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■「こども青少年局」 関美恵子議員(2011.3.3)

ひきこもりなどの困難を抱えた若者支援に先進的な取り組み実施

関議員:日本共産党を代表し、質問いたします。
質問の前に、いま串田議員が質問された青葉区の件で、私どもについても、個人情報を盾に、情報を提供しないと、先日その一点ばりで対応されたんですよ。私どももこの点については厳しく抗議しておきたいと思います。

それでは、若者の自立支援について伺います。2010年4月に施行された「子ども・若者育成支援推進法」は、「ひきこもりや無業など困難を抱える若者に対する包括的な支援」や「子どもや若者の当事者目線にたっている」など、画期的な内容も理念に盛り込まれております。横浜市では、法律の施行を受け、昨年7月、他都市に先駆けて「横浜市子ども・若者支援協議会」を設置しましたが、評価し、期待をするところでございます。
そこで、「協議会」を設置した意義と目的は何か伺います。

鯉渕こども青少年局長:本市では、困難をかかえる若者を支援するために、18年度に若者サポートステーションを、20年度には横浜型若者自立塾を開始し、さらに今年度22年度は2か所目の若者サポートステーションを開設いたしました。また、20年度から国の地域における若者支援のための体制整備モデル事業の指定を契機に、若者支援の体制整備のあり方について、国との意見交換を重ねてまいりました。このような経緯もありまして、22年度から子ども・若者育成支援推進法が制定されたことを踏まえて、法で定められている子ども・若者地域支援協議会を活用し、当事者である子どもや若者の目線に立って、これまでの施策や事業を見直すとともに、包括的な子ども・若者支援の仕組みづくりに取り組むため、政令市としては最初に協議会を設置いたしました。

関議員:「協議会」の「就労促進部会」では、ひきこもりなど困難を抱えていても就労し、働き続けることのできる仕組みとして、「中間的就労」の場づくりについて検討していると聞いています。「中間的就労」とはどのような就労なのか、認識を一致させることが重要ですが、そこで、どのようなものを想定しているのか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:基本的にはひきこもりなど困難を抱える若者が、すぐには一般就労ができない場合に、職業訓練も兼ね、一定の賃金を得て就労する場合を想定しております。

関議員:横浜若者サポートステーションなど相談機関にみえる若者の多くが、ハローワークには行けない、ハローワークに繋げるやり方だけでは就労にならない、こういう一般的な就労が困難な若者だというふうに思います。「中間的」ではあるけれども、それだったら自立に繋がるという若者の存在を認めることが、そういう専門家も関わった見立て、これが困難を抱えた若者の自立支援には非常に大事な視点になると思うのですが、見解を伺います。

鯉渕こども青少年局長:若者がひきこもりなどに至った理由はさまざまです。精神疾患ですとか、貧困ですとか、複合的な課題があるなかで、若者が確実に就労機会を得ていくためには、ひとり1人の若者の状態を見極め、それに応じたきめの細かい相談・支援が大切であると考えております。

関議員:若者自立支援の企業が経営する市内磯子区なんですけれども、「250(ニコマル)食堂」では、困難を抱えた若者が雇用され働いています。新聞でも報道され、「中間的就労」の場の先進的な事例として注目されています。このように、支援企業の協力を得て「中間的就労」の場を広げることが、若者の自立を支える上で不可欠ですが、理解ある企業をどのように開拓していく考えなのか、またその点での課題は何か、伺います。

鯉渕こども青少年局長:困難を抱える若者のインターンシップですとか、就労を受け入れていただける企業を開拓するために、各企業を回って受け入れの促進を図ってきております。その中で、私ども課題として感じておりますことは、以前としてひきこもりや若年無業者に対する理解不足がまだあるなということでございます。今後はさらに公報等に力を入れ、企業の方々により一層の理解を図ってまいりたいと考えております。

関議員:ぜひ、理解を広げていって、そういう企業を開拓していただきたいと、重ねて要求しておきます。

当事者やその家族の声を聞いてニーズにあった支援を

一方、困難を抱えた若者当事者や家族にとっては、「中間的就労」について「賃金や手当てがどうなるのか」「教育・職業訓練との連携はどうなるのか」「家族から離れ就労した場合、住まいはどうするのか」など、さまざまな不安や疑問、そして要望があると考えられます。仕組みづくりにあたっては、当事者や家族のニーズにあったものにする必要がありますが、そこで、当事者や家族の声をどのように反映しようと考えているのか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:今現在もていねいな対応、本人に寄り添う支援をしているつもりでございますが、本市の先ほどお話がでました子ども・若者支援協議会では当事者である子ども・若者の意見を聞く取り組みを積極的に進めております。たとえば、今年2月に思春期問題部会が開催した思春期フォーラムにおきまして、青少年の居場所を題材としてフォーラムを持ちましたが、高校生や大学生と意見交換をいたしました。
中間的就労の仕組みづくりにつきましても、これは協議会の就労促進部会が中心となっておりますが、当事者である若者やその家族の意見をきく機会をつくるよう努めております。

関議員:ぜひ、ニーズのあったものね、これでないと実効性はないんで、その点はもう本当にきめ細かくやっていただきたいと思います。

困難を抱えた若者のための経済的支援制度の検討を

ひきこもりなどで困難を抱えた若者の中には、「交通費がないために相談機関にも通えない」「中間的就労で働いていても経済的に自立できない」といった若者や家族からの声があります。ひきこもりや無業状況での貧困化は深刻です。この問題を解決しないと自立支援といっても、非常に限られた若者への支援になってしまい、自立支援に向けた経済的支援がどうしても必要だと思います。ハローワークを通しての生活支援があると聞いてはいますが、これは恒久的なものではありません。そこで、本市において経済的支援制度を創設することを検討すべきではないかと思いますけれども、伺います。

鯉渕こども青少年局長:本市では、経済的に困窮しているため、若者サポートステーションまで出向くことができない若者を想定いたしまして、昨年度からサポートステーションのスタッフの方が困難を抱えている若者が多い高校ですとか区役所に出張で相談におもむく事業を始めております。このような事業の検証を通じて、経済的に自立できない若者に対する支援のあり方について、今後子ども・若者支援協議会でも検討してまいりたいと考えております。

関議員:ぜひ、経済的支援制度も検討していただきたいと思います。

全庁的な取り組みで「中間的就労」のための仕事おこしを

「中間的就労」のための企業開拓や仕事おこしには、子ども・若者支援協議会を中心に、こども・青少年だけでなく各局が連携して、全庁的な視点からの取り組みがどうしても必要と思いますが、この点で山田副市長、お考えを伺いますが。

山田副市長:中間的就労について、オール横浜で取り組むべきということでございますけれども、これは国の方でも法律がございまして、子ども・若者育成支援推進法という法律がございます。この法律の趣旨に基づきまして、本市の子ども・若者支援協議会でも子ども・若者支援にかかる多様な分野の方々の中から協働して事業を進めてきた団体の関係者や学識経験者を中心にお願いしてございます。また、こども青少年局だけでなく、経済観光局や健康福祉局、教育委員会事務局も事務局の構成メンバーになっています。今後とも関係局が連携して、中間的な就労をはじめ、さまざまな課題に対応していきたいと考えております。

関議員:ぜひよろしくお願いします。困難を抱えているだけでも、いまは非常に厳しい状況です。その上に、生きる糧である就労が、これがはっきりしない、不安定っていうのは、これほど不安なことはないんで、ぜひ市がこうした若者たちに光をあてて、ぬくもりのある事業となるようにがんばっていただきたいと思います。