議会での質問(詳細)

2010年9月16日

【2010年第3回定例会】関美恵子議員が議案・請願不採択の反対討論

 私は、日本共産党を代表し、市長提出議案1件および2件の請願不採択に反対し、討論を行います。

小規模自治体への配慮を欠いた後期高齢者医療広域連合の共通経費「均等割」見直し

 まず、市第56号議案は、神奈川県後期高齢者医療広域連合規約の関係市町村が負担する共通経費について、均等割分を現行10%から5%に引き下げ、被保険者割、人口割の現行45%をそれぞれ47.5%に引き上げるため、市町村と協議し同意を求めるものです。
 小規模な市町村ほど負担が大きい共通経費「均等割」分の削除を求める意見は、制度の実施前からあり、スタート後は神奈川県町村議長会、神奈川県町村会などから要望書が出されています。神奈川県後期高齢者医療広域連合一般会計2009年度決算によると、負担金総額に占める「均等割」分の負担率は、最小は横浜市の0.8%で、最大は清川村の90%と不公平な負担になっており、削除を求めるのも当然です。
 そもそも「均等割」分は、法の定めはなく、国が標準的に「均等割」は10%程度と指導しているに過ぎず、広域連合で協議して決定する場合も小規模自治体への配慮を求めています。
「均等割」分を5%に引き下げても、負担率は清川村80%、横浜市は0.4%で、むしろその差は広がっています。
 東京都、高知県、岡山県が、「均等割」分を設けていません。東京都は、23区の大きさと比べ、小笠原諸島の小規模自治体に配慮した結果と聞いています。
 今や368万人のマンモス都市横浜と2010年8月1日現在3517人の清川村が同額負担というのは、余りにも小規模自治体への配慮を欠いたものといわざるを得ません。
 また、2008年度2009年度の後期高齢者医療一般会計決算の歳入歳出決算を精査した結果余剰金が発生し、共通経費「均等割」分は5%相当だったとのことです。これは、当初見込みが過大だったことを示し、2010年度に見直されるべきでしたが、2011年度に先送りされたことも問題です。

「高い保険料をはらえない」の声に応えて国保料引き下げを

 次に、請願23号についてです。
 請願は、三大市民要求を実現する実行委員会より1万8359人の署名とともに提出され、国保保険料の引き下げ、待機児童の解消のための保育所増設、中学卒業まで医療費を無料にすることを求めるものです。
 2008年1月21日、NHKは、国保資格証明書発行割合の高い三重県等5県の500救急医療機関にアンケートを実施し、過去2年間で国保資格証明書か無保険状態で病状が悪化し、病院にかかった時点では手遅れで亡くなった人が41人いたことを番組で取り上げ、今年3月12日付東京新聞は、2009年1年間で、全国で無保険や困窮のため受診ができず手遅れとなって死亡したケースが47件あったとする全日本民医連の報告を、報道しています。
 これらは、国民の健康を保障する国民皆保険制度がくずれ、国民の命が切り捨てられる状況が広がっていることを告発しています。
 本市では、年間所得200万未満が約4割を占める保険料滞納者は、約11万世帯に達しています。また、医療費10割を負担する資格証明書世帯は、直近の9月1日現在、2万6435世帯で、政令市トップです。2位の大阪市の1万3394世帯と比べても、またさいたま市、広島市では0であることを考えても、本市の資格証明書世帯の多さは異常です。
 「特別の事情」の把握に努めず、機械的に発行していることも考えられますが、収入に見合わない保険料の高さによる滞納が根本的な理由と考えられます。
 国レベルですが、現在、国保世帯の平均年間所得は167万円。80年代に逆戻りし、一方国保料は80年代の2倍近くなっており、サラリーマン被用者保険と比べ2倍以上の高さになっています。
 本市の一人あたりの保険料は2009年度で、政令市平均より高い9万2748円ですが、2010年度予算で一般会計繰入金総額256億円のうち、保険料の負担緩和に当てられたのは92億円にすぎません。
 年間所得200万円前後について厚生労働省もワーキングプアと認めるように、雇用の不安定化等による収入の減少により、「高い保険料をはらえない」「保険料だけでも大変なのに、窓口負担が心配で医療にかかれない」状況は容易に考えられます。こうした市民の声に応えるためにも、請願の採択を強く求めます。

要望強い小児医療費助成制度の対象年齢引き上げ

 小児医療費助成制度の年齢引き上げ、所得制限撤廃は、子育て支援策の中でも、特に保護者や家族はもちろん医療関係者等からも要望の強い子育て支援策です。
 本市が、就学前まで年齢を延長したのは、2007年度からですが、当時、多くの市民から「本当によかった」「経済的に安心で助かる」「今度は所得制限もなくしてほしい」等歓迎や要望の声をたくさん聞きました。
 今、不況や雇用不安定の状況を反映して、経済的理由で医療にかかれない子どもの存在が子どもの貧困として社会問題化し、問われています。
 自治体で小児医療費助成制度の拡充がすすむのも、また親の国保料の滞納は子どもに責任がないとして、国保の資格証世帯の小・中学生等に保険証が発行された国保法の改正も、こうした背景と無関係ではありません。
 特に、小児医療費助成制度拡充の動きは多くの自治体でみられます。東京やさいたま市はすでに中学卒業まで無料化し、名古屋市、神戸市は小学校3年生まで無料化に踏み切っています。神奈川県内でも5市3町1村が小学校卒業まで無料とし、中学校卒業まで無料というのも3町に広がりました。特に、今年度は、7市町で年齢引き上げが行われるという大きな動きになっています。
 こうした中にあって、本市の立ち遅れは際立っています。先の一般質問でわが党の河治議員の質問に、林市長も「東京23区並に中学卒業まで医療費を無料にするには、77億7000万円かかる。市民の期待は十分承知している。国の動向も見極めながら、子育て支援策におけるこの制度の優先順位を考えていく」と答弁されています。市長が制度拡充に向け決意されるよう、議会として請願を採択し、後押しすべきです。

増える待機者に追いつかない保育所整備

 2010年4月1日現在の保育所待機児童数は、全国最多、過去最多の1552人でした。長引く不況の影響で、新たに子どもを預けて働きたい親が急増している現状に、認可保育所整備が追いついていません。「休職中では、入所要件が低く、入所していなければ就職できない」「フルタイムでも入所の保証がない」など、やむなく待機となっている人の声は深刻です。
 市長が、待機児童解消については2013年4月の解消目指し、本年度は認可保育所を25か所整備し、1367人の定員増を含め、2013人受け入れ枠の増を図るとしたことは評価いたしますが、預かり保育等の拡充では、切実なニーズに応えられず、この水準では事態打開の決め手となり得ないことは明白です。

市の責任投げ捨て、公的保育制度を根本からくつがえす「保育改革」

 最後は、請願25号についてです。
 請願は、横浜保育問題協議会より出され、国に対し、「保育制度改革に関する意見書」の提出を求めたものです。
 今、保育をめぐる状況は、二つの道がせめぎあう、重大な岐路ともいえます。
一つは、自公政権以来の「規制緩和」「構造改革」路線を転換して、国の責任で認可保育所建設と保育環境改善に踏み出す道です。もう一つは、自公政権の路線を継承して、さらなる「規制緩和」と制度改悪をすすめる道です。
 民主党政権は、子ども支援をうたいながら、地域主権改革として、保育所最低基準を廃止・地方条例化して現在でも低すぎる基準を自治体任せにする、また今年4月から保育所定員超過の上限を廃止して、詰め込みをさらに促進する、また、今年度中には保育所給食の外部からの搬入も解禁して、給食センターなどから持ち込むことも可能にするなど、自公政治以上のスピードと規模で、保育条件の引き下げにつながる「規制緩和」をすすめています。
 さらに、「幼保一元化」による直接契約・直接補助方式の導入など介護保険をモデルにした保育制度改革を行い、幼稚園制度と一本化することによって福祉としての保育制度を根本から変える検討もなされています。
 これらの改革は、請願者も強調するように、児童福祉法第24条にもとづく市町村の保育実施責任を投げ捨て、公的保育制度を根幹からくつがえすきわめて重大なものです。
請願者は、国の責任において改善し、財源を保障すること、国と地方自治体の責任を明記した現行保育制度を基本保育予算の大幅増額、地方自治体の保育施策の拡充を保障することを求めています。
 先の議案関連質問でわが党の大貫議員の質問に、市長も、「新システム導入にあたっては、サービス基盤の確保や利用者負担のあり方、財源の確保、地方の負担等、様々な課題がある。制度設計に関して意見を提起していく」と答弁されています。
 議会としても「今、すすめようとしていることの問題は承知している」のであれば、意見書を採択し、議会としても国に意見を提出すべきではないでしょうか。
 以上で、私の反対討論を終わります。

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