議会での質問・討論(詳細)
2010年10月7日

【2009年度決算特別委員会】「環境創造局(7日目)」 大貫憲夫

みどり保全で18億円も予算余るなら「みどり税」はいらない

大貫議員:日本共産党の大貫でございます。
 市街化区域内の樹林地保全等について質問します。
 まず始めに、横浜みどりアップ計画は2009年度からスタートだったわけですよね。総括的にどういう、この評価されているのか、伺います。

内藤みどりアップ推進担当理事:樹林地や農地の保全について、所有者のみなさまにご協力をいただき、樹林地では目標の51.6ヘクタールに対して87.8ヘクタールを指定するなど、目標を上回る実績をあげることができました。一方で、森づくりボランティア活動支援など進捗の低いものがあったことが課題であると考えております。今年度は、市民のみなさまとの共同がより広く進むように、早期から周知を行っておりまして、さらに計画のいっそうの推進に向けて取り組んでいきます。

大貫議員:決算みてみますとね、みどり税の税収額は15億3300万円ですよね。不用額、特にみどりアップ計画での「みどり保全創造事業会計」では、これなんと18億円も事業が余っちゃったわけですよね。この事態は市民からみどり税を取っておきながら、事業費を余らせちゃったということは、これどういうふうに市民に説明するんですか。

内藤みどりアップ推進担当理事:樹林地の買取にはみどり税だけではなくて、積極的に国費を導入しておりまして、市債とあわせて事業を進めております。今回の約18億円の不用額は主に相続等不測の事態による樹林地の買取の申し出が少なかったということにより生じたものでございまして、みどり税相当分は約4億3000万円でございます。不用額のみどり税相当分は、横浜みどり基金に積み立て、年度間の調整を行うことによりまして、樹林地制度による指定拡大に伴いまして、今後増加する樹林地の買取に対応いたしております。このため、みどり税は安定的な財源として横浜みどりアップ計画新規拡充施策の推進に必要なものだというふうに考えております。

大貫議員:しかしね、実際に事業費余らせてしまったということは事実なんですよね。だから、みどり税を取らなくても、事業費の使い方によって、予算の立て方によっては、みどり税は取らなくてもいいと私は思うんですよね。同時に、これみてみますと、他にも一般会計の6款の環境創造費でも不用額14億5000万円、不用額出しているんですよ。これほどの金額の不用額出していて、市民から税金とるということ事態、これは私は、これやっぱり市民的に感覚、これ許せないっていうのが市民の感覚と思うんですが、この点については局長いかがですか。

荻島環境創造局長:みどり税の税額につきましては、みどり会計、5年間でみどりアップの主に樹林地の保全、それから買取に対応するために、算定しているわけでございまして、21年度、初年度でございます。今後、まだまだ保全を進めてまいります。それに伴いまして、いま理事からもご答弁申し上げましたように、買取の申し出も出てくると思いますので、今後5年間の期間の中で十分樹林地の保全に対応できるために必要な額というふうに考えておりますので、今後も樹林地の保全・買取に努力してまいりたいと考えております。

大貫議員:ようするに、私がいっているのは、確かにみどり基金のために貯めてく。大事ですよね。だけども不用額があって、不用額は一般会計でいえば財政調整基金もしくは来年度に2分の1積み立てられるんですよ。それを積み立てれば、おおざっぱな言い方だけども、いらないんじゃないですか、みどり税は。

荻島環境創造局長:みどり会計をつくったときの考え方でございまして、一般会計でまず樹林地等の買取にあたると。それで不十分な場合についてはみどり基金のみどり会計をあてるということで、それによって樹林地の保全・買取を進めてでございます。そういう趣旨から、繰り返しになりますけれども、みどり基金でその担保を十分行いまして、5年間で進めていくということですので、確かに単年度できちんと執行することが望ましいということは委員ご指摘のとおりでございますが、私どもとしてはみどり基金につきましては5年間の期間の中で十分活用していきたいというふうに考えております。

大貫議員:長くなっちゃうんですけど、土地をこれから買わなきゃいけないっていうのは5年間だけじゃなくて、もっとずっと続くわけですよ。そういった意味ではもと考えていかなきゃいけないわけですね。このみどり税っていうのは5年間ですよね。私はこれは否定してますよ。だけど、いまいった、やり方では金は貯められると私は思うんですね。指摘したいと思うんですよ。
 それで、副市長ね、いいですか。やっぱり私、これいままでの2倍もの不用額がでていると。私は、今度のみどり税っていうのは、中田前市長が全国的に政令都市で初めて税を投入するという、売名行為的なことだと思うんですけども。これほど予算の余っている。これについては、私は、副市長としてどういうふうに思われますか。このみどり税、私いらないと思うんですけれど。もういちど聞きます。

山田副市長:私はみどり税というものは非常に税金増えるわけですけれども、やはり横浜市民がみどりをきっちり守りたいという、そういう思いの表れで、市民の環境意識の高さがゆえに成立したたいへんすばらしい税金だというふうに思っております。それで、不用額が出たということ事態は、それはもうちょっと執行に努めるべきということで、初年度だったということで、2年度以降がんばっていきたいと思いますし、また、不用額が出たものはきちんと基金に積み立ててみどりのために使うということがみどりの保全の目的として徴収した税の使い方としては、市民の理解が得られるものではないかなと、このように思っております。

マンション計画から樹木を守れ

大貫議員:みどり税も含めてみどりアップ計画で一番大事なのは、計画のパンフレットでも100ヘクタール減っちゃうってわけですね。その中で、一番いま問題になっているのは、やっぱり市街化区域内の樹林地ですよ。それで、この樹林地に対してですね、都市計画法では宅地つくれつくれって方向、そういう要求がありますね。それに対してそれを守る側がみなさんの仕事だと思うんですね。実は期待しているんですよ。その点で、このいわゆる開発を規制をする、これを強化をする必要が私あると思うんですけどね。まあ、建築局の方に言わなきゃいけないと思うんだけども。市街化区域の開発、これを規制する必要があると私は思うけども、局長の考え方はいかがでしょうか。

荻島環境創造局長:私ども、みどりを守って、それから維持していくという立場で申し上げさせていただきますと、市街化区域内のみどりにつきましても、土地の所有者の方々の協力をいただきながら、なるべく利用者に持っていただきながら、必要な場合は我々が維持管理ですとか、不測の事態には買い取るというような対応をいたしまして、保存してまいりたいと、そういう考えでございます。

大貫議員:開発計画があったときに、環境創造局としては、当然ちょっと待てよと、少しでも残そうという対応しなきゃいけないですよね。そういったときに、たとえば具体的に、私、今日は取り上げたいのは、私の青葉区で実は市ヶ尾というところがあるんですよ。市ヶ尾のところで、三菱地所が約1万ヘクタールのところに290戸のマンションつくるということで、その周辺には、今日の私の、撮ってきましたけどね(写真パネルを示す)、こういうふうに周辺のところにこういう樹林がぐうっとこうあるんですね。これ、地域の人の撮った非常に大切なこのみどりになっているわけですよ。これを今度の計画でいうと、三菱地所が10月から切るっていうふうにいっているんですけども。
 この問題で、私はやはりこのみどりを守る、具体的に守るためには、開発規制の中で、環境創造局はどんなことができるんでしょうか。

荻島環境創造局長:開発事業におきましては、横浜市開発事業の調整等に関する条例に基づきまして、開発区域面積に対して一定割合以上の緑化を指導しております。さらに市街化区域で開発面積が5000平方メートル以上の場合は、都市計画法に定める基準に基づきまして、樹木の保存および表土の保全の措置を設計に反映するよう事業者に求めております。

大貫議員:その開発基準法の、都市計画法ですね、ごめんなさい。都市計画法の32条と33条説明してください。

渡邊施設管理部長:都市計画法の33条につきましては、その中で、33条の9項で、「政令で定める規模以上の開発行為にあっては、開発区域およびその周辺の地域における環境を保全するため、開発行為の目的および第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、開発区域における植物の生育の確保上必要な樹木の保全、表土の保全その他の必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること」ということが記述されております。

大貫議員:その基準はありますよね。第9章、樹木の保存等に対する基準、ありますよね。これの中に、じゃあどういう木を守るのか保存するのかというふうに書いてあると思うんですけれども、ちょっとそれどういうものがあるか、説明してください。

渡邊施設管理部長:具体的な原寸の細目について、政令の方、政令の28条の2で定めておりまして、その中で、樹木に関しまして、「高さが10メートル以上の健全な樹木または国土交通省で定める規模以上の健全な樹木の集団については、その存する土地を公園または緑地として配置する等により、当該樹木または樹木の集団の保存の措置が講ぜられていること。ただし、当該開発行為の目的および法33条第1項第2号イからニまでに」。そのような高木とあと集団ですね、そのようなものでございます。

大貫議員:それまさに、高さ10メートル以上の健全な木、高さ5メートル以上の樹木が概ね10平米に1本の割合でまとまって存在する。それが300平米超えたというんだよね。
市ヶ尾のマンション建設予定地 これ見てみますと(写真パネルを示す)、ごらんのとおり、このフェンスは、ここに人がいますね、ですからこれは2メーターなんですよ。2メーター。そうすると、この木は2メーターに対してこれは10メーター以上あるよね。しかも、5メーター以上、この距離は約140メーターあるんですね。幅が4メーター。そうするとこの保存すべき樹林の規定にあたりますね。いかがでしょうか。

渡邊施設管理部長:高さに関するものの該当する樹木もございますし、また高さ5メーター以上の樹木の集団の範囲に該当するものもございます。

大貫議員:該当するんですね。そうすると32条ありますね。32条で、どういうふうにいま協議していますか。

渡邊施設管理部長:現在、事業者の方から樹木の保存、表土の保全に関する計画書というものが提出されたところでございます。今後審査する予定でございます。

大貫議員:ついこの間まではされてなかったんですね。急に質問するっていったら、されているようになったんですね。私、そう思っていますよ。それで、これから協議するんですね。

荻島環境創造局長:計画が10月の6日に出されておりまして、これから内容につきまして協議するところでございます。

大貫議員:協議の結果、これ完全に33条でいう樹木になっているわけだから、環境創造局としてはどういう対応するんですか。

荻島環境創造局長:先ほどの樹木の保存および表土の保全の措置をするところでございますので、事業者にできる限りの努力を求めていくつもりでございます。

大貫議員:できる限りっていうのは、非常にね。だってもう条例でいえば、都市計画法でいえば、これだめよというふうになるじゃないですか。何を出来る限りっていうんですか。それに、この業者の方は10月からはじめから切るっていってたんですよ。私それ聞いたら、なぜこの条例があるのに、法令があるのにそれについてやらないのかと、協議しないのかというふうにいってたわけですね。そうしたら急にやり始めたけども。そういう業者なんです、この三菱地所というのはね。ですから、局としては、やはり法令に基づいて、ノーというサインしてください。

荻島環境創造局長:先ほど委員の方からもご指摘のありました都市計画法施行令の28条のところでございますけども、先ほどの樹木の保存の基準の件でございますが、都市計画施行令第28条の2第1号から、ただしのところをちょっと読ましていただきますが、「ただし当該開発行為の目的および法33条第1項第2号イからニまでに掲げる事項と当該樹木または樹木の集団の位置とを勘案してやむを得ないと認められる場合はこの限りではない」というふうに規定されております。このため、私どもとしては努力するところでございますが、事業者から土地利用計画上、既存樹木の保存は困難というような利用が示された場合は、それ以上の指導を行うことが難しいケースもございます。しかしながら、やむを得ない場合においても、開発調整条例、別に条例がございますので、これに基づく緑化によりまして、新たな緑地を確保するように指導してまいります。

大貫議員:新たな緑地ったって、細い木がそういうところに立つんじゃだめなんですよ。いまある樹木をどう守るかって、これやっぱり局の立場でいえば、そこにある景観を守り、そういう立場に徹底してほしいんですね。
 それで、いまいった話でいうと、この「やむを得ない場合」ですね。形状でやむを得ないっていうで、そういうんですか、形状でやむを得ないっていうのは。

荻島環境創造局長:やむを得ない場合でございますが、開発区域の全般にわたって保存対象樹木がある場合、それから公園等または自主管理緑地の計画面積以上に保存対象樹木がある場合、南下り斜面の宅地予定地に保存対象樹木がある場合、その他土地利用計画上やむを得ないと認められる場合でございます。

大貫議員:一番最後のその他までは、今度の計画では保存樹林がない、それから2番目公園の計画ない、それから南斜面の予定に樹木がない。そうすると最後のやむを得ない事情なんですね。それ、どういう具体的にあると思いますか。見られてますか。

荻島環境創造局長:土地の形状、建物の設計の考え方等で、その敷地内でどうしてもさまざまな施設が現在既存の樹木等にかかって、そこを形状を変更しなきゃいけなければ、その土地利用の本来の目的が達成できない場合などがあるというふうに考えております。

大貫議員:建物の関係で、そういう建物だからやむを得ないというのなら、建物の計画変えればいいじゃないですか。そういう指導してくださいよ。

荻島環境創造局長:私ども、みどりを残すという立場の環境創造局の立場でいわしていただきますと、建物の指導というところとは若干違うところがございますが、都市計画法に基づきます開発許可制度というのは、やはり建物のことと関係するんでございますけども、都市基盤の整備された良好な市街地を形成することを誘導する、失礼しました。都市基盤の整備された良好な市街地の形成を誘導することを目的につくられている制度でございます。樹林地の保存等についても当然都市環境の向上のために設けられた基準と認識をしておりますので、この制度の中できちんと達成するものと考えております。
 ただし、先ほど申し上げましたように、樹木の保存の協議・指導につきましては、同様の規定がございますので、土地利用によっては既存の樹木の保存が難しい場合がございます。しかし、法の趣旨、いま申しました、踏まえまして、最大限努力しているとことでございます。また、やむを得ない場合でありましても、繰り返しになりましてたいへん申し訳ありません。開発調整条例に基づく緑化によりまして、新たに緑地を確保することとしておりまして、今後ともみどり豊かな環境づくりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。

大貫議員:まあ、結論的なことおっしゃいましたけどね、やっぱり時代は少子化時代でね、時代的な背景では宅地投機をするっという意欲はだんだん下がってきますよ。だから法そのものは変えなきゃいけない時期にきていると私は思うんですけどね。それで、やっぱり、最終的にこの問題では、守るという立場でがんばってほしいということは改めて言っておきます。

生産緑地の要件緩和を国に求めよ

 最後に、生産緑地の件、質問します。
 市街化区域のなかの農地、非常に大事ですね。これを守るためには、私は生産緑地が非常に大切だと思うんですが、その考え方についていかがでしょうか。

山田農政担当部長:生産緑地は、委員がおっしゃりますように、たいへん市街地になかでは貴重な緑地空間だというふうに考えております。毎年指定に向けまして相談会等を実施して、都市計画手続きを取っております。

大貫議員:増えていますか。いかがでしょうか。

山田農政担当部長:生産緑地地区でございますが、指定面積、平成16年が351ヘクタールございました。平成21年は340ヘクタールということで、毎年約2ヘクタール減少しております。

大貫議員:なぜ減っちゃうんでしょうかね。なぜ増えないのでしょうかね。そこらへん、教えてください。

山田農政担当部長:農業者の方もたいへん高齢化が進んでおりまして、やはり相続等が発生しますと、制度で買い取り申し出ということができるとようになっておりますで、その辺のことで少しずつ減少しております。

大貫議員:だから、そうすると増やさなきゃいけないですよね。増やすための手立てというのは、環境創造局はどんなふうに考えているのか、伺います。

山田農政担当部長:昨年度、法律ではございません。市の判断基準ということで、変更いたしまして、いままでと若干規制的なことを緩めたことで、少しでも生産緑地の指定が進むように努力をしております。

大貫議員:言葉ではそうなんですけどね、具体的に何か起こさなきゃいけないですよね。みどりアップでは、この事業で具体的に伸ばすための施策というのはどんなことやってましたか。うかがいます。

内藤みどりアップ推進担当理事:いま、山田担当部長が答えました生産緑地の基準緩和ですとか、それから農業自体の担い手育成であるとか、それから農地を保全する手立てなどを講じております。

大貫議員:基本的には500平方っていうのがありますよね。500平米を300平方に縮めるという作業は、これ国の法だから出来ないんだけど、だけど横浜市としてはそれ要求していかなきゃいけないと思うんですけど、どんなふうにやっているんですか。

山田農政担当部長:法律の変更につきましては、正直申しあげまして、国の法の動向を見守っているような状況でございます。

大貫議員:国の動向どうですか。

山田農政担当部長:都市計画法含めまして、全般的に今後見直しを図るというところまでは聞いておりますが、詳細については不明でございます。

大貫議員:見直しを図る方向で結構動いているんですね。こういう期をとらえて、やっぱり横浜市としても協力に、面積の500から300に要求すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。局長にお願いします。

荻島環境創造局長:法の件につきましては、いま農政部長がお答えしましたように、国の動向を見守りたいと思っております。ただし、生産緑地も含めました横浜市内市街化区域内の農地も含めまして、農業の振興につきましては、みどりアップ新規拡充施策、それから従来からの農業施策も含めまして、横浜農業大事だと思っておりますので、しっかりやってまいりたいと思います。

(大貫議員「よろしくお願いします」)


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