議会での質問・討論(詳細)
2019年9月27日

■国際局(北谷まり)2019.9.27

◆北谷委員 北谷まりです。日本共産党を代表して質問いたします。
 まず、平和推進事業について伺います。
 2018年度の予算と決算額を前年度の予算、決算と比較して教えてください。
◎三枝副局長兼国際政策部長 平成30年度の国際平和推進事業費の予算額は120万5000円、決算額は120万4000円で、執行率は100%でございます。これを平成29年度の予算、決算の額と比較いたしますと、平成29年度予算額は120万5000円、同額でございます。決算額は243万1000円で、平成30年度と比較しますと平成30年度は約120万円減額になっております。決算額の変動理由でございますけれども、平和啓発事業にかかる委託料が減になっているところでございまして、より具体的に申しますと予定をしておりました国際平和講演会が実施できなかったことによります。
◆北谷委員 2018年度局全体の予算が前年度比24.1%だったにもかかわらず、平和推進事業の予算は増額はされませんでした。決算額も先ほどお話しいただきましたとおり減額となっています。お話がありましたように理由は啓発イベントができなかったということなのですけれども、先ほどもお話があったのですが2017年度実施の国際平和講演会がすばらしかっただけに大変残念に思いました。今年度の予算質疑で私はサーロー節子さんや、ICANのメンバーなどによる講演会を提案いたしましたが、先ほどフォトジャーナリストの写真の持つ力、こういった考え方で検討中だというお話を伺いました。グローバルメディア出身の私としては大変期待しているところでございます。
 2018年度の事業内容を教えてください。
◎三枝副局長兼国際政策部長 平成30年度の平和推進事業の主な内容でございますけれども、平和啓発といたしましては、国際平和推進条例の制定を受けまして、これを市民の皆様に周知するためのリーフレットの作成や配付、よこはま国際フェスタや、たずねよう!横浜国際協力センター等のイベントを活用した国際平和に関するパネル展示、ピースメッセンジャー都市国際協会・平和首長会議負担金や、その参加におきまして、世界の平和と発展に向けた本市の貢献を紹介したことなどでございます。
◆北谷委員 2018年6月15日施行の国際平和推進条例のリーフレットを作成されたということですが、こちらだと思います。(資料を提示)人口374万都市の横浜で2000部つくられたと伺ったのですけれども、全然足りないと思います。
 多くの市民の皆さんに知っていただけるよう部数をふやしていただくこと、またほかの方法、他の広報の方法などを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。また、外国人人口も増加しているということで、多言語のリーフレット、あるいはさまざまな外国人向けのパンフレットに掲載することなども提案したいと思いますが、いかがでしょうか。あわせて伺います。
◎三枝副局長兼国際政策部長 昨年度作成いたしましたリーフレットにつきましては、市民情報センターや区役所、行政サービスコーナー等で配付しておりますし、平和首長会議加盟都市会議においても活用しております。また、英語版を作成いたしまして、ヴォルゴグラードで開催されたピースメッセンジャー都市国際協会総会においても本市の取り組みを紹介しております。今年度は新たに英語版も含めまして、リーフレットやパネル、動画などを作成し配付を予定しております。特に若い世代への訴求に留意をしたものとしていきたいと考えております。
◆北谷委員 より多くの市民の皆さんに知っていただけるようにお願いいたします。
 2018年10月31日、11月1日にロシアで開催されましたピースメッセンジャー都市国際協会総会に出席されたことを評価したいと思います。この会議で横浜市が発信したことは何か、伺います。
◎三枝副局長兼国際政策部長 本市のフランクフルト事務所長を派遣いたしまして、本市の国際平和の推進に関する条例を制定したこと、また横浜市の都市間連携、国際協力、国際機関の支援、連携、多文化共生などの施策を総合的に推進することで、グローバルな課題の解決につなげ、世界の平和と安定に向けて本市が取り組んでいることなどを御紹介させていただきました。
◆北谷委員 私は以前、本市が1995年、リスボンでの総会、2007年のセルビア、2010年のキプロスでの会議に出席した実績を紹介いたしまして、この実績を生かして主体的に海外都市と連携して平和への取り組みを行い、市民、世界に発信していくべきとの質問をいたしました。海外事務所を拠点にした国際平和の取り組みの強化をぜひ進めていただくことを改めて要望いたします。
 11月5日、6日に岐阜で行われました第8回平和首長会議国内加盟都市会議総会にも出席されたとのこと、評価したいと思います。この会議から安倍首相に対しまして、核兵器禁止条約が全ての国により締結されることを多くの被爆者が待ち望んでいるとの認識を共有し、核兵器禁止条約を締結するとともに、NPT等の体制下での核軍縮の進展に力を尽くしていただくことを強く要望いたしますと要請が出されました。全国で最大の政令指定都市という立ち位置にある本市が独自に国に求めることは、国内外に大きな影響を与えることは間違いありません。
 国に主体的に働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎赤岡国際局長 平和首長会議の規約によりますと、平和首長会議は加盟都市のそれぞれの取り組みを拘束するものではないというふうに私どもは捉えておりまして、個別に対応することが前提でございます。本市は横浜市国際平和の推進に関する条例の趣旨を踏まえまして、ヒバクシャ国際署名に署名させていただいております。署名を提出したことをもって、既に全ての国に核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことを求めているということでございまして、改めて個々の国に対して要請を行うことは考えてございません。
◆北谷委員 ぜひ主体的に行動する姿勢を示していただきたいと思います。拘束されるものではないということは以前も伺っております。承知しておりますけれども、市としてぜひ主体的に行動していただくことを求めます。
 本市はニューヨークに2018年11月、事務所を開設しましたけれども、目的と活動内容、人員体制を伺います。
◎岡本国際政策部担当部長 開設目的でございますが、米州地域における市政関連情報の収集及び発信、横浜市内企業の米州での事業活動の促進、米州地域の企業の横浜市への誘致等を目的としております。活動内容につきましては、企業誘致・市内企業支援、都市間交流の促進、本市シティーセールスや観光のPRでございます。人員体制でございますが、所長及び副所長が駐在員として1名ずつ行っております。現地採用職員については2名でございます。
◆北谷委員 海外事務所において経済活動に非常に重きが置かれているということをこれまでも指摘してまいりましたけれども、行政としては経済活動だけでは不十分だというふうにまた改めて指摘したいと思います。フランクフルト事務所のように、先ほどお話がありましたが、ピースメッセンジャー都市国際協会総会でのプレゼンテーションなど、国際平和に向けた取り組みはぜひニューヨーク事務所でも今後期待したいと思います。ニューヨークには国連本部がありまして、もちろん御存じのことだと思いますが、ヒバクシャ国際署名が提出されます。2019年4月24日現在、941万5025筆の署名が集まっています。来年4月、ニューヨークで開かれますNPT再検討会議にあわせて来年4月24日から26日、原水爆禁止世界大会がニューヨークで予定されています。ことしの原水爆禁止大会には市長からメッセージが出されました。
 ニューヨークに事務所があるのですから本市も参加すべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎赤岡国際局長 本市の海外事務所はまさにそれぞれの地域において本市を代表する事務所でございますので、平和に関する取り組みもその所掌事務の中に入っていると考えてございます。米州事務所においても、ピースメッセンジャー都市として平和に対する取り組みの発信などに取り組んでございます。来年の世界大会への参加については現時点では考えてございませんけれども、各事務所ともピースメッセンジャー都市として、また平和首長会議加盟自治体の代表事務所としてこれらの施策に取り組んでまいります。
◎赤岡国際局長 世界の動きに最も近いところに事務所が開設されているということからも、ぜひ検討していただきたいと強く要望いたします。
 次は、多文化共生推進事業について伺います。
 まず、国際交流ラウンジについてです。国際交流ラウンジの目的と役割を説明してください。
◎三枝副局長兼国際政策部長 国際交流ラウンジの目的でございますが、外国人市民に対して身近な場で日常生活を中心とするさまざまな情報を提供するとともに相談に応じる等の支援を通じて、外国人市民との共生を図ることでございます。
 役割ですけれども、現在市内には10カ所ラウンジがございますが、各ラウンジに共通する役割といたしまして、外国人市民に対する情報提供や相談対応、またそのための情報収集、外国人市民に対する支援を行う人材の育成などがございます。また、区や地域のニーズ、特性、施設の状況等に応じて各ラウンジが独自に展開する役割といたしまして、外国人市民との交流事業の実施や交流の場の提供、日本語教室の開催等、地域のニーズに応じて必要とされる事業の実施でございます。
◆北谷委員 2018年度の予算質疑を初め、これまでも何度か指摘させていただいていますけれども、職員体制など余りにも脆弱であるということですが、その認識はあるのか、伺います。
◎赤岡国際局長 脆弱ということでございますけれども、国際交流ラウンジは市民に身近な行政サービスの主体である区役所が所管しておりまして、個性ある区づくり推進費でNPO等に業務を委託しているわけでございます。仮に脆弱というようなことであれば、まさに契約上大問題でございまして、もちろんまだまだ取り組むべきことはいろいろあるとは思いますけれども、契約上必要な機能はきちんと果たしていると考えてございます。一方で、入管法改正を踏まえた今後の外国人の増加見込みなどを踏まえますと、YOKEによるラウンジへの支援の強化はもちろんでございますけれども、ラウンジの機能強化、体制の確立なども国際局が推進していく立場にあると考えております。
◆北谷委員 ラウンジの実態はどのように把握されていますでしょうか。
◎三枝副局長兼国際政策部長 職員が国際交流ラウンジへ直接足を運ぶというのはもとよりでございますが、日ごろから国際交流ラウンジを所管します区役所と緊密に連携し、地域の実情やニーズを把握しております。また、横浜市国際交流協会、YOKEが実施するラウンジ協議会に国際局も参加いたしまして、率直に情報交換、意見交換を行うなどによって現場の状況を把握しております。
◆北谷委員 私は先日南区の浦舟複合施設に設置されていますみなみ市民活動・多文化共生ラウンジに行ってまいりました。正規の職員は館長のみで、4人の嘱託職員と10人のアルバイトで構成されていました。そして、嘱託職員は週4日の勤務ということで全員が集まれる日が限られていまして全員そろっての打ち合わせがなかなかできない、また、南区内でボランティアが行っています日本語教室はどこも定員がいっぱいでこれ以上は受け入れることができない、それから、外国籍の子供たちへの学習支援をしているボランティアさんからは子供たちがお腹をすかしてくるので勉強だけではなくて食べ物も提供している、こういうお話を伺いました。そして、子供たちが母国語で過ごせる居場所となっているということ、しかし、そのための財政支援はほとんどなくてボランティアさん自身身銭を切っているというお話を伺いまして、本当に市民の皆さんの善意に頼っているということを改めて実感しました。現場で皆さん頑張っておられることを承知しております。しかし、それだけでは限界だと思います。
 国際交流ラウンジは市の事業ですから、予算をふやしてマンパワー体制の強化を図るべきですがその考えはないのか、伺います。
◎赤岡国際局長 先ほども申し上げましたように各区の事業として委託しているわけでございます。また、各区の実情、例えば在住外国人の国籍ですとか、担い手の状況ですとか、そういったことを踏まえて各ラウンジで業務をやっているわけでございますけれども、単に人員体制をふやすということよりも、先ほども御答弁申し上げましたようにこれからの増加傾向などを踏まえて、どうしたら必要なサービスを提供できるか、ボランティアグループの方たちが主体的に生き生きと活動できるか、そういったような視点で機能強化を進めていく必要があると考えてございます。(「それはだめだよ」と呼ぶ者あり)
◆北谷委員 予算と体制の強化は必要ですのでぜひ御検討をお願いいたします。
 これも予算質疑で当市議団は指摘しておりますけれども、ボランティアさんに交通費も払えない状況です。せめてそこだけでも改善すべきです。善意に頼るだけでなく、きちんとボランティアを位置づけて、交通費の補助などができる仕組みをつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎赤岡国際局長 一口にボランティアと申し上げましても、活動に対する対価などは一切要らない、行政の業務の範囲内で仕事をするのではなくて主体的に働きたいというような方もいらっしゃれば、交通費程度は受け取りたいという方、さまざまあると思います。本市の事業にかかわるボランティア活動には、行政主導的な業務でお願いするような場合に交通費が支払われる場合もございます。一方では、市民団体等の自主性に応じて無償ということもございます。さまざまな御意見、事例もございますので、YOKEと一緒に現場の意見も聞きながら今後研究していきたいと考えます。
◆北谷委員 ボランティアさんは行政が必要としているボランティアだと思いますので、ぜひ御検討をお願いします。
 入管法改正によって外国人労働者は増加していくわけですけれども、国際交流ラウンジだけの対応ではなくて、雇用する企業に対しても、経済局、市民局と連携して外国人労働者が日本で働き暮らすための人権や生活サポートについて啓発支援していくことに国際局がイニシアチブをとることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
◎赤岡国際局長 労働問題といえば主たる所管は本市というよりも県であったりとかいうことがあると思いますけれども、今般、多文化共生総合相談センター、ワンストップセンターを本市において整備したことも踏まえて、労働関係の部署、国、市内関係機関とも連携して、人権という視点も踏まえまして多文化共生について取り組んでまいりたいと考えます。
◆北谷委員 ぜひ進めていただけますようお願いします。
 また、先進国で移民を排除しようという動き、県内でも在日外国人へのヘイトスピーチなどがあります。市民への啓発も必要だと思いますけれども、どのように進めていくのか、伺います。
◎赤岡国際局長 現在、よこはま国際フェスタや、国際交流ラウンジが実施するイベントなどを通じて、お子様や若者を含む市民の皆様への啓発に取り組んでいるところでございます。また、YOKUでは小学生や大学生を対象とした地球市民プログラムということも行っておりまして、これからもさまざまな手法を考えながら啓発は進めてまいりたいと考えております。
◆北谷委員 9月6日の一般質問で市長が10万人を超える在住外国人にとって安心安全で暮らしやすい環境をさらに整えてまいりたいと考えていますと答弁されていますので、多文化共生社会へ向けて、ヘイトスピーチは許さないと明確に発信することを含めて、しっかりと取り組んでいただくことを要望して、終わります


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