議会での質問・討論(詳細)
2019年3月5日

■政策局(あらき由美子)

◆荒木委員 日本共産党を代表して質問いたします。よろしくお願いいたします。

まず国際園芸博覧会、私たちは花博と言いますけれども、この招致について伺ってまいります。

この花博の招致について、新年度予算が1億2300万円計上されています。その目的と費用の内訳について伺います。

◎伊地知政策局長 よろしくお願いいたします。

2026年に開催する場合ですが、平成31年度中に開催承認機関である国際園芸家協会AIPHへ開催申請する必要がありますので、開催申請の準備等で4630万円、誘致推進組織の設立や北京国際園芸博覧会での広報など、国内外への広報・機運醸成費として4400万円を計上しております。また、招致に必要な来場者の輸送アクセス計画、関連基盤整備等の検討に2800万円を計上しており、そのほかの事務費と合わせまして合計1億2300万円を計上しております。

◆荒木委員 この園芸博覧会を開催するに当たって、総事業費と市費の負担はどうなっていくのでしょうか。

◎戸田政策調整担当部長 よろしくお願いします。

昨年3月に策定いたしました基本構想案では、会場面積を80から100ヘクタールとした場合の開催経費について、1990年の大阪の花博での実績を参考に試算しておりまして、その額が510億円から600億円としております。開催経費は、会場建設と会場運営にかかわる経費に大きく分けられ、会場建設費は190億円から240億円としています。近年の博覧会では、国、地方自治体、民間がそれぞれ3分の1ずつ負担していることから、それをもとに地方自治体分を試算いたしますと、おおむね63億円から80億円と想定しております。なお、事業費につきましては、最終的には、国、民間、自治体等で構成する開催運営組織が事業計画を検討する中で具体的になるものと考えております。

◆荒木委員 新年度に、春と秋に国際園芸家協会AIPHの総会に出席をしてPRを行うとしています。どういうメンバーで行き、PR等に大体幾らぐらいかけるのか、この点、御説明願います。

◎戸田政策調整担当部長 今御質問のございましたAIPH総会への出席につきましては、まだ詳細が決まっていませんが、本市の招致活動の状況等について説明する方向で調整をしております。なお、メンバー、費用の詳細につきましては、現在、調整中でございます。

◆荒木委員 来場者の輸送アクセスの計画、事業計画の検討というのが書いてありますけれども、どう行っていくのでしょうか。

◎戸田政策調整担当部長 来場者の輸送アクセス計画や事業計画につきましては、最終的には、開催主体となります組織で決定することになっております。来場者の輸送アクセス計画につきましては、円滑な計画策定ができるよう、開催都市として、事前の基礎調査を進めるとともに、関係する都市整備局や道路局などと、旧上瀬谷通信施設におけます将来土地利用との整合を図りながら、鉄道駅を管理する交通事業者との調整も進めてまいります。また、事業計画につきましても、開催都市として、国での検討などを踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。

◆荒木委員 今、国での検討ということであったのですけれども、これは新聞報道で見たのですけれども、2月27日、衆議院の予算委員会で立憲民主党の議員が、横浜市が開催を目指す花博をめぐり、新たな公共交通導入の必要性を訴え進めてほしいと要望しています。その際、答弁したのは国土交通省の鉄道局長で、鉄道局長が答えたということから、新たな公共交通はLRTを想定しているように思われます。答弁では需要の見通しや採算性を見きわめる必要があるとして、関係自治体に助言を行うと報じられています。国のほうでも導入に対して極めて慎重な態度を示しているように思います。にもかかわらず、市がまだ招致も決まっていない段階で、このように次々と、園芸協会に行くとか、PRするとか、事業アクセス計画するとか、来場者とかという数字をどんどん出して進めていくことについて問題だと思うのですけれども、この点の見解を伺います。

◎伊地知政策局長 2026年の花博の開催というのをまず横浜市として目指しておりまして、それはやはり上瀬谷の土地利用をできるだけ早く進めるということのために進めているものでございます。2026年に上瀬谷で開催するとなりますと、AIPHの規定の中で、6年前までに開催申請する必要があるとなっておりまして、ほかの万博等と違いまして、この花博につきましては、先に手を挙げたほうが優先権を持つようなところもありますので、それに向けてきちんとした準備をしなければいけないと思っているところでございます。

◆荒木委員 大規模イベントをやる際の、やはり手続論、私たちはそこは違っていると思うのです。先ほどもお答えいただいたとおり、総事業費も510億円から600億円という金額が出て、市費負担も63億円から83億円といろいろおっしゃっていただいていますけれども、これだってあくまでも、まだ規模も確定していないわけで、招致も決まっていない中での概算の数字です。それを市民に知らせて、市民が本当に花博誘致を賛成しているかどうかということも、今までの手続の中では聞いたことがないと思います。その辺、政策局として、副市長、どのように市民的な手続を考えていかれるのでしょうか。

◎小林副市長 私どもとしては、おおむね70年、長きにわたって接収されたこの上瀬谷を郊外部の活性化拠点としてどうしていくかということにまず目的がございます。手続的には、今局長が申し上げたとおり、郊外部の活性化拠点として基盤整備をとにかく早めて、都市的土地利用と農業的土地利用を融合させた土地利用をしていくためにはどうするかといったことで花博を開催し、基盤整備を促進させるという目的があります。そうした中で、6年前などなどによって、今回、予算案に計上させていただいたものをこれから検討していきますけれども、いずれにしても、市民的な合意といいますか、市民的な声を聞くというのは、これまでも上瀬谷の計画ですとか、あるいは基本構想についても御意見をいただいてきたものでございますので、節目節目で、そうした手続を経ていきたいと思っております。

◆荒木委員 一番大事なのは、政策立案過程を公表するということと、やはりそこで市民の意見をどう聞くかというスタンスだと思うのです。では、この上瀬谷の開発、再開発を含めて、ここの土地の利用と、それから花博とのセット論というのは、いきなり私たちは出てきたように思うのです。これは市民の皆さんは全員知っていると、どうやって認知をされているのか、そして、その意見をどう受け答えをしながら進めるような手続をとったのか、この点もう一回副市長に伺います。

◎小林副市長 上瀬谷が平成27年に返還された以降、私ども横浜市としては、先ほど申し上げたような花博とセットで、セットという言い方はしてございません。上瀬谷を郊外部の活性化拠点としてやる。そのためには、やはり基盤整備を急ぐ必要がある。花博を行うことで基盤整備を急ぐと。このことについては当初から申し上げてきたつもりでございます。ですから、その節目節目で、予算のときですとか、あるいは本会議で御質問いただいて答弁したときとか、さまざまな場面で上瀬谷の再整備に当たっては、この花博が必要であるということを申し上げてまいりました。基本構想案につきましても、議会でお認めいただいた附属機関で検討し、先ほど申し上げたような節目節目で市民の御意見を賜ってきたので、今後ともそうしていきたいと思っています。

◆荒木委員 中期計画もそうですけれども、やはり1つのテーマに基づいて、この次に質問しますIRもそうですけれども、やはりそういうことをやるに当たって、横浜市の政策的な大きな位置づけを変え、方向性を決めるという段階については、議会に説明するのもそれは一つです。ただ、全市民からの意見を聞くというスタンスは本来あるべき姿だと思いますから、まずこの点、私たちはやり方をもっとより丁寧にするべきだと思っています。

それから、1990年の大阪花博での跡地を私たち市議団で視察に行って調査をしてきました。問題だったのは、せっかくつくった各国のパビリオンがそのまま手も入らずに朽ちている状況を見てきました。処分もままならないまま放置されている、こういう問題が起きないように、今後、もし花博を誘致した際にできるのかどうか、具体的に伺います。

◎戸田政策調整担当部長 これまで我が国で開催されました博覧会の多くが、その跡地を公園として整備しており、横浜における国際園芸博覧会につきましても、基本構想にお示ししているとおり、将来公園となる区域を中心に開催する予定でございます。そのため、存置する施設につきましては、関係部局と連携しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。

◆荒木委員 言葉の上では何でも言えるのです。だけれども、大阪を見てきたときも本当に悲惨な状況です。あのまま朽ちているのを取り壊しもできないまま放置されているというのを聞いたときに、せっかくすてきなお花がいっぱい植わっているところなのに、やはりそういう結果責任を誰が負うのかというのが明確にならないまま事業を始めるというのをやってはいけないことだと思うのです。(「そうさせないようにするべきだろう」と呼ぶ者あり)では、この点の明確化はどうされるのか、伺います。

◎伊地知政策局長 今回、花博を行う場所については、将来的にも公園として活用するということを前提にしておりますので、公園としてきちんと管理できるような形で行われるものと考えておりますし、パビリオンについて、残すものもあるかもしれませんけれども、基本的には撤去ということも含めて、今委員が言われたような状態にならないようにしっかりとやっていきたいと思っております。(「オランダに行きましょう」と呼ぶ者あり)

◆荒木委員 その責任問題もきちんと明確化して--もしやるのだとすればです。

それから、上瀬谷通信施設が返還されて、地元協議会の方たちはまちづくりが加速するのであれば園芸博は歓迎したいとおっしゃっています。一方で、土地所有者の方たちやウドの栽培に取り組んで本当に農業の努力をしてきた方たちの思いに寄り添う、これも大事なことだと思います。農家の方たちへの支援はどうなっていくのか、伺います。

◎戸田政策調整担当部長 旧上瀬谷通信施設におきましては、地元の土地所有者で構成されますまちづくり協議会におきまして、現在、農業のあり方について鋭意検討が進められているところでございます。園芸博覧会の開催に当たりましては、旧上瀬谷通信施設で引き続き農業を希望される方々、周辺の農業の活性化が図られるよう、関係部局と連携を図りながらしっかりと進めてまいりたいと考えております。

◆荒木委員 国際的な大規模イベントを誘致する際、その実現にかかる費用について、当初予算と実際に実施していく際にそのとおりにならないことが起きています。開国博Y150での有料入場者数、500万人規模で124万人と想定の4分の1にも達せず、26億円の赤字となり、結果的に約13億円を税金で補填することになりました。今回の花博の想定は1500万人という規模を想定しています。その数字の現実性をどう考えているのか、局長に伺います。

◎伊地知政策局長 基本構想案における入場者数に関しましては、あくまでもこれまで行われた博覧会の中で、このぐらいの規模の博覧会の場合はこのぐらいの人数が来るということを想定しておりますけれども、現実問題として、これから事業計画をしっかり詰めていく中で、その辺の数字についても妥当な数字というのをきちんと出していかなければいけないのかと思っております。

◆荒木委員 その妥当な数字という裏づけが全然見えてきていません。

それから、Y150の赤字のときも26億円赤字を出して13億円補填するということに対しての原因と責任の説明、これは私たち議会でも何度も申し上げました。問題点が明らかにならないまま赤字の分、補助金を出したということを指摘しました。こういうことを含めて、今後、教訓化すべきと思います。小林副市長、いかがでしょうか。

◎小林副市長 もとより、こうしたイベント、特に国家的イベントについては、これからの社会において国民、横浜市民の注目を集め、関心を寄せて、未来に希望を持っていただく、あるいは未来に対して産業を興していくとか、地域の活性化、あるいは、今回は特に観光MICE、観光立国を標榜している国に具体的な手だてをこの横浜から興していこう。そうすることによって、上瀬谷を郊外部の活性化拠点として、これからも横浜市が住みよいまちになるようにという思いでやってきているものでございます。当然、今委員が御指摘いただいたような、過去、横浜ではYES’89ですとか、これはある意味、採算という意味では成功裏に終わったと思っていますけれども、御指摘いただいたY150のようなこともあるのは十分承知しておりますので、そうした教訓を踏まえて、国際博覧会についても取り組んでいきたいと考えています。

◆荒木委員 郊外部の活性化と盛んにおっしゃるのですけれども、もう横浜市といえども人口減少社会に入るというのは、これも政策局のデータで出ているわけですから、その郊外部の活性化のあり方も含めて、もっともっと市民的にじっくりと討議して、そこからスタートするというのはありだと思うのです。何も急いでイベントをやること、あるいは招致をすることばかりに目が行くのではなくて、地方自治体としてあるべき姿はもっともっと市民の皆さんと税金の使い方も含めて、きっちりと討議をしていただきたいということを指摘しておきます。

次に、IRについて伺います。

市がIRの検討調査費を計上している理由を改めて伺います。

◎松嵜政策担当部長 よろしくお願いいたします。

IRについてはさまざまな御意見がございます。また、政省令や規則などで定められる事項も多い状況でございます。これから定められる項目などを踏まえまして、引き続きIRに関する調査分析を実施するため、検討調査費を計上しております。

◆荒木委員 施行令(案)の概要が示されて、意見募集が国から出されています。その概要についてどう評価しているのか、伺います。

◎松嵜政策担当部長 IRの中核施設の具体的な基準や要件のほか、カジノのゲーミング区域の床面積の上限、カジノの広告物の表示等が制限されない施設、カジノ事業の免許等の欠格事由などが示されております。今回示された内容以外に、政省令や規則などで定められる事項は多く、今後も引き続き、これらの情報を収集、分析することが必要と考えております。

◆荒木委員 要件、面積を示されて、市の現状から合致する場所は具体的にあるのでしょうか。

◎松嵜政策担当部長 現在、横浜市につきましては、IRを実施する、しないの判断をしておりませんので、具体的な合致する場所の検討はしておりません。

◆荒木委員 では逆に、事業者から具体的な場所について提案があったでしょうか。

◎松嵜政策担当部長 今年度の調査の一環として行いました事業者への情報提供依頼におきまして、事業者から立地場所を想定した情報の提供をいただいております。なお、現在、事業者に提供いただいた情報を含めた調査結果を報告書として取りまとめる作業を進めております。

◆荒木委員 IRを設置することになった場合、基盤整備としてかかる費用を事業者と市とでどういう割合で負担することになっているのか、この点も伺います。

◎松嵜政策担当部長 IR整備法におきましては、基盤整備費に関する事業者と市の負担割合の考え方は、具体的には示されておりません。なお、IR整備法でIRの整備に関係する自治体は、観光や地域経済の振興等を目的としたIRの整備の推進に関する施策、カジノの設置、運営に伴う影響の排除を適切に行う施策などについて、国との適切な役割分担のもとで、自治体として実施すべき施策を行う責務があるとされております。

◆荒木委員 今お答えいただいた、かかる費用の負担は示されていないということなので、そういう曖昧な状況の中で横浜市はこのまままだ検討、調査を進めるという考えが非常に危ないと思うのですけれども、この点、改めて伺います。

◎松嵜政策担当部長 この点はまだ法では示されておりませんので、今後の調査検討の中でその辺の動静を含めまして検討を進めてまいりたいと考えております。

◆荒木委員 やはりこのIRというのは非常に危ないです。始めたら一体どれだけの負担になるのか、非常に危険性があるということを1つ、この点でも指摘をしておきます。

先日、我が党が本会議でこのIRについて質問したところで、IRについては政省令や規則などで定められる事項の多いため、今後も情報を収集、分析し、横浜市にとって一番よい方法は何かを考えてまいりますというお答えなのです。一番よい方法は、いいですか、そういう税金を使わないこと、そして、市民の反対が圧倒的にIRを招致しないこと、ここが結論づけられると私たちは思っているのですけれども、改めてこの見解を副市長に伺います。(私語する者あり)

◎小林副市長 今御指摘いただいた御意見については、荒木委員の御意見だと受けとめてございますけれども、私といたしましては、使うべきときには税金も使わないと、やはり成長産業も起きませんし、必要な基盤整備もできません。その基盤整備がなければ健全な市民活動も活力ある経済活動もできないと思っておりますので、それはさまざま考え、総合的に考慮した上で決定していくべきことだと思っております。

◆荒木委員 健全なという言葉を使うのだったら、賭博は違法なのですからやめたほうがいいです。その点、改めて指摘しておきます。

次に、人口減少・超高齢社会の問題について伺ってまいります。

中長期的な政策課題等の検討に向けた調査とあります。この内容について伺います。

◎今冨政策部長 横浜市中期4か年計画では、2030年を展望いたしました中長期的な戦略を掲げました。ただ、今後も、人口、また経済・産業、科学技術、地域社会、また広域インフラなどの経済社会状況は大きく変化します。市民のニーズや価値観なども変化していくことが、それに伴って見込まれますので、そこで、さらに先を見据えました政策課題の検討を進めるため、その検討の基礎となる横浜を取り巻く経済社会状況に関する調査を行うものです。

◆荒木委員 新たな政策課題に関して、これまでどのような調査を実施してきたか、伺います。

◎今冨政策部長 これまでも、その時々の課題に対応するための調査を行ってまいりました。例えば、人口減少や東京一極集中の加速などの状況を踏まえまして、市外に転出された方の転出理由などを把握し、市政運営の基礎資料とするために、横浜市外転出者意識調査を実施しました。また、新たな横浜市中期4か年計画の策定を見据えた本市の人口、産業、都市インフラ等の現状及び将来に関する調査なども行ってまいりました。

◆荒木委員 人口減少・超高齢社会となっている現状を踏まえ、調査結果をどのような政策に結びつけてきたのか、事例を伺います。

◎今冨政策部長 これまでの調査の結果から、医療・介護サービスの需要に対しまして、施設・人材確保等多面的な対応が必要となることや、市民の意識・価値観やライフスタイルの変化により地域コミュニティーの機能低下が危惧されること、また、子供を持つに当たってハードルと感じている要因が多様であることなどがわかっております。それらを踏まえまして、横浜市中期4か年計画では、超高齢社会への挑戦を一つの戦略として掲げるとともに、参加と協働による地域福祉保健の推進を政策として新たに設けるなどをいたしました。また、事業としましては、小児医療費助成の対象拡大など、政策の充実を図ってまいりました。

◆荒木委員 子育て世代の流出を防ぐために取り組んだ施策を伺います。

◎今冨政策部長 若い世代に選ばれるまちを目指しまして、切れ目ない子ども・子育て支援や、女性、シニア、若者の活躍支援などに取り組んでまいりました。また、日常生活の利便性向上につながります鉄道駅周辺の市街地整備や地域交通の維持充実なども進めてまいりました。さらに、事業者や大学と連携した住宅地の活性化・魅力向上などにも取り組みまして、誰もが住みたい、住み続けたい魅力あるまちづくりを進めてまいりました。

◆荒木委員 そこの誰もが住みたい、横浜市も結構、やはり一番に選ばれているとか、北山田がすごく今、若い人たちにも喜ばれている場所だと言われています。それはそれで非常にいいことだなと思うのですけれども、やはり政策的な面で見ると、中学校給食はないし、小児医療費助成もやっと中学校三年生までになりましたけれども、他都市と比較しても、横浜市の財政力をもってすれば、中学校給食も小児医療費も無料化はできると思うのです。小林副市長、その点の政策については、市長はいつも予算の問題だとおっしゃるのですけれども、私たちは優先順位の考え方だと思っているのです。この点を改めて伺います。

◎小林副市長 総合的に考えた結果ということでございますけれども、今、今冨部長が御説明したように、私どもとしては人口減少・超高齢社会、これは確実に進んでいます。単身の高齢の方のお住まいの比率もふえて、地域で支え合うといったことも本当に薄れてきた、そういう実態も確認しています。ただ、そういう状況を踏まえた上で、例えば、基盤整備もしっかり行う、港もしっかり整備する、あるいは先ほど説明したように子ども・子育て、あるいは福祉、そうしたところにも力を入れる。特に、平成31年度については、教育予算についても格段に拡充したつもりでおります。そうしたことを総合的にやっていく中で、私どもは一つ一つ市民の皆様のニーズに応えていきたいということでございます。

◆荒木委員 2月時点で保育園の保留児童が4653人もいたという事実、これも本会議で我が党が質問しました。待機児童もやはり解消されておりません。この点での解決策をどう考えていらっしゃるのでしょうか。

◎伊地知政策局長 待機児童問題は非常に難しい問題ではございますけれども、将来にわたって安心して子供を生み育てられる環境づくりというのは、やはり横浜市を選んでいただくために非常に重要な施策だと考えております。待機児童ゼロになっていないという現状は確かにございますので、保育所等の整備とか、あるいは保育士さんの人材確保により待機児童対策をしっかりと推進するとともに、それぞれの子育て家庭にしっかりと寄り添って、区局連携して待機児童対策にしっかりと取り組むことが必要だと考えております。

◆荒木委員 ぜひ子育て家庭に寄り添っていただきたいと本当に思います。

先ほどの超高齢社会に向けてということでは、地域交通サポート事業、これも非常に注目を浴びています。私たちはさらに進んで、乗りおり自由なコミュニティーバスの運行もやってほしいという声も地元でもいただいています。それから、高齢者の皆さんからは高い国民健康保険料、介護保険料の負担軽減をしてほしいという声もいただいています。市民が暮らしやすいようにするための政策よりも、横浜市の新年度の予算は先ほど指摘したようにIRだとか花博だとか、パラリンピック・オリンピック、そしてラグビーワールドカップ2019TMだとかという、やはりそういうイベント誘致、企業誘致を優先しているようにしか見えないのですけれども、この点を副市長はどうお考えでしょうか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)

◎小林副市長 先ほど来申し上げてございますけれども、どこかに偏った政策をやっているというつもりはございません。やはり今委員御指摘のような地域交通ですとか、医療福祉とか、子育てですとか、それは市民の幸せにつながる本当に重要な政策だと思っています。ただ一方で、例えばラグビーワールドカップ2019TMもそうですし、オリパラの準備もそうでございます。あるいは、もっと言うと企業誘致もそうでございますけれども、やはり将来にわたり活力ある横浜であり続けるためには、あわせて住んでよかったと思える横浜であり続けるためには、経済の活性化、そして市民生活の安全安心、この2つを両立させていくことが必要だと思っております。そうした考えから、総合的に今回も平成31年の予算を計上させていただいてございます。

◆荒木委員 私たち自治体がやるべきことは市民の暮らしを優先することであって、イベントや大規模なそういう企業のために税金を使うというようなことだけはやめてほしいと思っています。

最後に、根岸住宅地区の返還について伺っていきます。

これまで地元の協議会で話し合われてきた経過、そして市が国と返還について協議してきた内容について伺います。

◎松村基地担当理事 協議会では、平成24年に設立されて以降、主に返還後のまちづくりをテーマにほぼ毎月会合を行っております。その成果であるまちづくり基本計画(協議会案)が平成30年11月に公表されております。また、本市の返還に向けた活動でございますが、例えば市長による国の制度及び予算に関する提案・要望書や市会の皆様による横浜市内米軍施設に関する要望書など、あらゆる機会を捉えて市内米軍施設の早期返還を求めております。

◆荒木委員 市長はこの地域を文教地区としての可能性も検討したいとおっしゃっています。この考え方は地元の意見を尊重したものなのでしょうか、伺います。

◎松村基地担当理事 現在、「多世代が息づき、緑と文化の風かおるまち」をテーマにした協議会案を尊重しつつ、幅広い視点から本市として跡地利用基本計画の検討を進めているところでございます。まちづくりの方向性としましては、周辺に多くの学校が集積していることから、文教地区としての可能性も、住宅及び公園などとあわせまして地域の特性を捉えて検討を進めてまいります。

◆荒木委員 この返還に当たっての、「多世代が息づき、緑と文化の風かおるまち」という地図も見せていただいています。私もここは地元なので通るのですけれども、やはり今、もともとあった米軍住宅がかなり老朽化をしていて、通るたびにこのままで大丈夫かなという1つは危険性を感じます。それから、ここを接収された方の新聞報道を読ませていただきましたけれども、やはり親の代からあった土地が接収をされて、自分たちがこの場所に入れない。だからといって、このままやはり自分たちがどういう経過でここが接収されたのかを残してほしいという意見もいただいていると聞いています。この点は今後どのように意見を形としてあらわしていくことになるのでしょうか、伺います。

◎伊地知政策局長 今委員御指摘のように、現在残っている建物はもう既に70年たっておりますので、かなり老朽化が進んでいるという状況にございます。来年度、米軍住宅に関する現地調査を行いまして、跡地利用基本計画を検討していく中で、この地域の特性を、先ほど委員が言われた経緯も含めて、どのように入れていくのかということを検討したいと思っております。

◆荒木委員 根岸にかかわらず、金沢区の富岡倉庫もそうですし、それから、今、返還されて次々と、上瀬谷もそうですし、深谷もそうです。やはりそれぞれの米軍関係の施設がどういう経過で接収をされ、そしてそこがどうここで今再整備をされたのかということは、それぞれのところでわかるものを残していただきたいということを要望して、終わります。


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