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2023年1月1日

日本共産党の2023年横浜市会議員選挙の訴えと重点政策

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この横浜を住み続けたい街、選ばれる街にするために市民とともに

日本共産党の2023年横浜市会議員選挙の訴えと重点政策
日本共産党横浜市会議員団 日本共産党神奈川県委員会 2022年11月24日

市民のために仕事をする市政にするには市議会を変えるしかない

横浜市会議員選挙は、2023年4月9日投票で県知事選・県議選とともに実施されます。
今回の横浜市議選は、市長が林文子市長から日本共産党が自主的支援した山中竹春市長に代わって初めての選挙となります。日本共産党は、市民の要求が実現する市政、もっともっと子どもの笑顔がはじける「まち横浜」にするため総力をあげがんばります。
山中市長が市長選挙で掲げた公約の多くは、カジノ誘致撤回、コロナ対策の推進、「3つのゼロ」など市政を確実に前にすすめる市民本位の政策です。市長は、子どもと、住民の暮らしに焦点を当てて、小児医療費ゼロ、全員制の中学校給食など市政に新しい流れをつくろうとしています。市民本位の市政発展の展望が開けました。しかし、市議会では、大軍拡と改憲にひた走る自公政権と連動して大型開発を優先し、市民の暮らしを後回しにする従来型の政治を数の力で推し進めようとしている自民党・公明党が多数を占め、壁となっています。
2021年夏、市民要求を掲げた新市長を誕生させました。こんどは市議会を市民の声が届く議会に変える番です。市長を変えた市民の大きな力、運動で議会の壁を打ち破ることです。
日本共産党は、一貫して市民こそ主人公の市政を訴え、市民のみなさんとともにたたかってきました。新市長が初心を貫き、市民の方を向いて市政運営をするためにも、日本共産党の現有議席の確保と新たな議席獲得はなんとしても実現させたいのです。
市民のみなさんの大きなご支援よろしくお願いします。

1日本共産党の躍進で市政転換をより確かなものに(日本共産党躍進の意義と争点)

(1)市民と野党の共同候補が自・公推薦候補破り、市政転換に道筋を

2021年8月22日投開票の横浜市長選挙は、立憲民主党が推薦、日本共産党が自主的支援した市民と野党の共同候補である山中竹春元横浜市大教授が、50万票余を獲得し、自民党・公明党の推す小此木八郎元国家公安委員長に18万票の差をつけて圧勝。この勝利は、自・公の後押しで林文子前市長が推進してきたIRカジノ誘致撤回を決定づけるとともに、今後の横浜市政に新たな展望を切り開きました。
山中竹春市長が着任した8月30日時点での横浜市会(定数86)の会派別議員数は、自民党・無所属の会36人、立憲・国民フォーラム20人、公明党16人、共産党9人、無所属4人、欠員1であり、山中市政誕生に積極的役割を果たした議員は、全体の三分の一を占めていただけです。IRカジノ誘致反対の声が党派の違いを超えて燎原(りょうげん)の火のごとく広がり、たたかいのエネルギーとなったことが浮き彫りとなりました。
山中新市長は、就任後初の議会でIR誘致撤回をキッパリと宣言、新型コロナウイルス感染症対策にデータサイエンスと医学的知見の活用、市長選の重点公約であった「3つのゼロ」(子どもの医療費ゼロ、出産費用ゼロ、75歳以上の敬老パス自己負担ゼロ)と中学校給食の全員実施について、「実施を目指す」と明言し、北綱島特別支援学校の本校復帰、巨大新劇場構想の撤回など公約にそって市政を進める意思を明白に示しました。中学校給食の全員実施化は、長い間、まかり通っていた「愛情弁当」論からの決別であり、横浜の教育にとって画期をなす前進です。

(2)自公による執拗な妨害・抵抗

議会の多数を占める自・公は、山中市長就任直後から市長の選挙公約批判のオンパレード、〝「3つのゼロ」は財源がない〟、〝中学校給食は選択制の現制度が最善だ〟、〝小児医療費無料化は国の仕事〟、などと市長公約をターゲットにした市長批判の大合唱です。以下、その一部を紹介します。

=市長初の2021年9月議会では=
自民党は、「敬老パスの自己負担ゼロは取り下げるべき」、「市長はなぜ小児医療費ゼロにこだわるのか」、「(完全給食の実施について)行政の継続性がゆがめられないことを望」む、「現在の選択制を安易に変えるべきでない」、「学校ごとに方式異なるのは平等でない」
公明党は、「医療費ゼロという公約は、これまで積み重ねてきた(議会の)経緯を軽視している」、「選択制の中学校給食は市会の総意で実現したもの」。

=2021年12月議会では=
自民党は、「共産党市議と市長が並んで映っているポスター、推薦受けた立憲に失礼」、「衆院選で自公が過半数確保、共産党とかなり深く連携して市政運営していると見える山中市政とねじれている」、「IR住民投票条例の署名が市長選挙に使用された否かについて調査を」。
公明党は、「現在の選択制のデリバリー型給食を発展させることが最適な手法」、「出産費用は市町村ではなく国の制度による対応が望ましい」。
市長は、こうした激しい抵抗のなか、初めて編成した2022年度予算には、市長選の重点公約であった「3つのゼロ」と中学校給食の全員実施に関する予算を計上することはできませんでした。また、中学校給食についても「より多くの生徒に提供したい」と「全員制」を口にしなくなりました。自民党からは「市長就任の数か月を経て市政の現状を理解されたので予算案は無難な内容になっ」たと評される一方、多くの市民から「がっかりした」、「失望した」との声が上がりました。

(3)市長公約を理解・歓迎し、実現を目指す日本共産党の奮戦記

これに対して、日本共産党は、市長の公約のなかで市民の願いと一致する公約を確実に実現させるために市民とともに議会の中でも外でも力を尽くしました。
議会論戦と市長への働きかけでは、とくにコロナウイルス感染症対策に注力し、ワクチン接種体制、保健所体制、医療機関支援策等の拡充に結実させました。コロナ専門病院開設、コロナワクチン24時間接種体制などは、コロナの専門家を任じた市長への市民の期待に応えるものでした。中学校給食では、首尾一貫して全員喫食の意義と実施方式としては学校調理方式原則論を展開、小児医療・出産費用の無料化は、「福祉充実に留まるだけでなく、子育て世代の定着と移入につながり、税収増となる」、敬老パスの無料化は「外出支援であり、医療費削減効果もある」などと、市長の目玉公約の正当性の解明と深化に努めました。
市長公約に責任を負う会派が議会の少数派のなかで、市長が公約を政策として具体化するのは容易ではありません。市長公約を自らの要求としてとらえて、能動的に動く市民が多くなり、世論と市民の運動が市長の味方となって、抵抗勢力の自公を包囲することがどうしても必要です。その契機となる各種取り組みを必死で行いました。予算要望ヒアリング、中学校給食シンポジウムをオンラインで開催し、市民との共同を広げました。市政ニュースを連続して発行、各戸に、駅頭で配布して、みんなの声を市政に届けよう、パブリックコメントに参加をと市民に広く呼びかけました。また、2022年初夏には市民要望アンケート活動にとりくみ、約9千人が寄せた回答では、市長の重点公約に対し「公約通り進める」という回答が中学校給食65%、小児医療費ゼロ57%、出産費用ゼロ53%、敬老パスゼロ・負担軽減57%を占め、強い期待があることを確認し、その結果を市長に届けました。
2022年初夏から市民運動団体が、「3つのゼロ」・中学校給食全員喫食の公約実現を求める署名運動を開始。学校給食問題に取り組む二つの市民運動体も共同で「すべての中学校でみんなができたてを食べられる給食を」と署名運動に着手。世論喚起に努めました。

中学校給食の全員実施と「3つのゼロ」が実現に向け前進「中期計画」素案に明記

こうした活動の積み重ねが市長に力を与え、市長は、自・公の抵抗を突破し、中学校給食の全員実施と「三つのゼロ」の実現にむけ、初心通り踏み出しました。市長は、8月末に基本戦略を「子育てしたいまち、次世代を共に育むまちヨコハマ」とした「横浜市中期計画」素案を公表、そこで、全員喫食の中学校給食と小児医療費無料化の二つは、実施時期などが明示されました。出産費用ゼロについては妊娠等にかかる「経済的負担の軽減を図」るとし、敬老パス負担ゼロは総合的な移動サービスとして「検討」としています。そして、計画期間中の「財政見通し」で、実施を前提として小児医療費助成の拡充、敬老パス75歳以上の無料化などに240億円見込みました。

(4)横浜市会議員選挙―2つの重要な意義と2つの争点

市民のみなさん、2023年3月31日告示、4月9日投票で横浜市会議員選挙(定数86)が行われます。日本共産党は現有9議席の絶対確保と議席増をめざしています。これを達成できれば、第1に山中市政下で前進しはじめた377万市民の暮らしを守り、福祉を充実し、子育て支援など市民本位の各種施策を市民との共同でもっと前にすすめる最も確かな力となります。
第2に国政で安倍政治を継承した改憲・大軍拡路線を一気に推し進めようとしている岸田自公政権に痛打を与え、山中市政誕生に力を合わせた立憲民主党との共闘強化と国政転換の展望を横浜から開くことになります。

第一の争点
新しい流れを支え、市民の暮らしを守る政党・議員か
それとも古い政治にしがみつき、市民の暮らしをないがしろにする政党・議員か

山中市長が任期4年間で重点的に取り組む政策を取りまとめた「中期計画」素案2022~2025では、基本戦略として「子育てしたいまち、次世代を共に育むまちヨコハマ」を位置づけ、掲げた9つの戦略の一番目に「すべての子どもたちの未来を創るまちづくり」を持ってきました。小児医療費助成の拡充、出産費用の無償化、待機児童・保留児童の解消、中学校給食の全員実施など子ども・子育て支援と教育の充実に重点を置いた政策展開は、出生率の向上、若い世代の呼び込み・定着を促し、まちの潤い・賑わいをもたらします。そして、戦略の二番目は、「誰もがいきいきと生涯活躍できるまちづくり」とし、介護、医療、保健・福祉の充実を図ります。明日の横浜を築くこの新しい流れを止め、山中市政の足を引っぱっているのが自・公です。自民党からは、今でも、カジノに代わる財源はない、稼ぐという視点が弱いといった主張が声高に上がっています。古い政治の再来を許してはなりません。中期計画は12月の本会議で議決。新しい流れを奔流にするには、林市政から山中市政に転換させる上で大きな役割を果たした日本共産党が現有議席の絶対確保と議席増をはたして、発言力と影響力を増すことがどうしても必要です。 奔流(ほんりゅう)…激しい流れ

第二の争点
岸田政権による悪政に正面から対決できる政党・議員か
それとも国の悪政を市政に持ち込む政党・議員か

林前市政は、IRカジノ誘致に熱中し、新市庁舎、高速道路北西線などの大型開発事業を突出させ、誘致大企業への巨額な助成金と再開発事業への補助金支給など大企業・大手デベロッパーに大盤振る舞いする一方で、連続的な国民健康保険料の引き上げ、小児医療費助成制度に一回ごと上限500円の一部負担金の導入、小規模校を不適切と断じて学校統廃合と北綱島特別支援学校の分校化の強行、65歳以上が対象のシニアパスの大幅値上げなど、市民生活軽視の逆立ち政治を推し進めました。この政治を議会から進めてきたのが自・公です。自・公が主導した市政の継続に野党共闘と市民との共同が21年8月ストップをかけました。
岸田政権は、ロシアの蛮行、北朝鮮の度重なるミサイル発射などを受け、軍事費2倍化、敵基地攻撃能力の保有、武器輸出、9条改憲に乗り出しています。そして、更なる原発の再稼働と新設までももくろみ、医療、介護や年金制度の大改悪に前のめりです。こうした平和と国民の暮らしを壊す悪政を横浜市政に持ち込もうとする自・公の議員を増やすわけにはいきません。日本維新の会は、自民党も言えないような「核兵器の共有」を主張、9条改憲にむけ憲法調査会を早く動かせと太鼓をたたき、大軍拡や原発再稼働の旗を振るう「自民党よりもより極右的立場から自公政権を引っぱる補完勢力である」(2022年9月22日志位和夫党中央委員長)と日本共産党は見ています。首長が維新の大阪府では新型コロナの犠牲者が6712人(22年11月23日午後7時半)で全国最多、人口比で全国平均の倍です。急性期病床や保健所を削減し、全国最悪の犠牲者数を招いた維新政治の責任は重大です。カジノ誘致に熱中し、「身を切る改革」「行政改革」の行きつく先がどこか見極めることを呼びかけます。

2日本共産党市会議員団の活動と掲げる重点政策

(1)物価高・コロナ危機から市民の暮らしといのちを守る
 3年にも及ぶ新型コロナウイルス感染拡大に対して、日本共産党は、毎回の議会で取り上げるとともに、これまで11回に及ぶ必要な対策を求める要請行動を市長に対して行い、ワクチン接種体制の加速的整備、保健所職員の増員、医療機関への財政支援等実を結びました。暮らしと営業を脅かす物価高騰に対しては、食材費と光熱費の高騰に苦しむ保育園、学童クラブ等の児童福祉施設、障害者や高齢者等の社会福祉施設への財政支援の必要性をいち早く唱え、そのための予算(12事業63億円)が9月議会で成立。

●新型コロナ対策等に機動的に対応するために全市一か所の保健所を方面別に分散・設置します。保健所支所にあたる区福祉保健センターには医師を必置とします(22年9月1日現在4区で医師未配置)
●病院数、病床数を増やし、配置の偏在を正します
●新型コロナウイルス感染症対策としてのワクチン接種体制、PCR検査体制、発熱センター体制充実などで求められる公的役割を果たします。
●物価高に苦しむ市民の暮らし向きに寄り添う支援策をハード・ソフト両面から講じます。
●国に対して消費税減税とインボイス廃止を求めます。

(2)子どもを産み育てたい街に若者に魅力ある街に

横浜市教育委員会は、すべての生徒に満足してもらえる給食を提供するとして、中学校給食を選択制から「中学校給食の利用を原則とする」に転換しました。4年前の市議選で日本共産党が訴えた「カジノより中学校給食を」は達成です。しかし、実施方法をデリバリー方式としたことについては、子どもの利益を後景に追いやった余りにも安易で誤った判断として不同意を表明、市教委の調べでも学校調理方式が72校で可能であることに着眼した見直しを強く求めます。学校調理方式でないと食育も地産地消も成り立ちません。
小児医療費については、前回選挙で訴えた18才まで無料化は未達成ですが、一部負担金の廃止と所得制限の撤廃で中3までは文字通り無料とするところまで来ました。日本共産党が市長選で山中市長を応援し、誕生させたことの具体的成果の一つです。

●小学校での35人学級の拡大は国の方針を前倒しすすめ、中学校・高校にも導入をはかります。さらに30人以下学級をめざします。
教員の多忙化を解消し、「教員の未配置」をなくします。
●学校給食費など義務教育費無料化をめざし、就学援助制度を拡充し、誰もが安心して学べる条件を整えます。
●学校トイレに生理用品を配備します。
●中3までの小児医療費助成制度を18歳まで拡大します。
●待機児童ゼロはもちろんのこと保留児童を大幅に減らせるよう保育所整備等を図り、保育の質向上にむけた諸対策をすすめます。
●学童保育への公的支援を抜本的に強めます。
●増え続ける児童虐待から子どもを守るため区役所・児童相談所の機能強化と体制充実をはかります。
●出産費用の無償化に向けて、国への働きかけをつよめ、市独自の軽減策を検討します。
●高校奨学金制度を拡充し、大学等奨学金制度創設をはかります。

(3)誰もが安心して住み続けられる街に

2022年4月1日現在の市内特別養護老人ホーム施設は164か所、定員16982人、入所待ちは5330人です。入所待ち期間は、4年前は約1年でしたが現在は10か月です。日本共産党は、前回選挙で入所待ち期間の短縮を公約にかかげ、年600床の整備を確実に行うよう当局に働きかけてきました。
全国20の政令指定都市のなかで国民健康保険証取り上げとなる資格証明書と短期保険証の発行ゼロは横浜市だけです。市民の運動と党市議団による長年の主張が行政を動かしました。

●特別養護老人ホームを増設し、待機期間を大幅に短縮します。
●加齢性難聴者むけの補聴器購入助成制度をつくり、認知症の最大リスクを低減します。
●国保料・介護保険料を各会計の積立金のフル活用と、一般会計からの繰入れを増やし、値上げをストップします。
●障害者施策全般に当事者の意見を取り入れて、バリアフリーのまちづくり、障害児・者、難病患者の負担軽減、働く権利、教育を受ける権利を守り、差別解消の取り組みを拡充します。
●横浜市の全国に誇れる制度である現行敬老パス制度を維持・充実させます。費用負担についても軽減・無料化をめざします。
●バス路線の一方的な廃止、減便を止めさせます。生活道路・歩道の整備と狭あい道路の拡幅をすすめ、高齢化と郊外部の人口減少に対応した、ミニバスやコミュニティバスなど地域公共交通網の充実をはかります。
●住まいは人権の視点から、市営住宅の増設を軸にした住宅政策をすすめます。既存市営住宅の高層化建替により生じる空地を使えば、用地不足は解消します。
●小規模事業者に焦点を当てた施策展開にむけて予算と人員を増やします。公契約条例を制定し、市発注工事現場等で働く人の適正な労働条件・賃金を確保します。
●省エネ化、バリアフリー化、耐震化むけの現行住宅改修(リフォーム)助成制度を拡充します。

(4)災害に強く、平和と市民自治を大切にする国際都市へ

横浜市はその地形や位置、急膨張した人口と都市部形成などから、災害のリスクが高い都市です。首都直下地震、気候危機に伴う風水害の激甚化・頻発化への備えに手は抜けません。
危険な崖地、ブロック塀、防災スピーカーなど市民の声と党市議団の系統的な改善提案をうけて、前進していますが、まだまだ足りていません。

●防災・減災予算を大幅に増やし、消防力を強化し、地震・火災・風水害など災害種別に応じた未然防止策を講じます。
●ノースドックなど市内米軍基地の基地機能強化を止め、根岸住宅地区・池子住宅地区などの未返還基地の早期全面返還をはかります。
●海外15都市と姉妹友好都市、パートナー都市の連携協定を結び、国際局を有する国際港湾都市として、憲法9条を生かした東アジア文化都市事業などの都市間交流と国際平和講演会開催など国際平和事業を旺盛にすすめます。
●横浜市は、巨大都市ゆえに市民からすると役所の仕事を身近に見る機会は一般市町村と比較にならないほど少なく、多くの市民にとって区役所は各種手続きの用を足す場でしかありません。地域のことは地域住民がきめるという市民自治は名ばかりです。
区に分野・階層・地域の代表によって構成される「地域協議会」など住民の声を結集し、議論し、この結論を市長が尊重するといった仕組みをつくります。
●議員歳費の適正化と、開かれた市議会にむけ政務活動費の使途透明化をはかります。

(5)みどりあふれ、気候危機打開とジェンダー平等で先進都市に

旧米軍上瀬谷通信施設地区で新たに整備する公園面積は、当初計画45㌶でした。それが、65㌶へと20㌶拡張されました。これで地区内を南北に流れる相沢川両岸域に広がる谷戸地形が一部ですが保全・継承されます。また、公園整備は現況地形をいかし、和泉川の源頭部も保存します。同地区内の公有地は公共目的に限定すべき、貴重な水辺空間と生態系を破壊しないでと繰り広げた市民の運動と党市議団の論戦が行政を動かしました。

〇緑と土、水に触れられる都市環境を

・遅れている地域公園の整備と、計画的に老朽化公園の再整備をすすめます。
・用途地域の見直しは、経済性・利便性優先ではなく、住環境保全の立場から地域住民の納得を得ることを原則とします。
・上瀬谷開発は、汚染土壌を完全撤去し現存の自然環境を生かしたものとし、全面的に切土・盛土する土地改変計画は見直します。
・2027年開催予定の国際園芸博覧会(花博)は、有料入場者数1000万人という巨大すぎる現計画をよりコンパクトな計画とし、市費負担を削減し、赤字発生リスクを解消します。
・三ツ沢公園での第二球技場構想は白紙に戻し、その必要性、場所、整備手法など市民的議論を呼びかけます。
・都市農業を街づくりの重要な柱に位置付け、農業生産の拡大、地産地消の多面的発展をはかります。

〇気候危機打開策として

横浜市は、2050年ゼロカーボンシティーの表明は2019年6月で、全国では4番目の早さです(2022年8月31日現在表明自治体数766)。そして、策定中の横浜市地球温暖化対策実行計画では、2030年度のCO2排出量を2013年度の半分とする目標を掲げています。国(2013年度比46%)より高い目標は、市民の運動と党市議団の要望に応える姿勢として評価できますが、地域で脱炭素に取り組む市民からは、その実効性への不安と、目標はもっと上げるべきとの声が上がっています。

・横浜市の2030年度温室効果ガス削減目標50%(2013年度比)を60%に引き上げ、達成に必要な手立てを専門家の知恵も借りて編み出し、実行します。
・市民が参加しやすい再生可能エネルギー生産は太陽光パネルの設置です。設置を促すインセンティブ導入とマンション・建売事業者への設置義務化をはかります。
・事業活動からの排出量削減にむけて事業者との協定を結ぶ制度をつくります。
・横浜市は域内の生産できる再生可能エネルギー量は、最大で消費量の1割といわれています。再エネポテンシャルの高い東北地方等の自治体との連携を強化して、生産量を増やし、それを受け入れる市内企業を広げます。
・省エネも再エネに劣らず重要です。「省エネ住宅補助制度」適用する住宅建設を主流にし、省エネリフォームが加速する措置を講じます。

〇ジェンダー平等

・医療、保育、介護など女性が多く占めるケア労働者の処遇改善をすすめます。
・ひとり親世帯支援策を拡充します。
・女性の就労を保障する対策として、待機児童・保留児童対策を充実させます。
・男性の育休取得率を引き上げます。
・性暴力、ハラスメント、DV等に関する相談体制を強化します。
・痴漢ゼロにむけた対策をすすめます。
・横浜市の各種審議会と管理職への女性登用を計画的に引き上げます。

(6)大型開発と大企業優遇策をストップし、市民のくらし優先の市政を築く財源をつくります

林前市政は、新市庁舎、高速環状道路南線・北西線、南本牧ふ頭、横浜駅北西口と東高島駅北地区等での民間開発への巨額な補助金など大型開発に多額の市費・市債を注ぎ込み、市財政を悪化させました。その責任は、議会側からアベ・菅成長戦略を進めてきた自・公が負うべきです。
日本共産党は、こうした巨大事業への野放図な公費投入を徹底批判、ムダ削減に尽力してきました。横浜市は、北西線トンネル工事を首都高速道路と大手ゼネコンに発注、先に発注した首都高は後者より65億円も高いことの不合理を指摘し、適切な金額への見直しを要求。21億円削減させました。横浜駅北西口のグローバル企業向け超高層マンション建設事業への45億円補助金交付も根拠が希薄として、大幅削減を要求、市費負担分2.5億円をカットさせました。更なる減額にむけ、働きかけます。山下ふ頭の将来のありかたは開発事業者主導ではなく、市民参加型で検討していきます。
山中市長が中期計画で示した市民本位の政策と日本共産党が提起する政策実現には、一定の財源が必要です。高速道路、都心部開発、新たな巨大ふ頭、米軍上瀬谷通信基地跡地での国際園芸博覧会開催とテーマパーク誘致構想など国策として進められている不要不急、あるいは過大な大型公共事業と、誘致大企業への助成金等の特別措置の見直しは待ったなしです。自・公は、これらの事業を「行政の継続性」の名のもと、山中市長に押し付けることに躍起となっています。ここにメスを入れない限り安定的な財源ねん出は不可能です。しかし市長はそのメスを握るところには至っていません。山中市長の選挙公約にはもともと巨大劇場以外の大型開発ストップがなく、自・公がつけ入る隙を与えていると言えます。
横浜市の財政を主に支えているのは、市民・事業者が納める市民税、固定資産税などの市税です。税を納める市民の懐を温めることに力を注がねばなりません。市長が「すべての子どもたちの未来を創るまちづくり」と「誰もがいきいきと生涯活躍できるまちづくり」を目指して、これから取り組む小児医療費助成の拡充、出産費用の無償化、待機児童・保留児童の解消、中学校給食の全員実施など子ども・子育て支援と教育の充実と介護、医療、保健・福祉など暮らしの充実に重点を置いた政策展開は、出生率の向上、若い世代の呼び込み・定着を促し、まちの潤い・賑わいをもたらし、税収増をもたらします。また、事業者のほとんどを占める中小企業・小規模事業者の隆盛につながることを最優先とする経済政策への転換も差し迫った課題です。この仕事は大企業中心の政治をすすめる自・公や維新等補完勢力では無理です。日本共産党の躍進で議会の力関係を変えることの重要な意義は財源対策上でも明白です。

3あなたのご支持を日本共産党の候補へ

山中市政は市民と野党の共同が誕生させた市政です。全国最大の政令指定都市で生じたこの出来事に対し大きな注目と関心が、全国から寄せられています。地方自治体首長の多くは自公や維新が与党として支えています。この横浜での新しい政治の流れが本流となって、市民が実感できる大きな変化と成果をあげれば、全国に波及し、地方政治を変える大きなインパクトとなります。横浜市政の前進は、377万横浜市民の今と未来のためだけでなく、全国的意義を持っています。日本共産党の躍進は、市民との共同を広げ・強めて、山中市政を前進させる推進力となります。
自・公は、自ら招いた横浜市の厳しい財政の責任をほお被りして、財源不足を理由に山中市長の市民本位の政策実行を陰に陽に妨害し、従来型の大型開発優先、大企業を優遇する政治をつづけことに執念を燃やしています。日本維新の会は、拠点の大阪ではカジノ誘致に熱中し、「行革」でコロナの犠牲者を多く出している政治を行っています。政党助成金を受け取り続けている政党がいくら「身を切る改革」を唱えても選挙目当てと見破られるだけです。
横浜市政では、日本共産党が5議席から9議席へと躍進した2015年4月以降、家庭弁当から中学校給食全員実施へ、小児医療助成は小3から中3へ、特養ホームは年300床から600床へ、国民健康保険証の取り上げ中止、侵略戦争肯定の中学社会科教科書使用継続にピリオドなど多くの市民要求が実現、前進。カジノ誘致ノーの市民運動が大きく広がり、ついにカジノ誘致を撤回した山中市長を誕生させました。
山中市長が住民の声にもとづく街づくりを進めるためには、切実な市民要求を出発点に市民運動と連携し市政に働きかけ、問題点は率直に指摘し対案を示す日本共産党がなくてはならない存在であることはこのことからも明瞭です。
日本共産党の候補者へのご支持ご支援を大きく広げていただき、現有議席9議席確保と新たな議席獲得へのお力添えを心よりお願いいたします。


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