議会での質問・討論(詳細)

2021年10月22日

■決算討論 岩崎ひろし2021.10.22

日本共産党を代表して、2020年度決算に対する反対討論を行います。

まず、山中市長が、市長選の公約を着実に実現させていることを歓迎し、市民の皆さんとともに喜びたいと思います。山中市長は、9月10日、本会議の所信表明で「IR誘致の撤回」、「中学校給食の全員実施」を表明。横浜市民にとって、カジノ反対は7年余、全員喫食の中学校給食は実に半世紀近く求め続けた要望に、実現の道が開かれました。

さらに、整備費615億円、毎年十数億円の運営費負担など、無謀な巨大新劇場構想を撤回しました。2019年4月から分校に移行した北綱島特別支援学校は、保護者をはじめとする市民の願いにこたえて、来年4月から本校に戻ることになりました。

コロナ・ワクチン接種では、深夜・早朝接種の実施、若者向けの接種センター開設など、24時間接種体制に挑戦し、コロナ専門病棟整備も日程化しています。どれも市民の命とくらしを守る対応であり評価できます。10月7日付神奈川新聞が、「山中カラー着々」と報じたように、変化は始まっています。政治は選挙で変えられることが示されました。

本議会では、市長選挙の結果について、いろいろ議論されました。最大会派からは「市長以外に7候補に投じられた票は市長の得票の2倍、100万票あることも事実」との発言がありました。山中市長が1位当選であったことを受け入れたくないということなのでしょうか。また、中学校給食では、「現行のデリバリー型給食が今の横浜には一番ふさわしい」などと全員喫食を頭から否定する大合唱です。しかし、市長選挙に立候補した8人の内、中学校給食について、全員喫食を主張した候補が6人、得票合計約100万票、現行制度の維持を主張した候補が2人、得票は約50万票でした。結果に示された「市民の声」、市民の審判を素直に受け入れるべきではありませんか。

2020年度決算は、林文子前市長が編成した予算の決算です。林市政の12年間は、安倍・菅政権の9年と、ほぼ重なります。振り返りながら、討論します。

まず、「国、言いなりの市政運営」についてです。その典型がコロナ対策とカジノ誘致です。コロナ対策について、わが党は、対策の柱に、「ワクチン接種と一体の大規模検査」、「医療・保健所への支援」、「まともな補償」を求めました。しかし、市は、科学や専門家の知見を尊重せずに後手、後手の対策となった国の方針に従いました。

特に検査について指摘したいことがあります。厚労省が昨年5月に発出した「PCR検査を広げると医療崩壊が起こる」と、検査の抑制を図かる内部文書を配布しました。本市は、この文書に拘泥したために、いまだに検査は大変遅れています。

また、大規模なコロナ対策の補正予算を組んだものの、その財源は殆ど国の交付金であり、独自財源による本市の独自施策は、2020東京五輪に照準をあてた新市庁舎、北西線など大型公共事業前倒し政策がもたらした、市の厳しい台所事情によってほとんど打てませんでした。

カジノIR誘致については、住民投票条例には意義を見出しがたいと否定し、3・4億円を投じて実施方針を作成するなど、国家プロジェクトとして、国の言いなりに推進しました。

しかし、圧倒的多数の市民の反対の前に、市長選挙でカジノ誘致撤回の審判が下されました。山下ふ頭の今後については、地元の関係団体を含む市民との意見交換、有識者や地元の市民等で構成される委員会での議論等により、市が責任をもって、市民合意を図り、慎重に進める必要があります。

第2に、「市民の声を聞かない冷たい市政運営」であったことです。

高い国保料負担には、本当に悲鳴が上がっています。しかし、2020年度に国民健康保険料の値上げを強行し、一人当たり年間平均保険料が2328円上がり、109.120円になりました。

地方自治体に厳しく求めている、「保険料負担を軽減するための一般会計から、国保会計への繰入金をゼロにせよ」との、国の方針にしたがい、31億円も繰入金を減らしたためです。

水道料金値上では、わが党は、コロナ禍の下での値上げに強く反対しました。市は3か月先送りしただけで7月1日から値上げを実施しました。他都市では料金の減免や値上げ計画の中止・延期等、市民生活に過度な負担をかけない対応をとっているなかで、本市の料金値上げは、コロナ禍で苦しむ市民、弱者、水を大量使用する零細業者等への追い打ちになりました。今からでも、値上げの凍結、減免、支払い猶予など困窮世帯への支援策を実施することを要望します。

新市庁舎管理では、閉鎖性が異常すぎます。「開かれた市庁舎」の理念を掲げているものの、市役所を訪れた市民の印象は、そうなっていません。着いたフロアーでは、職員の執務室は見えず、誰がどの席にいるかもわかりません。そのため、「閉鎖的で近寄りがたい」、「中に入ると迷路の様で困る」などの意見が絶えません。開業から1年4か月経過したのに、一向に改善されないのは問題です。

第3に、財政危機を招いた財政運営についてです。

林前市政の最大の問題は、お金の使い方の優先順位が逆さまであったことです。

まず、大型開発優先で市債発行残高を増やしたことです。 

高速道路、港湾整備、市街地再開発等々、大型公共事業を市債発行で次々に進めたため、事業への補助金、負担金など、市費の負担増に歯止めがかかりませんでした。

その結果、一般会計の市債残高は2016年度末2兆4912億円から2020年度末2兆5869億円へと増えました。

次に、市庁舎建設を前倒ししたために財政調整基金が激減したことです。2017年度からの市庁舎建設には、2020年までに一般財源で173億円投入しています。2018年度末に127億円あった財政調整基金の残高が、市庁舎建設を機に60億円に激減しています。新市庁舎建設が、激減の大きな要因になりました。

次に、市街地開発事業では民間開発資本へのお手盛りがひどすぎます。市街地開発事業費の2020年度決算では、横浜駅きた西口鶴屋地区、東高島駅北地区ですすむ民間ディベロッパーによるマンション建設事業に対して、約14億円の支出となっています。

マスメディアでも、「再開発事業で建設されるタワーマンションは、税金が支えている」との報道が多数あります。大手ディベロッパーやスーパーゼネコンへの過剰な支援は、見直す必要があります。

次に、上瀬谷跡地の開発計画を、遮二無二に進めていることも問題です。旧上瀬谷米軍基地跡地の開発計画は、巨大テーマパーク構想も、上瀬谷ラインも、事業の採算性さえ見通せない状況です。にもかかわらず、決算によれば、新交通や周辺道路に4億円、市街地開発に7・5億円を支出しています。

「開発ありき」の進め方で、新たな無駄遣い事業にしてはなりません。本計画は、人口減少社会、気候危機への対策など、現在の社会・経済情勢を踏まえて、一度立ち止まって見直すことを要望します。

以上、述べたように、大型開発優先の財政運営が、財政を危機的状況に陥らせたのは明らかです。地方自治体の本旨は、「福祉の増進」にあります。予算の主役は、「市民のいのち、くらしを守ること」、「市内経済を元気にすること」で、あるべきです。大企業やスーパーゼネコンに奉仕することではありません。予算の使い方を変えなければ、財源は生み出せません。

第4に、3つのゼロは市民の声。 市長と議会は、実現に共同の責任を負っているという側面もあります。山中市長の「3つのゼロ」の公約への批判が盛んです。厳しい財政状況を理由に、「財源の根拠がない。公約の撤回を」とまで求める発言もありました。

では、厳しい財政に誰がしたのか。林前市長の12年間の市政運営とそれを支持・推進してきた議会の多数会派ではありませんか。新しい市長の責任ではありません。

山中市長の誕生は、新しい横浜市政へのスタートラインです。公約は、すぐに出来ることもありますが、多くは様々な課題、困難が予想されます。市民の声を受け止め、実現できるよう、私たち議会が、市民の声をよく聴き、科学や専門家の知見に学び、新しい横浜市政にむかって、「活発に議論をする場」となることを呼びかけます。日本共産党は、市民要望に沿うものであるかぎり、山中市長の公約実現への取り組みに期待するとともに、知恵を出し、協力を惜しまない決意です。

総選挙の火蓋が切られています。横浜では市長交代を実現しました。

今度は国政で政権交代を実現するときです。そのために全力を尽くすことを表明し、2020年度決算に反対の討論を終えます。以上

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