市政ニュース ・ 見解/声明
2021年3月23日

2021年第1回市会定例会(予算市会)をおえて

昨年に続き、カジノ推進の本予算案を立憲・無所属フォーラムが日本共産党とともに反対

2021年3月23日

日本共産党横浜市議団 団長 荒木由美子

2月1日から開催されていた横浜市会第1回定例会は、本日、林市長提出の一般会計予算案をはじめとした予算関連議案と一般議案すべてが自民、公明などの賛成多数で可決し、閉会。今議会は、コロナ感染症拡大第3波の渦中、菅政権誕生後初の予算議会であり、市政と市議会の立ち位置と存在意義が鋭く問われました。また、年明けの臨時議会でカジノの是非を問う住民投票条例案が自公によって葬られ、それを受けて市長が事業者募集に踏み出すというIRカジノを巡る緊迫した情勢の下での開催であり、議会の論戦に大きな関心と注目が寄せられました。立憲・無所属フォーラムは、カジノ誘致反対の立場から一般会計予算案に反対、夏の市長選挙にむけた条件のベースが築かれました。党市議団は、本日、予算組み替え動議を行い、その趣旨説明に宇佐美さやか議員、予算案の反対討論に大貫憲夫議員、追加議案と請願の不採択に対する反対討論を河治民夫議員が行いました。議会中の主な論戦と予算の問題点については以下の通りです。

⓵PCR検査に対する施策は、国・県まかせではダメ

党市議団は、県が実施する高齢者入所施設等の職員に加え、通所施設や学校、病院なども含め社会的PCR検査等に市費を投入し実施することをはじめ、北九州市や神戸市、世田谷区など各地の自治体が独自に展開している検査と同様に、その対象を広げるよう要求。しかし、昨年7月に内閣官房が出した「PCR検査は100%の感度を持たない以上広範な実施は問題があり、医療崩壊につながる恐れがある」というマニュアルに従い、市長は、社会的PCR検査の拡大を拒否しました。政府の古い方針にしがみついて頑なにPCRの社会的検査を拒否する姿は醜悪そのもの、その打開には世論の高まりが必須です。現市政の継続は市民の健康と命を危うくするものであり、転換は切迫した全市民的課題です。

⓶コロナ禍のなか、国民健康保険料の連続値上げ、介護保険料・水道料金の値上げはストップを

市民に冷たいのは、コロナ禍対応だけではありません。水道事業経営が苦しいとして、水道料金を引き上げ、負担の重さが限界にきている国民健康保険料・介護保険料も応分の費用負担をとして値上げを強行。国保料値上げは一般会計からの国保会計への繰入金を8億円減らしたためです。一般会計からの繰入金削減は、国が厳しく地方自治体に求めているもので、国民的規模の反撃が必要です。

⓷事業効果をデータで示さないままのIRカジノ事業者の募集を徹底批判

市長は、IRカジノが明らかに斜陽産業化したことをも無視し、経済再生の切り札となるとの謬論を今だに繰り返しています。3月に新聞折り込みした広報よこはま特集号にはIRカジノ収益は「将来見込まれている税収減や収入不足を補い、財政改善につなげる」と市民の豊かな暮らしを支えるものと断言。税収増計算のもとになるIRカジノの経済効果について、市長は、党の予算代表質問に対し、「区域整備計画の中で整理し示す」と答弁。コロナ禍後のIRカジノ事業の採算性について数字的根拠を持っていないことを自認。カジノ誘致自体が“大博打”だと宣言しているのと同じです。世論調査では66%の市民がIRカジノ誘致に反対しています。住民投票をも否定し、遮二無二に推進するのはなぜかという質問に市長は「IRイノベーションは国家プロジェクトだから」と答弁。IR事業は菅政権の国際観光戦略に位置づけた国家的プロジェクトであり、それを実現するのは基礎自治体としての横浜の責任だという市長の持論の行くつく先の酷さは目に余ります。今夏の市長選が主戦場です。

⓸選択制のデリバリー給食唯一論を振りかざす市長に全員喫食型めざせと迫る

市長は、全員喫食が望ましい給食の本来のあり方ではないかとの質問に「選択制のデリバリー型給食が横浜市においての最善の実施方法」と言い切りました。横浜のデリバリー給食には最大3割しか注文できないという致命的欠陥があり、子ども達のことを考えるならば、その克服にむけて速やかな決断が必要です。低い喫食率を反教育的として、全員喫食に切り替えることを目指す都市が続出しています。堺市、神戸市、町田市などです。給食室面積の部分的弾力化、小学校給食室の設備増設、狭隘校庭校での給食室の2階建て化などを組み合わせれば、横浜市でも実現が可能であることを党市議団は引き続き提案していきます。横浜市だけができない理由はどこにもありません。どうすればできるか真剣な検討と調査を行う立場に市長を立たせるには市民的包囲が不可欠です。夏の市長選はその好機となります。

⓹菅政権いいなり市政には正面対決 市民要望実現に全力

デジタル庁設置に見るようにデジタル化に菅政権は躍起になっています。横浜市もその受け皿としてデジタル統括本部を組成、その拙速さとリスクについて国追随ぶりを告発。国は次期エネルギー基本計画の策定にあたって原発の再稼働を前提にしています。横浜市の地球温暖化対策は、この国の政策を踏まえたものではなく、脱原発の基本に立つべきと対案を提唱。テーマパーク予定地をつなぐ上瀬谷ラインは採算を見込めず、中止を要求。介護施設等では人手不足が深刻です。国は、職員の要件や配置基準等を緩和して急場をしのごうとしており、地方にも押し付け。市民サービスの低下を認めることはできません。

要件の備わっている生保申請者を窓口で追い返す事件が神奈川区で発生、その不当性と共に、背景にある人員不足など構造的問題に言及、第3者による調査委設置を要求。市長は設置検討を約束。特別支援学校のスクールバス増便も3コースで実現。分校となった北綱島特別支援学校の本校化要求を自民党が展開、保護者が動かしたのです。残るは市長の決断です。

横浜市の防災計画で被害想定をしている地震は、元禄型関東大地震ですが、神奈川県は大正型関東大地震です。被害想定が大きい大正型への見直し変更を要求、当局は否定できず。市営バス路線の廃止・減便に反対する地域住民の運動が金沢区で起きています。住民に寄り添い、住民の足を守れと議会で主張。

市民の期待に沿える市政となるよう引き続き力を尽くします。夏の決戦にむけては、文字通り総力戦で臨みます。

横浜市会本会議場


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