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道理のない教科書採択のやり直しを求めます

2011年8月4日
日本共産党横浜市会議員団
団 長  大 貫 憲 夫

 横浜市教育委員会は本日、教育委員6人中4人の賛成で、中学の歴史、公民ともに育鵬社版の教科書を採択しました。採択は実質的には無効であり、やり直しを求めるものです。

 その理由の第一は、教育委員の資質の問題です。
 育鵬社を押した教育委員4人は、2年前に自由社版の歴史教科書を8区で採決した当時も教育委員でした。
その自由社版教科書は、年表の盗作や史実の間違いなど教科書として足りえない事実が次々と露呈し、盗作については高木文科相も国会で認めるところです。
 この教科書を、当時の審議会の答申を無視し、無記名投票で採択した市教委は、結果責任を負うのが当然です。しかし、市教委は、盗作でも内容には問題ないとする自由社の言い分に寄りかかり、文科省の指示がないことをいいことにして、回収などの手立てをいっさいとっていません。また、この4人の教育委員は全員、責任ある行動をとっておらず、こうした教科書を推した自らの不明をわびることも反省の弁もありません。この4人の教育委員は責任をとって辞任すべきです。
 教育委員としての資質に欠ける4人の教育委員が、今回も教科書採択にかかわり、その4人の賛成で採決された結果に対し、市民的合意と納得を得ることは極めて困難です。
 理由の第二は、育鵬社の歴史教科書の盗作疑惑が未解明なことです。
 盗作疑惑は、自由社だけではありません。今回採択された育鵬社の歴史教科書では、「15世紀の東アジア」の図版や「有権者数の推移」「国民総生産と経済成長率」の各グラフなどで他社の教科書からの盗作が疑われています。採択前に、出版社への問い合わせや独自調査など、盗作疑惑の全容を解明するのが市教委のとるべき態度ではないでしょうか。しかし、市教委は、そのために必要な行動を全く行っていません。
 疑惑が浮上したら、真っ先にことの真偽をただすのが当たり前ですが、それをしていない育鵬社が出版社としての倫理観とモラルを欠如していることも看過できません。盗作するような、教科書会社としての資格のない育鵬社の公民教科書は、認められません。

 日本共産党市会議員団は、市教委として採択前に当然なすべきことをせずに行った今回の採択結果を認めるわけにはいきません。教育委員として資質のない4人の教育委員を入れ替え、採択をやりなしすることこそ、子どもたちの学びの環境整備になるとの立場から、その実現にむけて全力をつくすものです。

以上