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2020年第3回定例会を終えて 実効性あるコロナ対策実行、カジノ誘致ストップに総力注入

2020年10月14日

日本共産党横浜市会議員団

団 長 荒木由美子

2020年第3回定例会は、9月3日から開催、3日目の16日の本会議での市長提出議案等の議決と10月3日からの決算特別委員会を経て、10月14日の本会議での決算の議決ですべての日程を終了。新型コロナウイルス感染症の市中感染が続き、市民の命と健康を守り、市内経済立て直しに市政がどれだけ役割を果すか問われるなかでの定例会となり、その認識のもと議会活動に取り組みました。建設労働者の処遇改善を求める国への意見書の全会一致での採択には歓迎の声が多数寄せられました。

 前半戦の議案関連質問には白井正子、一般質問には宇佐美さやか、9月16日の討論はみわ智恵美の各議員が立ち、後半戦の決算特別委員会は、総合審査には古谷靖彦議員が登壇、各局決算の審査は9人の議員が分担して、市政の監視役と市民と市政との橋渡し役を果たすべく尽力。決算討論は大貫憲夫議員が行い、カジノ誘致と大型開発事業をすすめる林市長を徹底批判。

1、本会議での主な質問(議案関連質問、一般質問)9月3日、市長が第三次コロナ対策補正予算案を含む37件の議案を提案、白井議員(港北区選出)は、コロナ対策の拡充、小児医療費の所得制限と一部負担金の撤廃、リニア中央新幹線残土受け入れの新本牧ふ頭建設計画の見直し、少人数学級の拡大、市民利用施設の利用料減免を強く求めました。市は、PCR検査について、PCRセンター(ドライブスルー)8か所設置、市内500の診療所で検査の採取体制を構築、しかし検査対象は、従来型の濃厚接触者の範囲に限定。白井議員は、世田谷区や千代田区などが社会的検査としてはじめている取り組みを紹介、横浜市でも同様の方針を打ち出し実施するよう、また、コロナ禍で減収に苦しむ医療機関への市独自の財政支援を求めました。PCR検査について、城副市長は「先に発表された国の検査拡充の考え方を踏まえ、国の動向を注視しながら検討」、林市長は「コロナ患者の受け入れがない医療機関でも経営が厳しい状況にあることは十分に把握しているが、全国的な課題であり、国としての対応が必要なため、指定都市市長会の提言等の機会を捉えて国へ要望していく」とそれぞれ国任せの責任放棄に近い答弁に終始。

一般質問では、宇佐美議員(神奈川区選出)が、コロナを受けても従来の大型開発偏重の都市づくりに固執する市長の政治姿勢をただし、IRカジノ、上瀬谷巨大テーマパーク構想、新劇場建設、2割の生徒しか食べられないハマ弁の給食化の問題で市長に迫りました。IRカジノ誘致について、国が骨太方針から『IR』の文言を削除し、基本方針すら策定できずにいるのは、コロナ禍で世界中のIR事業者が苦境に立たされており、この先も採算が見込めず、事業として見通しが立たないことにあるが、林市長は何の検証もしないまま誘致推進に固執していると批判。また、6区で未開催になっているIR説明会を動画配信に切り替えているが、上瀬谷跡地開発のアセス住民説明会などは8月上旬に4回開催していることから、感染防止対策の工夫をすればやれない理由はないと述べ、今からでも説明会を開催し説明責任を果たすよう求めました。林市長は、IRはすべての事業者が撤退しているわけではない、市民説明会は、必要であれば適宜やっていく、IRは長期的な視点でコロナ終息後の横浜経済の回復を牽引する起爆剤になるとこれまでと同じ答弁を繰り返し、この点では思考停止的状態にあることを露わにしました。

2、反市民的施策には対決、市民要望実現に全力!(決算特別委員会)総合審査では、古谷議員(鶴見区選出)が、旧小柴貯油施設の死亡事故、コロナ対策強化、IRカジノの問題で追及。小柴貯油施設跡地での地下タンク落下死亡事故については、市担当者と工事事業者が作業前に現場で打ち合わせした際に使われた作業現場の地図には事故の起きた地下タンクが描かれておらず、目視でも地下タンクが全く見えない状況にあったことから「作業員は作業現場の危険性を認識していなかったのではないか」と指摘し、「打ち合わせの際に危険性を伝える資料を示さなかったことは大きな問題だ」と強調し、公園整備事業管理者としての市の責任をただしました。環境創造局長は「地下タンクの位置の明示については、現在警察で捜査しているので回答を控えたい」と答えるにとどまりました。この質問は多くの報道機関が注目し、取り上げました。

1)市民からの直接要望、願いに応えて

 保健所体制強化、生活支援課の拡充、全員喫食の中学校給食実施、ヒバクシャ国際署名推進、園児の移動ルート・小学校スクールゾーンの安全対策、アスベスト対策の徹底、市営バス運転手の変形労働時間制の廃止、ごみ収集従事者の労働強化改善、非耐震の学童保育クラブ施設の解消、中外製薬研究所用地盛り土承認での防災視点の貫徹、市民協働推進センターの有効活用、性的少数者支援、医療病床の確保、温暖化対策の本格実施、排プラ分別の徹底、JFE高炉廃止の中止等市民から上がった要望の実現を当局に迫りました。保健所体制など前進的成果は一部に留まり、市民要望実現には継続した働きかけと運動が必要です。

2)大型開発批判、誤った公共事業政策と行政運営の中止と転換を求めて

ラスベガス資本撤退のなかでのIRカジノ誘致、コロナ禍の市民生活を痛撃する水道料金の値上げ計画、園芸博覧会と上瀬谷開発での過大見積もりと財政負荷、コンテナ量低迷のなかでの新本牧ふ頭建設、市場調査抜きの新劇場構想など林市長が自公の支持のもとに推進する次世代につけを回す大型開発優先、市民生活犠牲の各種政策を批判、転換の必要性を訴えました。

大貫議員は、本日の討論を「来年8月に行われる市長選挙においては、地方自治を、民主主義を大切にし、市民のための市政を進める市長誕生を期して全力をあげることを宣言」し、締めくくりました。団あげて有言実行を誓います。

以上