議会での質問・討論(詳細)
2020年10月1日

■温暖化・環境創造局 (岩崎ひろし・かわじ民夫10月5日)

岩崎委員:委員長、スライド使用を許可願います。
望月[高]委員長:どうぞ。
岩崎委員 柏尾川沿いで行われている中外製薬戸塚町開発に関連して伺っていきます。
本市は防災対策は優先的施策であることを全庁的に認識共有し、各部局の業務を行うとしています。環境創造局も同じ認識か、伺います。
小林環境創造局長:環境創造局といたしましても、防災・減災対策については、これからも関係局と協力をしながらしっかり取り組んでいくことが大変重要であると認識しております。横浜市下水道事業中期経営計画2018におきましても、その経営理念として浸水被害の軽減に取り組むことを掲げておりまして、地震や大雨に備える防災・減災対策を主要施策に位置づけてございます。
岩崎委員:スライドを御覧ください。(資料を表示)現地の状況を示したイラストです。戸塚町地域一体は6年前の台風18号で床下浸水に見舞われました。私は今年3月の質疑で今後18号と同様の雨が降った場合、戸塚町一体の浸水はどうなるかと質問しました。答弁は整備水準が変わっていないとすれば同じように水が出る可能性は高いということでした。この答弁を少しわかりやすく説明してください。
竹内下水道計画調整部長:戸塚町周辺地区の下水道施設は現在時間降雨量50ミリの整備水準となっています。雨の降り方や総降雨量、降っている範囲により異なりますが、下水道の能力や下水道の排水先である河川の能力を超えるような大雨が降った場合、浸水が発生する可能性はあります。
岩崎委員:本市は水害防止の総合的な治水対策というのを冊子横浜の川に公表しています。(資料を提示)この総合治水というのはどういう対策なのか、伺います。
小林環境創造局長:総合治水とは、都市化の進展により、流域の保水遊水機能が低下し、従来の河道やダム、遊水地整備といった河川改修だけで洪水を防ぐのではなく、下水道による雨水貯留管の整備や流域対策としての雨水貯留浸透施設の設置など、河川、下水、流域が一体となって総合的に治水安全度の向上を図ろうとする考え方でございます。
岩崎委員:では、環境創造局は今回の開発同意協議の中で総合的な治水対策を開発事業者に説明あるいは指導したか、伺います。
小林環境創造局長:今回の開発の中で、事業者側のほうでは、例えば緑道がございますけれども、そういったところにはレインガーデンと言いまして雨水が下にしみ込むような取組についても行っておりますし、また、道路局のほうが指導いたしました基準に基づいて、6000立米の雨水調整池を2か所、1万2000立米設ける、このような指導も行っております。
岩崎委員:聞いていることにちゃんと答えてください。総合的な治水対策という説明をちゃんとしたのか。それで、そういう方向で横浜市が努力しているのだということを説明したのか、このことを聞いています。したのかしないのかをはっきり答えてください。
小林環境創造局長:横浜市としては様々な施策、道路局それから環境創造局等々の施策を組み合わせて、先ほど御答弁したように総合的な雨水対策はしっかりとしております。そしてその上で、当局として審査対象となっております排水施設につきましては、都市計画法の基準に適合しているため同意をしたと、そういうところでございます。
岩崎委員:時間がないので繰り返させないでください。総合的な治水対策を説明したのかしないのかということを聞いているのです。どうですか。
小林環境創造局長:先ほど御答弁したとおり、横浜市としての総合的な治水対策については、これを説明しておりますし、その中でこの開発事業者に求めるものといたしましては、いわゆる下水管の整備だけではなくて、雨水調整池、あるいは緑道の整備、こういったものをしっかりと整備するようにと、そのような調整をしてきたものと認識しております。
〔岩崎委員「委員長、議事進行です」と呼ぶ〕
望月[高]委員長:何についてですか。議事進行の内容を御説明ください。
岩崎委員:事業者に横浜市が水害対策としてやっている総合的な治水対策ということをちゃんと説明する責任があるわけです。横浜市が総合的治水対策をやっているかどうかといって、当然やっているでしょう。そうではなくて、横浜市はこういう対策をやっていますということを事業者に説明する責任があるでしょうということを聞いているわけです。それはやったのかやってないのかということをはっきりしてくれればいいのです。横浜市がやっているとかやってないとかというのは聞いているのではないのです。だから、これはそこをちゃんと答えてくれれば済む話なのです。
望月[高]委員長:先ほど岩崎委員より議事進行ということでありましたけれども、まずその前に局長から御説明はしたというような答弁があったかと思うのですが、その答弁に関して議事進行がありましたので、補足等もしありましたらお願いします。
ただいま答弁整理中ですのでしばらくお待ちください。(私語する者あり)
小林環境創造局長:開発指導につきましては、建築局、それから道路局、環境創生局それぞれの部署におきまして、それぞれの専門の部分につきまして指導をしておりまして、私どもとしては今回の開発事業者に対しては下水の排水がきちんと基準に適合しているかどうか、そこを審査いたしまして、それについては同意をしたと、そういう経緯でございます。
望月[高]委員長:岩月委員に申し上げます。答弁について不十分という点があれば、その内容については質問ということで続けていただければと思います。よろしくお願いします。
岩崎委員:不十分ではなくて、違うことを言っているわけです。事業者に総合的な治水対策を説明したかどうかを聞いているのです。したのかということです。
小林環境創造局長:当局といたしましては、下水に関する排水設備が適合しているかどうか、これを審査する立場でございますので、そこのところについてはしっかりと基準に適合しているかどうかを確認して審査をさせていただきました。(「答えてない」と呼ぶ者あり)
〔岩崎委員「答えてない、議事進行、ちゃんと答えてください、やったかやらないかというのは事実なのだからはっきりしているのです、これはやってないのです」と呼び、その他私語する者あり〕
望月[高]委員長:ただいま議事整理中でございますので、しばらくお待ちください。
当局の側から補足して答弁することがありましたらお願いします。
小林環境創造局長:総合的な治水を進めているかという御質問だと思うのですけれども、横浜市トータルといたしましては、道路局、それから建築局、そして私ども環境創造局それぞれがそれぞれの部分に関わる審査を行っておりますので、それを総合的にトータルで考えれば総合的、治水的な指導を行っていると、そういうふうに考えております。
望月[高]委員長:岩崎委員、質問を続行してください。
岩崎委員:だから、環境創造局としては総合的な治水対策というのを説明していないのです。これははっきりしているのです。
そこで、副市長に聞きます。市長は市民の命と財産を守る責任があります。環境創造局は総合治水の対応を事業者との関係ではしていません。建築局もしていません。道路局もしていません。これはこの間の私の質疑でそれぞれの局ではっきりしています。盛土されると地域一帯はこれまで床下浸水だったものが床上浸水になってしまうのです。このことをもっと重視してほしいと思うのです。戸塚町住民の命と財産は誰が守るのですか。総合的な治水対策を事業者に説明、指導する責任は誰にあるのですか。このことをはっきり答えてください。開発許可権限は市長にあります。
説明責任は建築局なのか、環境創造局なのか、道路局なのか、危機管理室なのか、それとも市長本人なのか、はっきり答えてください。部署名で答えてください。
小林副市長:総合治水の調整はこれまでも答弁してございますとおり、あるいは様々な計画にも位置づけてございます。横浜市としては総合治水の観点から、内水災害も含めて災害対策を基本に進めているということでございます。ただ、今委員が御指摘の部分につきましては、本件につきましては都市計画法に基づいて私どもは審査をするというのがございます。あくまでも総合治水という視点に立って、先ほど来局長が申し上げてございます。あるいは過去にも答弁してきてございますが、それぞれの局が対応してございますけれども、具体的な開発協議においては都市計画法というルールに基づいて、開発区域内に例えば雨水調整池をつくる、浸透効果のある緑地を設ける、あるいは区域内に降った雨水が直接区域外に流出しないように開発区域の境界に雨水側溝を設置する、そうした様々なことをルールにのっとって、具体的にいえば都市計画法にのっとって私どもやってきてございます。総合治水という観点について、この法の中で具体的に総合治水という4文字のことをやっているということではなくて、そういう視点に立って、繰り返しで恐縮ですけれども都市計画法というルールにのっとって事業者側と調整してきた。その結果が今の状態だと考えてございます。
岩崎委員:そうすると防災対策の見地からは審査していないということですね。これは答えてください。
小林副市長:防災対策の観点から審査をし、都市計画法にのっとって指導、調整をした結果ということでございます。
岩崎委員:そしたら総合的治水対策の視点を入れなかったらできないではないですか。これはどうですか。(私語する者あり)
小林副市長:ですから、先ほど申し上げているとおり総合治水という観点から私どもは各局がその領分に応じて、その範囲において、指導、調整をしてきてございます。それは都市計画法というルールの中にそもそもあるわけです。では、都市計画法が総合治水という観点に立っているのか立ってないかということが法に書かれているかどうかは別として、私どもはその都市計画法を運用するに際して、先ほど来申し上げたとおり基本的な考え方は総合治水ということでございます。
岩崎委員:防災対策の視点からの審査がされてないということを確認しておきます。全然答弁になっていません。
終わります。

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河治委員:岩崎委員に引き続き、河治民夫が質問します。よろしくお願いします。
委員長、スライドの許可をお願いします。
望月[高]委員長:どうぞ。
河治委員:最初は、ゼロカーボンヨコハマ実行計画の実現に向けてです。
近年、台風や豪雨など異常気象が頻発しています。温暖化対策、温室効果ガス削減は地球的にも喫緊の課題です。横浜市は2018年、横浜市地球温暖化対策実行計画を改定し、脱炭素化の実現に向けゼロカーボンヨコハマを掲げました。その実現には、市内の再生可能エネルギーの生産量の拡大、広域連携強化、市民力に依拠した全市的な温暖化対策が求められます。そして、何よりも重要なのは実行計画の実現に向けた当局の姿勢だと思います。
そこで、ゼロカーボンヨコハマを掲げた実行計画実現に向けての決意を伺います。
小林環境創造局長:気候変動のリスクは市民の生命をも脅かす危機的な状況と認識しております。市民、事業者の皆様とこの危機感を共有し、オール横浜で気候変動対策を強力に進めてまいります。一方、ESG投資の拡大によりまして環境への投資が世界全体で盛り上がりを見せるなど、企業にとってはビジネス成長のチャンスであり、また市民の皆様にとっては環境に配慮したライフスタイルへの転換のチャンスでもあると考えてございます。こうした危機意識を共有いたしまして、市民や企業等の皆様とともに、未来はどうあるべきなのか、子供たちにどういう環境を残すべきか、我々はどういうライブスタイルとするかと、そうしたことを一緒になって取り組んでいきたいと思っています。
河治委員:スライドを御覧ください。(資料を表示)2014年度の実行計画で太陽光発電、太陽熱利用設備の普及として示されたものです。太陽光では、2020年の目標は住宅の10%、6万2000戸、22万キロワットと具体的にイメージできるものです。このスライドは2018年の実行計画です。具体的ではなくイメージできません。実行計画のメニューそれぞれについて目標も具体的に市民がイメージできるようにすべきです。
それを周知しなければ市民の協力は得られないと思いますが、見解を伺います。
薬師寺温暖化対策統括本部長:今委員に御紹介いただきましたように、前回の計画ではいろいろな事業ごとの目標を設定しておりますけれども、正確に把握することが困難な目標も多かったものですから、現行計画では指標を絞ったというような経緯がございます。ただ、市民の皆様の行動を促すためには、やはり分かりやすい目標が必要ということも委員の御指摘どおりだと思います。したがいまして、私ども分かりやすさ、あるいは正確なデータの把握のしやすさ、そういった様々な視点から目標についても引き続き検討してまいります。
河治委員:本市は昨年、青森県横浜町など東北12市町村と再生可能エネルギーの連携協定を締結しました。連携自治体が有するポテンシャルは横浜市の現在の年間電力消費量約160億キロワットアワーに対し4倍以上の約710億キロワットアワーの発電力を持つと聞いています。
横浜市は連携する電力量の目標はありますか。連携はどこまで進んできたのですか。推進にとって何が課題か、伺います。
沼田企画調整部担当部長:東北12市町村連携に基づく電力の供給状況でございますが、現在までに市内18の事業者に東北で発電された再生可能エネルギー電気を御利用いただいております。こうした業種、あるいは規模という点で幅広い事業者が東北の再生可能エネルギーを活用している、こういう実態を示すことがまず機運の拡大には重要であると考えておりますため、現在、実績は電力量ではなく契約件数で整理をしております。電力量については、これは民間同士の契約に関する内容でもあるというのもございまして、現状把握はしておりません。
また、今後の拡大に向けた課題でございますが、現状、再エネ電力への切替えが温暖化対策の一つの選択肢であるということが市内の事業者にはまだ十分に周知されている状況ではない、これは一つの課題であろうと考えております。まずは現在行っている様々なキャンペーンなどを通じてこうした周知を行うとともに、市内需要者と供給者のマッチングの仕組みづくりなどを進めたいと考えております。
河治委員:市民力への依拠が重要だと思います。具体的なメニューについてですが、温暖化対策本部の2020年度事業計画で卒FIT電力活用とあります。そのメニューの内容を説明してください。 そして、事業はどのように進んでいるのか。蓄電池の整備など制度支援をすべきと思いますがどうでしょうか、伺います。
奥野温暖化対策統括本部副本部長:卒FIT電力につきましては、今年度、まず市の率先行動といたしまして新市庁舎への再エネ100%に活用してございます。引き続き、市内の卒FIT電力の市民への活用、事業者様への活用について、今年度中にそのスキームを検討する予定でございます。
一方で蓄電池の整備でございますが、今年度は神奈川県と連携いたしまして共同購入で太陽光発電の拡大を行いましたが、来年度についても神奈川県と連携した取組が行えるよう、引き続き蓄電池も含めて検討してまいります。今後も市内における地産地消の手法について引き続き検討してまいります。
河治委員:蓄電池での支援があるのですね。
奥野温暖化対策統括本部副本部長:今神奈川県と検討を進めておるところでございます。
河治委員:市民力に期待できる太陽光発電を重視すべきです。設置事業者が維持管理を行い、発電した再エネを施設所有者に供給する施設所有者の設置事業者への屋根貸しや、神奈川県が進める太陽光パネルの共同購入の取組について、どこまで進んだのでしょうか。これらのメニューについて横浜市として目標はあるのでしょうか。推進の課題は何でしょうか、伺います。
沼田企画調整部担当部長:太陽光発電の設置につきましては、ただいま御指摘もいただきましたように神奈川県と連携しまして共同購入事業を実施しております。本事業は、関心のある御家庭の登録後、値段の提示や設置の可否調査、こういったものを行った上で設置するものでございます。横浜市では昨年度、180の御家庭に登録いただきまして、最終的にこのうち30の御家庭に実際に設置がなされました。今年度最終的な導入数は現時点ではまだ確定しておりませんが、昨年度の2倍以上の432軒の御家庭に登録をいただいております。
今後の課題ですが、まずこういった取組をしていただくことが必要でございますので、引き続き広報をしっかり行ってまいりたいと考えております。
河治委員:目標を聞いています。
沼田企画調整部担当部長:この事業の単独の目標という形ではっきりした数字は現状設定はしておりません。継続的に行っていく中でその実績なども踏まえながらどういった設定ができるのか、こういったところをしっかり考えていきたいと思っております。
河治委員:私は目標を持つべきだと繰り返し述べています。
横浜市は自ら率先行動として市役所全体で消費する全ての電力を再エネに転換するとして、2020年度に新市庁舎での使用電力を100%再エネにするとしています。新市庁舎の使用電力はどのような再エネですか。新市庁舎での発電はどれくらいありますか。その割合はどれくらいあるのか、伺います。
奥野温暖化対策統括本部副本部長:新市庁舎では、使用する電力を再生可能エネルギー100%といたします。その内訳といたしまして、庁舎屋上に設置した太陽光発電機による発電が約1%、残りについては横浜市の焼却工場の再生可能エネルギーと市民の皆様の卒FIT電力を活用と考えております。
河治委員:焼却工場がほとんどで、私は再エネの率先行動として受け入れられない、こんな思いでおります。再エネの拡大の市民啓発を強化するためにも、市役所屋上は可能なスペース全ての活用や、さくらみらい橋に太陽光パネルの設置など、もっとインパクトのあるアピールをすべきだと思うが、どうでしょうか。
奥野温暖化対策統括本部副本部長:新市庁舎の屋上につきましては、設置可能な範囲で太陽光パネルの設置を考えた結果、今の状況となっております。また、委員御指摘のさくらみらい橋でございますが、日照時間、あるいは荷重等の関係から、残念ながら設置が困難な状況でございます。しかしながら、市民の皆様に太陽光発電設備の啓発を分かりやすい形で行うことは非常に重要なことだと考えておりますので、引き続き効果的な公共施設での設置可能性について検討してまいりたいと思います。
河治委員:ゼロカーボンを掲げる本市です。やれることは全てやる、こうした姿勢が重要ではないでしょうか。小田原市の鈴廣かまぼこのオーナーの地域電力についての講演があり、私は参加して聞きました。エネルギーの地産地消は地域経済にも大きく貢献するとのことです。本市のエネルギーの地産地消について現状の取組に安住することは許されません。
地域の特性を考慮した地域新電力の設立等、地産地消をどう促進するのか、伺います。
薬師寺温暖化対策統括本部長:エネルギーの地産地消はゼロカーボンを達成する上で非常に重要なテーマでございます。委員御指摘のとおり、地域電力というのも地産地消を促進するための一つの方策ではあろうかと思います。ただ、会社の経営ということになりますと、果たしてどの程度地域で生み出す再エネがあるのかという、その量でございます。あるいは、どの程度の方がその再エネを購入してくださるのかという採算性の問題が非常に大きくクローズアップされてまいります。様々な課題が現時点ではまだあるのではないかというふうに認識しております。
河治委員:経済的にも地産地消というのが大きく貢献するというふうなことです。ですので、エネルギーの地産地消ということも市民的な方向をぜひ検討していただいて、地域経済にも貢献していただければと思います。
次は、上瀬谷通信施設跡地の環境保全についてです。
上瀬谷跡地は首都圏に残された自然豊かな貴重な空地です。スライドを御覧ください。今年3月に作成された土地利用基本計画の土地利用ゾーンです。跡地は全体で242ヘクタール、ピンク色の部分125ヘクタールを観光・賑わいゾーンと位置づけ、テーマパークを核とした年間1500万人を呼び込むとしています。次のスライドを御覧ください。交通基盤では、八王子街道の拡幅、瀬谷地内線の整備が示されています。次のスライドを御覧ください。跡地の風景です。跡地にある相沢川や和泉川には多種多様な生物が生息しています。施設跡地の改変は自然環境を大きく壊すことになります。さらに、上瀬谷跡地では旧海軍や米軍基地だったこともあり、有害な鉛やヒ素による土壌汚染も確認されています。
自然環境保全や市民の安全を守る点で環境創造局は上瀬谷基地の土地利用にどのように関わるのですか。
小林環境創造局長:この3月にまとめられました旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画は、戦後約70年にわたって土地利用が制限されてきた地権者の思いを受け止め、瀬谷区、旭区の区連会との意見交換や市民意見募集を経て策定したものでございます。計画地全体のまちづくりのテーマを、豊かな自然環境を生かした郊外部の新たな活性化拠点の形成としておりまして、土地所有者の皆様や市民の皆様の御意見を今後十分に踏まえて、テーマに沿った具体的な検討を進めていきます。
河治委員 開発によって損なわれる相沢川や和泉川の環境の代替や生息する動植物の保全についてどのように対応していくのか、伺います。
小林環境創造局長:委員御指摘のような様々な自然環境がございますけれども、こういった当地区での豊かな自然環境を生かした郊外部の新たな活性化拠点の形成を目指すところでございますので、様々な生物の保全という視点においても今後の計画の具体化に合わせて必要な検討をしてまいりたいと思っております。
河治委員:先ほど土壌汚染の話をしました。専門家は有害物質は全て除去が必要不可欠と述べています。自然環境の保全も含め、副市長の見解を伺います。
小林副市長:ただいま局長も答弁してございますけれども、上瀬谷は郊外部の活性化拠点、豊かな自然環境を基本的には踏まえながら、そうしたテーマにのっとって土地利用してまいりますので、その検討するに当たって、自然環境をどうやって残していくか。あるいは場合によったらその自然環境はなくなる部分もあるかもしれません。それについては代替はどうした方法でやるか。その辺は今後具体的な検討をしていく中で、市民の皆様の御意見もいただきながら進めていきたいと思っています。
河治委員:有害物質の除去についても答えてください。
小林環境創造局長:有害物質の除去につきましては、委員も御承知かと思いますけれども、土壌汚染について国が調査をしてございます。その調査結果を踏まえ、先日の都市整備局の局別審査において、横浜市としては国に対し土壌汚染対策をしっかりと行うよう要望していく旨答弁してございます。本市といたしましても引き続きしっかりと状況を把握しながら進めてまいりたいと思います。
河治委員:横浜市自身は有害物質の除去に責任を取らない。国に言うだけですか。
小林環境創造局長:基本的には都市整備局のほうでお答えしたとおり、土地の所有者でございます国、防衛省が今調査をして、その結果をこの間公表したところでございますので、市としては国に対して土壌汚染対策をしっかり求めていく、これが基本姿勢でございます。
河治委員:これから多くの人を呼び込もうということです。私たちはそれに賛成はしないのですけれども、そういった中で、市民の安全をしっかり守るということは横浜市として責任を持って除去するということを述べるべきではないですか。(私語する者あり)
小林環境創造局長:市民の皆様に安全にこの土地で今後できる施設あるいは公園等を御利用いただくためにも、安全対策が大変重要でありますので、それゆえに、国に対してしっかりと土地所有者である責任を果たしていただくように求めていくわけでございます。
河治委員:ぜひ安全な行政をやっていただきたいと思います。
次は、横浜みどりアップ計画についてです。
最初は樹林地の保全についてです。スライドを御覧ください。横浜市の緑被率は年々後退しています。市内に残る樹林地の多くは民有地です。土地所有者が持ち続けられるよう、緑地保全制度に基づく指定制度によって、税の軽減など土地所有者へ優遇措置を講じるとともに、土地所有者の不測の事態による買入れの申入れなどに対応することとしています。横浜市中期4か年計画の振り返りでは、緑地保全制度による指定面積では目標未達成とあります。達成できなかった理由を伺います。
河岸みどりアップ推進部長:これまで大規模な樹林地をお持ちの土地所有者の皆様から順次働きかけを行い、指定に御協力をいただいてきたため、働きかけの対象となる未指定の樹林地面積が小規模化している傾向があります。また近年では、過去に働きかけを行ったものの指定に至らなかった土地所有者の皆様に対して再度働きかけを行うことが増えています。もともとは指定の意向がなかった土地所有者の皆様に御協力をいただくため、より一層丁寧かつ時間をかけた説明が必要となっていることなどから、指定の地区数も減少しているものでございます。
河治委員:達成できなかったわけですけれども、この遅れをどのように取り戻すのか、伺います。
橋本みどりアップ推進担当理事:目標達成に向けて、未指定の樹林地が多い地区などで土地所有者とできる限り直接お会いする機会を増やすなど、より一層丁寧な働きかけに努めていきます。また、一団の樹林地の中で一部の指定にとどまっている地区も多いため、指定地に隣接する未指定の樹林地などについて積極的に指定の働きかけを行うことにより、まとまりのある樹林地として保全が図れるよう、引き続き取り組んでいきます。
河治委員:樹林地は、みどりアップですからぜひアップになるようにしていただきたいと思います。
次は、農地の利用促進についてです。市内には遊休化した農地が120ヘクタールあると聞きます。遊休化して荒れた農地は防災・防犯上からも危惧されます。スライドを御覧ください。荒れた農地です。次のスライドは遊休農地復元支援制度で復元されたものです。この支援制度について説明してください。
荒原農政部長:農地復元支援事業は横浜みどりアップ計画に基づいた事業です。農業継続のために規模拡大する農業者や新たに農業に参入する個人、法人への農地貸付けを促進するために、遊休化した農地を耕作できる状態に復元することを支援し、農地の保全と良好な農景観の保全を図ることを目的としています。
河治委員:2019年度の復元支援制度では目標0.3ヘクタールに対して実績0.84ヘクタールで目標の2.8倍にもなりました。結果についての見解を伺います。
荒原農政部長:日頃から農政事務所の職員が現場を回り農地の状況を把握しています。遊休化した農地の所有者には、改善に向けた連絡や土地利用の調整をしています。昨年度の案件は、JA横浜とも連携し、農地所有者や規模拡大を希望する農家と丁寧に粘り強く調整してきた結果であり、複数の案件が一気に結実し実績につながったものと考えています。
河治委員:非常に評価できることだと思います。復元する農地は意欲のある農家に貸し出すことが条件にできます。復元された農地の公的役割は何か、伺います。
橋本みどりアップ推進担当理事:横浜の農地は、市民の皆様に新鮮な農畜産物を提供する貴重な場であるとともに、良好な農景観の形成や生物多様性の保全、防災、教育、地下水の涵養等、多様な機能も有しています。本市では、農業者の農業経営をしっかりと支えることを基本としながら、農地の保全を横浜みどりアップ計画に位置づけております。
河治委員:先ほども申しました、市内遊休農地は120ヘクタールあるわけです。農地の公的役割は今述べられました。これも重要です。目標そのもの、整備目標を引き上げるべきではないでしょうか。
橋本みどりアップ推進担当理事:遊休農地については、日頃から職員が農地を巡回する中で、農地の適正管理を指導したり、自ら耕作できない場合には規模拡大を希望する農家に貸し付けるなどの支援を行っています。それらの取組の中で、特に荒れた農地で復元が必要な場合にはこの事業を活用していただいています。目標値は過去の実績を基に定めており、年度の目標を超えて支援の要望をいただいた場合には柔軟に対応していきます。
河治委員:ぜひお願いします。
最後は、市民ニーズに合わせた農園開設についてです。横浜みどりアップ計画のメニューの中には認定市民菜園や環境学習農園のメニューがありますが、これらについて説明してください。また、実績についても伺います。
荒原農政部長:認定市民菜園は農体験を希望する市民の皆様が利用することを目的として設置する農園です。利用者は区画の中で自由に野菜づくりを楽しむことができます。昨年度新たに開設した認定市民菜園は10か所1.27ヘクタール、市全体で246か所30.7ヘクタールです。環境学習農園は、幼稚園や小学校の子供たちが農家の指導の下で学習の一環として農作業を体験する農園です。昨年度新たに開設した農園は1か所0.05ヘクタール、市全体で19か所1.2ヘクタールです。
河治委員:野菜づくりなど市民が自由に農と触れ合うニーズがますます広がっています。先ほども伺いましたが、緑地保全を確実に進めるためにも、荒廃した農地を整備するためにも、地権者の合意が重要であり、そのためにも職員体制を強化すべきだと思いますがどうでしょうか、伺います。
小林環境創造局長:今の農地の問題、それから樹林地の問題等々ございますけれども、横浜みどりアップ計画につきましては、5か年ごとの計画に基づきまして、市民の皆様に御負担いただいているみどり税をはじめ、必要な財源を確保し、着実に取組を進めておるところでございます。その体制といたしましては、計画の開始に合わせ、みどりアップ推進部を設置するなど必要な整備をしてきたほか、今年度からは新たに農政部を設置し事業推進に取り組んでいるところでございます。引き続き、農と触れ合う場の拡充も含めて、横浜みどりアップ計画の取組を積極的に推進してまいります。
河治委員:都市部での緑というのはますます重要になってくると思います。そういった意味では、横浜みどりアップ計画はさらに市民の立場から積極的に進めていきたいと思います。
終わります。


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