議会での質問・討論(詳細)

2020年10月14日

■決算反対討論 大貫憲夫 2020.10.14

カジノ誘致の予算を執行した昨年度決算の認定などできない

日本共産党を代表して、2019年度横浜市一般会計決算認定に反対する立場から討論を行います。

2019年度決算を認定しない最大の理由は、同年8月22日突然、市長が記者会見でIRカジノ誘致を表明し、翌月の9月議会においてIRカジノ誘致関連の補正予算2億6,000万円を提案し、自民・公明の賛成多数で可決成立させ、執行したことです。それまで市民を欺き、言い募ってきた「IRカジノ誘致は白紙」という衣を脱ぎ捨て、IR誘致への準備を本格的にスタートさせたことです。

2017年夏の市長選挙ではIR誘致が争点の一つになっていたにも関わらず市長は、「IR誘致は白紙」、「市民の意見を踏まえたうえで方向性を決定する」との立場を事実上の公約とし、IR誘致問題の争点化を避け3期目当選を果たしました。しかも、その選挙後も白紙を装い、水面下で着々と準備を進め、統一地方選挙、参議院選挙が終わるのを見計い、突然、記者会見でIR誘致を表明しました。市民を欺き裏切る行為以外の何物でもありません。

市民の怒りは沸騰点を超えています。IR誘致についての住民投票に関する条例制定を求める署名活動は、コロナ禍という厳しい環境の下で横浜の民主主義を守ろうとの旗を掲げ、生年月日はじめとする選挙管理員委員会に提出する細かい記載規則やプライバシー問題をクリアし困難に立ち向かい、10月7日の時点で法定数6万2541筆を超えています。

政府は9日、IR基本方針修正案を発表しました。新たな事態です。IR整備を巡り誘致を目指す自治体からのIR区域整備計画の認定申請期間が来年10月1日からとなりました。林市長の任期は、来年8月29日までです。遅くとも8月末までには市長選挙が行われます。林市長の下で、横浜市が、今後、作業を進めて、実施方針の策定、IR事業者の決定を経て区域整備計画を作成、仮に、市会の議決まで行っても、その議決は新市長の手を縛るものではありません。

来年の夏の市長選挙で、IR誘致について現市長と見解を異にする市長が誕生する可能性は現下の市民世論の動向からみて否定できるものではありません。そうなった場合には、それまでの認定申請の諸手続きが一切無駄となります。その手続きのための作業には多くの税金が費やされ、多くの職員がかかわっていることを直視しなければなりません。市長がすすめているIR誘致にむけてのすべての事務手続きは、この際この段階で一旦ストップし、関連予算とIR推進室職員は、コロナ感染症対策など、今、市民が必要としている施策に振り向けるべきです。

署名は11月4日の期限までの間、民主主義の旗印を高く掲げ続けられます。私たち日本共産党も署名活動を推進する他の野党会派、市民団体、個人の皆さんで組織する市民の会のメンバーの一員として、住民投票条例の制定を求める直接請求運動の成功と来夏の市長選にむけて必要な取り組みに全力をあげるものです。

2割(最大3割)にしか供給できないハマ弁の「給食化」

決算認定を不可とする2つ目の理由は、全員喫食の中学校給食未実施の問題です。今年2月21日の本会議で2021年からのハマ弁による中学校給食の実施を市長が表明されました。そして、教育委員会は3月に「令和3年度以降の中学校昼食の方針」を決定し市長表明を具体化しました。政令市唯一中学校給食を実施していないという汚名を回避するために、また、IR誘致より中学校給食をという市民の要求に耐え兼ねられず、はじめから最大30%の喫食率を設定したハマ弁によるデリバリー方式で実施するというものです。2018年現在、中学校給食を実施している19の政令市のうち13市は全員喫食の自校・親子・センター方式のいずれかであり、デリバリー給食は6市のみでした。そのうちそれまでデリバリー給食だった大阪市が2019年9月から自校方式22校、親子方式106校の全校で全員喫食に切り替えています。堺市は、2020年3月の教育委員会会議で、給食を選択制から全員喫食制に移行することを決定しています。中学校給食で求められる理想的形態は、全員喫食による自校方式です。確かにおかれている条件の下で困難な自治体もあります。市長は努力義務だと切り捨てていますが、文科省告示の学校給食実施基準においても学校給食は「当該学校に在学するすべての児童又は生徒に対して実施されるもの」とされています。だからこそ多くの自治体がそれに少しでも近づこうと努力していのです。それが子どもたちを大切にする自治体の使命だからです。

本市教育委員会は2021年度以降の中学校昼食の方向性を検討するにあたり、自校・親子方式別の実施可能校を取りまとめています。全144校中、自校47、親子27合わせて74校で学校調理が可能というものです。残り70校は他都市で実施されている2階建て方式や、現に小学校で行われているように実情に合わせた面積の緩和など工夫することで自校・親子調理方式目指すべきです。市長はできるところから実施すると公平性に欠けるとしていますが、エアコンの教室配備にしろ、市全体にかかわる事業は条件によって時間差が出るのは当然です。公平性に欠けるとはやりたくないだけの方便にしか過ぎません。今後、本市は本格的な人口減少社会を迎えます。横浜の将来を担う子どもたちに投資することこそ、市政の柱に据えるべきです。

新型コロナウイルス感染で露呈した不適切な税金の使い方

最後は新型コロナウイルス感染で露呈した乱脈な財政運営の問題です。

2019年度予算は、今年の夏に予定されていたオリンピック・パラリンピックに間に合わせるため工事を急いだ新市庁舎整備、横浜環状北西線のためなどに、前年度を上回り2.2㌫増の2486億円が計上されました。その上、既存公共施設の保全や更新などの市民生活に密着する公共事業のための市債発行を抑える一方、新市庁舎整備や横浜環状北西線整備などのために市債を増発し、新市庁舎整備420億円、横浜環状北西線・南線など高速道路に332億円、国際コンテナ戦力港湾関係に135億円、IR予定地としている山下ふ頭再整備に82億円などなど高度経済成長期を彷彿させる大盤振る舞いとなり、2017年度262億円あった財政調整基金を2019年度183億円取り崩し、減債基金についても110億円取り崩すという将来見通しを欠く急場しのぎの財政運営がなされました。結果、コロナ禍の下、今年5月に出されたコロナ感染症対策のための本市第一次補正予算は、他の自治体と比べ独自色の薄い期待外れのものとなりました。

市長は補正予算について過去最大規模の5743億円を計上したと豪語しました。しかし、その財源は、国が緊急経済対策として、全国民に10万円支給する「特別定額給付金」などの地方創生臨時交付金や金融機関への預託金でしかなく、補正予算での純粋な市の支出は、財政調整基金からの10億円に過ぎないものでした。マスコミから「補正額の見かけの規模は膨れ上がったが、独自策は目立たない」と批評されました。事実、3月以降、急速に広がるコロナ感染症の流行を受け市内経済が危機となり混乱しているにもかかわらず本市は、国の動きを見守るだけで何一つ手を打つことをしませんでした。国の施策が後手、後手になる中、他の多くの自治体が実施した、例えば、休業要請に応じた事業者に対する独自の協力金や、家賃助成、水道料金の減免などなど、基礎自治体として必要な対策を迅速かつ積極的に講じることができませんでした。

2次補正においては、経済危機対策などにも求められていた新たな感染を発生させないための防疫を目的とした社会的・地域的なPCR検査も実施されず、医療や介護、社会福祉を支える医師、看護師、ヘルパー、学校や保育所の教師、保育士など社会的事業の従事者への支援が細く弱いものでした。また、市民がコロナ感染予防のため手洗いなど水道水を多く使用しているその時に、水道料金の値上げを発表したことは論外です。

コロナ感染症の終息にはまだ何年もかかり、今後何度も新たな感染症が流行するといわれています。こういう不安が覆っている時にコロナ後の横浜経済の起爆剤になるとしてIR誘致に血道をあげ、市民の大切な予算と人員をつぎ込み、市長の思いを実現するために建設費だけで480億円とする新たな劇場の整備、旧米軍上瀬谷基地跡に入場者1500万人というテーマパークの誘致など、この市政は常軌を逸しています。今、市民が求めているは、コロナ感染症対策であり不安のない安全で豊かな横浜です。市長の考えているようなキンキラキンのリトル東京ではありません。来年、8月に行われる市長選においては、地方自治を、民主主義を大切にし、市民のための市政を進める市長誕生を期して全力を挙げることを宣言し、討論を終わります。

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