議会での質問・討論(詳細)
2022年12月9日

■一般質問 古谷やすひこ 2022.12.9

不登校問題などの教育環境の課題解決に向けて

古谷市議:日本共産党古谷やすひこです。党を代表して質問します。

まず、不登校問題など横浜の教育環境の課題について伺っていきます。
質問に入る前に、不登校の子どものいる家庭の実態について聞いていただきたいと思います。私のうちの小学3年生の息子は現在、クラス編成が変わったことをきっかけにほぼ学校には通えていません。上の子どもたちも私も学校や職場にでかけてしまい、毎日、お弁当を置いて一人家で過ごしています。学習面はほぼ何もできていません。しかし学校が終わり子どもたちが下校する時間になると、毎日お友達のところに遊びに行っていることだけが救いです。私も妻も学校との接点がなかなかうまく取れない状態が続いています。基本的な学力が全くついていない中でこの先どうなっていくのだろうかと、漠然とした不安の中、毎日過ごしています。この状況が何年も続いたりあるいは進学のタイミングになったりすると、本当に大変だと思います。

また私に相談があったあるお宅では、中学1年生からずっと不登校で現在中学3年生。基本的に自宅で過ごし、学力を補うために家庭教師や塾をいれて月に15~20万円程度かかっているそうです。今、進学で悩んでいて、希望する私立の高校では出席日数ではなく欠席日数を書くことになっており、入り口からシャットアウトされていると。5教科を学んでいないため公立校を選択肢にできず私学を選択しており、不登校の子にもチャンスがあるようにしてもらえないか、自宅での学習を支えてもらえないかと訴えられました。金銭的な事情を許さない家庭ではこのやりかたは難しいことです。不登校児童生徒の一人一人はその状況も困難さも一人一人全く違います。少子高齢化の中で、子どもたちは横浜の未来にとってかけがえのない存在であるはずです。もっと不登校児童生徒の施策に光を当てていただきたいと強く要望します。

古谷市議:2021年で全国の小中学校の不登校の認知件数が過去最多の24万を超える状況です。本市でも毎年毎年増え続けており、5年前の4559件から昨年は6616件と急速に増えています。この不登校の児童生徒への対応が必要ですし、それだけではなくその周辺にも不登校予備軍の子どもたちはたくさんいると想像しなければいけないと思います。教室が安心できない場だと感じる子どもが増え続けていることを考えると学校の在り方そのものが問われていると思います。一人一人の不登校の状況は違うと思いますが、これだけの不登校児童生徒を生み出している原因について、何が根本問題なのか、まずは伺います。

鯉渕教育長:不登校となった児童・生徒にかかる原因分析についてですが、不登校の原因分析は、なかなか難しいと私も感じております。学校経由の調査は私も見ておりますが、学校からの見立てでしかありません。個別の状況を踏まえますと、先生言われた通り、個別の多くの原因があるように思います。ただ令和3年度について申し上げますと、中学校1年生の新たな不登校の割合が急に高くなっております。これは中学校進学に伴う環境変化の中で、コロナ禍による体験活動などの制限で集団関係づくりの機会が減少したことが影響してるんじゃないかと考えております。

また、個別の不登校の課題につきましては、学校及び教育委員会事務局は、できるだけ親御さんと一緒に、できるだけの対応することとしております。ご友人の方も含めまして、学校、それでもうまくいかないときは教育委員会事務局にご相談いただけたらと思っております。

古谷市議:過去最多の不登校を生み出している要因を改善させるには、子どもも教員も余裕をもって過ごせる環境が必要です。今後、子どもの数が減るわけですからこの機会に、一人一人の教育環境を思い切って改善することに舵を切るべきではないでしょうか。教員の配置について今後は子どもの人数が減る機会に、改善させようとするのか、今迄の水準でとどまろうとするのかどちらなのでしょうか、伺います。

鯉渕教育長:教員の配置に関する今後の考え方についてですが、小学校の学級編成の標準を段階的に35人学級へ引き下げることに伴い、通常の採用数に加えて、毎年約100人程度の増員を今現在、毎年してるところです。全国的に教員志望者が減少している中で、本市としても人材の確保に尽力しておりますが苦慮しているのが実態です。子どもの人口が減少する中で若者人口も減っているわけですが、なんとか35人学級を広げて行こうとしてるというのが現在の動向ではないかと思います。

古谷市議:また、文科省通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」によれば、「不登校児童生徒が多く在籍する学校については教員の加配等、効果的かつ計画的な人的配置に努める必要がある」とあります。本市で、これにもとづいて教員の加配を行ったことがあるのか、なければ増やすべきだと思うがどうか伺います。

鯉渕教育長: 教員の加配を行ったことがなければ導入すべきとのことですが、国から配当されております加配の中に、児童生徒支援加配というのがございまして、それを活用して、いじめ不登校をはじめとした、特に配慮が必要な学校への加配を今現在も行なっております。また、加えて本市ではいじめや不登校、特別な支援が必要な児童生徒への対応などについて学校の中で中心的な役割を担う児童支援専任教諭を全小学校に別途配置しております。

古谷市議:教育環境を改善させるという点では、学校の校庭面積の改善が必要です。本市の校庭面積は国基準の半分しかない横浜基準をつくっています。そのため横浜市の校庭面積は政令市の中では断トツの狭さです。また本市で定めている校庭面積の基準すら確保できていない学校が小学校では64%にものぼります。建て替えも始まっています。横浜の子どもたちの教育環境の改善のため、本市の校庭面積基準を見直し、引き上げることが必要だと思いますが見解を伺います。

鯉渕教育長:本市の校庭面積基準を見直すべきとのことですが、国の基準では地域の実情に合わせて対応してもよいということになっておりまして、本市の小学校では120mトラック、中学校では150mトラックが確保できる面積を基準としております。本市は市街地等で用地確保は大変難しい状況にございまして、先生おっしゃる通り政令市の中で1番少ないグランド面積となっております。また、学校用地の拡大は大変難しいことです。そのため建て替える場合には、より良い環境の向上に向けて校舎をできるだけ一つにまとめ配置を工夫するなどして、校庭面積の確保に努めております。

古谷市議:一人一人の子どもたちの教育環境を改善させようとすれば、今までの学校統廃合方針は見直しが必要だと思いますがどうか、伺います。

鯉渕教育長:学校統廃合の方針を見直すべきとのことですが、本市では横浜市立小中学校の通学区域制度及び学校規模に関する基本方針に基づき、学校規模適正化を進めております。適正規模化を進めることで多様な個性と触れ合う機会が増え、運動会などの行事も盛り上がり、学校全体に活気が生まれるなどの効果が期待できます。今後も関係者の理解と協力を得ながら教育環境の向上に向け、学校の適正規模化を進めて参ります。

小学校で言いますと11クラス以下になると統合を考えるようにしておりますが、11クラスというのは、一学年で二クラスというのはできない状況ということになります。何かあった時にクラス替えができないというのは相当学校運営上厳しくなります。

古谷市議:本市の不登校児童生徒への対応として、ハートフルスペース・ハートフルルームなどがありますが、「校内ハートフル」という、在籍級には登校できないものの別室であれば登校ができる生徒を対象とした事業もはじまっています。この事業に対して、学校側からの手上げ式で、来年度の15校の枠に58校が手上げをしたと聞いています。自分の学校には必要だと手上げをしている全ての学校には校内ハートフル事業ができるように予算をつけていただきたいと思うがどうか、伺います。

鯉渕教育長:校内ハートフルを必要としている学校にしっかり予算をつけるべきとのことですが、本事業はいわゆる校内フリースクールともいえる授業であり、国の報告書においても不登校の早期段階における有効な支援のひとつとして示されております。実施校からは、この授業があるから登校できる生徒も多くいるとの報告を受けています。個別最適な学びの保障につながる有効な取り組みであるため、まずは中学校を中心に実施校を広げていきたいと考えております。

古谷市議:不登校の児童生徒について、学校復帰を前提とせず、学校以外の多様な学びの場もきちんと位置付けようとしているのが文科省通知で出されているし、本市でも実践されている所だと思います。市としてフリースクールなど民間の不登校児童生徒を受けいれている所についてどんな役割を果たしていると捉えているのか、改めて伺います。

また、そこに通う子どもたちに対しても、何らかの支援や援助が必要ではないかと思いますがどうか伺います。

鯉渕教育長:フリースクールなど民間の受け皿の役割に関する認識についてですが、横浜市では不登校児童・生徒一人ひとりにあった安心できる居場所の確保と学習機会の確保を目指し、様々な事業実施している一方、子どもの状態によっては民間ならではの特色を持つフリースクールなどの支援が適してる場合もございます。横浜市ではこれら民間教育施設で構成する横浜こども支援協議会との情報交換や、共同事業も併せて進めております。

フリースクールに通う子どもたちに対して支援や援助すべきとのことですが、フリースクールへ通う児童生徒への学費等の支援につきましては、継続的な支援が必要となる性格のものですから、継続的かつ安定的な財源の確保が必要となります。現段階では国からの財源確保につながる指針等は、示されていないため、費用助成を行うことは困難な状況ですが、本市としましては引き続き国の動向を注視してまいります。

古谷市議:不登校児童生徒の健康診断について、学校だけではない場も提供することが当然必要ではないかと思うがどうか伺います。

鯉渕教育長:不登校児童生徒への健康診断の実施についてですが、学校における健康診断は原則学校で実施するものと考えておりますが、長期欠席等で登校できない児童生徒については、健康診断の意義や実施日など保護者にお知らせするほか、時間を変更するなどの配慮をしてる学校もございます。引き続き、健康診断の機会確保に努めて参ります。

古谷市議:学校の教育条件を改善するという点で、1点特別支援学校について伺います。本市は、県内4つしかないろう特別支援学校のうちの一か所を市が運営されている。川崎を始め他の学校には、言語聴覚士は全ての学校に、手話通訳士は横須賀以外は配置されています。しかし本市のろう特別支援学校には言語聴覚士も手話通訳士もどちらも配置されていないことについて、その専門家の仕事を現場の教員がカバーせざるを得ない状況です。言語聴覚士とは、言語障害や聴覚障害等に対して、その対処法を見出すために検査・評価を実施し、訓練、指導、助言、その他の援助を行う専門職です。さらに医師や歯科医師の指示のもと、嚥下訓練や人工内耳の調整なども行います。先日、視察した横浜市立ろう特別支援学校でも、立派な聴力測定室があり、言語聴覚士さんがいれば、そこで仕事するはずです。また、手話通訳士は文字通り手話の専門家で、ろう学校であるのに手話通訳士がいないのも問題です。横浜市立ろう特別支援学校に早急に言語聴覚士や手話通訳士の配置を行うべきと思うがどうか伺います。

鯉渕教育長:ろう特別支援学校に言語聴覚士や手話通訳士を配置すべきとのことですが、市内唯一の聴覚障害特別支援学校として、これまで教職員が専門性を維持向上させながら、教科指導のほか、社会参加に向けたコミュニケーションスキルの獲得等の教育を実践してきました。近年は、新生児聴覚検査の開始、体内に機器を埋め込む人工内耳の拡大、他の障害と重複する幼児・児童・生徒の増加など、必要とされる支援が多様化・専門化してきております。求められる資質を確保できるよう、専門職との連携を引き続き検討してまいります。なお先生が言及された横浜市立ろう特別支援学校の状況ですが、もう少し説明させて頂きますと、言語聴覚士の資格を持つ教員が一人おりまして、そのものが中心となって聴覚能力検査等を実施しております。また手話通訳士のことにつきましては、職員会議などの事前に時間が分かってるようなものについては、手話通訳士の手配をすることがございます。それから耳鼻咽喉科の医師が来ておりまして、幼児・児童・生徒・教職員や保護者会の医療指導、相談助言を実施しているところでございます。いずれにしましても、特別支援学校につきましては、医療との連携が重要でございますので、そうしたことについては、今後とも引き続き検討してまいります。

上がり続ける保険料でしか成り立たない介護保険制度の打開方向について

古谷市議:次に、介護保険制度について伺います。

介護保険制度が始まったのは2000年4月で、その当時の保険料は3165円でした。そして現在では6500円となりました。その間、介護保険財政ずっと黒字財政で県の基金からの借り入れを行われたことは一度もありません。高齢者にとって介護保険料負担が重すぎるのではないでしょうか。そこで伺いますが、この介護保険料について、今後も上がり続けるのか、長期的な見通しについて伺います。

大久保副市長:介護保険料の長期見通しでございますが、2025年にはいわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるほか、2040年にかけて特に介護の必要性が高まる85歳以上の方も増加する見込みでございます。これに伴いまして、要介護認定者や介護サービス利用者が増え、給付費の増加が見込まれております。このため将来的に保険料の上昇は避けられないものと考えております。

古谷市議:上がり続ける介護保険料の一方でほとんどの高齢者にとって唯一の収入源である年金は下がり続けています。一般財源を繰り入れてでも、上がり続ける介護保険料を引き下げることが必要です。そこで伺いますが、介護保険法の条文の中で、介護保険財政に地方自治体の一般財源を繰り入れることを明確に禁止している条文があるのかないのか伺います。

大久保副市長:介護保険財源への一般財源繰入を禁止している条文の有無でございますが、介護保険法では介護給付及び予防給付に要する費用のうち、町村が一般会計から負担する割合を12.5%とと定めているところでございます。

古谷市議:今後、国で予定されている介護保険制度の改悪の内容について、必要なサービスが保険から外されてしまったりして使えなくなれば、本当に介護が必要な方が使えないような制度になってしまいます。この間、国からはケアプランを有料化することや要介護1・2の生活援助サービスの市区町村への移行についても、この間福祉団体などの大反対を受け改悪の見送りとなりました。市長、本市として国の介護保険制度の改悪で横浜市民が安心した生活が送れないような状況にならないよう国に対してしっかりモノ言うべきだし、また本市独自の財源措置も行うべきだと思いますがどうか伺います。

山中市長:市として国へ意見をし、また必要な財源措置を行うべきとのことですが、現在国において給付と負担に係る制度改正の議論が行われている段階であり、当面は国の動向を注視してまいります。改正内容が明らかになり次第、必要に応じて要望を行うなど適切に対応して参ります。また、本市が独自に一般財源を投入し、保険料の負担を軽減することは介護保険法においては想定されておらず、国も同様の見解を示しております。

4重苦を抱える横浜国際園芸博覧会は一旦立ち止まり抜本的な見直しを

古谷市議:次に、2027年国際園芸博覧会について伺います。

オランダ・アルメーレでの花博で入場者数が想定より大幅に低くなってしまいました。当初200万人と予定していましたが、目標そのものを下方修正し75万人まで引き下げましたが、実績は69万人にとどまりました。集客の上で、コロナ禍での開催というマイナス要因はあったでしょう。たくさん集客をすることを目指すというのは環境面からもこれからの時代では見直しが必要ではないでしょうか。本市はアルメーレの花博の現実を直視するべきです。これをどう見ているのか伺います。

山中市長:国際園芸博覧会についてご質問をいただきました。アルメーレ国際園芸博覧会の入場者数に関する見解ですが、アルメーレ博につきましては、まずここ数年間の新型コロナウイルス感染症の影響が多大でした。それにも関連すると思いますが、工事の遅れによる未完成の部分があったこと、またPRの不足などがあったことにより、当初の目標人数に達しなかったと聞いております。横浜の国際園芸博覧会では、アルメーレの状況も踏まえまして、多くのお客様にお越しこしを頂けますよう、着実な準備と幅広いPRなど国や博覧会協会と連携して取り組んで参ります。

古谷市議:コロナ禍の中で、本市の1000万人の有料入場者を集めるという計画は見直しが不可欠です。2027年の花博は、1000万人の高すぎる入場者目標の問題や、原材料価格が現在高騰しておりこの建設費の高騰問題、1000万人の入場者を運ぶ交通手段問題など、3重苦ともいえる状況です。また、会場建設費用の三分の一を負担する企業からの協賛金が集まらないリスクも入れれば、4重苦です。都市整備局は上瀬谷のポテンシャルについて以前は草原や草地が広がり周辺に豊かな自然が残されていると規定していました。ところが今では郊外部の活性化拠点として大きなポテンシャルを有していると変えています。開発志向であり花博の本旨からも外れているのではないでしょうか。一旦立ち止まって過大な有料入場者数の設定を見直して計画そのものを見直すべきだと思いますがどうか伺います。

山中市長:有料入場者数1000万人の計画について見直すべきとのことですが、博覧会の規模や開催期間等を前提と致しまして、国内の地域ごとの居住人口、開催地までの距離、さらに道路や鉄道など交通アクセスの状況を総合的に考慮した推理推計モデルに基づいた算定を行っております。

また、海外からの来場者数も考慮して需要予測を行っており、適切な計画であると考えております。十分な集客を見込める魅力的なコンテンツづくりを進め、スポンサーメリットが感じられるような企業へのアプローチを通じまして、確実に協賛金の確保に取り組んで参ります。

また、会場建設が着実に進むよう建設費高騰リスクに備えたコストの抑制策も検討していきます。周辺の影響が出ない万全な交通対策を講じるなど、園芸博覧会が様々なリスクに対応できるよう博覧会協会や国などと連携いたしまして、計画の具体化を進めており、見直しは必要ないと考えております。

原発頼みの国のゼロカーボン政策から脱却する本市の気候変動対策を

古谷市議:次に、気候変動について伺います。

本市の地球温暖化対策実行計画のベースとなっている国の計画は、原発が再稼働することが前提となっている計画です。具体的には2030年時点の電源構成で20~22%を原発が占めなければ国が掲げる目標には到底達しません。現時点で、福島の状況が収束されていない中、次々と原発再稼働ができる状況にはありません。国民感情としても次々と原発再稼働を進めることを容認できる状況ではありません。

またそもそも原発が二酸化炭素を出さないと言っていること自体が国民をミスリードする政府の嘘です。核燃料製造や使用済み核燃料の処理、原発の保守点検・放射性物質管理などで大量の電力消費を伴います。その中で最も多いのが青森県六ケ所村にある核燃料再処理施設で、中規模の火力発電所と同等の20万トン以上の二酸化炭素を排出しています。その他、福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」が運転停止中にもかかわらず原子炉冷却用のナトリウムが固まらないように加熱するために多量の電気を使用し4万トンの二酸化炭素の排出源となっています。繰り返しますが、原発による発電事業を全体でみるとが二酸化炭素を出さないというのは間違いですし、そんな原発をどんどん増やすことはそもそも現実的ではありません。そうすると国の計画は絵に描いた餅になってしまいます。

国の計画につき従っていくだけでは、2030年目標も2050年目標も達成できません。気候変動対策で本市が責任を果たすために、従来の計画以上に必死になって再エネの割合を増やさなければならないと思います。ここにこそ本気の決意が必要です。そのために産業構造の転換も必要です。東北大学の明日香壽川教授によれば、「横浜市が2030年に二酸化炭素排出50%削減を再エネで実現すれば、その雇用増の効果は約10000人」と試算し、産業構造の転換が経済合理性にもかなうことを示されています。横浜市が都市部での再エネを進める文字通りリーディング都市となるべきだと思いますが市長の見解を伺います。

山中市長:本市が再エネを進めるリーディング都市となるべきとのことですが、脱炭素先行地域みなとみらい21地区における取り組みや、本市ごみ焼却工場の再エネ価値を活用したハマッコ電気の活用、広域連携による再エネ拡大など、先進的な取り組みを積極的に進めているところであります。2050年脱炭素社会の実現に向けては、再エネの主力電源化が不可欠であると考えておりますので、引き続き再エネの普及・拡大に取り組んで参ります。

古谷市議:再エネを徹底的に進めるためにも、戸建て住宅やマンションに太陽光発電の導入を進めたり、公共施設の全てに太陽光発電の導入を進めたり、そのためのインセンティブや再エネ目標をやり遂げるための具体的な計画を持つことが必要だと思うがどうか伺います。

山中市長:太陽光発電設備の導入にはインセンティブと具体的な計画を持つことが必要とのことですが、住宅については企業や他自治体と連携をし、初期費用が不要となるPPA※手法や価格の低減が期待できる共同購入スキームも活用した取り組みを進めております。今後も改定実行計画に基づき脱炭素ライフスタイルの浸透を進める中で、太陽光発電設備の拡大を図ります。また、公共施設については、今年度に行っている調査の結果に基づき計画的に設置を進めていきます。

※PPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)とは、設備設置事業者(PPA 事業者)が施設に太陽光発電設備を設置し、施設側は設備で発電した電気を購入する契約のこと。屋根貸し自家消費型モデルや第三者所有モデルとも呼ばれており、施設側は設備を所有しないため、初期費用の負担や設備の維持管理をすることなく、再生可能エネルギーの電気を使用することができる(横浜市HPより)

認知症の最大のリスク要因である難聴対策を

古谷市議:次に認知症対策について伺います。

認知症は早期発見、早期治療が大切です。最近ではリスク因子がわかり、薬も開発されて予防が可能になってきました。医学専門誌ランセットの2020年の論文で認知症に至る12のリスク因子が示されています。飲酒や社会的孤立なども並んでいる中、リスク因子として最も高いのは難聴です。「老化すると誰でも聴力が弱るのですが中年期に難聴だった人に影響が顕著に表れたことから認知症との関連性がわかってきた」ということです。難聴が認知症につながるリスクは、社会的孤立の2倍、飲酒の8倍ものリスク要因です。本市の認知症対策を進めるうえでも、難聴対策は不可欠ではないでしょうか。実態調査を進めるべきではないです。また本市でも全国で進められている加齢性難聴者への補聴器助成を検討するべきではないかと思うが見解を伺います。

山中市長:認知症対策についてご質問をいただきました。実態調査を進め補聴器助成を検討するべきとのことですが、現時点では補聴器の使用と認知症の発症率の低下、この関係についての明確な因果関係は示されておりません。難聴と認知症に関する研究が様々行われていることは承知しております。そのため今後の研究の結果、また国の動向を注視してまいります。

旧統一協会との市の関わりを調査し、被害者相談強化を

古谷市議最後に統一協会への本市の取り組みについて伺います。

私たち日本共産党横浜市議団は、8月18日に市長に対して申入れを行い、また9月8日の市会第3回定例会の場でも統一協と本市の関わりについて「躊躇なく調査を行うよう」求めました。全国霊感商法対策弁護士連絡会の久保内弁護士は東京都議会の合同ヒアリングで「統一協会は正体を隠して接近し、個人が断れない心理状態になったと確認した上で、正体を明かしている。宗教を信じるか否か、どの宗教を信じるかという個人の自己決定権、信教の自由を侵害する団体だ。高額献金や『合同結婚式』などはその結果の一つだ」と述べています。現在、国会において「被害者救済新法」が議論されています。この問題、横浜市として、政府の取組をただ注視するだけでいいのでしょうか。市長の見解を伺います。

山中市長:旧統一協会等と、本市の関わりについてご質問をいただきました。政府に加えた本市対応の考え方についてですが、この問題は再発防止や被害者救済に有効な立法化と法に則った適切な運営が重要であると考えております。市民の皆様の安全安心な生活をお支えすることは、私の市政運営の根幹であり、市民の皆さまの立場に寄り添って、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

古谷市議:また横浜市として統一協会への市民利用施設の過去の利用状況の調査をしたうえで一切のかかわりを持たないようにするべきです。さらに市民からの被害相談の強化にさらに取り組むべきと考えますが見解を伺います。

大久保副市長:旧統一協会等と本市のかかわりについて質問いただきました。市民利用施設や市民相談への対応についてでございますが、基礎自治体として行政運営の枠組みの中で、本市コンプライアンス顧問の弁護士のご意見も伺いながら対応しているところでございます。市民利用施設が利用目的に則って利用されているかしっかりと確認を行い、また市民の皆様からの被害相談には真摯に耳を傾け、必要に応じて専門相談窓口をご案内するなど、市として求められる役割を今後もしっかりと果たして参ります。

本会議.発言と答弁お全文


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