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2011年度第1回定例会(予算市会)をおえて

                              2011年3月18日
日本共産党横浜市議団
団 長  大貫 憲夫

 3月11日、14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震で、痛ましい犠牲となった方々に対し、謹んで哀悼の意を表するとともに、被災者のみなさんに心から、お見舞いを申し上げます。
 日本共産党は、中央・各県・各地区委員会に同地震災害対策本部を設置し、全国各地で、被災者の方々への救援募金や支援物資など、物心両面での援助活動に取り組んでいます。
 党市議団は14日、林市長に対して「被災自治体等からの支援要請に積極的に応えること」「『計画停電』にあたって医療機関や在宅医療への手立てを講じること」等、7項目にわたって「緊急申し入れ」を行ったところです。

 1月28日から開催されていた横浜市会第1回定例会は、本日、市長が提出した2011年度一般会計予算案をはじめとした予算関連議案すべてが自民、公明、民主などの賛成多数で可決され、閉会。賛成会派で、賛成討論したのは、民主党、公明党だけでした。

 日本共産党は、予算案について、最終日に中島文雄議員が反対討論に立ち、一般会計予算案など22件に反対しました。

1)党議員の質問の主なテーマと市長答弁(要約)
(現年度議案質問)
 かわじ民夫議員が、墓地等の経営許可条例とマンション等の建築・開発に係わる住環境保全に関する条例の改正案について、質問。
 墓地等の建設をめぐり、住民紛争が広がっている中で、周辺環境への配慮が重要です。川崎市や相模原市などでは、学校・病院・人家などから一定の距離を保つよう規定、しかし、横浜市にはその距離規定がありません。かわじ議員は、改正案について、環境への配慮のために距離規定を定めるように主張。
 建設についての事業者と住民間での協議の期間に360日の上限を定めるとしています。かわじ議員は、これまでの事例では協議に平均23か月、最長5年もの期間を要していることを示し、「有期限化は、住民の意向や理解などお構いなく、1年経てば申請できるもの」と批判し、横浜市墓地問題研究会の報告書では希望する購入先の6割が市営墓地であることから、「高価な民間墓地でなく、安価で安心できる公営の墓地提供を図るべきだ」と要求。
 林市長は、市営墓地整備について検討すると答弁。距離規定については、墓地の供給規制につながり需要に応えられなくなるとして、「実現的ではない」と述べ、協議の期限については、紛争の長期化を防ぐために定めたと答弁。

(予算代表質問)
 関美恵子議員は、TPPについての見解、公共事業の優先順位、国民健康保険料、教員不足などについて、林市長の見解を求めました。
 横浜市の国民健康保険料は、2011年度1人当たり昨年比9964円増の12万2917円になる予定で、林市長の2年間で1万7224円もの負担増です。国からの調整交付金が交付されていないため、保険料引き下げのために、一般会計から98億円を繰り入れています。
 関議員は、市社会保障推進協議会が昨年行った調査で、回答者の74.9%が保険料の引き下げを望んでいる結果を紹介、保険料引き下げのために調整交付金の交付を国に働きかけるよう要望。交付が望めない場合でも、一般会計繰入率を引き上げ、値上げを抑制する考えはないかと追求。
 林市長は、近年の医療費増加のため保険料が上がっていると説明。国の調整交付金について「交付されるまで、引き続き粘り強く様々な機会をとらえて国に働きかけを行っていく」と答弁しましたが、新たな市費投入による保険料の引き下げについては言及しませんでした。
 また、関議員は、市立小中学校で正規教員の欠員代替として臨時教員があてられ、その影響で病休や産休の代替教員の確保が困難になっている事態の打開を求めました。

(予算関連質問)
 中島文雄議員は、中小企業振興基本条例が制定されて1年、市内中小企業の「仕事おこし」での成果はどうだったのか、市立学校エアコン設置事業では、教育環境の改善と同時に地元中小企業の振興策の面から、その整備手法について「PFI導入を検討しようと考えているなら、港湾整備など巨大事業を一時見直してでも、エアコン設置事業に回し、地元中小業者の仕事おこしに効果をあげる直接施工で行うべき」と、市長を質しました。
 林市長は、市内中小企業の振興の観点から、本市工事等の発注では可能な限り分離分割発注等を行い、市内中小企業者の受注機会の確保に努めてきた、新年度予算で市内中小企業の技術・経営革新に向け、新技術・新製品の開発に対する支援の大幅拡充、商店街支援の強化、経営相談・金融支援などの経営基盤強化などの充実を図ると述べました。
 市立学校への空調設備設置については、可能な限り市内企業に対し受注機会を提供したいが、2013年度の事業手法については現段階では未定で、今後早急に整備手法を検討すると答弁。
 さらに、中島議員は、住宅リフォーム助成制度の実施、適正な賃金と労働条件を保障する公契約条例の制定、大企業への助成金等のバラマキである企業立地促進条例の廃止を求めました。

2)予算議会内外のおもな特徴
 会期半ばでのTPP慎重対応決議につづき、東日本大震災の救援に関する決議が、最終日の本会議で全員賛成で行われ、市長からの議員歳費引き下げの提案に対し、わが党は、2割削減の修正案を委員会で提案、しかし、賛同者なしで否決に。
 党議員団は、住民の福祉を守るという地方自治体の原点と、災害から命を守るという自治体の責務をしっかり果たす市政への転換を目指して全力を尽くします。目前に迫った政治戦をたたかいぬき、新たな議会でも、立党の精神を発揮して、市民のために、総力をあげて奮闘する決意です。