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【2009年度決算特別委員会】「経済観光局(4日目)」 白井まさ子

企業立地条例の目的は市民雇用の増大と市内企業の事業機会の拡大

白井議員:私、日本共産党を代表して、質問いたします。
初めに、企業立地促進条例に関わって伺います。
企業立地促進条例認定企業のうち2009年度に事業を開始した企業数を報告してください。

渡辺経済観光局長:固定資産を取得して進出した企業は11件でございます。あと、賃貸オフィスビルの立地が2件、そしてオフィスビルへのテナントとして進出した企業は2件で、合計15件となっております。

白井議員:企業が立地をして、事業を開始したことは確認いたしました。それでは、条例の目的を説明していただけませんでしょうか。

渡辺経済観光局長:本条例の目的でございますが、企業立地等の促進をはかり、市民雇用の増大および市内企業の事業機会の拡大をはかることにより、横浜経済の活性化に寄与するということでございます。

白井議員:条例の目的のひとつが市民雇用の拡大ということですが、目的が達成されたか、検証はどのようにするのでしょうか。

渡辺経済観光局長:認定企業さんから毎年1月に事業実施状況報告書を提出していただきまして、この中で雇用者数を確認・検証しております。さらに、平成22年、今年の1月からはこれに加えまして、市民雇用の数を報告していただくということにしております。

白井議員:今年の1月から市内の雇用数の確認ができるようになったわけで、いままで検証する数字がなかったことからすれば、一歩前進と思うんですけれども、条例の目的からも、また厳しい市民の雇用実態からも、報告を求めるという受け身だけではなくって、市内雇用を増やす手立てをとることが必要だと思いますが、どのような対策をとるのか、伺います。

渡辺経済観光局長:誘致企業による市民雇用につきましては、先ほど申し上げました通り、この企業立地促進条例の目的のひとつでございます。したがって、認定通知書を交付する際に、私から企業の役員、トップクラスの方に対して、直接依頼文をお渡しながらお願いをしております。併せて、ジョブマッチングよこはまにつきましても、事業の内容を説明して、登録を強くお願いしているところでございます。今後も引き続き誘致企業に対して市民雇用を働きかけていくとともに、これらの増大に貢献する企業、誘致をするということにも取り組んでいきたいと考えております。

白井議員: 依頼をしているということでしたけれども、数字としてきちんと検証をしていただきたいと思います。お願いします。

認定企業に市内企業へ優先発注させる仕組みづくりを

続いて、条例のもう一つの目的が市内企業の事業機会を拡大することですけれども、これについてはどのように検証したのでしょうか。また、その効果はどうだったのか、伺います。

渡辺経済観光局長:市内企業への発注状況につきましても、認定企業から雇用と同様毎年1月に報告をいただき、検証をしているところです。
効果につきましては、事業を開始した41件を対象に、21年1月に実施した調査によりますと、建設工事や設備で発注枠の87.7%、約1300億円。これはただし、準市内企業を含めたということですが、市内企業に対する発注というふうになっております。また、原材料の調達、物品購入など事業活動に伴うものにつきましては、発注枠の17.4%、約97億円が市内企業への発注となっております。

白井議員: 準市内企業も入っているということけれども、これではちょっと数字があいまいだと思いますので、事業機会を拡大するためには、その認定企業は市内企業へ優先発注することとその報告をさせる制度、仕組みづくりが必要で、準市内企業だけでなく、その市内企業がどのように受けたかということをきちんと把握をしていただきたいと思うんですけれども、その建設工事に関しては、その工事を受注するJVには必ず市内企業を参加させるなど、検討すべきと思いますけれども、答弁お願いします。

渡辺経済観光局長:誘致企業による市内企業との需要機会の拡大につきましても、先ほど申し上げた通り、重要な目的のひとつではございますので、市民雇用のお願いと同様に、認定書を交付する際に私の方から役員さんなどにお願いしております。また、現行はこの条例につきましては23年度末に適応期間が終了いたしますので、その後のあり方につきましては、成果検証を行ったうえで、ご指摘の市内企業との取引拡大と、こういう視点も含めてより効果的なツールとなるように検討していきたいと考えております。
先ほど、申し訳ございません。訂正をさせていただきますが、先ほどのご質問の市内企業の事業機会の拡大の研修方法として、私事業開始した41件を対象に21年1月に実施した調査と申し上げたようですが、これは今年の22年1月の間違いでございます。どうも失礼をいたしました。

パナソニック関連企業が綱島から福岡に移転計画

白井議員:それでは、 私の地元の港北の綱島東で松下通信として長年操業してきましたパナソニックシステムネットワークス株式会社についてなんですけれども、拠点を統合するとして、福岡への移転計画が発表されているんです。労働者が1000人規模の大企業の移転ですから、地域経済への影響など心配の声が地元自治会など、住民からあがっているわけなんです。この件について、どのように把握し、移転計画撤回に向けてどう働きかけているのか、実態を説明していただけませんでしょうか。

渡辺経済観光局長:先生おっしゃった通り、今年の4月に港北区綱島のパナソニック関連事業所の九州移転が発表されましたので、土地建物を所有するパナソニックモバイルコミュニケーションズ株式会社さんに対して、状況の確認を行うとともに、できるだけ関連会社などによるこの施設の利用継続というものを強く要請しております。現在、同社ではこの施設の今後の利用計画を検討中という状況でありますので、私どもといたしましては、引き続きやはり今後も研究開発機能による利用というものを強くお願いしてまいります。

白井議員:まだ未定ということで、働きかけされているということなんですけれども、空洞化をしないように、市民雇用確保のために力を尽くしていただきたいと思います。
それから、別の件なんですけれども、都筑区池辺町へパナソニック株式会社の社内分社が立地するにあたって、この条例が適用されて、本市から助成金の交付と税の軽減が行われました。都筑区と港北区の2社は、ともにパナソニック株式会社の管轄会社です。本市から助成金交付と税の軽減を受けながら、一方で撤退というのでは、あまりにも身勝手と思うんです。局として責任をもって、親会社であるパナソニック株式会社に対して、社会的責任を果たす立場から、こういう身勝手はやらないで当地での事業展開、継続させるよう、ぜひ働きかけをするべきと思いますけれども、局長の認識、いかがでしょうか。

渡辺経済観光局長:条例で私どもが支援をしておりますのは、港北区内の事業所と同じグループ企業ではあるんですけれども、これは別法人でございます。で、その事業系、別法人のしかも別事業といいますかね、個別の事業計画に対するものですので、今回のグループ内の別企業の移転とはちょっとこれは基本的に関連明確にしているものではございませんので、その点はぜひご理解を賜りたいなというふうに考えております。
ただ、この施設については、先ほどお答えしました通り、現在土地建物所有する企業が今後の利用計画を検討中でございますので、私どもとしては今後も研究開発機能を継続してほしいと、そういう視点に立って、計画内容に応じて出てきた場合には必要に応じた働きを行っていきたいというふうに考えております。

白井議員:まあ、別法人別事業、別企業だといくことなんですけれども、グループ企業であるわけですから、関連していますので、ぜひこの継続をしろということを働きかけを強めていただきたいと思います。
そして、要望なんですけれども、この綱島地域には、中学校がないんです。周辺の中学校の学区となっていまして、いま生徒が数が増加している地域なんです。かねてより住民の要望というのは、綱島地域に中学校を新設をというもので、港北区役所としても要望は掌握されていますけれども、候補地がないということで話が進んでいません。
パナソニックの統合の過程で、新たな企業が何らか操業するとして、仮に一部不使用の土地が出た場合に、学校用地としての可能性が出てきますので、関連会社が条例により支援を受けた市の支援策に応えるためにも、そして地元に貢献するという意味からも、行政として土地の確保も含めて、地元のまちづくりの要望を踏まえた対応を、ぜひお願いしたいと要望をしておきます。

誘致企業に「ジョブマッチングよこはま」への登録義務を

そして、次に、雇用対策に係わって伺います。
ハローワークの横浜版としてスタートして4年目になる無料の職業紹介所の「ジョブマッチングよこはま」ですけれども、経年での実績を報告していただきたいと思います。企業の登録数と求人件数、そして求職者の登録数と相談件数、そして就職決定者数について、そして2010年度の実績もお願いします。

茂木市民経済労働部長:ジョブマッチングよこはまへの新規登録企業数は、19年度28社、20年度39社、21年度は72社で、新規求人数はそれぞれ130人、170人、243人となっています。また、新たな求職者登録数は、19年度40人、20年度122人、21年度419人で、相談件数はそれぞれ153件、378件、1015件、就職決定者は9人、30人、102人で、3か年の実績はいずれも増加しています。
22年度の実績は8月末現在、新規登録企業数29社、新規の求人数110人、新規求職者登録数206人、相談件数484件、就職決定者数100人で、前年度同月とくらべ、新規登録企業数は約1.4倍、就職決定者数は約4.8倍となっています。

白井議員:かなり実績があがっているということがわかりました。
開設場所は、横浜駅近くのスカイビルで、民間事業者へ委託されています。委託料の推移と拡充した内容を報告していただきたいんです。相談日や対象年齢やセミナーの内容や職員数についてお願いします。

渡辺経済観光局長:まず、委託料の推移でございますが、19年度は400万円、20年度が445万円、21年度は1111万円となっています。
拡充の内容でございますが、緊急経済対策の一環として、20年の11月にまず個別相談日を週2日から週3日に、また対象者の年齢を35歳未満から40歳未満に引き上げました。さらに、21年4月から対象者の今度は年齢制限をなくしました。そして、就職支援セミナーの充実を図ったところでございます。さらに同年7月からは、個別相談日を週3日から土曜日を含む週6日に拡大するとともに、求人企業開拓員ですね、相手方の職員を1人から2人に増員するなど、事業の拡充を行ったところでございます。

白井議員:委託料を増やして、事業を拡大してきたことがよくわかりますけれども、就職決定につなげるためには、市内企業がより多く登録することが大前提です。なかでも、企業立地促進条例で認定されて、税や助成金で優遇を受けている企業が登録することが必要と思いますし、先ほどもお話聞いたんですけれども、その条例受けている会社全体で57社と思いますけれども、その中で登録しているのが1社しかないと聞いているんですけれども、これでは不十分だと思うんです。条例認定企業への働きかけはどうなっているのでしょうか。先ほども少し触れられましたけれども、お願いいたします。

渡辺経済観光局長:条例認定企業に対しましては、20年12月に直接企業さんを訪問いたしまして、ジョブマッチングよこはまへの登録をお願いしたほか、文書での依頼も行いました。そして、21年翌年11月には再度、未登録企業に対して文書での依頼を行ったという状況です。また、新たな認定企業に対しましては、認定の際に、先ほど申し上げました本事業のパンフレットをお渡しして、事業のPRに努めているという状況でございます。

白井議員:お願いしているということなんですけれども、局長自ら回っておられるでしょうか。ちょっと実態、お願いいたします。

渡辺経済観光局長:いまお答えした20年12月のところはすいません、私まだ局長やっておりませんでしたので、これ私ではございません。その時点で局長でございません。最近は、次々と新規認定がありますので、それは認定書をお渡しするときに、小さいところでは本当に社長さん来ていただいています、あるいは大きいところでも必ず役員クラスが来ていただいていますので、それはもうさしで向かい合ってお願いをしていると。すいません、ちょっとまだ現地を回る所までいっておりませんけれども、努力はしております。

白井議員:ぜひ、能動的攻勢的な取り組みをお願いしたいと思うんですけれども、その条例目的に沿って、立地する際に、ジョブマッチングへの登録、お願いだけではなくって、義務付けをすることも検討すべきと思うんですけれども、見解、どうでしょうか。

渡辺経済観光局長:引き続き、雇用情勢、大変厳しい状況でございますので、先ほど来申し上げている通り、まず、誘致促進条例の意義や目的、市民雇用の増大ということをやっているんだと、そういう内容をご理解いただけるように、丁寧にご説明しながら、粘り強く登録要請を行っていきたいというふうには思っています。また、23年度末に現行の条例の適用期間、終了いたします。先ほどその後のあり方について申し上げましたが、先ほど申し上げました市内企業との取引拡大とあわせて、市民雇用の拡大という視点も含めてより効果的な誘致ツールとなるように検討していきたいと考えております。

しごと支援センターとジョブマッチングの連携強化を

白井議員:それでは、ジョブマッチングでの職業紹介とは別ですけれども、関内の技能文化会館の中にある横浜しごと支援センターでは、職業の準備から幅広いサービスが行われているんですけれども、この実績をお願いします。

茂木市民経済労働部長:21年度の実績ですが、労働相談が1691件で、前年度比約10%の増加、就業相談が690件、キャリアカウンセリングが228件で、それぞれ前年度比約20%増加しています。また、就職支援セミナーは前年度と同じく合わせて5回開催いたしました。

白井議員:横浜しごと支援センターで相談を受けた人が、ジョブマッチングよこはまで職業紹介が受けられれらば、決定につながりやすいと思います。しごと支援センターとジョブマッチングよこはまの相互連携はどのように行っているか、伺います。

渡辺経済観光局長:横浜しごと支援センターやジョブマッチングよこはまでは、相談の内容に応じまして、相互にそれぞれの機関を紹介すると、より適切な機関を紹介するというかたちで連携をはかっております。また、所管事業や雇用状況についての情報の供用をはかって、各機関で円滑な就労支援を推進することを目的に、両機関で定期的に連絡会を開催して、連携を密にしようということで話し合いをしております。

白井議員:職業紹介は国の事業とされているなかで、ジョブマッチング事業は、時代の要請に応えた本市の事業だと思います。そのジョブマッチング事業、1か所では利用しづらくって、もっと身近なところに必要と思うんです。たとえば、教育委員会が学校教育事務所を4方面につくった例もあり、方面別に実施個所を拡大するなど、検討できないでしょうか。

渡辺経済観光局長:先生ご提案のこの事業の拡大・充実につきましては、やはり今後の雇用情勢、あるいは市内4か所のハローワークさんの職の紹介事業の実施状況なども踏まえて、どういうかたちで拡大する必要があるのかとか、どうやったら効果的なのかなどについて、検討していきたいというふうには考えております。

コンビニなどを利用して就職紹介事業のPRを広げて

白井議員:仕事につながるには、この2つの事業「横浜しごと支援センター」と「ジョブマッチングよこはま」にできるだけ早くアクセスできることが、決定的と思うんですけれども、求職中の人に届く広報になっているかが重要と思いますが、どのような方法で広報をしているのか、伺います。

渡辺経済観光局長:まず市内企業の求人事業や職業訓練、セミナーなどの情報を総合的に提供させていただくために、インターネット上にポータルサイトというものを21年9月に開設をいたしまして、周知をはかっております。また、このネット上のポータルサイトと同じ機能を持つ紙媒体もあわせて作成をして、配布をしているというところです。さらに、合同就職面接会などの各事業のチラシを区役所で配布しておりますほか、広報よこはまや本市提供のFM横浜の放送など、各種の広報媒体をできるだけ活用して、積極的なPRを行っておりますし、今後も努めていきたいと考えております。

白井議員:要望をさせていただくんですけれども、若い人から聞きますと、広報についていろんな提案がありました。いまお話のあったこのリーフですけれども、こういうものを区役所には置いてあるということなんですけれども、コンビニやフリーペーパーの配布場所へ置いておくのはどうかとか、それからまたツイッターとかミクシーの広告として、携帯電話の画面から目にとまるようにするということとか、それから商業施設のスクリーンで広告をするなどということなんですけれども、ぜひこれについても検討を要望しておきます。
最後に山田副市長に伺いたいと思います。厳しい雇用情勢の中で、ジョブマッチングなどを所管する雇用労働課の役割がますます重要になっていると思うんですれれども、こういう状況にふさわしく、雇用労働部くらいに位置を格上げして、市民の雇用と労働に責任を果たしていただきたいと思うんですけれども、その格上げについて、認識いかがでしょうか。伺います。

山田副市長:雇用情勢、委員ご指摘のとおり、たいへん厳しい情勢続いておりますので、今後とも神奈川県労働局やハローワークとの連携をはかるとともに、求職者の雇用機会の確保と市内企業の人材確保に向けて、取り組みの充実に努めてまいります。雇用労働課を部として位置づけるということにつきましてですが、現行の組織体制の中で、まずは各区、局、事業本部と連携させて、円滑に事業の実施に努めてまいりたいと思います。