見解/声明
2022年6月7日

2022年第2回定例会の閉会にあたって 市政前進に尽力

2022年6月7日

日本共産党横浜市会議員団長 荒木由美子

2022年第2回定例会は、5月18日の議案関連質疑、20日の一般質問、27日財政ビジョン特別委員会質疑、30日~6月3日の常任委員会審議を経て、本日、補正予算案など市長提出25議案を賛成多数で可決、インボイス実施延期の請願を自・公・国民が不採択として閉会。
みわ智恵美議員が議案関連質問、一般質問に荒木議員、財政ビジョン特委は古谷靖彦議員、討論には宇佐美さやか議員と、市長公約と中期計画、中学校給食、上瀬谷の開発など重要課題で市政を前に進める論戦を展開。財政ビジョン特委では従来の大型開発偏重政策を転換し、「3つのゼロ」など市長公約実現の財源をつくるよう提案しました。

1、新しい「文化体育館」の市民利用料金が約4倍にも引き上げ  25議案中これだけ反対

整備中の横浜BUNTAIは、市民利用施設であるにも関わらず、市民利用料金が旧文体時の約4倍にも引き上げです。
既に開館した横浜武道館では、旧文体の料金をベースに、物価指数を勘案して料金設定したのに対し、新しいBUNTAIの市民利用料金は、興行利用料金の上限を設定しその1割としています。大久保副市長は本会議で「市民の皆様が利用しやすい料金に設定」すると答弁。しかし、旧文体の土日祝日1日貸し切り77,800円が28万6千円へと約4倍にも跳ね上がった市民利用料金では、利用しやすい料金とは到底言えません。利用実態を踏まえて、改善を働きかけることが必要です。

2、次期中期4か年計画(2022年~25年)策定にむけての「基本的方向」に市長公約が記載

次期「中期4か年計画」の策定にあたっての考え方や骨子が公表されました。市民が最も期待していた市長の重点公約である、中学校給食の全員実施については「より多くの生徒への中学校給食の提供」と記され、「中学校給食の全員実施」との違いは明白です。子ども医療費・出産費用については「子育て家庭への経済的負担の軽減(子どもの医療費や出産費用等)」と明記。敬老パスは、「地域における持続可能な交通サービスの確保(身近な移動手段の確保、敬老パス等)」との表示です。

全員制の中学校給食の実施と「3つのゼロ」実現の道筋が次期中期計画に示されるかどうかは今も市長公約をよしとしない自・公が議会の多数を占めるなかで不透明です。中期計画決定の12月にむけて、万単位の市民意見募集とパブリックコメントなど市民が声を上げること、中学校給食、重点公約実現の署名運動を成功させることが本当に重要となっています。

3、上瀬谷の開発 公園部分20㌶増、テーマパーク事業用地20㌶減 自然保存へ一歩前進

荒木議員は、同地で2027年開催予定の花博を取り上げ、開発で現存の貴重な自然が壊されてしまうことを告発、開発計画の抜本的見直しの必要性を強調。今回示された旧米軍上瀬谷通信施設跡地(248㌶)の土地利用計画図では、公園エリアが20㌶増の65㌶に、テーマパークエリアが20%減の70㌶に変更となり、また、敷地全体を整地し全面改変する計画が、緩やかな起伏を有した現在の地形を生かすものにと見直しされました。テーマパーク用地内の河川は当初計画の地下方式の再検討を表明。市民要望にそった貴重な前進です。敷地内の環状4号線の桜並木は伐採・移植の上に道路拡張後に再生する計画です。一方で事業費を766億円とこれまでの590億円から増額し、そのほとんどを国や地主から提供してもらう保留地の売却で賄うとしています。大変リスクの大きい事業と言わざるをえません。計画ありきの事業の見切り発車は認められません。

4、直接投資突出を財政悪化要因としてあげた「財政ビジョン」には賛成

本市は、政令5大市のなかで、1人当たりの社会保障費は低く、大型開発事業などの投資的経費が高いことが財政ビジョンで明らかになりました。今回の財政ビジョンを公約実現にどうつなげていくのか市長に質問「市民のニーズや新しい政策課題に対してしっかり対応していくには、現在の硬直化した歳出構造を転換した上で、政策を展開していく必要がある。財政ビジョンに基づき、歳入歳出両面の取組を進める中で、施策の財源を確保していく」と答弁。古谷議員は10年間で公共事業費を大幅に削減し子どもむけ予算を倍加させた明石市を紹介し、中学校給食の全員実施、「3つのゼロ」を実現するには、大型開発優先政策の転換しかないと市長に迫りました。市長は「子どもが生みやすい、子どもを抱える家族が住みやすい街にするというのは、1丁目1番地と考えている。市民のために最適な子育てのための政策を展開していく」と応じました。

5、中学校給食アンケート実施へ 「全員喫食を前提にすべき」との問いに教育長答えず

市教育委員会は、中学校給食の今後のあり方検討のためのアンケートを今月下旬実施します。
調査項目として、
①中学校の昼食の利用状況
②さくらプログラムの取組状況(給食の印象、受け渡し等)
③現在のデリバリー型給食の評価や改善点、食育の取り組み状況など
④今後の中学校給食を検討するうえで大切に思うことの4点が概要で示されました。
中学校全校で各学年か一クラス、生徒・保護者約3.5万人を対象とします。どういう方式(自校調理方式、親子方式、給食センター方式、デリバリー方式、及びその各種組み合わせ)の全員喫食が望ましいかという設問がありません。全員喫食制の中学校給食の教育的意義・食育効果等を示して、問おうとしていません。これではアンケートを実施する意味がありません。改めて教育長には全員喫食についてのニーズを把握するものに見直すよう申し入れを行います。

横浜市政は、市長公約を市民との約束として大事にしようとする市長と自公が綱引をしている実態にあります。市政の前進は市民パワー発揮が欠かせません。党市議団も真価が試されているとの自覚でがんばります。            

以上

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