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■「港湾局」 大貫憲夫議員(2011.3.7)

港湾計画は数十年の長いスパンで考えよ

大貫議員:共産党の大貫です。よろしくお願いします。
 京浜港港湾計画策定事業について、その目的と内容を説明してください。

金井港湾局長:京浜港港湾計画策定事業の目的でございますが、昨年8月6日に国より選定されました国際戦略港湾を実現するために、10年から15年先を見据えた計画とすることでございます。計画の内容は、必要な施設整備、効率的な運営に関する施策などについて、京浜3港の役割分担に基づきまして、横浜港の優位性や特性が十分発揮できる戦略港湾ならではのものにしていきたいと考えております。

大貫議員:その項目の中に、貨物量および交通量の推計、それから現在環境現況の調査、それから施設、いまいった政策ですよね、これ検討っていうことになっているけども、具体的にどういうふうに検討、数字を確保していくんでしょうかね。

金井港湾局長:貨物量および交通量の推計につきましては、京浜3港で共同で実施してまいります。将来貨物の量につきましては、取り扱い実績に加え、貨物集荷策による増加分を見込んだものをもとに、社会経済情勢や将来のGDP、人口の増加により貨物量の伸びを適切に推計してまいります。また、交通量につきましは、将来の取り扱い貨物量を基本に、施設の配置や事業もふまえ、同じく推計してまいります。

大貫議員:先ほど10年から15年て、こうおっしゃったでしょ。戦略港湾のためにやるわけだけども、戦略港湾ていうのは、施設やなんかを含めて、どれくらいのスパンで、施設使うとなると、10年や15年じゃないと思うんですよ。数十年かけてあんだけのものをつくるんだから、そういったスパンでみないといけないと思うんですよね。そういったことから考えると、この策定の10年15年ていうのはあまりにも短すぎるんじゃないか。その先はぜんぜん睨んでいないのかというふうに思うんですけども、そこらへんいかがでしょうか。

金井港湾局長:長期的な視点にたった京浜港が進むべき方向性についてとりまとめをしました。京浜港共同ビジョン、これは平成22年2月に策定しています。また、今年度中には、京浜港の総合的な計画を作成する予定でございます。これらを踏まえて、国際戦略港湾の実現をするための港湾計画を策定していくということになります。

基礎的データもないままにコンテナ戦略港湾に進むのは無謀

大貫議員:先ほどいった戦略港湾やるためにはですね、当然現状どうなっているか、これからどう増えていくのかっていう基礎捜査があって、それがあってはじめて京浜港全体が戦略港湾にとって適しているんだと、こういうことになるんだと思うんですよ。そうすると、基礎的なデータもなくて、これからやるんだ、10年後その後のこれから調べるんだということの中で、まだそういうデータもないのに、その国際、いわゆるコンテナ戦略のもとについて、港湾指定されたということですか。

金井港湾局長:計画にあたっては、推計についてはこれからの取り組みにはなります。ただ、現状の中で、横浜港もしくは日本の港がかかえる状況というのは逼迫したものがありますので、その中でこの計画が出されたということになります。

大貫議員:たとえば、みなさん都市経営っていう言葉よく好きだけどもね、民間企業でいえば、将来の予測をきちっとたてて、戦略をたてて、それにあった施設をつくっていくというのが、これがやっぱりやり方ですよね。多くの企業っていうのは予想で思惑でつくって、結果的にその思惑が失敗してそして資金ショートしてつぶれちゃうってことは往々にしてあるわけですよ。そう考えると、この作り方、考え方は、本来これ逆じゃないですか。やっぱりもっときちっとデータをとってから、本来、これを国際コンテナ港としてこれ、認めていくとかやっていくというふうにしなきゃ、これおかしなことになりませんか。

金井港湾局長:23年からこの計画に取り組みますが、今年総合的な計画という京浜港での取り組みは、出します。これは、推計等については細かくは分析されておりませんが、先ほど申し上げましたように、23年24年の中で、共同でやる部分、また横浜港独自で計画する部分含めて、2年間かけて状況については十分に分析して計画をたててまいります。

大切な税金つぎ込んで国いいなりの港湾整備

大貫議員:それじゃあ、やっぱり大切なお金、予算をつぎ込むわけだから、将来計画がはっきりわからない。どういう状況になるかわからないで、そういうことをやる、国のいいなりになってやっているところに私はあると思うんですね。国の政策っていうのは、私もよく、ずーっとやっていますから、たとえば重要港湾てこといってまして、全国に重要港湾どんどん作るって方向がありましたよね。そのあと何やったかっていうと、それがだめだっていうことで、スーパー中枢港湾でしょ。今度はコンテナ総合。こういうふうにころころ変わっていくなかで、右往左往しているっていうのが現状じゃないですか。

金井港湾局長:計画については確かに16年にスパ中がスタートしてますし、それから比べれば年数は短いということはいえると思いますが、国際的な海運動向もだいぶ変化が激しいため、やはりそれに見合った適切な対応するということで、今回については戦略港湾の構想が出されているというふうに理解しております。

大貫議員:そういうことでいうと、やっぱり横浜市の港湾だからね。もちろん全国的な任務あるんだけども。横浜市としてきちっとその方向性をもっていかないと、国の政策であっちだこっちだっていうことになると思うんですよ。そういった意味で、私はこの戦略港湾の問題というのは、やっぱり横浜市としての港湾のやはり基本的なことがやっぱり一番大きな問題になってくるって思うんだけども、改正この港湾法っていうのは通る可能性ありますか。

金井港湾局長:私としては、今回の国会に提案されています改正港湾法、これは通ってほしいと思ってます。というのは、やはり先ほど申しましたとおり、世界の動きがきわめて激しいわけですから、横浜港においても早期な取り組みをしていきたいというふうに考えています。

アジア中心の貨物の流れに沿った港湾整備を

大貫議員:それで、世界の流れとおっしゃっていますけどね、例の国土交通省で出した平成20年度の全国コンテナ貨物流動調査がありますね。この結果についてどういう結果がでているんでしょうか。簡単に説明してください。

金井港湾局長:20年度の調査によりますと、輸出コンテナ仕向け地は、アジア域内が61.2%、北米が16.4%、欧州が14.1%となっております。北米では貨物量が横ばいですが、中国貨物の関係から、シェアでは低下しております。また、輸入コンテナの仕出し地は、アジア域内が74.1%、北米が12.0%、欧州が8.7%、こうなっており、輸出のコンテナ同様に北米ではシェアとしては低下しているという状況にあります。

大貫議員:北米がシェアを低下して、アジア中心になっているわけですよね。国際コンテナ港湾、コンテナ戦略というのは、北米航路からはずれないように、基幹航路からはずれないようにということでやっているわけですよね。しかし、先ほどの話によると、世界の物流が、いまの話でいえば、もう74%以上が、仕出地では、仕向地で、デバンニングの方ですね、そりゃもう74%はアジア圏なんですよ。そうすると、経営から考えると、はっきりいって斜陽の方の北米航路、いわゆる北アメリカ州よりも当然アジアに向けて設備投資するっていうのは港湾として当たり前の話だと思うんですけども、そう考えると、いまのコンテナ国際戦略というのはあまりにも北米航路の方に傾斜しているんじゃないですか。

金井港湾局長:世界的な海運動向からみますと、という話をしました。横浜港においては、北米のファーストポートとラストポートという位置付けもありますが、中国に向けたコンテナ貨物、非常に大きな取り扱いをしています。そういう意味では、世界の海運動向、大型船の投入とか、こういう喫緊の問題がありますので、今対応しておかないとやはりその基幹航路が横浜港を抜港するということになりますので、ぜひいまのうちにその対応はしていく必要があるというふうに思っております。

大貫議員:私がいいたいのは、やっぱり経営ですから、港湾もね。そうしたらやっぱりアジアの方が70数%向いている時に、当然そこに来た、そこに向けた政策が必要ですよね。アジアにオーバーパナマックス型のコンテナ船、必要ですか。

金井港湾局長:すぐに投入されるかどうかはわかりませんけども、世界の海運の船会社自体は、1万8000積位の超大型船、これを建造しております。そういう意味では、いま他の航路で回っている船が投入されるっていうこともありますし、日本の港としても、やはり寄港地が集約されるなかで、やはり大型船に対応した港がないと、フィーダーポート化してしまうという危惧がございます。

大貫議員:さっきからいっているように、アジアとの関係では距離との関係だとか、それからシャトルでどんどん中型船で運んだ方が効率的なんですよ。たとえばJALでもいまジャンボこれやめましたよね、いいか悪いか別にしてね、経営上はね。しかし、それはなぜか。中型で飛ばした方が、シャトルでやった方がいいんだという方向なんですよ。ただ大きけりゃいいっていうわけじゃないのね。そう考えた時、アジアと日本との関係でいえば、やっぱり中型船を通じてやったときに、本牧だとか大黒をきちっと整備すべきだと、そこに傾斜すべきだと私は思いますよ。以上です。時間がないんで。