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【2009年度決算特別委員会】「交通局(11日目)」 かわじ民夫

地下鉄のワンマン運転は事故・災害時に危険

かわじ議員:おはようございます。日本共産党のかわじです。通告に従って順次質問してまいります。
 最初は、地下鉄の安全対策についてです。
 今月2日、地下鉄ブルーライン、あざみ野発湘南台駅行きの電車が、戸塚駅で停止線に止まらず、800メートル通過して止まった。乗客にはけがはなかったっていうことですが、どういうことだったのか、状況を伺います。

池田交通局長:おはようございます。よろしくお願いいたします。
 本件につきましては、多くのお客様、また市会の先生方にたいへんご心配ご迷惑をおかして、申し訳ありませんでした。
 ところで、10月2日の件ですけれども、15時52分頃、湘南台行きの電車が戸塚駅を通過したため、約800メートル過ぎた所で停車をさせまして、戸塚駅まで退行運転をさせました。総合指令所に電車が駅に停車せず通過した場合には警報を鳴らして知らせる警報システムを設置しているところでございます。このシステムが作動したために、総合指令所の指令長が当該運転士に対して列車無線による呼びかけを行い、列車を停止させたものでございます。
 また、運転士からの聞き取りによりますと、戸塚駅のひとつ手前の舞岡駅を出発後、指令長の呼びかけにより気がついたと説明しており、運転士は何らかの事情により記憶がなくなったものと考えております。なお、当該運転士につきましては、上司に申し出をしまして、手動運転訓練の許可を得て、ATC(自動列車制御装置)による運転を行っていたものでございます。

かわじ議員:その後、事故の原因、調査中というふうには間接的にきいているんですが、どこまで明らかになったのでしょうか。

池田交通局長:当該運転士について、ある病気をもっておりまして、その病気の状況等運転に関してどれぐらい因果関係があるかというようなところを、現在調査をしているところでございます。

かわじ議員:電車の暴走っていうのは、私はたいへん危険だなというふうに思うんですが、そういった暴走はないのでしょうか。そしてまた、始発駅や終点駅についても、どうなるのか説明していただけますか。ATCシステムを装着している装備しているっていうことなんですが、その点も含めて教えてください。

池田交通局長:このような運転士の異常が起こった場合には、列車に運転士異常時列車停止装置、私たちデッドマンと申しておりますけれども、そういう装置を備えているわけでございます。従いまして、AT運転の場合におきましては駅の途中で異常が起こった場合には、次の駅まで自動的に運転を行って、当該駅で止まると。また、ATC運転の場合には非常ブレーキが作動いたしまして、一定の距離、減速をしながら停車をしていくということで、ひとつはデッドマン装置を装着をしていると。
 二つ目には、仮にこのデッドマン装置が機能しなかった場合にはどうなるかっていうことでございますけれども、総合指令所から呼びかけを行って反応があった場合はいいわけですけれども、反応がない場合には、運転士からの反応がない場合には列車を一斉に停止させる装置、こういうシステムをもっておりますので、指令所からその装置を作動させて全列車を停止させて、運行の安全を確保するということでございます。
 また、あざみ野―湘南台における駅の対応でございますけれども、駅においては信号で速度を規制しているわけですけれども、25メートル以下で、時速25メートル以下で走る、列車を走らせるという規制を行っております。
 また、仮に両端の駅で列車が運転士に異常が起こった場合には、ゼロ信号を出すということで列車は自動的に止まるということで、システムをその構成をいたしております。

かわじ議員:ところで、地下鉄はワンマン運転だと聞いています。今回は一人しか乗っていない乗務員が意識を失った。しかし、もしここで乗客に「体調が悪くなった」というようなことが重ったとしたら、どんなふうに対応になるのでしょうか。

池田交通局長:先ほど申し上げましたように、列車が自動的に止まるわけですけれども、駅で止まった場合には総合指令所から駅務員に連絡をして、しかるべき救助を行う。また、途中の駅間で止まった場合におきましては、総合指令所から駅に連絡をしまして、救助に向かわせると。こういう取り扱いをしているところでございます。
 乗客の調子が悪かった、具合が悪くなった場合でございますけれども、同様でございまして、駅の場合には駅員の方に連絡をして、駅務員が救助に向かう。駅間の場合においては、その列車が駅間で止まりますから、総合指令所から駅に連絡、近い駅に連絡をしまして、駅から救助に向かわせるという対応をいたしております。

かわじ議員:体調が悪いのをどう知らせるのですか。

池田交通局長:たびたび通報されるわけですけど、非常連絡通報装置っていうのが列車の中にございますので、具合が悪くなった方がそのボタンを押せればそのボタンを押していただくと。また、まわりの方が押していただく場合もございます。それによりまして、運転士あるいは総合指令所と直接話ができるシステムとなっておりますので、それによりまして必要な対応を指示するということになっております。

かわじ議員:いろんなことが考えられているんだと思うんですけども、しかし電車は運転中何が起きるかわからない。車内、軌道上に限らず、火災や地震等、さまざまなことが考えられると思うんですね。非常な事態を想定すると、ワンマン運転ていうのは非常にリスクが高いんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。

池田交通局長:運転士に異常があった場合、先ほど申し上げましたデッドマン装置あるいは列車一斉停止装置、こういうのが作動しますし、また地震が起こった場合には緊急警報装置に基づきまして列車を止める、止めていくということも想定をしていますし、また、何らかのかたちで列車が暴走した場合には、同一区間、ブルーラインにおきましては250メートルでございますけれども、同一区間にふたつの列車が入らないというシステムを用意して、追突を防止する仕組みになっております。
 また、ホームからの転落事故や列車との接触事故、お客様の接触事故を防止するために、全駅にホーム柵を設置して、事故の未然防止を図っているところでございます。

かわじ議員:私、電車に運転士が一人しか乗ってない、乗務員が一人だなっていうことを考えると、やっぱり不安になりますね。

地下鉄蒔田駅の区役所側にもエレベーターの設置を

 次に、地下鉄のバリアフリー対策についてです。
 高齢者、身体障害者の自立した日常生活および社会生活を保障するために、公共交通機関の設備等を改善するための措置などを課したバリアフリー法が施行されたわけですけども、交通局はその対策をどのように行ってきたのか、伺います。

池田交通局長:地下鉄におきましては、段差解消としてエレベーターの設置などを進め、またオストメイト設備などトイレの多機能化を進めているところでございます。聴覚障害者の方のための設備といたしまして運行表示板などを設置し、また視覚障害者の方のための設備としましては点字ブロックあるいは誘導チャイムなどを装備しているところでございます。さらに、車いす対応の券売機カウンターの整備を順次進めているところでございます。
 なお、ブルーラインについては20年3月開業したわけですけれども、新バリアフリー法等に準じました整備を行っております。

かわじ議員:エレベーターについてもいろいろ取り組まれてきていると思うんですが、どうでしょうか。蒔田駅のエレベーターの見通しがついたということなんですけども、その経過について伺います。

池田交通局長:地下鉄の初期開業区間におきましては、エレベーターを設置いたしておりませんでした。このため、平成4年度以降、横浜市の福祉事業の一環として順次整備を進めてきたところでございますが、蒔田駅につきましては、用地を確保することができず、未整備となって残っていたものでございます。

かわじ議員:蒔田駅、新しく設置されたということなんですが、南区役所の最寄の駅というふうに聞きますね。それで、区役所側にも設置してほしいとの声も聞いておりますので、ぜひ検討いただきたいと思います。
 ところで、私鉄各社では駅構内、そしてホーム、改札口などにエスカレーターの設置が取り組まれています。ますます高齢化が進む中で、市営地下鉄ではエスカレーターについてどのように考えられておられるのか、伺います。

池田交通局長:これも開業当初になりますけど、戸塚から新横浜駅までは地下3階以上の深い駅、あるいは主要な乗り換え駅におきまして、お客様の利便性の向上のためにエスカレーターを設置してまいりました。その後、駅の構造上設置できる駅につきましては、利用者の増加あるいは駅周辺の整備などにあわせまして、順次既設駅にエスカレーターを増設いたしております。また、最近開業しました、これは平成5年度以降になりますけれども、新横浜駅―あさみ野間以降におきましては、利便性向上のため、新線整備時にホームから地上までのエスカレーターを設置しているところでございます。

市バス停の上屋やベンチは市が責任をもって管理・補修を

かわじ議員:最後は、バス停の上屋やベンチについてです。
 市営バスでは事業者でありながら、新たに上屋やベンチは独自予算では設置しないとしていますが、私はこうした考えはおかしいなっていうふうに思っているわけですけども、利用者のサービス向上という点から、どうなんでしょうか。

池田交通局長:利用者のサービス向上からいけば、全部上屋、ベンチがあるのが私は適切だと思っております。しかしながら、道路の幅員、歩道の幅員、こういうものも想定されますし、もうひとつは私どもの経営状況もございますし、そういう点から一定の制約が生じるものと、こう考えております。

かわじ議員:ところでこの設置されている上屋・ベンチの管理はどのようになっているのか、伺います。

池田交通局長:各営業所におきまして、路線を巡回をしておりますけれども、その際など、あるいはそのダイヤ改正に伴います時刻表の貼り替えを行う際などに、その点検を行い、必要な補修を行っているところでございます。また、お客様からご指摘をいただいた場合にも、補修を行っております。
先生ご指摘の広告付き上屋に関しましては、事業者が定期的にメンテナンスを行っております。

かわじ議員:バス停中村橋に設置されているベンチが老朽化して、ベンチのアクリル部分が亀裂が入り、ささくれ状態になっているというふうな、こうした声があるんですけども、確認していただけましたでしょうか。

池田交通局長:確認をいたしました。

かわじ議員:その処置はどうでしょうか。

池田交通局長:補修をしたと報告を受けております。

かわじ議員:上屋・ベンチについても管理者がするのが当然だっていうふうに思うんですね。定期的な点検・管理等をすべきだと思うのですが、どうでしょうか。

池田交通局長:先生ご承知のとおり、上屋かなり多くの数があるわけですけれども、先生ご指摘のように、お客様に安全かつ快適にご利用いただける、こういうふうなことがモットーだと、私も考えております。しかしながら、その数の問題ですとか、いろいろな問題がございますので、私とすれば所管の営業所の職員、あるいはバスの、常時見ているわけですから、バスの運転する乗務員、さらにはこれは期待ですけれども、ご利用になるお客様の力、あるいは沿線の方々の力、これを借りるなど、多くの目で日常的に管理の状態を確認し、するようにし、その上で補修が必要な場合には迅速に対応していくと、こういう考え方でもって対応したいと、こう思っております。

かわじ議員:ぜひお願いします。終わります。