議会での質問・討論(詳細)
2020年10月2日

■都市整備局(みわ智恵美10月2日)

藤崎副委員長:次に、みわ智恵美委員の質問をいたします。◆みわ委員 日本共産党のみわ智恵美です。党を代表し、質問いたします。よろしくお願いいたします。
 決算年度である昨年8月に、市長は記者会見でIR誘致を決断したと表明されましたが、ここに至った内部での意思決定過程について伺います。
天下谷IR推進室長:平成26年度から予算を計上し、IRの調査を継続する中、昨年度当初に、IRに関する法令やギャンブル等依存症対策の基本計画の公表など国において懸念事項に取り組む環境が整ってまいりました。また、平成30年度調査で実施した事業者への情報提供依頼により、横浜での経済的、社会的効果が確認できました。これを踏まえて、IRの実現に向けた本格的な検討、準備のための補正予算を計上すべく確認を進めました。7月23日に政策局長、7月25日に副市長、7月29日に4副市長、7月31日に市長に説明し、いずれも了承され、文書決裁により正式に決定し、8月22日に市長会見で公表したものでございます。
みわ委員:説明をして了承ということで、IRカジノを決断するかどうかの会議はされていないわけです。議事録もありません。していいか、ゴーか、いつゴーサインを出すかだけの案件だったと思います。ですから、市長が選挙で白紙などと言っていたこと、皆さんの意見を伺うなどと言っていたことは市民をごまかしていたことだということが、よく今の流れで分かりました。
 11月にはIR担当が政策局から都市整備局に異動し、IR推進室が設置され、どんどん人員を増やして39人もの大集団になりました。コロナパンデミックも何のそのでIRの広報にも取り組んできましたが、新聞社が6月に行った市民意向調査では、依然として反対が多いことが明らかになりました。IRカジノに期待が高まらない、その理由をどう捉えていますか。
小野IR推進室担当部長:これまで市民説明会、広報よこはま、広報動画など様々な広報に取り組んでまいりました。しかしながら、市民の皆様からいただく御意見や世論調査などを踏まえると、今後一層、御理解を深めていただけるよう努めていく必要があると感じています。現時点においては、国から基本方針の追加事項も示されておらず、横浜にできるIRの姿や効果を具体的に市民の皆様にお示しすることができません。加えて、新型コロナ感染拡大に対する不安も結果として表れたものと考えております。
みわ委員:コロナが理由で、カジノIRについての理解が深まらないということですか。
天下谷IR推進室長:最後にコロナのことも申し上げましたけれども、今答弁の中で、まだ国からの基本方針の追加事項が示されていない、また、IR事業に関しましてはやはり事業者から公募をして初めて施設の構成、内容が具体化してくるということがございまして、現段階ではなかなかIRというものがどういう施設ができるのかと市民にお伝えできていないと、それも併せて、これから御理解を深めていただけるよう取り組んでいかなくてはいけないと考えております。
みわ委員:説明会は繰り返し行われまして、その中で、IRカジノがカジノ賭博場の莫大な利益で成り立つ事業だということを市民はよく理解して、説明を聞けば聞くほど、これは要らないと実感してくるので、理解が深まらないわけです。皆さんが願う理解は--市民が誤解されて御理解されていないというのは、皆さんのほうが市民を理解されていないものです。このまま国家プロジェクトだということで、IRに手を挙げていくことが問題だと思います。子供が増えていくから学校を建設しようかというような行政の判断とは異質の案件です。刑法では犯罪の博打場をお金が足りなくなるかもしれないので横浜に造っていいのか、これは住民投票など市民の意思を正面から受け止める問題です。私たちは、IRカジノは断念すべきと考えていますし、39人ものIR推進室は、その人員を一番の混乱に向き合っているコロナ対策の部署に振り分けることなど、早急に決断することを求めます。
 次は、国際園芸博覧会の在り方について伺います。
 旧上瀬谷通信施設の敷地は242ヘクタールの広さですが、ここで開催予定の博覧会の用地を80から100ヘクタールとした理由について伺います。
辻本上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室担当部長:AIPHの規定では、A1クラスの国際園芸博覧会の開催要件として、会場規模は50ヘクタール以上と定められております。また、過去に日本で開催されました国際園芸博覧会では、同じA1クラスの大阪花博が105ヘクタール、ランクが1つ下のBクラスの淡路花博が96ヘクタール、浜名湖花博が56ヘクタールでした。以上のことから、横浜で開催するA1クラスの国際園芸博覧会については、80から100ヘクタールと想定しております。
みわ委員:では、来場者を1500万人以上と想定した理由を伺います。
荻野上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室担当部長:来場者数1500万人につきましては、基本構想案において、過去の博覧会等の入場者規模や首都圏の後背人口を抱える本市の立地特性を踏まえて想定したものです。
みわ委員:過去のことが算定に入っているというのは問題だと思います。今、コロナパンデミックを世界中が経験する中で、新たな博覧会の在り方が模索されているのではないでしょうか。精査すべきと考えますが、いかがでしょうか。
荻野上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室担当部長:今後、来場者数を含めて、国や有識者の御意見を伺いながら、さらに検討してまいります。
みわ委員:では、有料入場者数を1000万人と想定した理由を伺います。
荻野上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室担当部長:有料入場者数につきましては、基本構想案で試算した会場運営費360億円を賄う上で必要な人数を想定しておく必要があるため、我が国で過去に開催された国際博覧会での実績を基に試算したものです。
みわ委員:博覧会でその金額を決めてからということですけれども、来場者予測から博覧会における各機能の必要規模が算定され、様々なニーズに応えることができるように計画、これは皆さんが申請された博覧会申請書にも書かれております。現在、そのほとんどを入場料金で賄う会場運営費は、今おっしゃいましたけれども、320億円から360億円、会場建設費はそのほとんどが公費となると思われますが、190億円から240億円が想定されています。現在の想定金額はY150の反省を踏まえて手堅く試算されていると思いますが、来場者数はもとより、有料入場者数も今の世界のコロナの状況を踏まえて、博覧会がどのようなものになるのか全体として精査することが必要と考えますが、見解を伺います。
荻野上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室担当部長:今おっしゃったようなことも含めまして、今後、事業採算性に留意しながら、さらに検討してまいります。
みわ委員:想定している有料入場者数を達成しなかったときのリスクについてはどのように考えているのか、伺います。
荻野上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室担当部長:まずは魅力と感動あふれる国際園芸博覧会を行い、国内外から多くのお客様に来ていただけるようにしていくことが最も重要だと考えております。今後の社会情勢も踏まえまして、しっかりと検討していきます。
みわ委員:しっかりと検討ということで、市民に負担がかぶさることがないようにしていただきたいと思います。
 新たな交通が花博に間に合わなかった場合の輸送計画はどうなっていますか。
辻本上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室担当部長:輸送方法につきましては、新たな交通のみならず、周辺の鉄道駅からのシャトルバスの運行や自家用車、団体バスの駐車場確保、パーク・アンド・ライドなど複数の手段により対応できるよう鋭意検討してまいります。
みわ委員:市長は、新型コロナウイルス後の社会にふさわしい計画になるように、国や関係機関と共にしっかりと検討していると話されました。三菱総研に業務委託した国際博覧会の基本計画市案の検討等に当たってはどのような方向性を持って行われているのか、伺います。
曽我上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室長:感染症対策をはじめ、セキュリティー対策、暑さ対策など徹底した危機管理体制を構築します。その上で、次世代に向けた持続的な環境創出や新たな経済の活性化につながるような国際園芸博覧会の開催を目指して検討を進めています。
みわ委員:規模についても、内容についても、今、コロナ禍に学ぶことが人類には求められていると思います。自然と人間との共生を大切にし、華美なものとならないようにと要望いたします。
 国際園芸博覧会の会場となる旧上瀬谷通信施設が米軍から返還されることが決まったときに、横浜市は英知を集めて、市民も参加、賛同して、米軍施設返還跡地利用指針を策定しました。その指針に示されている農・緑・防災の大規模な野外活動空間における4つの跡地利用の方向性を生かした再生が市が市民と約束したことですが、いかがでしょうか。
片川上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室上瀬谷整備推進部長:平成18年6月に策定いたしました米軍施設返還跡地利用指針では、全体のテーマを横浜から始める首都圏の環境再生としまして、上瀬谷を含む5つの米軍施設跡地を活用しまして、水や緑、魅力ある景観、経済活動、レクリエーションやスポーツなどの環境を幅広く再生していくこととしております。その中で、上瀬谷の跡地利用の方向性といたしましては、広域の防災活動拠点・広域機能の立地、「緑」を享受する首都圏郊外の自然レクリエーション空間、持続的で魅力ある都市型農業の振興、交通利便性の向上に資する基盤整備としておりまして、3月に策定いたしました旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画とおおむねの方向性は合致していると考えております。
みわ委員:しっかりとこの指針を本当に大切にしていただきたいと思います。
 また、瀬谷区の全ての連合町内会長で組織している瀬谷区上瀬谷通信施設返還対策協議会から出されております医療福祉の充実など地域住民の強い要望に対して、横浜市は高齢化社会に対応するために必要となってくる医療福祉施設について、当地区での必要性について引き続き検討すると回答しています。この点についての見解を伺います。
曽我上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室長:都市的土地活用については、そこの地域周辺で足りないものについても需要等を検討しながら、新たなものについても検討していきたいと考えております。
みわ委員:将来課題が抱えている問題ですので、皆さんから出されております要望、この方向性を堅持して対応していただきたいと思います。
 今後、事業を進める過程で市民意見をどのように受け止めていくか、スケジュールはどうなっているでしょうか。
曽我上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室長:旧上瀬谷通信施設のまちづくりに当たっては、現在行っている環境影響評価や都市計画の手続も含め、節目節目で市民の皆様に説明を丁寧に行い、意見を伺ってまいります。スケジュールにつきましては、今後、環境影響評価の手続も年度末には準備書を作成し、その際にもいろいろ意見を伺っていきたいと思っておりますし、都市計画の手続の段階でも行っていきたいと思っております。
みわ委員:その際に、市民共有の財産であるということを忘れないで市民意見を募集し、そして生かしていただきたいと思います。
基地跡地の米軍が使っていた地域には、土壌汚染対策法に規定された基準値を超過した特定有害物質である鉛、ヒ素、フッ素が、また法の基準に適合してはいますが、ダイオキシンが防衛省の調査で検出されています。これらの有害物質についての除去について横浜市の考えを伺います。
曽我上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室長:有害物質の除去につきまして、現在、土地の所有者であります国に対しまして、土壌汚染対策をしっかりと行うように引き続き求めていきたいと考えております。
みわ委員:国の責任で全て除去するよう求めるべきです。今後のこの土地利用において、ここにいらっしゃる、住んでいらっしゃる、また来訪者の皆さんが安全な地域として過ごせるように、国にしっかり求めることを要望して、終わります。


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