議会での質問(詳細)

2007年10月17日

【2006年度決算特別委員会】「都市経営局」中島文雄議員

市大進級要件に英語運用能力テストTOEFL500点以上、5人に1人の留年者に救済措置を

中島議員:日本共産党を代表して、質問いたします。
 最初は、横浜市立大学の運営に関連してです。
 2005年4月から、「実践的な英語力の養成」を掲げて、国際総合科学部の全コースに2年次から3年次への進級要件として、英語運用能力テスト、いわゆるTOEFL500点以上を設定いたしました。この新たな進級制度になって初めてとなる2006年度進級判定が行われました。そこで伺いますが、進級状況はどうだったのか、大学担当理事が報告願います。 

佐竹大学担当理事:18年度末の時点では、進級者数は519名、仮進級者数は165名であります。仮進級の特例制度が終了する平成19年9月末時点では、進級者数が584名、留年者数は最終的に149名となりました。

中島議員:そこで、改めてTOEFL500点以上の進級要件を設定した目的は何だったのか、そして初めてのケースとなった今回、149名の留年を生じさせた結果についての見解を求めます。

佐竹大学担当理事:まず導入した目的ですが、実践的な教養教育を学ぶために必要な英語力を身につけるために導入したものであります。幅広い教養と高い専門能力を身に着けるためのスタートと考えております。平成17年度入学生の約80%が3年次に進級し、すばらしい結果が出たものと考えております。

中島議員:149名もの留年生を出したこのことについての認識をうかがったんです。733名中149名、5人に1人が留年ですよ。私の調査でも学系によっては4人に1人が留年、これ大変な事態じゃないですか。もう一度答弁求めます。

佐竹大学担当理事:残念ながら今回留年された学生さんには、市立大学生としてがんばっていただき、また市立大学ではこれまで以上に必要なサポートをしていただくことを期待しております。
 

中島議員:TOEFL500点について、大学法人評価委員のある先生は、2006年の判定時期について70%をクリアしたこと自体、すごいことだというふうに評価されていることなんです。問題は、この文系や理系、3学系7コースに分かれていますよね。これ全体に、英語のみの進級要件を設定する、そして149名も留年させた。市立大学のあり方として本当におかしいんじゃないですか。異常じゃないですかね、これは。市内高等学校からの推薦入試がこの中に入っています。あるいは、面接や特技なんかもって面接や人物で入れるいわゆるAO入試制度もこの中にあるんです。これはやはり市内の高等学校に影響を与える、まさに英語力だけを特化して差別化する、市立大学の門戸を閉ざす、こういう問題をどう考えているのか、もう一度理事お願いします。

佐竹大学担当理事:実践的な教養教育を学ぶために必要となる基本的な英語力を身につける必要性から進級要件としておりますので、門戸を閉ざしてしまうといったことにはならないと思います。

中島議員:ところで、先ほどの説明の中で、半年間の仮進級で、進級者を10%上げたっていう説明ありました。この半年間で取得した単位、この間この学生、半年間仮進級の中でがんばったわけです。英語以外に進級を目指していたその間に取った当然の単位とかゼミなんかあると思うんですが、その半年間はどうなってしまうんですか。

佐竹大学担当理事:その単位は認められないことになります。

中島議員:それ自身おかしなことですしね。じゃ、あと半年間、この留年と判定された学生はどうすればいいの。TOEFLだけに挑戦して他のやつは棒に振ってしまうの、半年間。もう一度。

佐竹大学担当理事:基本的にいうと、もう一度学生さんにがんばっていただきたいと、そういうふうに考えております。

中島議員:初めての施行で、こんな大学の担当理事が市立大学の理事としても、こういう認識でいいのかと、問われますよ、本当に。新しい制度に移行する際には、様々な試行錯誤があること、私もこれ否定しません。だとするならば、今回最初のケースとして、せめて1年間くらいの仮進級とするなど、暫定措置をとる。これ当たり前じゃないですか。極力、留年を出さない努力を大学側も行うべきです。この件については、本日参考人でおいでになっておりますので、市大事務局長から答弁を求めます。

田中市大事務局長:半年といたしました理由でございますが、先ほど先生からのご質問にございましたように、仮進級の期間を1年といたしますと、こうした科目を履修する前提を満たさない、3年になりますとこの単位を取ったということを前提にした科目がでてまいりますので、それを満たしていない状態で、1年間そういった科目を履修することになりますので、非常に内容として不十分な履修になるということでございます故に、また1年間かかっても単位が取りませんと、まるまるその期間の留年することになって、2年遅れてしまうというようなことになります。学目関係の責任者や課長などは、現在の学生さんの状況などを考えまして、集中的にこれに取り組んでいただくには、基本的な期間としては半年といったものが適切であり、そういったことであれば遅れる期間も1年間ですむというようなことを、充分学生の状況も把握いたしまして、学生の立場からも仮進級の期間を半年が適当であるというふうに考えたということでございます。

中島議員:暫定措置には仮進級の制度も、事務局長、あると思うけれども、この間、何もすることなくなっちゃう。単位も取れなければ。棒に振ってしまうんです。ゼミなんか受けれるとか、単位をとれる、そういう暫定措置もあるんじゃないですか。もう一度。

田中市大事務局長:基本的には大学で実施しておりますゼミとかそういうものを受けていただくということはできるんですけれども、それが基本的には3年生の単位として認定されるということにはならないということでございます。

中島議員:この点については、佐竹担当理事にもうかがっておきたいんですが、この間あなたはTOEFLの点数や仮進級、いろんな今年の春問題になったときに、「誤解が生じてきたことを事実として受け止める」などと答えてこられました。留年させることが私は目的じゃないというふうに思うんです。初めてのケースとして、いま事務局長はそう述べたけれども、担当理事としてやっぱり大学法人としてあらゆる点で留年を少なくするような暫定措置を求めるべきじゃないか、提起をすべきじゃないかと思うんですが、担当理事に答弁を求めます。

佐竹大学担当理事:横浜市立大学は公立大学法人というふうなことでありますので、大学の教育方針等につきましては大学自身が決めるべきものであるというふうな認識を持っております。

中島議員:なぜ、私が暫定措置が必要と主張しているのか、本当にわかってないですね。学年進級に留年制度を導入している大学が日本にあるんですか。横浜市大が始めてのケースでしょ。こういう重大な新しい制度に移行するときに暫定措置が必要だっていうことは当たり前じゃないですか。もう一度。

佐竹大学担当理事:繰り返しになりますけれども、大学の教育方針はあくまで大学自身が決めるものであるというふうな認識を持っております。 

中島議員:いうまでもなく、公立大学法人化前は単位取得による卒業判定、他の大学と同じです。学年進級での留年という制度はなかったものです。留年という事態は、学生や保護者にとって経済面をはじめ、大きな影響を与えるものです。そこで、市大における現在の各種奨学金制度の受給状況をうかがっておきます。

佐竹大学担当理事:平成18年度末の奨学金需給状況でございますけれども、独立行政法人日本学生支援機構奨学金が1400人、公立大学法人横浜市立大学奨学金30人、各種団体奨学金95人、合計1525人。在学生の約3人に1人の割合の学生が受給をしております。

中島議員:報告あったように、3人に1人が奨学金制度を受けているわけですね。確認しておきますが、留年した場合奨学金の受給はどうなりますか。

佐竹大学担当理事:今回留年した学生が受給している独立行政法人日本学生支援機構の奨学金制度におきましては、学業成績不良などにより留年が決定した場合には、その都度奨学生としての的確性を判断するものとされており、今回留年した学生は需給資格を失うことになります。 

中島議員:それでは、今年英語テストTOEFL500点の進級要件をクリアできずに留年と判定された149名のうちで、奨学金を打ち切りになる対象は何人ですか。

佐竹大学担当理事:今回留年した学生で、奨学金の受給資格を失った学生は51人でございまして、全員が独立行政法人日本学生支援機構による奨学金を受けておりました。

中島議員:打ち切られる51名の学生に対して、市大独自でも奨学金制度で救済すべきだということを、私は求めたいと思うんですね。田中市大事務局長、せめてこの程度の救済措置が必要ではありませんか。

田中市大事務局長:留年した学生さんでありましても、進級要件を達した場合には奨学金の再申し込みが可能となります。それで、市大といたしましては、留年された場合は休学届けを出されるといった学生さんが多いんですけれども、休学されておられましても、プラクティカルイングリッシュセンターを受講することや、学生の個人的な英語学習指導などについてはお受けいただけるといったような支援をいたしまして、早期に進級要件をクリアしていっていただけるように支援をしてまいるということで、学生さんに対する対応をとっていきたいというふうに考えております。 

中島議員:田中事務局長、学生の立場に立って考えていただきたいというふうに思うんですね。この学生自身は149名51名の学生は、自分の責任、自己責任にさいなまれて、親に少しでも経済的な負担をかけないと思って奨学金受けていたんですよ。これを打ち切られる、せめて経済的な救済を求めたいと思うんですが、もう一度。

田中市大事務局長:奨学金制度は基本的には単位を取得して授業を受けていくことができるといった学生に対して支給するということになっておりますので、それ以外の方法でそういった学生さんをどのようなかたちで支援していけるかということを考えたものでございます。

中島議員:ここに、大学総合案内っていうのがありますよね。この中に、「大学のブランド力を高める」という言葉なんか入っているんですね。いわゆる高級ブランド品店のコマーシャルじゃないわけですよ、大学っていうのは。本市の中期計画でも、「市が設置するにふさわしい大学、市民が誇りうる市民に貢献する大学」をめざしておられますよね。特定の学系あるいはコースに、実践的な英語力を高めるためのカリキュラム、これは私、否定しません、こういう制度設定は。しかし、すべて一律の英語テストをTOEFL500点という進級要件の制度として導入する、これは異常なんですよ。これを見直すことを強く求めますが、市大事務局長、どうですか。

田中市大事務局長:いまの社会ではどの学系においても英語は幅広い教養と専門的能力を身に着けるための基本的な道具として重要だというふうに位置づけておりますので、全一年生共通の教養教育におきまして、この道具を自由に使いこなす能力を測る客観的な達成基準として、この基準を設定しているものですので、ぜひいろいろな支援をいたしますので、学生さんには挑戦してクリアしていただきたいというふうに考えております。

市立保育園の民営化や敬老パス打ち切りは市民意識調査の結果に逆行

中島議員:時間が少なくなりましたんで、次の質問に移ります。
市民意識調査に関連してです。本市の市政運営や政策立案の資料として、毎年市民意識調査が実施されてきました。まず、「市政への要望」の内容について、最近の傾向や特徴を伺います。

鈴木都市経営局長:市政の要望では、平成14年度まで要望の1位は「高齢者福祉」でしたが、平成15年からは4年連続「防犯対策」が1位となっています。市政の満足度は、平成13年から1位だった「バス・地下鉄の便」が18年度2位に、前年2位だった「ごみの分別・収集・リサイクル」が1位になっていますが、この2項目についてはここ数年常に上位になっております。

中島議員:要望では医療や福祉、高齢者福祉など、非常に多く出されていますよね。そういうことの遅れについての認識と今後の対応はどうでしょうか。

鈴木都市経営局長:18年度の調査結果では、満足度が低くて市政要望が高い項目というのは、「防犯対策」「地震などの災害対策」などとなっております。これは確かに政策優先度が高い分野であると考えております。また、地域医療などの施策については、中期計画の重点政策、セイフティ都市戦略やこども未来戦略の中で、基本施策として位置づけをして推進しているところでございます。

中島議員:こういう経年変化を見る項目と合わせ、06年度、調査も行われていますが、「今後の行政サービスのあり方」の項で、「行政の役割」および「サービス水準」を市民に問うておられますけれども、この市民意識の動向についてはどうですか。

鈴木都市経営局長:行政の役割については、「費用対効果が低くても行政には継続するサービスがある」の考えに近い人っていうのが5割を超えておりまして、逆に「行政は費用対効果の低いサービスを縮小する」の考えに近い人、これは16.4%で、これを上回っております。サービス水準については、「行政サービスの水準を上げてほしい」が「負担が増えるなら現在と同じ程度でよい」の考えに近い人が5割近くを占めて、多くなっております。

中島議員:いまの説明にも「費用対効果が低くても行政には継続すべきサービスがある」、また「行政サービス水準は上げてほしいが負担増は困る」、こういう市民の動向が強く示されていますね。コスト削減が目的としかいえない市立保育園の民営化や、「不採算」だからと市営バスを打ち切る、敬老パス制度打ち切る、こういうことは逆行するんじゃないかと思うんですが、このことについては金田副市長に見解を求めます。

金田副市長:市民意識調査は、考え方をうかがったものであって、個別の事業について考え方をうかがっているということではございません。いまあがったいくつかの施策については、市としてサービスの継続を図るということを前提に、じゃあどういう事業手法がいいのかということを、市民の声を聞きながら事業に取り組んでいくと、そういうふうに認識しております。

中島議員:時間になりましたので、終わります。


「2006年度決算特別委員会」目次へ戻る

新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP