見解/声明
2021年6月4日

2021年第2回定例会の閉会にあたって

 2021年6月4日

本共産党横浜市会議員団長 荒木由美子

1、はじめに

2020年第2回定例会は、5月18日から開催され、5月21日の議案関連質疑、28日の一般質問、31日~6月3日の常任委員会審議を経て、4日、補正予算案など市長提出22議案と議員提出3議案を賛成多数で可決し、閉会。5月18日の本会議では、議長・副議長選が行われ、副議長には議員数第3会派の公明党から選出、議長は第一会派、副議長は第二会派からという慣行は破られました。党市議団は、候補者を擁立し、このことに異を唱えました。本会議では、古谷靖彦議員と宇佐美さやか議員が議案関連質問、みわ智恵美議員が一般質問、討論に北谷まり議員・荒木議員が、また、常任委員会には各議員が臨み、コロナ対策、IRカジノ、大規模開発など市政の重要課題で論戦を繰り広げました。

2、コロナワクチン接種予約の混乱解消にむけ提案を次々と

コロナ対策では、高齢者のワクチン接種予約が大混乱に陥り、その解消が市政の至上命題として浮上。議員室に殺到した苦情を整理すると、必要な情報が発出されていないことが判明、改善を当局に求めるとともに団として市政報告紙を3回発行し、独自の情報提供に取り組みました。また、予約サポートも担いました。事態打開策として地域での接種体制の拡大と周知徹底、区役所での予約支援体制拡充、電話予約枠の拡大と電話台数の増設などを提案、殆どが施策化されました。

3、市長選まえの密室でのIRカジノ誘致手続きはストップを

横浜市は、IR事業者の第一次選考通過者数は2者と公表、企業名は伏せています。これから本選考作業となりますが、選考過程はすべて非公開でこの密室性を徹底批判。選考結果を示す時期は市長選後となろうと副市長が言明。世界のカジノ事業者は、コロナパンデミックで経営危機にあえぎ、有力3社が横浜から撤退。市が見込む820億円から1200億円という増収効果は期待できません。今こそ、IRカジノ誘致を撤回する決断のチャンスと市長に迫りました。市長は、非公開は他都市も同じ、ポストコロナの重要な政策と強弁。カジノの決着をつけるのは市長選ということが改めて明らかとなりました。

4、上瀬谷の巨大テーマパーク誘致事業から相鉄が撤退  開発計画の抜本的見直しは待ったなし

横浜市が主導する上瀬谷通信施設跡地開発計画のメイン事業はテーマパークの立地です。開発主体の相鉄が検討は困難と今般撤退を表明。巨大なテーマパーク構想が、無謀で成算なき計画であったことがコロナ禍で浮き彫りとなったことから、いよいよ開発計画の抜本的見直しが必須と当局を追及。テーマパーク客を当て込んだ瀬谷駅と会場をつなぐ新交通システムについても拙速な事業化は許されません。花博用としては別の交通手段を導入すべきと対案を示しました。

2027年開催予定の国際園芸博覧会(花博)は、入場者数1500万人、有料入場者1000万人をあて込んでいます。コロナ禍に見合った規模と内容かどうかを精査しないまま、遮二無二に突っ走る市長の姿勢を厳しく批判。前市長時代の開国博Y150 の失敗を繰り返さないよう監視役としての党議員団の役割発揮はここでも欠かせません。

5、格差と貧困が拡大しているときこそ、誰一人取り残さないための施策拡充が大事

就学援助制度、生活保護制度の運用改善を要求。横浜市の就学援助率は全国平均以下です。適用要件の所得基準を低く設定しているためです。申請書も改善は図られていますが、更なるシンプル化が必要です。生活保護制度の運用では、申請権を侵害した神奈川区の対応が発覚、これまでの生保行政を総点検し、見直すチャンスです。就学援助では、教育長が、制度説明書をより分かりやすいものにすると答弁。生保行政では、市長が生活保護のしおり見直しを表明。生理用品の女子トイレ配備要求について、教育長は「防災備蓄の有効活用、学校での対応強化を図る」として明言を避けました。

6、昨年採択した中学校歴史教科書が今年も採択に・・・自由社版の検定合格を受け

審議のなかで、教科書取扱審議会での教科書の調査は自由社版のみであることを確認、昨年の採択では、審議会で一番高い評価を受けた帝国書院が採択されています。それまで採択されていた育鵬社の評価は極めて低く、同じ「つくる会」系の自由社が審議会で高く評価されることは常識的には考えられませんが、6人の委員による表決で決まるため予断は許されません。党市議団は市会報告紙を発行、展示会に出向き、教育委員会に市民意見を寄せようと訴えています。

7、脱炭素条例が全会一致で成立、特別自治市制度早期実現を求める意見書には反対

脱炭素条例は自公が提案者、脱原発・脱石炭火力は明記されていないが2019年2月に党市議団が提出し否決された条例案と目指す方向は同じとして本会議と常任委員会の質疑のうえ賛成。市が提唱する特別自治市制度は都道府県制を形骸化し、住民自治拡充の視点が皆無、行政水準の遅れを制度のせいにするのは的外れとして団長が討論に立ち反対を表明。

8月22日は市長選投票日です。あるべき明日の横浜をめざして、共に考える場として、党市議団は6月12日山下ふ頭再開発案、19日ギャンブル依存症と連続してカジノオンラインシンポを開催します。多くの市民の参加をお待ちしています。


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