議会での質問(詳細)

2011年5月31日

■「議案反対討論」 古谷やすひこ議員(2011.5.31)

 私は、日本共産党を代表して、今定例会に提出された議案のうち、3件の議案及び不採択となった請願のうち2件について、反対の討論を行います。

利用者への負担増を押し付ける敬老パスの値上げ案は撤回を

 まず、市第4号議案「横浜市敬老特別乗車証制度の一部改正」及び請願第13号「敬老特別乗車証制度見直し案の慎重審議について」です。
 昨年2月の常任委員会で2011年10月実施というスケジュール案と書かれた資料を回収して当局側に差し戻したという経緯があるにもかかわらず、再びその差し戻したスケジュール案のゴールを変えないで提案したということは、委員会での結論も無視し、日頃から2元代表制を大事にすると言われてきた林市長の主張とは違う、議会軽視の態度だと言わざるを得ません。
 また、取りまとめた市民アンケートについても、その中味についての検証もほとんどなく、市民への周知もホームページ上で公開するのみと、きわめて形式的なものにとどまっております。もし、本議会で議決してしまえば、利用者・市民への周知期間はわずか4か月足らずしかなく、この短期間で今回の値上げを利用者にお知らせするというのは、余りにも乱暴な進め方ではないでしょうか。
 改定については、市長は「低所得者に十分配慮したものになっている」とおっしゃっております。しかし、今回の改正案で予測した金額をみますと、生活保護世帯の、そして所得150万円以下の世帯という低所得者層だけで増額分の半分以上を負担するというのが今回の改正案です。さらに、値上げ率が125%と一番高いのが、本人非課税で同一世帯に課税者がいる場合で、この敬老乗車証の交付者数が一番多い枠であります。これで、どこが低所得者に十分配慮したものとなっているのでしょうか。逆に低所得者にとっては一番負担の多い提案が、本改定案だと言わざるを得ません。
 特に、今まで無料で支給されてこられた70歳以上の生活保護受給者について、負担を新設するのは大問題だと考えます。この世帯は、国の老齢加算が2006年に廃止され、それまでギリギリの生活をしていた中から2割もの生活費が減額され、その生活はきわめて厳しい実態です。
 いま、老齢加算の復活を求めて全国各地で国を相手に裁判が行われております。その裁判の中でも、78歳のある女性の方はこう証言されております。「夫は病気のために、医者からほうれん草など野菜類を多く食べるようにと言われていますが、野菜も高いのでなんとか安い野菜を選んで買っている。普段は2人ともに具合が悪いので、家にいてテレビを見ていましたが、老齢加算が廃止され、これまで以上に節約しなければならなくなった。蛍光灯は普段から一つしかつけておらず、夜はまだ起きているにもかかわらず豆球のままにしている。病院が行う1回3000円ぐらいのバスハイクも行けなくなった。それまでのギリギリの生活から2割も減額されてはまともな生活が出来るはずがありません。裁判所には私たちの苦しみ、分かっていただけますようにお願いします」こう証言されております。
 こういう厳しい生活実態の中で、突然70歳以上の生活保護世帯から3200円を新設で料金を徴収するというのは、生活困難にさらに追い討ちをかける非情な改正案だと言わざるを得ません。
 また、「基礎年金を主な収入として生活するなどの比較的所得の低い方々にも一定の負担をお願いしている」ので、そことの均衡を図ると言っております。そもそも基礎年金ギリギリで生活されている方々というのは、生活保護水準で生活しているにもかかわらず、保護を受けられない、あるいは保護を受けずにがまんされている方々です。貯金を取り崩しながら病院をも我慢して、生活されている方々です。ですから、「低所得者に配慮している」と言われるなら、そういう厳しい生活実態の方からも、負担を求めるべきではないと考えます。
 本市の敬老特別乗車制度は、他都市に比べても優れた誇るべき制度であります。そして、本市を支えてこられた方々への今までの労に報いる、「敬老」という名に値する制度です。
 その誇るべき制度を、この間無料から有料化し、値上げを実施してきたことで、ここ10年で交付率は右肩下がりに下がり続けてきました。そして、さらに今回の提案でも交付率は下がる見込みだということは、「大切な制度だ」と口では言いながら、制度の存在そのものを否定するようなものではないでしょうか。
 さらに、民主党議員のみなさん。先のいっせい地方選挙では、敬老パスについて「利用者の負担増にならないように制度を存続」と「私たちの約束2011 未来への責任ある提言」とかかれた届出ビラ第2号を有権者の方々に配布しております。それにも関わらず、委員会の議論の中では「苦渋の決断だ」とされ、利用者負担増の今改正案に賛成をされました。このことについて、少なくとも有権者の方々への説明責任、果たすべきであると考えます。また、そうしなければ、中央政界での様々な政治不信もつのり、議会のあり方が問われているご時勢、政治家としての矜持が問われるものではないでしょうか。
 わが党としては、あらためて利用者への負担増を押し付ける原案の撤回、求めます。

受験勉強の低年齢化を促進させる中高一貫校は公立校としてふさわしくない

 次に、市第5号議案「横浜市立学校条例の一部改正」及び市第6号議案「横浜市立高等学校の授業料等に関する条例の一部改正」についてです。これは、横浜市立中高一貫教育校として2012年4月に港南区にある横浜市立南高等学校に南高等学校付属中学校を設置し、入学選考手数料を定めるものであります。
 計画案が示された当初から、南高校PTA・生徒会・OB会・地元住民などから反対の声が上がる中、基本計画が策定され、具体化されてきました。学区は、市内全域に加え市外も一定認めるほど広域で、付属中学校4学級160人定員を選考します。その選考方法は、「適性検査及び調査書などにより」とされていますが、適性検査とはいいながら、国語的読解力や数理的・自然科学的な分野まで問われる問題で、とても普通の小学校の勉強をしているだけでは難しく、塾などの特別の指導を受けなければならないような難問であります。全国的に実施されている抽選や面接はありません。昨年行われた学校説明会には、小学校と保護者を合わせて、約1万2000人が参加したということですから、選考が大激戦になることは必至です。
 学校教育法改定で、1994年から設置できるようになった公立の中高一貫教育校の設置数は、平成22年度で全国で176校。当初国会では「偏差値による学校間格差を助長させない」と付帯決議され、学校教育法施行規則でも「選抜で学力検査は行わない」と定められておりました。しかし、2008年12月に行われた政府の規制改革会議の中では、「適性検査の名のもと、実際その内容において学力を問うている公立の中高一貫校が全体の8割に上り、教育委員会による違法措置が蔓延している」と警告を出しております。これを受けて、2009年文部科学省が中教審で、適性検査・教育内容・目標理念など検証がはじまり、現在も作業中であります。
 現在でさえ、小学生のお子さんを持つ家庭では私立中学校受験のために、子どもの塾の送り迎えのために母親がパートをやめたり、小学生の子どもが日曜日の朝からバスに乗って塾に行ったり、家庭の団欒や子どもの健全な成長発達をすることへの悪影響を及ぼすことが容易に予想されています。ましてや、まだ義務教育の範疇である中学校で、受験勉強の低年齢化をさらに促進させるような内容であり、市民のみなさんの税金を使った公立学校のあり方としては、ふさわしくないものと考えます。よって、本市が中高一貫校を設置し、制度化することは、賛成できません。

議会の総意として中学校給食実施に向けて前向きな意思表示を

 次に、請願第5号「横浜市立中学校における給食等の実施について」です。中学校の完全給食は、全国の8割を超える公立中学校で実施されております。神奈川県での実施率は16%と全国46番目です。最下位の大阪府内の各自治体では、大阪市をはじめ今年度から順次実施され始めておりますから、神奈川県が最下位に転落するのは時間の問題です。県内でもすでに8市8町1村で実施されており、お隣の川崎市では市議会で中学校給食の実施を求める決議が全会一致であがり、座間市でも伊勢原市でも実施検討が進んでいます。
 中学校給食を実施することについては、今まで議論を重ねてきたところでありますが、本市の未来を担う子どもたちに対して、教育の一環としても食育も進め、そして成長期に必須の栄養摂取を公に保障する学校給食は大きな役割を果たすものだと考えます。
また、単に子どもたちのためだけにとどまりません。給食施設建設のための建設関係の仕事起しにもつながる、食材に地場産物をつかうことによって地域農業の振興もできる、調理員などの雇用の創出もできる、こういったことで落ち込んでいる地域経済の活性化の起爆剤ともなりえます。
 また、先の東日本大震災で実際体験したように、多くの公立学校は避難所となります。本市の防災計画でも「震災対策編」の中に、「学校に整備されている次のような施設は有効に活用する」とあり、「給食室は、被災市民の援助に有効に活用する」と定められております。しかし、今のままでは、大規模災害が発生し、公立中学校が地域防災拠点となっているところは、自前の給食設備がなく炊き出しができません。
 また2009年市民生活白書によると、2020年には横浜市も人口減少に転じると予測されています。本市の成長戦略としても、若い世代の定住戦略をもたなければ発展はありえません。本市が近隣の他市と比べて、子育て環境・条件がよくならなければ、さらに若い世代の流出が進みかねません。さまざまある子育て環境の要素の中でも、中学校給食は全国の8割の自治体で実施されているわけですから、必要不可欠な要素であると考えます。
 この際、今回のいっせい地方選挙で、ほとんどの政党が公約でこれについては言及しているわけですから、議会の総意として、中学校給食実施に向けて前向きな意思を示すべきときではありませんか。請願の趣旨に沿い、採択を求め、私の討論、終わります。

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