- 日本共産党 横浜市会議員団 - http://www.jcp-yokohama.com -

■建築局(みわ智恵美)

◆みわ委員 日本共産党のみわ智恵美です。よろしくお願いします。
 副委員長、スライドを使用いたしますのでお願いいたします。
○草間副委員長 許可します。
◆みわ委員 最初に、横浜市耐震改修促進計画について伺います。
 スライドをごらんください。(資料を表示)行政監査結果で示された横浜市耐震改修促進計画の指標と実績です。まずこの計画の目的を述べてください。
◎清田企画部防災担当部長 安全安心な都市づくりを推進するため、旧耐震基準で建築された建築物の地震に対する安全性の向上を計画的に促進し、倒壊等による被害から市民の生命及び財産を保護することを目的としております。
◆みわ委員 大変重要な計画ですが、3年での耐震化率はわずか1%のアップ。目標達成には2年間で5%アップさせ、8万戸の改修が必要です。そのための課題と取り組みについて伺います。
◎黒田建築局長 まず課題ですが、建物所有者の高齢化が進んでいる中で、改修工事による生活への影響や煩わしさなどから耐震化の意欲が低いことが実情としてあります。特にマンションは、工事方法や資金計画について住民の合意形成が困難なことも課題と考えています。
 また、取り組みについてですが、ダイレクトメールなどによる働きかけに加えまして、自治会町内会やマンションの管理会社との連携によるセミナーの開催なども検討いたしまして、補助制度の活用を促してまいります。マンションにつきましては、専門家を派遣する耐震トータルサポート事業により、資金計画や住民合意形成など、管理組合が抱えている課題やニーズに沿った支援を行います。あわせて、建物の部分改修や段階改修への補助による支援にも引き続き取り組んでまいります。
◆みわ委員 なかなか複雑で厳しいということがわかります。もう一方の、多数の者が利用する特定建築物ですが、どういう建物でしょうか。
◎黒田建築局長 多数の者が利用する特定建築物とは、旧耐震基準で建築された学校、病院、百貨店などで一定規模以上の建築物のことを言います。
◆みわ委員 耐震化が本当に急がれる建物です。しかし、こちらも3年で1%のアップ、5%アップには2年で242棟もの耐震化を進めなければなりません。課題と今後の取り組みについて伺います。
◎黒田建築局長 これらの建物の所有者は過去の大きな地震に建物が耐えているために、すぐに対策に動き出す必要がないと考えていらっしゃる方もいます。また、建物の改修に必要な資金の確保やテナントとの工事に関する補償などの調整に時間がかかることも課題と考えています。
 対応ですが、所有者が改修に動き出せるように、職員による個別訪問やセミナーの開催などを通じまして、改修工事の事例紹介や補助制度の周知啓発を行ってまいります。また、資金の確保やテナントとの調整に時間を要することへの対応として、段階的な改修工事費への補助などを行います。
◆みわ委員 では、この計画に携わっている建築防災課が担当している他の事業は何があるのか、それらを何人体制で取り組んでいるのか、伺います。
◎小松副局長兼総務部長 建築防災課では、主に木造住宅や分譲マンション、特定建築物の耐震化の促進に関する事業、それから狭あい道路拡幅整備事業、あるいは崖地防災に関する事業等に取り組んでおります。課の体制ですが、担当する部長を含め45人で対応をしております。
◆みわ委員 374万市民が暮らすまちで、どれも安心安全のまちづくりの重要な施策です。しかし、民間の所有物なので、耐震促進には丁寧な所有者に寄り添った取り組みが必要です。今、人員体制を教えていただきましたが、時間も手間もかかります。人員体制をさらに抜本的に強化して、この計画達成に取り組むのかどうか、伺います。
◎黒田建築局長 平成26年度に企画部に建築防災課を設置いたしまして、耐震対策や崖地防災対策等に取り組んできました。課設置後も平成31年度までに10名程度を増員するなど必要な執行体制を確保してきておりまして、引き続き業務を推進してまいります。
◆みわ委員 安心のまちづくりのために目標達成にふさわしい人員配置をさらに求めます。
 次は、今回の台風15号による被災住宅、生活の再建についてです。
 スライドをごらんください。台風15号で屋根が吹き飛ばされた住宅です。台風が通り過ぎて、朝、家の中から青空が見えたと話されました。その穴から大量の雨が家の中に降り込み、次のスライドは降り込んだ雨で完全に剥がれ、垂れ下がっている2階の天井板、次は天井板が剥がれむき出しになった天井、次が屋根裏の断熱材に大量の雨が含まれて、事態を深刻にしました。次は、屋根全体にビニールシートがかけられたところ、次は大工さんに頼み込んで行われた屋根の修理です。しかし、次のスライドでわかるように、大量に降り込んだ雨は1階の天井に侵入し、1階の天井板を剥がし、カビも発生させていました。2階は電気の配線をやり直さなければ電気が使えません。このように、屋根が吹き飛ばされた一部損壊でも居住に大きな支障が出ている場合は自治体として住宅の再建を支援し、被災された方が一日も早く安心して暮らせるよう対応すべきと考えますが、横浜市として現在どのような取り組みとなっているのか、伺います。
◎黒田建築局長 先ほども御答弁させていただいた内容ですが、全壊や大規模半壊、半壊して解体した世帯につきましては、被災者生活再建支援法の適用を健康福祉局から県に要請しているところでございます。また、一部損壊の世帯につきましては、千葉県と同様の支援制度が適用されるように国への働きかけを行っているところでございます。
◆みわ委員 何としても横浜市においても生活再建制度が適用されるよう強く要望することとあわせて、市独自でも取り組むことを提案いたします。
 次は、市営野庭住宅の建てかえと団地再生について伺います。
 市営野庭住宅の建設当初募集対象と住戸タイプはどうだったのでしょうか。
◎漆原住宅部長 市営野庭住宅は、昭和48年度から募集しておりますけれども、当時は公営住宅法等の規定が現在とは異なり、単身者向けの募集はありませんでした。そのため、募集対象は世帯向けのみであり、住戸タイプは3DKなどでございました。
◆みわ委員 最近の野庭住宅の応募状況はいかがですか。
◎漆原住宅部長 前回の平成31年4月の募集では、野庭住宅は4つの区分で募集しております。1つ目は、一般世帯向けの区分です。37戸の募集に対して77名の方から応募があり、倍率は2.1倍でした。2つ目は、子育て世帯優遇倍率の区分です。10戸の募集に対しまして51名の方から応募がございまして、倍率は5.1倍でした。3つ目は、車椅子用で3戸の募集に対して9名の方から応募があり、倍率は3倍でした。4つ目は、事故住宅で、2戸の募集に対して2名の方から応募があり、倍率は1倍でした。以上、4つ全ての区分で単身者の方も応募可能でございます。
◆みわ委員 では、建てかえされた後の市営住宅における入居者についての考え方を伺います。
◎黒田建築局長 市営住宅は、住宅セーフティーネットの根幹であるため、今後も見込まれる高齢者世帯の増加にもしっかりと対応してまいります。また、活力あるコミュニティーを維持していくために、子育て世帯などさまざまな世代が居住できる住宅供給等を図り、ミクストコミュニティーを形成する必要があると考えています。
◆みわ委員 入居応募者の約半数は単身世帯で、その約7割が65歳以上の高齢者と聞いています。しかも、その応募倍率は高い。多世代が住まうまちにするには市営住宅戸数の絶対量が足りないことは明らかです。五大市でも大阪市が1万人当たり384戸であるのに、横浜市は83戸です。建てかえを行えば空き地が出ます。絶対的に不足している市営住宅をふやすチャンスではないでしょうか、伺います。
◎黒田建築局長 市内には市営住宅が約3万1000戸、これを含めまして県営住宅や公的賃貸住宅が約11万戸ございまして、そのほかにも多くの民間賃貸住宅がございます。このような状況を踏まえまして、市営住宅については一定規模のストック数が確保されていると考えているところでございます。
◆みわ委員 総世帯数に対する公的賃貸住宅は約7%でしかありません。さらに、特別養護老人ホームや、どなたでも入れるような家賃負担を下げたサービスつき高齢者向け住宅など、高齢者のついの住みかを併設し、市営住宅に若い子育て世代や若年の単身者が入居できる条件を整えるべきと考えますがどうか、伺います。
◎黒田建築局長 野庭団地の再生検討におきまして、将来にわたり地域に安心して住み続けられるような環境を確保していくことは必要な視点の一つと考えております。そのためにさまざまな住まい方ができることや、住宅だけでなく多様な機能を持った団地にしていくことなどについて検討を進めていきたいと考えています。
◆みわ委員 ミクストコミュニティーというのであれば、市営住宅の増設をこの際計画すべきことを申し上げます。
 野庭団地には公園、歩行者専用道路、プールなどがあります。団地再生に当たって地域資源を活用することについての見解を伺います。
◎黒田建築局長 野庭団地の再生に当たっては、今後地域の関係者の御意見もお伺いしながら、地域資源の活用について検討してまいります。
◆みわ委員 また、野庭団地の中には野庭中学校が地域防災拠点としてあります。閉校となる予定ですが、こちらのスライドの屋外炊事場、次は屋外トイレ、次は災害用地下給水タンクです。今後も地域防災拠点として活用することは地域住民からの要望が大変強く、当団地再生のかなめとなるものではないでしょうか、伺います。
◎黒田建築局長 野庭中学校の跡地活用につきましては、今後、地元の港南区役所とともに、地域の関係者の御意見もお伺いしながら本市の資産活用基本方針に沿って検討を進めていきます。
◆みわ委員 欠かすことのできない資源だと思います。また、横浜市はスポーツのできる場が他都市に比べて余りにも少ないことが問題になっています。野庭中学校のグラウンドや体育館は今後使っていきたいとのスポーツ関係者の声もあります。団地再生の中でも今後も活用すべきと考えますがどうか、伺います。
◎黒田建築局長 そちらも含めまして今後、引き続き、区役所とともに地域の関係者の方々の御意見を伺いながら検討を進めていきたいと考えております。
◆みわ委員 さまざまな資源についてこそ、今おっしゃられましたけれども、市民の声をしっかりと生かしていただきたいと思います。野庭市営住宅は改修もエレベーター設置も行われないということで、バリアフリーでの早期の建てかえ工事が切望されています。今後の着手から完了までのスケジュールをどのように考えているのか、明らかにするべきです。いかがでしょうか。
◎黒田建築局長 現在、野庭団地再生計画について検討を進めておりまして、建てかえ工事の着手時期や完了までのスケジュールは未定でございます。なお、市営野庭住宅は3000戸を超える本市最大の市営住宅でございますので、財政負担を考慮した事業の平準化や、これまでお住まいの方々が築いてきたコミュニティーの維持等が求められます。そのため、段階的に建てかえることが必要だと考えておりまして、事業が完了するまでには一定程度の期間を要するものと考えております。
◆みわ委員 やはり建築局の決断といいますか、本当に希望と安心の豊かなコミュニティー、きずなを育む野庭団地をつくっていく、ここからだということを示すことは大事ではないかと思います。野庭市営住宅の建てかえ計画は、本当に皆さんが希望と安心を持てるような建てかえとなるよう要望いたします。
 最後に、中外製薬戸塚町開発許可について伺います。
 これまで市は、住民の意見要望についてはしっかりと受けとめ、事業者に指導しますという答弁を行っています。8月8日に建築局は、中外製薬の研究所開発計画を許可しました。いつどのように指導され、許可したのでしょうか、伺います。
◎黒田建築局長 浸水被害が増大するなどの周辺住民の方々の御意見を踏まえまして、開発事業調整条例に基づく雨水調整池の設置と、雨水の浸透に効果のある緑地の整備により、浸水の拡大防止を図る計画となるよう指導をいたしました。また、開発区域内に降った雨が直接区域外に流出しないように、敷地の周囲に側溝を設置し、開発区域内の雨水調整池に流れるように指導しております。その他、必要な審査を行いまして、法に適合しているということが確認できたので開発許可をしております。
◆みわ委員 こちらのスライドを見ていただきたいのですけれども、港南区下永谷の通常のまち並みです。こちらが9月3日の豪雨でそばを流れる準用河川芹谷川が溢水し、床上浸水になった状況です。こちらはふだんの芹谷川で、時間50ミリメートル対応の改修が完了しています。しかし、基準を超える雨が降って浸水被害が起きました。副市長、周辺地域の皆さんは中外製薬の研究所立地に反対されていないと思います。ただいわば、このあたりで一番地盤が低いこの民地、中外製薬の開発地は、これまではここを利用して遊水池機能を発揮していたわけです。市の内水ハザードマップでは2メートル、県の洪水ハザードマップでは3メートルから5メートルの浸水になるとされています。ここを2メートル盛り土でかさ上げしたら、基準を超える雨が降ったときには地域の浸水が増大するという住民の心配です。この心配に対して市の対策はとられていますか、伺います。
◎平原副市長 私もあの周辺が浸水対策の上では大変重要な場所ということはよく知っている場所ですので、よくわかっております。今後もまだ指導がこれから続きますので、建築局、道路局、それから環境創造局などがそれぞれの視点でしっかりと指導する、また、みずからの施策としても浸水対策を総合的に進めていきたいと考えております。
◆みわ委員 次のスライドです。台風15号で降った雨が中外の開発地にたまりました。この日の降雨量を伺います。
◎大谷宅地審査部長 戸塚消防署の雨量計では、9日の午前3時ごろに1時間当たりの最大雨量37.5ミリメートルを記録しております。8日の降り始めから9日の終わりまでの合計雨量は144ミリメートルです。
◆みわ委員 今、時間当たりは37.5ミリメートルですが、総雨量がこのようになっているので、この事態です。水防法が改定されまして、雨水出水浸水想定区域指定をするべき働き、市は4年間行っていません。ただ、この開発地域は先ほども言いましたが、ここを指定しなくてどこをするのかという浸水想定地域です。副市長はこれから指導があると言われましたけれども、指定されていれば、都市計画法の開発許可の手続でチェックされていたはずではありませんか、伺います。
◎黒田建築局長 横浜市内に水防法の区域指定がございませんので、その対応につきましては定かではございません。
◆みわ委員 指定になるべきところがないのではなくて、行っていないというのがこれまでの決算議会でも出されました。都市計画法では関係部局が協議を行う義務があるわけです。もし指定されていれば、水防法に係る担当部局がそれをやっているかどうか、建築局は指摘したはずです。計画区域内に降った雨をほかには出さないと言っても、ハザードマップで指定されている浸水地域ですから、流れ込んでくる雨、水は、かさ上げされていなければ、この開発地域も受けとめるはずなのに、2メートルの盛り土が堤防となり、水は一方的に地域に流れ込み、浸水被害が増大します。その上、水防法での雨水出水浸水想定区域指定を市は行ってこなかった。どうすれば市民の生命や財産が守れるのか知恵を出し合う協議が行われていれば、地域住民に安心と信頼が広がったのではないでしょうか。4年間にしかるべき方針を持つべきだったのではないでしょうか、伺います。(私語する者あり)
◎黒田建築局長 冒頭も御答弁させていただきましたが、周辺の方々の浸水被害が増大するという御懸念を踏まえまして、条例に基づく雨水調整池の設置、さらに雨水の浸透に効果のある緑地を整備することで、浸水の拡大防止を図る計画となるように横浜市としても指導しております。
◆みわ委員 やるべきことをやっていなかったとしか言いようがありません。開発許可は認められないと思います。
 以上です。