議会での質問・討論(詳細)
2011年2月25日

■「教育委員会」 関美恵子員(2011.2.25)

正規教員の欠員は臨時的任用職員ではなく正規職員をあてよ

関議員:日本共産党を代表し、質問します。
はじめは、教員の採用問題についてです。
横浜市は正規教員を配置すべきところを臨時的任用職員いわゆる「欠員臨任」で充てることが常態化し、問題です。新学期を控え、「欠員臨任」がどうなるのか注目するところです。
そこで、2010年度の退職者見込み数と2011年度の採用見込み数を伺います。

伊藤教職員人事部長:平成23年2月10日の時点でございますけども、今年度末の退職予定者数は713名、23年度の採用予定者数は726名となっております。

関議員:教育長は、本会議での質問に対し、35人以下学級の増員分107人については、2011年度は臨任をあてると答弁されました。確実に「欠員臨任」は増える見通しだと思うんですが、どの程度と見込んでいるのか、伺います。

伊藤教職員人事部長:35人以下学級を実施に伴いまして、新たに必要となる教員数は約100名程度と考えておりますけども、23年度の欠員に充てる臨時的任用職員数につきましては、児童生徒数の増減などの変動要素があるため、現時点では確定しておりません。
参考までに、20年5月1日現在での欠員にあてた臨時的任用職員数は、小中学校全体で298名でございました。

関議員:地方公務員法の第22条にですね、臨任が必要になった場合の厳しい条件が規定されていると思うんですですが、その規定内容と、教育委員会が臨任を欠員にあてる根拠規定をあわせて伺います。

伊藤教職員人事部長:地方公務員法第22条第2項には、緊急の場合、臨時の職に関する場合、または採用候補者名簿がない場合においては、人事委員会の承認を得て、臨時的任用職員を任用できると規定されてございます。臨時的任用職員を欠員に充てることにつきましては、この規定の採用候補者名簿がない場合に該当いたします。

欠員が出るよう任用候補者名簿を少なめに作っているのではないか

関議員:いまの答えで、任用候補者名簿がない場合という、それが本市の規定、根拠だとわかりましたけれども、この地方公務員法第22条の意味はですね、本来、年度当初、死亡や退職も見越して欠員を補充するため作られた任用候補者名簿がカラになってしまった場合のことで、定員以上の人が名簿搭載されているということが、これが普通なんですね。最初から欠員を生じさせるために、計画的に任用候補者名簿を少なめにしか作らない、そういうような状況になっているんじゃないかと思うんですが、これは地方公務員法第22条の規定に違反すると思うんですけれども、どうでしょうか。

山田教育長:いま部長から申し上げましたように、基本的にこの地方公務員法22条第2項の採用候補者名簿がない場合に該当するといったことから、臨時的任用職員を欠員にあてることは規定上は何の問題がないというふうに考えております。

関議員:最初っからないというところが、いまおっしゃったんですけれども、ないから充てるわけですよね。それが触れないのかということなんですよ。
それから、本市においてはこういったことを毎年、繰り返して、多数発生させているという経緯があるわけですけれども、本当にこういう意味では、計画的に、最初っからもう欠員が出るのを想定して、やっぱり欠員っていう数をあて込んでいるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、もう一度ちょっと、教育長、お答えください。

山田教育長:基本的に子どもの数が増減いたしますし、あるいは定年退職だけであればそれは想定もしやすいんですけども、それ以外に普通退職の職員もおりますので、そこらへんはなかなか予測し難い事態、そういったところで欠員が生じるのはやむを得ないかというふうに考えておりますし、そこに臨時的任用職員を充てることは規定上何の問題がないというふうに考えております。

関議員:こどもの変動は理由にならないと思います。決定的にね。大量に発生させることについてですよ。少数に、たとえば100人以下とか、50人以下っていうならまだわかるんですけれども。それから退職者っていうのは当然予測してやるのがこの規定なんですよ。だからたまたま死亡したとか、あとで足りなくなったっていうのに充てるんですよっていうことなんで、いまの答弁、納得いきませんね。
臨任は、正規採用と異なり、任期は1年、初任者研修も保障されていない。今、学校現場では、さまざまな困難を抱えた子どもたちが増え、そうした子ども一人ひとりに対応しながら、同時に子どもたちに確かな学力をつけるには、教員の研修は不可欠だと思います。研修もうけられないままで、教壇に立つ先生に教えられるということは、子どもたちにとっても大変不幸なことではないでしょうか。伺います。

山田教育長:臨時的任用職員、これは当然のことながら、教育職員免許法に定める各種それぞれの免許状を有した上で、教育活動を行っているものでございます。この臨時的任用職員が研修を受けなくても、当然その教育活動を行うといったことに、何ら問題はないというふうに考えております。

定員内であれば正規職員が当然

関議員:問題はないというお答え、しっかり伺いましたけれどもね。初任者研修はいま義務付けられているし、現場の要請でもあるんですよね。そういうところの現状、しっかり見てください。
これに関連して、教育長ね、先日本会議で、一定数の欠員が生じることは止むを得ないと、臨任を認める答弁をされたんですね。臨任にいま問題がないということと関連するんでしょうけれども。定数内であれば正規採用が当然じゃないですか。定数内、これはどうですか。お答えください。

山田教育長:先ほど申し上げましたように、当然のことながら様々な理由によって欠員が生じることは、これはやむを得ないというふうに考えております。できれば、その正規の職員がそこにあたるということは望ましいとは思いますけども、様々な事由によって欠員が生じることは、ある一定程度はやむを得ないというふうに考えておりますので、それに臨時的任用職員がそこにあてるということについては問題ないというふうに考えております。

関議員:やむを得ない場合のことを聞いているんじゃないんですよ。定数内は正規であてるのが、これが当然じゃないのかっていうことを、一般論ですよね。どうなんですか。

山田教育長:採用候補者数というのは、年度末の定年退職者数あるいは定年以外の退職の見込み数、欠員数など、減少員のほかに、再任用の予定者など増加要因、これも合わせて考慮して算定をしてまいります。しかしながら、そういったような採用候補者予定数を決定した後に生じる様々な理由によって、欠員が生じるといったことはしょうがないかなというふうに考えております。

関議員:不測の事態で臨任はやむを得ないっていうのはわかるんですけれども、このいわゆる定数内っていうのが、できればですよ、正規で採用する、これが当たり前、その規定ですよね。するものかなのかどうか、不測の場合ではなくって。これを聞いているんですよ。

山田教育長:先ほどからお答え申し上げますように、定数はなるべく様々な要素を確定して、正規の職員を採用するように努めておりますけれども、なかなかそれに至らない場合にはしょうがないかなというふうに考えております。

関議員:同じお答えなんですけれど、そうじゃないと思いますよね。やっぱりできれば正規採用が望ましいというか、正規採用であてるべきなんですよ。教育長の立場としての発言だから、これは重くみるわけですけれども、臨任が当然だと、定数内でも当然だと、こういった見解は訂正していただきたいと思うんですけれどもね。もう一度伺います。

山田教育長:できるだけ正規の職員で採用数を確定して採用することが望ましいかと思いますけれども、繰り返しになりますけれども、そこで様々な理由によって欠員が生じてそこに臨時的任用職員をあてるといったことはやむを得ないかなというふうに思っております。

関議員:問題だということを指摘しておきますが。
「欠員臨任」の解消について山田副市長の決意を伺います。

山田副市長:本会議でおきましても、先日市長から答弁いたしました。児童生徒数の増減によるクラスの変動などによる不確定の要素がありますため、一定数の欠員が生じるのはある程度やむを得ないということで、ご理解いただきたいと思います。

関議員:解消策ですからね、これからのことなんですけどね。認めたようなもんで問題ですね。

再任用は希望に沿った勤務時間体系に

次に、再任用制度について伺います。2002年にスタートした再任用制度の目的を伺います。

山田教育長:再任用制度は、人口の高齢化が進む日本の社会に対応し、手年退職者等の知識、経験を社会において活用していくとともに、60歳代前半の生活を雇用と年金の連携により支えることを目的とした制度でございます。

関議員:再任用職員は、フルタイム勤務と短時間のハーフ勤務がありますが、いずれも正規教職員です。体力的に担任は無理ということでハーフの希望が多いようですが、2011年度のフルタイム、ハーフのそれぞれの希望数と採用数の見込みはどうか、伺います。

伊藤教職員人事部長:まず、採用者数については、採用辞退などの変動要素がございますので、現時点では確定しておりません。ただ、600名に23年度の再任用を行う旨の選考結果を通知をいたしました。

関議員:フルタイム、ハーフ、それぞれの希望数はどうですか。

伊藤教職員人事部長:昨年の8月に行ったアンケート調査の結果でございますけども、フルタイムをご希望された方が208名、短時間勤務をご希望された方が428名となっております。

関議員:ハーフの希望がフルタイムの2倍以上です。問題は、これまで殆ど希望が通ったのに対し、今回は多くのハーフ希望者にフルタイムの通知がされ、変更理由の説明もなく、大きな不安を与えていることです。ハーフ希望者にフルタイムを通知した理由は何か、伺います。

山田教育長:近年、定年退職者の増加ということに伴って、再任用職員、これも増えておりますけれども、中でも短時間勤務希望者が増えたということによって、学級担任を担当できる教員数を確保することが困難になってきたと。そういったことなどから、その学校運営上大変厳しい状況になっている。そのため、今年度の採用については、短時間勤務の再任用といったものを行うのは、原則、初任者の指導を行う拠点校指導教員、それを中心に配置をしまして、それ以外はフルタイムでの勤務という再任用をお願いしているところでございます。

関議員:担任にあてる数が少なくなっちゃって、できたらハーフの人にフルタイムで担任になっていただきたいというようなことが、いま答弁されたと思うんですが、問題は、ハーフ希望者なんだけれども、フルタイムに応じられない場合なんです。ハーフ希望者が、先ほどの答弁でおわかりのように多いことからもわかりますが、多忙で激務といわれる教員を定年後も続けるのはなかなか困難です。特に担任という激務はね。それをあえて求めることは、ハーフの希望者に再任用はやめてください、非常勤にいくか、全くやめてしまうかを迫ることにもなってしまうわけですね、結果にね。そうなると、60歳前半の生活を雇用と年金の連携により支えるとした制度の目的に反するんですけれども、この点で見解を伺います。

山田教育長:再任用職員、これは採用する場合は、勤務実績あるいは健康状態、そういったものに問題がなければ、再任用制度の目的に沿って採用をいたしております。ただし、勤務先あるいは勤務形態、こういったものについては業務上の必要性において検討するというふうに定めておりまして、学校運営上の理由から決定したものでございますので、再任用制度の目的に反しているというふうには考えておりません。

関議員:いいたいのは、目的は先ほど2つあると思うんですよ。特にいまお聞きしたいのは、60歳前半の生活を雇用と、仕事を続けて半分は年金をもらってその連携によって生活をしていただくという、こういう目的があるんですよ。仕事を奪ったらそうならないんじゃないですか。どうなんでしょうか。

山田教育長:退職された個々の方の生活の縦横あろうかと思いますけれども、やはり組織として、どういうかたちの人が必要かということは、組織の事情によって決まるわけでございますんで、そこで当該職員、退職された職員の方等々と当然その勤務条件等についてはお話をした上でご理解をいただいた上で、勤務をしてもらっているといったことでございます。

関議員:いままでは希望を取り入れて、ちゃんと目的通りにやってきたわけですよ。今回変えたわけなんですよね。ぜひ、永年、横浜市の教育に貢献してきた方たちが、学校現場で、自分のできる範囲で十分発揮できるように、ハーフ希望者の要望に応えていただくように強く要望いたしまして、私の質問を終わります。


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