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「こんにちは横浜市議団です」8.10号

横浜市教委が育鵬社の中学校歴史・公民教科書を採択
道理のない教科書採択はやり直しを

 横浜市教育委員会は4日、中学校の歴史と公民の教科書に育鵬社版の教科書を採択しました。2012年度から4年間、市立中学校と南高校附属中学校の計149校で約10万人の生徒が使います。

中田前市長任命の4人が育鵬社に投票

 歴史・公民の両教科で育鵬社に投票したのは、今田忠彦委員長、小濱逸郎、野木秀子、中里順子委員の4人。いずれも中田宏前市長が任命した委員です。山田巧委員長と奥山千鶴子委員は、別の教科書に投票しました。
 新聞報道によれば、委員会後の記者会見で、今田委員長は「改正教育基本法や学習指導要領をどれだけ踏まえているかで判断した」と説明。海外メディアからの歴史観についての質問に、「反省すべき部分があるのは間違いないが、全面的に侵略戦争と決めてかかるのはどうか。歴史的な背景などをみて、複合的な観点から考えるべきだ」と答えました。

約650人が傍聴希望

 この日の教育委員会定例会を傍聴しようと、傍聴受付のある横浜市中区の教育文化センターには、傍聴を求める市民が9時前から長蛇の列を作りました(写真)。会議を直接傍聴できたのは、抽選で選ばれた20人のみ。約500人は委員会とは別会場で音声が聞けましたが、100人以上がこの会場にも入れませんでした。
 日本共産党市議団は、開かれた採択を保障するために傍聴希望者全員が入れる会場で委員会を開催するよう求めていましたが、規則で20人となっていることを理由に、傍聴人の増員は認められませんでした。委員会で規則を変更して傍聴人を増やせばよいことで、他市の教育委員会では行われていることです。

教育委員4人を入れ替えて採択のやり直しを

 日本共産党市議団は、今回の採択結果を認めるわけにはいかないと、採択のやり直しを求める声明を発表しました。
 2009年に採択され、現在市内8区で使われている自由社の歴史教科書では、年表が他社の盗作であったことが明らかになり、同社は教育長と市内中学校長宛に「詫び状」を送付しています。今回育鵬社を推した4委員は、2009年に自由社の歴史教科書に投票しましたが、盗作発覚後、なんら責任ある行動をとっていません。
 さらに、育鵬社の歴史教科書の図版が他社の教科書と酷似しており、盗作が疑われているにもかかわらず、市教委は疑惑解明のための行動を全く行っていません。
 党市議団は声明で、「市教委として採択前に当然なすべきことをせずに行った今回の採択結果を認めるわけにはいかない。教育委員として資質のない4人を入れ替え、採択をやりなしすることこそ、子どもたちの学びの環境整備になる」と強調しています。

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「こんにちは横浜市議団です」2011年8月3日(PDF版)