議会での質問(詳細)

2011年2月18日

■「予算代表質問」 関美恵子議員(2011.02.18)

※実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

横浜の農業、食の安全、市民生活を守るためにTPPに反対を

関議員:私は、日本共産党を代表し、林市長ならびに山田教育長に質問いたします。
民主党政権がすすめようとしている「環太平洋パートナーシップ協定」いわゆるTPPに対し、反対する動きが強まっています。横浜市議会も慎重な対応を求める意見書を採択したばかりです。
 しかし、政府は、昨年11月「包括的経済連携に関する基本方針」を打ち出し、菅首相は、1月の施政方針演説で「開国の具体化は、貿易、投資の自由化、人材交流の円滑化で踏み出します」と強調、TPPへの6月の交渉参加の姿勢をくずしていません。
こうした動きの背景に、財界3団体による「TPP交渉への早期参加を求める」決議や日米両政府による日米貿易フォーラムで「TPPの幅広い目標は過去の通商協定をさらに超えたものである」と、改めて過去最大の市場開放を日本政府に迫ったアメリカの存在があることは明らかです。
 そもそも民主党政権は、格差・貧困社会を生み出した小泉・竹中構造改革路線から脱する政策を掲げ政権交代を成し遂げ、食料自給率においても40%を50%に引き上げるとしていました。食料自給率を14%に低下させるといわれるTPPへの参加は、民主党政権がアメリカと日本の財界の圧力に屈したものといわざるを得ません。
 TPPは農業に止まらず労働、安全、医療まであらゆる人、物、金の自由化により、地域経済への深刻な影響も指摘されています。
本市の農業生産は全体の0.1%弱ですが、県下では1位を誇り、TPPによる影響を受け、食料自給率や食の安全への影響、さらには医療や地域経済への影響等、市民生活への影響は計り知れません。そこで、市長のTPPに対する見解と、市長としてTPPへの参加交渉に反対し、行動する考えはないか伺います。

林市長:関議員のご質問にお答え申し上げます。
 TPP、環太平洋パートナーシップ協定に対する見解について、ご質問いただきました。
 横浜は、開港以来貿易で成り立ってきた都市です。また、昨年横浜で開催されたAPEC首脳会議では、TPPを基礎としたアジア太平洋自由貿易圏への道筋が示されており、今後世界との経済交流がますます重要になると考えています。一方で、TPPの問題は、農業に限らず経済、産業に大きく影響することから、日本全体の国民的合意を得るため、幅広く検討していただく必要があると考えております。
 市長としての行動については、現在政府において本年6月を目処にTPPの参加可否を判断する方向で議論が進められておりますので、その推移を見守りたいと考えております。

公共事業の優先順位を大型開発から生活密着型に切り替えよ

関議員:つぎに、2011年度予算案について伺います。
 いま、市民の暮らし向きは、いよいよ厳しくなっています。また、国の政治も現状打開と将来不安の解消を求める国民の期待に応えるものになっていません。こういうときだからこそ、地方自治体として、住民のくらしと福祉をまもることが求められ、予算編成もその視点が貫かれなくてはなりません。
 林市長の2回目となる今回の予算案に盛られた、保育所待機児童解消や児童虐待対策など子育て支援での前進は、市民の期待に沿ったものです。問題は公共事業の「選択と集中」の仕方です。特別養護老人ホーム建設37%、市営住宅23%、学校営繕9%、公園と河川整備5%など市民生活密着型公共事業を軒並み縮小しています。
 その一方で、横浜駅周辺大改造、高速横浜環状道路整備、国際コンテナ戦略港湾推進の3つの大型開発事業には、前年度152億円から208億円と大幅増額です。
 市長は、先進的な港湾施設、横浜環状道路など将来の横浜の骨格整備を強調しますが、これでは、市内事業者の事業機会を狭めるだけで市内経済の活性化にも寄与できません。
 中小企業振興基本条例を活かし、実効あるものとするためにも、公共事業の優先順位を大型開発から生活密着型に切り替えるべきと考えますが、伺います。

林市長:予算編成の考え方についてご質問いただきました。
 生活密着型の公共事業に優先順位を切り替えるべきとのご指摘についてですが、23年度予算では、待機児童解消に向けて保育所の新設や改修の予算を大幅に増額したほか、市内中小企業の事業量確保にもつながる道路、公園などの修繕経費の確保、さらには市立学校への空調設備の設置事業など、より市民生活に密着した事業に重点的に予算を計上しております。また、ご指摘いただいた公共事業は、いずれも市内経済の活性化や将来の横浜の発展のために不可欠な投資であり、着実に取り組む必要があると考えています。

2年間で1万7224円の国保料値上げは異常

関議員:つぎに、国民健康保険について伺います。
 新年度の横浜市の1人当たり平均国民健康保険料は12万2917円で昨年より9964円上がります。3年連続の値上げでその合計は2万476円になります。とりわけ、市長の2年間での1万7224円の値上げは異常です。
 横浜市社会保障協議会が昨年行った「2010年横浜市国保実態調査」中間報告によると、市の国保への要望の第1位は、保険料の引き下げで回答者の74.9%を占め、値上げによる市民の悲鳴が聞こえそうです。ところが、市長は、これ程の値上げに対し一言も言及されていません。市として市民への説明が必要ですが、伺います。
 保険料決定において、国の調整交付金がこないことから、新年度も市一般会計から98億円が繰出されます。1人当たり保険料を約1万円引き下げられる額に相当し、他の政令市同様、国の調整交付金がくれば、市費を保険料引き下げにあてることも可能です。
子育て支援策の国への要望で実績をあげられている市長に、今度は、調整交付金で市民運動とも協同し国へ働きかけを強め実現する考えはないか、伺います。
 また、国の調整交付金が望めない場合、現在5.5%の市一般会計繰入率を引き上げ、保険料値上げを抑制する考えはないか、伺います。
 横浜市の資格証明書発行数は、昨年10月現在で3万3597世帯となり、発行率でも政令市平均の約2.4倍で、福岡市につぐ高さです。
 「窓口で払うお金が高く、薬は買えなかった。がまんをした」との青年の話に涙がでました。資格証明書のひどさを突きつけられたようでした。現瞬間もこのような市民が大勢いることを市長は認識しているでしょうか。「接触の機会」などと、役所側の都合で「資格証明書」を大量発行することは問題です。さいたま市や広島市は発行ゼロです。本市においても悪質滞納者と判定するまで資格証明書は発行しない等の見直しを求めますが、伺います。
 また、市は「緊急の場合、医療にかかることが優先です。滞納問題とは別」といいます。そうであれば、緊急の場合、本人の申し出により資格証明書でも3割で医療にかかれることを資格証明書に明記し、周知を図るべきですが、伺います。

林市長:国民健康保険についてご質問いただきました。
 保険料の引き上げについての市民への説明についてですが、高齢化の進展や医療技術の高度化等により、近年医療費の増加傾向が続いています。国民健康保険は、医療費の半分を公費で、半分を保険料としてご負担していただく仕組みとなっていますので、医療費の増加に伴い、1人当たりの保険料も増加することになります。このため、加入者のみなさまへは区役所窓口や保険料のお知らせ等のあらゆる機会をとらえ、保険料の増加理由等についてご理解いただけるよう、ていねいな説明に努めてまいります。
 調整交付金の交付への働きかけですが、毎年国へ要望しておりまして、昨年も6月、国の制度および予算に関する提案・要望書のなかで、国保の調整交付金について配分方法の見直しを要望しました。交付されるまで、引き続き粘り強く様々な機会をとらえて国に働きかけを行っていきます。
 国保会計への市費の繰入率引き上げについてですが、本市では財政状況が厳しいなか、保険料負担を緩和するため、毎年多額の市費を繰り入れています。23年度は前年度を6億円上回る約98億円を繰り入れ、1人当たり約1万円の保険料負担軽減を図っています。
 資格証明書の交付を見直すことについてですが、資格証明書は負担の公平性の観点から、再三の催告にも関わらずそれでもなお納付相談に応じない場合に、滞納者との接触機会の確保を図るために交付しています。従いまして、法令の定めに基づき、適正に運用していると考えています。資格証明書に3割の自己負担額で医療にかかれる旨を明記して、医療を優先するということを滞納者に周知することについてですが、資格証明書が交付されている方は医療機関の窓口でいったん全額10割をご負担いただき、後日保険で給付される7割分については区役所に請求していただくことになっています。従いまして、資格証明書には受診時に3割の自己負担で受診できる旨を明記することはできませんが、後日還付されることについてはわかりやすくお知らせをしていきます。なお、緊急に医療を受ける必要があり、医療費全額の支払いが困難であるとの申し出があった場合には、区役所の判断により、短期の保険証を交付するなど、柔軟に対応しています。

産休・病休の代替に欠員、これでは教育が成り立たない

関議員:最後は、教育の根幹をなす教員に関わって伺います。
 横浜市は、正規教員をあてるべきところを、いわゆる臨任を欠員代替としてあてることが常態化し、今年度は386人にも及んでいます。
 臨任の雇用は長くて1年。「雇用不安から仕事に打ち込めない」との声も当然で、問題は児童、生徒への影響です。そもそも「教育に臨時」があってはなりません。正規教員をあてるべきです。
また、病休や産休の代替は、これこそ臨任の仕事ですが、臨任が定数内の欠員代替にまわされ、確保が困難になって欠員が生じている事態も問題です。
 今年度は小・中で8件発生し、臨任が配置されなかった期間は、小学校の事例で最長61日間、中学校で60日間。昨年は2件、小学校で最長は33日間だったことが報告されています。これでは、教育そのものが成立していません。
 思い切って採用試験における合格者数を増やし、「欠員代替」ではなく、正規教員であてられるよう教員の確保に向けた抜本的な取り組みが必要ですが、教育長に伺います。
 市長は、エアコン設置という教育環境の改善を決断されました。それだけに教育が支障なく行われていることが重要です。教員不足を放置してきた教育委員会について、市長の見解を伺います。
 民主党政権は、新1年生に35人学級を実施し、30年ぶりの定数改定に踏み切ります。わが党も、国民的要望の強い少人数学級の実施を求めてきたことから、評価するところです。
 そこで、新たに107人の教員が必要と聞いていますが、実施への基本的な考え方と教員の確保については、TTを剥がすようなことはやめ、必要数を正規できちんと配置すべきですが、合わせて教育長に伺います。
 当初は2年生も対象でしたが、2年生においても35人学級は必要ということを政府が認めているわけです。しかし、国がやらないのであれば、教育予算を増額し、市独自で実施すべきと思いますが、市長の見解を伺って私の質問を終わります。

林市長:教員採用などについて、ご質問いただきました。
 正規教員の欠員等の状況についてですが、産休など様々な事情により欠員等が生じるのはある程度やむを得ないと思います。しかし、速やかに代替の臨時的任用教員や非常勤講師を配置するよう努力するとともに、各学校内で分担を工夫するなど、教育活動に支障がないよう対応していると聞いております。
 35人以下学級の取り組みについてですが、学級編成基準については法律の規定により都道府県教育委員会が定めるとされています。先日発表された神奈川県の予算案には、小学校1年生における35人以下学級実施のための予算が計上されています。本市独自で小学校2年生まで35人以下学級を編成することは困難ですが、小学校への児童支援専任教諭の配置を拡充するなど、きめ細かな教育を推進していきます。
 残りの質問については教育長より答弁させていただきます。

山田教育長:教員の採用などについてご質問をいただきました。
 人材確保に向けた対策についてでございますが、県の定数の枠内で可能な限り正規職員が配置できるよう採用試験の合格者数を決定をいたしております。しかしながら、合格者数を決定した後に生じる定年退職以外の退職あるいは児童生徒数の増減によるクラス数の変動など、不確定な要素があるため、一定数の欠員が生じることはやむを得ないというふうに考えております。
 35人以下学級の基本的な考え方と人材確保についてでございますが、小学校1年生の学級編成については、23年度は基本的に1学級35人以下とする予定でございます。人員については、23年度は臨時的任用職員を当てて対応をいたします。24年度以降につきましては、35人以下学級実施による増員分も採用計画の中に取り入れて、確保してまいります。

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