、悪いけど、もう1回行ってきてと言われ、人が足りない現状を理解して、また乗っている。これで一度小さなミスをすれば処分されるし、評価が下がる。どちらにしてもつらい。人間らしく扱ってほしいと、切実な要求が寄せられています。また、先日、局バス乗務員さんが心筋梗塞で亡くなられたと聞いています。心より哀悼の意を表します。突然死をなくすためのリスク回避のために、交通開発の乗務員さんだけでなく、局の乗務員さんも、人間らしく働けるよう、金銭面でも、心と体の安定のためにも、局としてしっかり対応していただきたいと要望し、質問を終わります。