議会での質問(詳細)

2011年12月9日

■「一般質問」 岩崎ひろし議員(2011.12.09)

※実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

東日本大震災を教訓に横浜駅周辺の震災対策を見直せ

岩崎議員:日本共産党を代表して、林市長に質問します。
 はじめに、横浜駅周辺地域の震災対策について、伺います。
 3・11東日本大震災は、津波、液状化、地盤の移動、超高層ビルの長周期地震動など、従来の想定を超えた事態になりました。検証すべき重要事項は、他にも、地下街の浸水、避難誘導、帰宅困難者問題等々、たくさんあります。まちづくりの「前提条件」となるこれらの事項は、現在、国が調査・検証している段階です。その中で津波については、横浜港で想定高さ1メートルであったものが、実際には1.6メートル。その後、当初見直しで3メートルになり、最新の想定では4メートル、浸水深は5メートルと変化し、従来の想定をはるかに超えることがすでに明らかになっています。
 本市のまちづくりの前提条件が、3・11を経験したことで、劇的に変わりました。市長は、どのように認識されているのか、伺います。
横浜駅周辺地域は、震災対策という点から見れば、再整備が最も急がれる地域です。「エキサイトよこはま22」計画がなし崩し的に動き始めていますが、この計画は、3・11後の検証に耐えられません。
 例えば、津波についてみると、神奈川県津波浸水予測図で横浜駅周辺は5メートルの浸水地域とされています。駅の地下部分を含む、現状で約5万6000平米もの地下街への浸水、帷子川河口付近の浸水の対策はどうなっているでしょう。津波の想定高さを1メートルとしている「エキサイトよこはま22」計画は、この点からだけでもすでに破綻しています。また、20年かけて超高層ビルをいくつも建築する計画のようですが、超高層ビルの長周期地震動は、現時点では解決できません、
 この地域はもともと海であり、埋め立て地盤です。大地震発生時には、最も危険性の高いところです。最も危険なところに、人と都市機能を集中させる「エキサイトよこはま22」計画は、災害対策の大原則に全く反しています。
 現在でも、一日の利用者数200万人の横浜駅、周辺地域の市民と来街者、これらの膨大な人々のいのちと安全を守れる計画だと断言できるのでしょうか。市長の認識を伺います。
 私は12月4日、現地を調査しました。西口駅ビルの解体準備が進んでいます。民間先行で、このまま進めてよいのかが問われます。横浜市も関係する民間事業者も、ここはいったん立ち止まって、3・11を真摯に受け止めて、計画を根本的に見直す時ではないでしょうか。まちづくりは50年百年先、さらに何世紀も先を見通して進める必要があります。再整備計画は、現時点で考えうる最善の計画にすべきであります。
 横浜駅周辺の再整備を目的とする「エキサイトよこはま22」計画は、破綻した前提条件の上につくられています。この際、いったん白紙に戻して、つくり直す以外ありません。市長の認識を伺います。

林市長:岩崎議員のご質問にお答え申し上げます。
 横浜駅周辺地域の震災対策について、ご質問いただきました。
 まちづくりの前提条件が変わったとのことですが、想定を超える津波の影響が横浜港でもみられたことや、神奈川県における津波浸水想定の見直しを踏まえ、津波への対策を「エキサイトよこはま22」の計画に反映させる必要があります。一方、地盤の液状化や長周期地震動などの個別の指標は、計画の前提とはなっていませんが、地盤と建築構造物の関係などについて、国や関連する学会などから今回の大震災を踏まえた新たな技術的な知見が示された場合には、計画を検証してまいります。
 これまでの手法では多くの市民のみなさまや来街者の安全を守れないとのことですが、今回の地震で想定を超える津波が発生したことや、一時滞在施設と備蓄品の不足などの課題が明らかになりました。これらを踏まえ、「エキサイトよこはま22」に反映させ、安全で安心なまちづくりに取り組んでまいります。
 「エキサイトよこはま22」の計画を根本的に見直すべきとのことですが、国際都市横浜の玄関口としてふさわしい国際競争力のあるまちとするために、横浜駅周辺の改造を促進する必要があると考えています。従いまして、今回の東日本大震災の経験で得られた新たに課題となる事柄について計画にきちんと反映していきます。

高すぎる介護保険料・利用料の引き下げを

岩崎議員:次に、介護保険制度改定について伺います。
 施行後11年を経った介護保険制度は、「お金が心配で必要なサービスが受けられない」「施設になかなか入れない」など、「介護難民」をつくりだしています。
 経済的理由のひとつは、低所得者にとって保険料・利用料が高すぎることです。
 来年4月からの第5期介護保険事業計画素案は、毎月の保険料を現行4500円から一挙に700円値上げし、5200円にするとしています。大幅な引き上げは、所得の低い高齢者世帯の生活を一層深刻にします。また、特別徴収の層では、保険料滞納が広がり、制度の破綻につながりかねません。
 保険料区分の更なる多段階化による低所得者対策を図るとともに、市が独自努力で介護保険料と利用料の負担増を回避すべきと考えます。
 その財源は、国に負担割合の引き上げを求めるとともに、各種基金を取り崩しと、一般会計からの繰り入れを増やして充当すべきです。市長の見解を伺います。
 もうひとつは、特別養護老人ホーム・ユニット型への入所は、ホテルコストや食事代などが加わり利用料が高くなるため、入所したくてもできない低所得者が増えています。その解決のためには、ユニット型に加え6人部屋などの多床室も設置する必要があると考えます。
 特別養護老人ホームの深刻な施設不足を解消するために、年間300床、今年度から26年度までですが、整備という現計画を見直し、目標を引上げる必要があると考えますが、市長の見解を伺います。
 素案では、地域包括ケアの充実として小規模多機能型居宅介護の充実を上げています。2014年度までに、日常生活圏域に1か所、全市で150か所の事業所をつくるとしていますが、ここでも低所得者が事実上排除されることのないようにすべきです。宿泊費、食費への助成など低所得者の負担軽減策を、市として講じるべきと考えますが、市長の認識を伺います。

林市長:介護保険制度について、ご質問いただきました。
 介護保険料と利用料についてですが、高齢化のさらなる進展に伴い、介護サービスの利用者や1人あたり利用するサービスの量も増えることから、平成24年度から3か年の介護保険料は上昇する見込みです。このため、介護保険給付費、準備基金を取り崩して負担を軽減するほか、保険料段階を見直し、低所得者に配慮した保険料になるよう検討します。
 利用料については、国に対して低所得者への負担軽減策を拡充することを要望しています。また、介護給付費への国費の負担割合引き上げは、国において社会保障全般に検討がなされており、その推移を見守っているところでございます。
 特別養護老人ホームの整備についてですが、入所の必要性、緊急性の高い方が申し込みからおおむね1年以内に入所できる水準を維持するため、今後も年間300床の整備を進めていきます。なお、高齢者人口に対する特別養護老人ホームの整備率は、政令市の中で2位であり、他都市と比較しても高い整備水準にあります。また、実際の入所にあたっては、横浜市特別養護老人ホーム入退所指針に基づき、必要性の高い方は1年も待つことなく、個々の状況に応じて優先的に入所できる仕組みになっています。
 小規模多機能型居宅介護における低所得者の方への負担軽減策についてですが、小規模多機能型居宅介護を始め、ホームヘルプ、デイサービスなどの在宅サービス全般の利用料について、本市独自の助成を行っています。
 食費および宿泊費については、自宅で介護サービスを利用している方との費用負担の均衡を図るため、負担軽減は行っておりませんが、本来であれば国において低所得者の方への負担軽減策を拡充すべきと考えています。

農林水産業や地域社会に壊滅的打撃を与えるTPPに反対表明を

岩崎議員:次に、TPP、環太平洋パートナーシップ協定への参加問題について伺います。
 市長は、11月9日の定例記者会見で、TPPについて「一気に進んでいくのは非常に危険」「少し心配です」と慎重にコメントされています。
TPPへの参加は、農水産物輸入完全自由化で、米の生産が9割減、食料自給率が40%から13%へ低下するなど、農林水産業や地域社会に壊滅的打撃を与えます。市内農産物、特に野菜は生産額ベースで神奈川県全体の17.8%を占めており、市内農業への影響も懸念されます。
 本市においては、中小企業振興基本条例の施行などで、公共工事の多くが市内企業に発注され、市内経済の活性化につながっています。これが、TPP参加となれば、外国企業の参入基準がWTOの約23億円からTPPの約7億円へ引き下げられます。また、入札参加者の地域要件がはずされ、分離分割発注も禁止されるなど、市内企業に打撃となることは必至です。
 市内の農業団体、医師会、消費者団体など幅広い分野からも次々と反対の声があがっています。
亡国の道ともいえるTPP参加に突き進む政府の動きに対して、市長はTPP参加反対の立場を明確にすべきだと思います。市長の決意を伺います。

林市長:TPP協定への参加問題についてですが、私は貿易立国として繁栄を築き上げてきた我が国が、活力ある社会を次世代に引き継ぐために、伸びゆくアジア太平洋地域の活力を取り入れるという観点から、交渉参加に向けた協議に入るということは必要だと思っています。しかし、食料自給率が非常に低いなど、我が国を取り巻く状況も十分に踏まえる必要があります。
 TPP参加に当たっては、農業に従事されている方々への十分な配慮や、様々な影響について議論を行った上で、世界経済状況や震災後の状態を踏まえながら、国益を損なうことのないように、取り組んでいただきたいと思っております。

戸塚区深谷町の樹林地をこれ以上浸食・破壊させるな

岩崎議員:次に、戸塚区深谷町の樹林地保全について伺います。
 先の第3回定例市会で質疑した戸塚区深谷町の樹林地、約4000平米は伐採・整地・区画され、分譲販売されています。残念にも、この区域の貴重なみどりが再生不能になっています。
 開発者は、1坪5万8000円からと宣伝・販売し、購入しようとする市民の問い合わせには、「1坪5万8000円は売り切れ。残りは、1坪10万円から15万円」「今は、住宅は無理だが、将来的には見込みがある」と説明。近隣に市街化調整区域内にもかかわらず、建物が存在しています。購入予定者は格安の土地が入手できたと期待します。このように、事実上の開発・土地分譲が行われています。
 私は12月4日、現地を調査し、そこでは、分譲された区画で家庭菜園の準備をしているところももちろんありましたが、建築の準備と見られる作業を行っている区画がありました。現場は、一刻も目が離せない状況にあります。
 開発の規制強化を図り、市街化調整区域内は建物を建ててはならないこと、利益を目的とした樹林地の売買は許されないことなどを社会的にはっきりさせる必要があります。開発行為が事実上行えないように、効果の上がる措置を講ずる必要があります。警告看板をわかりやすく、大きく、数多く設置すること。さらには、監視パトロールの強化、周辺住民の協力などによって、機を失せず情報を得て対応する必要があります。横浜市の断固たる対応を求めます。
 深谷町の樹林地を、これ以上、浸食・破壊させないために、今回伐採された区域に対して、横浜市が今後どういう対応するのかが問われています。市長の決意を伺います。
 以上で、私の質問を終わります。

林市長:戸塚区深谷町樹林地の保全について、ご質問をいただきました。
 樹林地を保全するための有効な手立てですが、樹林地の保全については、保全制度により指定することで、土地所有者のみなさまにできるだけ長く持ち続けていただくことを基本としており、所有者のみなさまのご理解とご協力が不可欠です。そこで、少しでも協力をいただくために、所有者おひとりお一人にみどりアップ計画の趣旨や保全制度による税の軽減などの支援策についての情報提供や、指定の働きかけを続けています。このような地道な取り組みが保全を進める上で大切なことだと考えています。
 伐採されてしまった区域への対応ですが、違反建築をさせない、見逃さない、許さないという3つの基本方針に基づき、未然防止、早期発見、是正の徹底という姿勢で進めています。
 具体的には、土地の購入者に対し、利用に関する注意文の送付や建築をできない旨を記載した注意喚起看板を増設し、未然防止を図ります。また、違反を重点的に取り締まる区域とし、NPO法人等による監視により違反建築の早期発見に努めます。違反建築を発見した場合には、工事停止命令や除却命令の発令など、徹底した是正指導を行っていきます。
 以上、岩崎議員のご質問にご答弁申し上げました。

 

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