議会での質問・討論(詳細)
2011年3月8日

■「総務局」 かわじ民夫議員(2011.3.8)

強権的な税金滞納差し押さえは直ちに見直しを

かわじ議員:日本共産党のかわじです。よろしくお願いします。
 最初は、財源確保の取り組みについてです。差し押さえ件数が増加していますが、市税における過去3年間の差し押さえ件数の推移を述べてください。

宇都宮主税部長:19年度で1万9845件、20年度で2万4123件、21年度で2万6603件となっております。

かわじ議員:だんだん増えているわけですけれども、市税における2009年度の債権の差し押さえの実態について、その内訳についても伺います。

宇都宮主税部長:市税の差し押さえについては、差し押さえ後の換価が容易なことから、債権の差し押さえが中心となっていますが、21年度の債権の差し押さえの件数は、2万2716件でございます。そのうち、主な差し押さえ財産は、預金等の払い戻し請求権が1万796件、給与の支払い請求権が6326件、生命保険の解約返戻金の支払い請求権が4500件が主なものとなっております。

かわじ議員:答弁にあったとおり、給与の差し押さえ件数6326件。これは、差し押さえ件数に対する割合でいうと27.8%です。給与は働く人の生活費そのものです。その件数も割合も大きく広がっていますが、そもそも給与の差し押さえは、国税徴収法で給与生活者の最低生活の維持に当てるべき金額に相当する部分については禁止されているものですが、この規定を、差し押さえるに当たって、どの様に運用しているのか、伺います。

宇都宮主税部長:国税徴収法の施行令第34条においては、債権の支給、まあ給料の支給ですね、の期間のごとに源泉徴収される所得税や住民税、社会保険料の額に本人の10万円、配偶者その他の親族があるときは、親族者1人につき4万5000円を加算した額の1.2倍までは差し押さえてはいけないというふうな規定なんで、それに沿ってやっております。

かわじ議員:全国の事例には、年金や子ども手当が銀行口座に振り込まれた直後に、預金口座が差し押さえられたということも聞いています。
 本市でも預貯金の差し押さえ、2009年度では1万796件ありました。が、もともと国民年金や失業保険給付、児童手当などは、それぞれの特別法において差し押さえは禁止されています。本市がこの見地に立てば、原資が年金や子ども手当等の預金についての差し押さえはあってはならないものと思いますが、どの様に確認しておられるのか、伺います。

宇都宮税主税部長:差し押さえにあたりましては、滞納者の収入や財産調査を行った上で処分を行うことになります。こうした収入の調査を行った結果、資力があると認めた場合には、先ほどの規定に基づいて差し押さえをするといったような方法をとっております。

かわじ議員:具体的にはそういった口座に入る子ども手当ですとか年金というのがどのように確認されているのかということも含めて、再度見ていただきたいと思うんですが、未収債権回収についても、差し押さえ処分のような機械的・強権的な対応は出来るだけ、控えるべきだと思います。たとえば、保育料などの未納者は、生活そのものが厳しい状況の反映だと思います。そうした保護者に対しては、債権回収を優先するのではなく、園長が直接、親身に声をかけるなど、生活相談に応じるような形で取り組むようなことが収納率の向上につながると思います。そうした、仕組み作りを進めるべきと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木総務局長:現在でも、納付書、催告書などに相談窓口を明記をしたり、ホームページにも掲載するなどさまざまな手段で、納付にお困りの場合にはご相談いただけるようにお知らせをしているところでございます。また、23年度から拡充する電話による納付案内では、個別の事情がある場合には納付方法についてご相談いただく窓口をご案内するというような取り組みを行ってきております。なお、相談にこられた方には、ていねいに、個別の事情をさらにていねいに事情を伺いし、相手方の立場に立った適切な対応を行うよう、改めて私どもの方から債権を所管する各部署にも伝えていきたいというように思っております。
 先生おっしゃるように、保育料についてということなんかがありますけども、保育料についても同様に行っていくというようなことでございますが、よく相手の立場に立った相談を受け付けて、十分相談に乗りながらということは堅持をしていきたいというように思っております。

かわじ議員:私がいいたいのはですね、相談にいってからはじめて相談になる。もちろん、こう言うのもあると思うんですが、たとえば保育園の園児とか預かっている人たちは、そういった実態を生活の中に感じられるものについては、事前にそういった点についても、親切にやるべきだ、やることが必要でないか、こんなふうに思います。

ひかりが丘コミュニティハウスは存続を

 次は、保有財産の有効活用についてです。旭区のひかりが丘小学校には保育園やコミュニティハウスが併設されて、多くの人に利用されています。そのひかりが丘小学校が今年度で廃校になるとのことですが、コミュニティハウスがなくなってしまうのではないかと、地域住民が不安に思っていることを私は聞いています。
 そこで、ひかりが丘小学校の跡地活用は、どのような考えで検討を進めるのか、伺います。
鈴木総務局長:閉校後のひかりが丘小学校の跡地利用と利活用でございますが、既存校舎やその敷地の状況あるいは都市計画や建築上の規制がどうなっているか、余裕教室を活用しているコミュニティハウスや保育所の機能の継続をどうするか、あり方などについて、諸条件を踏まえて検討調整をこれから進めていくという状況でございます。

かわじ議員:学校は地域開放などで住民に愛されてきているわけですが、跡地活用に際しては、地域住民の意向をどの様に取り入れるのか、伺います。

鈴木総務局長:これまでも閉校となった学校におきましては、地域のみなさまのご意見を伺う機会を設けまして、そのご意見踏まえながら利活用計画を作成してきております。従いまして、ひかりが丘小学校についても、今後地域のみなさんのご意見を伺う機会を改めて設けたいというふうに考えております。

かわじ議員:ひかりが丘小学校は調整区域、その区域は調整区域だっていうふうに聞いています。学校でなくなると、いろいろと問題、建築基準とか等にかかわって問題もでてくるのではないかと思うんですが、そういった点についてはどうでしょうか。

鈴木総務局長:そういった点、まさに先ほど私申しましたように、建築上の、都市計画上の規定の問題等も含めてなんですが、まあ確かに先生おっしゃるようにですね、当該地が市街化調整区域であると建築上の規制を踏まえながら考えるということになりますが、あるいは高さ制限等もあるというふうに聞いております。そこで、さまざまな可能性を多角的に検討していくというふうになるというふうに思っております。

かわじ議員:総務局はこうした跡地活用の管理の中で、コミュニティハウスの機能を残した前例があれば、教えていただきたいと思いますが。

鈴木総務局長:コミュニティハウスにつきましては、前例としては栄区の旧矢沢小学校や金沢区の旧並木第三小学校がございます。
旧矢沢小学校の場合には、地域からいただいたご意見を踏まえまして、既存の校舎を解体をして、その上にコミュニティハウスを敷地内に再整備をするということをしております。
 それから旧並木第三小については、地域からいただいたご意見に基づきまして、事業提案型の公募売却というのを行っておりまして、コミュニティハウスを内蔵した再整備というような条件を付して、結果的には病院併設のコミュニティハウスの整備が行わるというような事例がございます。

かわじ議員:ひかりが丘コミュニティハウスも住民の意向に沿うよう、ぜひ残してほしいと思います。
 現在は教育委員会がこの学校を管理しているわけですけども、廃校後のコミュニティハウスの管理部局はどのようになるのか、今後の実務的な流れはどのようになるのか、教えてください。

鈴木総務局長:閉校後のひかりが丘小学校の跡地利用に関しては、所管は総務局ということになりますが、諸課題を庁内の関係部署で構成するプロジェクトにおいて多角的に検討していきます。その後で、資産活用推進会議、これからこの資産をどう活用していくかっていうための会議がございます。その会議等で協議の上、地域のみなさまへご説明をし、いただいたご意見も踏まえて、最終的に活用の方向を決定していきたいというふうに思っています。

かわじ議員:ぜひ残していただきたいというふうに思います。

土地開発公社保有土地購入では融資金融機関に応分の負担を求めよ

 次は、土地開発公社保有土地の購入についてです。みなとみらい21地域の公社保有土地60街区は、2010年度に続き、買い取るとしていますが、その理由は何か、うかがいます。鈴木総務局長:60街区はすでにスポーツパークとして、ご存じのように暫定的に市民利用が行われております。早い時期での民間売却が見込めない土地であることから、市が取得することで、公社の金利負担を少しでも軽減をしまして、公社の経営の健全化に失するということを目的としております。

かわじ議員:答弁のようにありますように、横浜市は、みなとみらい21事業の推進のため土地開発公社を活用し、開発事業者の公募により、民間売却の計画としてきましたが、実際はうまくいかず、公社は銀行からの高い金利を払い続けることにより、2013年度に横浜市が改革推進債を活用し、買い取ることにし、公社は解散するっていうふうにしています。つまり、引き続き60街区を買い取ることですね。

鈴木総務局長:そのつもりでおります。

かわじ議員:結局、60街区は民間売却も見込めず、本市で恒久的に活用するあてもない土地です。60街区全体の時価と簿価の差額、いわゆる簿価割れはいくらになるのでしょうか。

國原契約財産部長:平成21年度末ですけども、簿価144億円に対しまして時価は79億円となっておりまして、差額は65億円となっております。

かわじ議員:簿価のうち、金利分はいくらになるんですか。また、現時点での金利は何%になるんですか。

國原契約財産部長:簿価割れの中で利子分は32億円というふうになっております。昨年度になりますけれども、土地開発公社の借入金の平均利率は1.6%となっております。

かわじ議員:時価と簿価との差額は、本市にとって含み損になりますが、実態について市民への周知をどの様に考えておられるのか、伺います。

鈴木総務局長:本市が保有する西区みなとみらいの土地は、みなとみらい21地区のまちづくりの推進のために、本市が公社に依頼して取得をしたというものでございます。取得した土地については、日産自動車の本社が進出をしたり三井不動産によるオフィスビルの建設が進められているなど、地区のまちづくりに対して一定の貢献をしてきたということがございますので、そうしたことも踏まえて、時価と簿価の差が市民のみなさんの損失に直ちにつながっているとは考えておりませんが、この差を拡大させないためにも、公社の解散を決定したということを公告していきたい、広く知らせていきたいというふうに思っております。

かわじ議員:簿価割れが起きて、損失がないなんてことはそんなことは絶対あり得ないわけですよ。この事業で儲けたのは融資で利益を上げた銀行だと思います。膨大な含み損は、将来への市民負担です。今、市債の低金利への借り換えができるようになっていますし、また一般的にも住宅ローンの低利子借り換えもできるようになっています。土地開発公社への融資により、利益を上げている銀行に対して、さかのぼって金利分の返還等を、相応の負担を求めるべきではないでしょうか、伺います。

鈴木総務局長:銀行との関係では、さまざまな融資条件の中で、最も私どもにとっても有利な条件で折り合うように交渉した結果として、現時点でこういうようなことになっておりますので、最大限私どもとしてはそうした金利負担等が過大にならないように努力もしていきますが、いずれにしても先ほど申し上げましたように、公社を解散することによって最終的な解決を図るというのがいま最善の方法であるというふうに判断をしております。

かわじ議員:60街区は暫定的にスポーツパークとして利用しているっていうことなんですけども、今後どの様に活用していく予定なのか、うかがいます。

鈴木総務局長:スポーツパークは、ワールドカップ開催に伴う助成金を活用した記念事業の一環として、平成27年までの暫定施設として設置した経緯がございます。今後は、周辺街区の開発状況や地域経済活性化の視点などを勘案しつつ、民間売却も視野にいれて利活用を検討していきたいというふうに思っております。

職員監視のコンプライアンス室は組織改変を

かわじ議員:最後は、コンプライアンスについて伺います。コンプライアンス推進室の役割と現状業務はどのようになっているのか、うかがいます。

徳江コンプライアンス推進室長:コンプライアンス推進室は、横浜市職員の公正な職務の執行および適正な行政運営の確保に関する規則に基づきまして、関連する制度や体制を整備し、その運用にあたっております。具体的な業務としては、職員行動基準の定着の取り組み、不適切な事務処理等の再発防止に向けた取り組み、不正防止内部通報制度など、関連する諸制度の運用、その他、職員の服務に関する一部の事務を行っております。

かわじ議員:再発防止の取り組みをするとしていますが、経営処理の適正化、また内部観察などは、監査委員、会計室が本来所管する業務であって、ダブっているのではないでしょうか。

徳江コンプライアンス推進室長:まずは行政内部の方で、外部からの点検に先立って自ら点検をしていくという、いわゆる内部統制の観点から対応しております。

かわじ議員:コンプライアンス室の設置の発端は、中田市長時代の2006年に起きた町田市長の政治資金のパーティー事件でした。前市長は「組織風土が感度を鈍らせた」として、関与した自ら、そして副市長、局長等の責任を曖昧にしたまま、組織風土のせいにして、体制としてのコンプライアンス室を作りました。このことについて、我が党は法令順守に名を借りた職員の締め付け、監視を強めるものとして、また、あるいは住民要望と議員活動の関わりにも支障をきたすなどとして、見直しを求めてきました。職員を大事にするとしている林市長のもとであります。再検討をすべきだと思うが、副市長いかがでしょうか、伺います。

大場副市長:引き続きコンプライアンスの推進にきちんと取り組んでいきたいと思います。

かわじ議員:問題点があるわけですから、やっぱりそういったことについては素直に耳を傾けていただきたいというふうに思いますし、そういうことを願って、質問終わります。


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