議会での質問・討論(詳細)
2020年3月6日

■経済局【白井まさ子】

◆白井委員 日本共産党を代表して質問します。よろしくお願いいたします。
 委員長、スライドの使用許可をお願いします。
○磯部副委員長 どうぞお使いください。
◆白井委員 初めに、新型コロナウイルスの市内経済への影響についてです。
 まちなかの客足がめっきり減っています。県内経済への影響を指摘する専門家からは、県内では横浜、鎌倉、箱根など観光地に大きな影響、また、長期的に製造業や建築業も大きな影響として、消費マインドも投資マインドも冷え込むことになり、新型コロナウイルスの影響が続けば、2014年の消費増税以来のマイナス成長となる可能性、こういうふうにしています。
 この新型コロナウイルス感染症拡大の予測が立たない中ですが、今後の市内経済への影響をどう見ているのかを伺います。
◎林経済局長 よろしくお願いいたします。
 新型コロナウイルス感染症に関しましては、訪日観光客の減少や、物流の停滞、サプライチェーンへの影響などによりまして、市内企業への影響も出ております。さらに、大規模イベントの開催中止や、店舗や施設の運営自粛等により、さまざまな業種に影響が拡大しつつあると認識しております。
◆白井委員 売り上げが減少している中小企業への資金繰り支援措置として、国では特別資金が創設されています。働く人への収入保障となる雇用調整助成金は、対象が新型コロナの影響にも拡大されて、3月3日には働く保護者の休業補償にも適用されました。この水準の拡充など、国の支援メニューに伴う支援の拡大はありますけれども、さらに必要なのは、制度融資の拡充、家賃等の固定費の支援、市税納付の猶予・減免など、本市として独自に手を打つ必要がありますが、どう対策しようとしているのかを伺います。
◎林経済局長 これまで、特別経営相談窓口を開設しまして、また、経済変動対応資金を拡充して対応してまいりました。さらに、経営基盤の弱い市内中小企業への配慮について、経済関係団体にも要請をしております。3月からは、国と連動してセーフティネット保証に対応した本市独自の制度融資を新たに創設するなど、国の動きと連動させながら、今後とも、中小企業への資金繰り支援等を強化してまいります。
◆白井委員 困っている方に制度が届いて利用ができるよう、市の責任で中小零細企業への支援、財源を伴いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まちなかの店舗は、既に閉めていたり、時間短縮営業のところが目立っています。中小企業、そして事業者の実態を至急に把握をし、必要な対策を具体化することも要望をしておきます。よろしくお願いします。
 続いて、消費税10%増税の市内経済への影響についてです。(資料を提示)
 2020年度の経済局予算概要の横浜経済をとりまく状況の記述のところに、国内の景気は緩やかな回復基調にあるとあって、国の楽観視を市も受け入れています。しかし、全国的な経済指標の実質家計消費、乗用車国内販売台数、百貨店売上高、総合スーパー売上高、今回の10%増税が前回の8%増税よりマイナスが大きくなっています。GDPは、2019年10月から12月期は6.3%と大幅に減少しています。
 これらの調査結果から見ると、国の楽観視はもう甚だしくて、市も国の見方をそのまま受け入れているということは、日本経済の実態と大きくかけ離れており、おかしいのではないかと考えますがどうなのか、伺います。
◎林経済局長 経済局の予算概要には、内閣府が1月に月例経済報告で発表した国内の景気は緩やかな回復基調にあるという基調判断を記載しておりますけれども、続けまして、市内企業の景気見通しは横ばいの状況で、先行きは不透明な状況と記載しておりまして、決して楽観視しているものではございません。
◆白井委員 それでは、小規模事業者への支援の強化というところがありまして、消費税率引き上げ後の景気動向なども踏まえて支援を強化するとしていますが、2020年度に前年度より拡大する支援メニューは何か伺います。
◎林経済局長 無料出張相談につきましては、令和2年度から横浜企業経営支援財団IDEC横浜の専門相談員を増員いたします。
 また、中小企業融資事業につきましては、新たな資金の創設と既存資金の融資期間の延長を実施しまして、資金繰り支援を強化いたします。
 さらに、小規模事業者設備投資助成事業については、申請書類のさらなる簡素化や、インターネットを利用した補助金申請システムの導入など、より申請にかかる負担を軽減するとともに、助成金を活用した事業者様の取り組みをリーフレットにまとめるなど、一層の活用促進につなげてまいります。
◆白井委員 さらなる支援メニューの拡大が必要だと思います。小規模事業者にとって消費税というのは、経営が赤字であっても、価格に転嫁できなくても、事業者が身銭を切って納めなければならない過酷な税金です。この消費税率そのものを5%に引き下げることがどうしても必要と考えております。
 続きます。商店街個店の活力向上事業と小規模事業者設備投資助成事業について伺います。
 2016年に他都市で行われています商店街の個店を支援する制度を日本共産党横浜市会議員団として視察をしました。新潟市の地域商店魅力アップ応援事業、高崎市のまちなか商店リニューアル助成事業、前橋市のホスピタリティ向上支援事業などですが、同様の本市の制度を使いやすいものへと求めてきました。
 本市では、商店街個店の活力向上事業が現在行われていますけれども、この制度の概要と、スタート時からの経年での助成目標件数と実績を伺います。
◎江南市民経済労働部長 魅力ある個店の存在によって商店街が活性化されることを目的として、顧客ニーズや店舗の課題を踏まえ、事業継続につながる取り組みを行う個店に対して、店舗改装費等の一部を助成しております。事業開始年度からの目標件数に対する実績は、平成27年度は目標件数8件に対して交付件数4件、平成28年度は8件に対して9件、平成29年度は13件に対して16件、平成30年度は13件に対して13件、令和元年度は12件に対して、年度途中ではございますが、現在6件の見込みとなっております。
◆白井委員 スライドをごらんいただきます。(資料を表示)中区の商店街にある焼き鳥店さんが、この助成制度を利用してビジネスプランを実現されたと伺いましたので、訪問をさせていただきました。この写真はテーブル席ですけれども、店内にはカウンター席と、それから3つのテーブル席と個室が1つあって、個室希望が重なると断らざるを得なかったという課題に対して、このテーブル席の1つを改修して、のれんで間仕切りをして、個室のような利用ができるようにしたということで、個室希望が重なっても断らず受けられるようになり、売り上げアップにつながったそうです。同じ商店街でこの助成制度を利用した方から直接お話も聞かれたということです。やる気を後押しする本当にいい制度だと実感をいたしました。
 2020年度のこの事業の目標件数と予算額を伺います。
◎江南市民経済労働部長 目標件数は13件、予算額は1100万円です。
◆白井委員 全市で13件というのが、この規模は大変少ないと思うのですけれども、制度の対象となる店舗の数は市内で幾らぐらいあるんでしょうか。
◎江南市民経済労働部長 当事業は、市内商店街で1年以上継続して、同一店舗で同一事業を営んでいる事業者を対象としています。なお、令和元年6月1日現在における横浜市商店街総連合会の加盟店舗数は1万192店舗でございます。
◆白井委員 対象となる商店がこれだけあって、目標も実績も本当に少ないということがよくわかるのですけれども、あわせて続けて、2019年度からスタートした小規模事業者設備投資助成事業があります。この概要と目標件数と実績を伺います。
◎高橋中小企業振興部長 本制度は、市内で事業を営む小規模事業者の皆様が、業務改善や生産性向上に資する新たな設備等への投資を後押しするために、今年度、令和元年度に新たに立ち上げたものでございます。目標助成件数230件のところ、2月末現在で申請件数は285件、申請金額の合計は2467万1000円となってございます。
◆白井委員 申請が目標を超えているのですけれども、申請の方は皆さん大丈夫なのでしょうか。
◎高橋中小企業振興部長 2月末に実績報告書の提出を締め切りまして、順次確認作業を進めているところでございます。確認がとれた案件につきましては、全て助成金を交付できるよう対応してまいりたいと思っております。
◆白井委員 この事業でパソコンや小型工作機械の買いかえにも利用できるということで、申請も簡単で、使い勝手が本当にいい、担当窓口の事業者に寄り添う感じもいいという声を直接聞いております。
 この2つの事業は長期的な成果を考える必要があると思います。小規模事業者対策として大きな意義がありますから、継続して実施することが必要だと考えますが、お考えはどうでしょうか。
◎林経済局長 個店の活力向上事業につきましては、事業開始から5年が経過し、当事業を活用した店主の皆様が、商店街内の他の店舗に制度を紹介して申請につなげるということなどで広がりが出てきております。一方、小規模事業者設備投資助成事業につきましては、全ての業種と幅広い設備等を対象として、事業を開始した本年度から本格的に取り組んだわけでございますけれども、目標を上回る申請がありまして、多くの方に御利用いただきました。引き続き令和2年度も両事業を継続して、個店の魅力向上や業務改善の取り組みを支援してまいります。
◆白井委員 人気があって、望まれているということももうわかっているということですから、2つとも予算をふやして、目標件数を引き上げて、周知方法の拡大も必要だと思います。この周知方法の拡大はどのようにするのかを伺います。
◎林経済局長 周知に当たりましては、ウエブサイトやメールマガジン、情報誌等、さまざまな広報手段を活用するとともに、関係団体に赴き説明もいたしております。令和2年度は、こうした取り組みに加えまして、小規模事業者設備投資助成事業では、具体的な取り組み事例を紹介する事例集を作成し、周知に力を入れてまいります。
◆白井委員 事例集をつくるというのもいいと思うのですけれども、事業の名前が小規模事業者設備投資助成事業。設備投資助成というと申請が大変そうに感じる方もいると思いますので、これから周知に当たっては何らか、申請も簡単で使い勝手もいいですという、この点を押し出すような工夫があればいいのではないでしょうか。支援規模の拡充とあわせて、よろしくお願いしたいと思います。
 では、続きます。次に、拡大している無権利労働者の実態把握についてです。
 ギグワーカーやクラウドワーカーと呼ばれるインターネットを利用して単発の仕事を請け負う新しい働き方がふえています。国では、多様な就労形態の普及とか多様で柔軟な働き方を推進しており、本市は柔軟な働き方の推進を掲げて、不安定で無権利な働き方が広がる懸念がありますが、市内での実態を把握すべきと考えますが、どうでしょうか。
◎林経済局長 企業と雇用契約を結ばずに個人事業主として仕事を請け負う方々は、スマートフォン等で個人の時間に合わせて自由に働くなど、業種や仕事内容、契約期間なども多岐にわたっております。国においても実態が把握し切れていない状況がございます。国が行いました対象者数の推計でも明確な定義が定まっておらず、5種類の試算がございまして、国全体で306万人から341万人という推計もございます。このため、本市の実態を直ちに把握することは難しい状況ですので、現在、国において、このような働き方を行う方々の数を含めた全体像の把握について調査検討が行われていますので、その動向を注視しているところでございます。
◆白井委員 それでは、本市が掲げている柔軟な働き方の推進というのは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
◎林経済局長 育児や介護などさまざまな事情を抱える市民の皆様が、それぞれの生活スタイルに応じて働くことができるように、テレワークですとかフレックスタイムの導入、クラウドソーシングといった多様な働き方の普及啓発を図っております。
◆白井委員 問題になっていますのは、労働者としての実態があるにもかかわらず、労働時間規制や最低賃金規制、そして労働保障、出産手当、育児・介護休業などの労働者保護法制の対象にならないことです。本市としても何らか実態把握が必要と思うのですね。今すぐにはできないとちょっと諦めていらっしゃるようですけれども、国任せということなのですけれども、一番実態が見える横浜市でしっかりと実態をつかんでいただきたいと思います。
 では次です。カジノIR推進について経済局の考え方を伺ってまいります。
 本日からパブリックコメントが始まりました。(資料を提示)横浜IRの方向性(素案)です。横浜IRは地域経済の振興に貢献するとか経済波及効果があると書いてあるのですけれども、カジノ収益があって初めてIR施設が成り立つという仕組みで、カジノで負ける人を大量に生み出さない限りIR施設全体が維持できない。別の目的で使うはずだったお金がギャンブルで消えれば、周辺地域の消費購買力は低下します。地域経済は疲弊すると思います。
 また、ホテルやレストランなどは料金を割り引いて客を囲い込むのが一般的ですから、観光客がふえても商店街などにお金が落ちることは期待できません。そもそも人を不幸にして経済を盛り立てる、こういう発想は間違っていると思うのですけれども、このカジノIRは市内経済の落ち込みに拍車をかけると見ますが、局長は市内経済への影響をどう見ているのかを伺います。
◎林経済局長 IR内に大規模なMICE施設や魅力施設等が設置されることで、来街者の増加やビジネスの機会が創出され、新たな需要と消費を生み出し、経済効果を広範囲に及ぼすものと考えております。そういったIRによる経済効果をしっかりと波及させていくためにも、中小企業振興基本条例を踏まえまして、市内中小企業への受注機会の拡大ですとか、周辺の商店街や商業施設等への誘客を図るなど、経済局としても、都市整備局と連携して取り組みを進めてまいります。
◆白井委員 取り組みをすると言われても、そのカジノ施設から仮に税収が上がったとしても、地域経済が疲弊しては何にもならないと思います。本日、副市長の人事案が発表されまして(私語する者あり)、局長は副市長が目前となっている今ですから、経済局長歴任の御経験、この経験から決定をされた市長に対して、このカジノIR、地域経済の振興どころか疲弊すると伝えなければいけないときです。どうお考えでしょうか、伺います。
◎林経済局長 先ほどの答弁と重なりますけれども、経済局としましては、しっかり市内中小企業とか周辺の商店街に経済効果を及ぼせるように、しっかりと調整していく。これが務めであると考えております。


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