議会での質問(詳細)

2011年3月18日

■「請願に対する討論」 白井まさ子議員(2011.3.18)

 私は日本共産党を代表し、今予算議会に提出された市第196号議案「市会議員の議員報酬等に関する条例等の一部改正」と、4件の請願、第42号「ゆきとどいた教育実現のための条件整備について」、第43号「所得税法第56条の廃止を求める意見書の提出方について」、第45号「TPP参加に反対する意見書の提出方について」、第47号「子ども・子育て新システムに関する意見書の提出方について」の不採択に反対の立場から討論を行います。

議員報酬の2割カット3億円をくらし守る予算に使え

 はじめに、市第196号議案についてです。
 日本共産党は、常任委員会で議員報酬を2割削減する修正案を提案しましたが、賛同を得られませんでした。
 修正提案した理由の第一は、現在の市民生活の深刻な実態や本市の厳しい財政状況を考えた時、議員報酬の2割削減で生み出される約3億円を市民の暮らしを守る予算に使うことができるからです。
 第二は、現在の議員報酬年額について、市民の理解を得られる額への見直しが必要だと考えたからです。国会議員は、国会法において「一般職国家公務員の最高額より少なくない歳費を受け取る」と定められている一方、地方議員報酬の基準については地方自治法等においても特別の規定が設けられていません。国会議員の基準を参考にするなら、本市職員の最高職である局長級の平均年収額とほぼ同水準とするのが妥当です。
 本市職員の減額率に応じた報酬減額では、到底市民の理解を得ることは困難です。

全日制公立高校募集枠の拡大を

 次に、請願第42号は、深刻なリストラや雇用破壊、賃金切り下げ、格差と貧困の広がりのなかで、すべての子どもに行き届いた教育をすすめ、のびのび、健やかに成長できる学校をつくるために、教育予算の増額、30人以下学級の実現等教育条件の充実を求めるものです。
 5つの請願項目のうち、特に、「高校入学希望生徒の進路を保障するために、全日制公立高校募集枠の拡大を県に要求してください」という項目について触れたいと思います。
 「全日制高校に行きたい」「せめて高校だけは行かせたい」は、中学生、保護者の願いです。しかし、この春の入試でも、公立全日制で多くの不合格者が出ていて、私学を併願できない、していない生徒は、定時制、通信制に回ることになっています。これは、全国的な現象ではありますが、特に本市をふくむ神奈川県内の実態は深刻です。2009年度2010年度入試では全日制高校進学率が連続で0.5%下がり、ついに88.2%と長洲神奈川県知事が県立高校100校建設計画を立ち上げる以前の40年前まで下がり、全国最低レベルとなっています。これは、県知事が主宰する公私立高校設置者会議が、公立高校全日制の募集定員を公立中学卒業者数の60%と決めていることに主要因があります。昨年9月の同会議では、全日制公立高校定員を1337人減らすことが合意されています。
 私学にも行けない公立全日制の不合格者は、定時制通信制に進学します。その進学者数は10年前の1.8倍に急増し、1校で500人近い夜間定時制高校、5000人を超える通信制高校など、定時制通信制高校の過大化、過密化、学習環境の悪化がすすんでいます。
 中学校卒業生が減っているなか、公立の定員を削減せず、私学の公募人員を若干増やし、私学助成・学費補助を増額して私学進学者を増やせば、希望者がほぼ全員全日制高校に進学できる条件が整います。
 貧困の世代連鎖を断つためにも、高校希望者全入など少子化社会にふさわしく、子どもを大切にする行政運営が急務となっています。請願の「高校入学希望生徒の進路を保障するために、全日制公立高校募集枠の拡大を県に要求すること」は当然です。

家族労働者の働き分を認めよ

 次に、請願第43号は、所得税法56条廃止の意見書の国への提出を求めるものです。同56条は、「配偶者とその親族が事業に従事したとき、その対価の支払いは必要経費に算入しない」というものです。働き分を認めるのは世界標準であり、必要経費に算入しない所得税法56条は家制度のなごりです。一人ひとりの個人の人格を尊重する立場からも、廃止すべきです。不採択に反対です。

農、労、医の分野まで影響及ぼすTPPに反対を

 請願第45号は、TPP参加に反対する意見書を国に提出することを求めるものです。
 政府は、TPPへの6月の交渉参加の姿勢を崩していません。この背景には、輸出産業に代表される財界、市場開放を日本政府に迫っているアメリカの存在があることは明らかです。民主党政権は、食料自給率40%を50%に引き上げるとしていました。食料自給率を14%に低下させるといわれるTPPへの参加は、民主党政権の国民への背反でもあります。
 TPPは労働、安全、医療の分野まで人、物、金の移動を自由化するもので、地域経済や国民の健康やくらしに深刻な影響を及ぼし、市民生活への影響は計り知れません。
 横浜市議会も明確にTPP参加反対の態度を国民に示すべきです。

保育の市場化を推し進める「子ども・子育て新システム」に反対を

 請願第47号は、「子ども・子育て新システム」に関する国への意見書の提出を求めるものです。
 現行の保育・幼児教育制度を大規模に改変することを目指す菅政権は、今国会への法案提出を伺い、先々月に政府案を示しました。
 それによると、幼児教育と保育、子育て支援事業を提供する「こども園」をつくり、財政的な誘導で現行の幼稚園、保育所を10年ほどで「こども園」に移行するよう促す方針ですが、移行期間終了後も幼稚園や2歳以下の保育所は並存します。
 しかし、幼稚園、保育園に直接交付されてきた公的な財政支援を原則としてなくし、保護者への個人給付とする方向です。保護者が利用施設を選び、利用する、その際、利用料の一部を補助するものです。運営を公費で保障する公的保育は解体されます。幼稚園への私学助成も原則的になくなる方向ですが、今後さらに検討するとしています。このように、保育は完全市場化され、「こども園」など事業所の収入は、子どもの人数と利用時間に応じた保育サービスの売り上げだけになります。介護保険が導入された介護事業所と同様、運営は不安定化し、保育者の待遇は悪化、保育の質が下がることは必至です。
 また、政府案では、市町村が行うのは保育の必要性の認定のみです。保護者が施設探しに奔走し、施設側と直接契約することが基本となり、市町村はあっせんだけです。保育料は「公定価格」としますが、保育水準の低い施設、その一方で上乗せ料金によってデラックスな施設という格差が生まれ、どこに入れるかは保護者の経済力次第になる恐れは極めて高いといわれています。
 本市でも、営利法人の運営する保育園が、乱脈な経理などにより破綻し、別法人に運営を移譲するという事例が発生し、営利会社への保育所認可、保育の市場化が、保育事業にとって重大で危険な要素を持っていることを明らかにしました。この問題からしっかりと教訓を引き出せば、保育の市場化を推し進める「子ども・子育て新システム」に明確に反対の態度を取るべきと考えています。議員のみなさんの請願へのご理解をお願いするものです。
 以上、反対討論させていただきました。

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